経済・社会的役割

 
 1 誕生の背景/なぜ、ITコーディネータが必要か?
 2 経済・社会的役割/ITコーディネータはどのような役割を担うのか?
 3 政府による支援/政府によるITコーディネータ等活用支援施策
 4 実務上の能力/ITコーディネータに求められる能力
 5 制度の特長/ITコーディネータ資格認定制度の基本的考え方


ITコーディネータはどのような役割を担うのか?

 ITコーディネータは、21世紀のネットワーク社会の中で、次のような役割を担うプロフェッショナルとして活躍することが期待されています。

1 IT経営推進の中心的な担い手

 ITは、あくまで道具にしかすぎません。ITの活用を通じて企業経営者が経営課題を解決し従来のビジネスモデルの転換を行なうこと、あるいは新しい経済・社会システムを構築することが、真のIT活用でありIT経営です。 IT経営を実現する主役はあくまでも経営者や経営戦略企画責任者(Chief Strategic Officer)ですが、これをサポートする人材がITユーザーサイドからみても、 ITベンダーサイドからみても絶対的に不足しています。とりもなおさず、 ITコーディネータが目指している経済・社会的な役割は、この「IT経営」を推進することであり、 ITコーディネータ資格を有する人材の活動領域は、今後飛躍的に拡大してゆくことが期待されます。
 特に大企業と比べた場合、中堅・中小企業を対象としたIT経営の支援環境はまだまだ未整備です。これを推進する中心的な担い手がITコーディネータです。

2 新しいITサービス市場創出の中心的な担い手

 ITは、社会・経済システムを急速に転換させています。そのため、我々の目には見えない新しいITサービス市場が次々と生まれてきます。 ITコーディネータの活動フェーズの一つである「情報化資源調達」という市場もその一つです。特に、数十兆円といわれている行政の情報システム調達のオープン化が行なわれれば、専門性、中立性、信頼性の高い第三者(Trusted Third Party)の役割が飛躍的に高まってきます。また、情報が溢れるなかで、情報の信頼性を評価するサービスニーズも顕在化してきています。 IT社会では、ネットワークを介した間接的な取引やコミュニケーションが中心となるだけに、信頼性の高い中立的な立場の評価者の存在が、様々な局面で求められてきているのです。

3 CIO人材源としての役割

 21世紀は、企業がより高い付加価値を生み出せるか否かが問われる時代になります。そのためには、 ITを経営に活用して、企業内の知恵や知識を有効に活用する仕組みや、顧客とのコミュニケーションの仕組みをデザインし、具現化するプロフェッショナルが欠かせません。こうした役割を担うプロフェッショナルをCIO(Chief Information Officer)と呼ぶとすれば、「体系的に企業内でCIOを育成することができていない。」と多くの企業経営者が考えているでしょう。ましてや、人材の乏しい中堅・中小企業では、内部にそうした人材を抱えることさえ難しいのが現状です。 ITコーディネータ制度は、資格の取得、その資格維持を通じて、大手企業が体系的にCIOを育成するプログラムを提供し人材育成を支援します。したがって、企業内のITコーディネータ資格取得者は、本制度が求める厳しい資格維持条件をクリアすることが将来のCIOになることにつながるのです。 また、人材の乏しい中堅・中小企業には、独立したITコーディネータを増やす、あるいは公認会計士や税理士、中小企業診断士などの身近な専門家にITコーディネータ資格を積極的に取得していただくことにより、より手軽に外部の専門家に相談できる環境を提供してゆきます。

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