経営改革・IT化事例

経営改革・IT化事例
【事例概要】

1.事例報告者
事例題名 「作って納めるまでのシステム」から「儲けるシステム」へ(J015)
事例報告者 岡田 修一
佐伯 祐司
ITC認定番号 0018372002C
0009102001C
事例キーワード 〔業種〕製造
〔業務〕営業支援、在庫削減
〔IT〕情報共有、Web再構築

2.事例企業概要
事例企業・団体名 東海バネ工業株式会社 企業概要調査時点 2002年12月
URL http://www.tokaibane.com/
代表者 渡辺 良機 業種・業態 バネの製造
創業 1934年 3月 会社設立 1944年 3月
資本金 9645万円 年商 13億円 従業員数 70人
本社所在地 大阪市福島区
事業所 工場 伊丹、豊岡
営業所 大阪、東京、広島
業界特性 大量生産品は海外へシフト進む。特注品はすみわけあり。
競合他社 大企業のバネ製造部門、バネ専業メーカ
リード文 当初は、社長としては情報化に関してはあまり問題を感じていなかったが、他の方のアドバイスも聞いてみたいということで西岡IT塾に応募してみた。 進めて行くにしたがって会社は少しずつ変化しはじめ・・

3.コーディネート内容概略
関与経緯 大阪産業創造館の西岡IT塾(第二期)への応募
事例対象期間
(執筆時点)
2002年7月 ~ 2002年9月(2003年10月17日)
フォロー・フェーズは継続中 2002年10月~
事例分野 □経営戦略  □IT戦略  ■経営戦略+IT戦略
事例範囲 ■基礎調査
■経営戦略策定  ■戦略情報化企画  ■情報化資源調達
□情報システム開発・テスト・導入  □運用サービス・デリバリー
留意したこと ITC間でのそれぞれの強みをいかした役割分担
企業の参加意識の高まり
主な成果 新規顧客の開拓が進む
顧客への対応力が高まる
パッケージソフト情報 グループウェアとしてサイボウズを導入

【事例詳細】
(1)会社の紹介
 昭和9年創業のバネメーカーであり、太物コイルバネを中心に高い技術力を有し、多品種微量生産体制で顧客ニーズに細かく対応できるという強みをもつ。 バネメーカーの多くは大量生産主体で海外へ工場をシフトしているが、東海バネはこの強みを軸に国内でがんばってモノ作りを続けていこうとされている。
 情報化への取り組みも先進的であり、過去の受注情報を管理することで顧客からのリピートオーダーに的確に対応できる仕組みを構築して業績を伸ばしてきた。 営業に関しては過去の経緯から営業コストをさげることを目的に「素人でもできる営業」を基本に進め、その結果、業界でも珍しく女性が営業として活躍している会社である。 また、ISO9001&14001も取得しており、経営計画の策定をはじめ会社としてのマネジメントレベルは高い。

(2)プロジェクトの始まった経緯
 大阪産業創造館で企画された西岡IT塾への応募がきっかけである。
 社長としては、当初は情報化に関してはあまり問題を感じていなかったが、基幹系システムを通じて関係のあったベンダーの薦めもあって関心を持ち、 IT化投資の効果を上げたい、他の方のIT化アドバイスも聞いてみたいということで参加を決められた。
 西岡IT塾からは2名のITCが派遣された。
 ・佐伯ITC(経営系) 経営戦略、Webマーケティング が専門
 ・岡田ITC(情報系) 業務改革、ビジネスモデリング が専門

(3)企業状況(開始時)
○現行事業ドメイン
 特定顧客からの特注品のリピート案件が中心。多品種微量生産体制と高い技術力で、顧客からの高品質のものを必要な分だけ作ってほしいというニーズに対応してきた。
○組織体制
・工場は伊丹と豊岡 周辺の宅地化もあって伊丹から豊岡へシフト中
 工場には技術、生産、原価の各グループがいる。
・営業は大阪本社を中心に、東京、広島などに拠点を設置
 営業は以下のような目的での組織変更の途中であった。
 ・オペレーションのコスト削減ために、拠点の事務を統合する
 ・新規案件への対応のため、技術的な対応の出来るセールスエンジニアを営業に配置する
○商品構成
商品 製品特性 顧客・市場特性
コイルバネ ・オーダーメイド
・安定しており、材料在庫も先行のよみはできる
・技術力も優れている
・大型バネ製造用設備を持つ
・熱間成形(大型)と冷間成形の2つの系統あり
・マーケットには東海バネという名前が浸透
・特定顧客の特注品が中心。特に競合が少なく付加価値の高い太物を中心に展開
・中物は大手量産メーカーが中心となった市場価格で付加価値が低く積極的な展開はしていない
サラバネ ・オーダーメイド。規格品もあるが、受注生産
・i-MCという特殊なオリジナル製品がある
・材料は店売品なので在庫の問題は少ない
・リピート品中心。特定顧客を相手にする
・市場の裾野は広い。既存の拡販と新規顧客も拡げていきたい
・価格的な技術競争がある
板バネ ・オーダーメイド
・付加価値が高い
・特殊材料が必要で、在庫の問題がある
・設備投資動向に左右される
・客先が少ない。大手1社集中型。業界は得意先単位にすみわけ。今のところ競合は少ない

○情報機器の普及状況
 パソコンはほぼ一人一台を実現。
 ネットワークはまだISDNが中心で、本社と工場の接続は64K専用線であまり早くはない。
 メインは三菱のオフコンでパソコンとのデータ共有は難しい。
 技術部門にはCADが導入されている。

(4)取り組み内容
①事前調査・社長ヒアリング(2002年6月)
 正式な開始前に、財務諸表などの基礎情報をいただき、社長をはじめとした経営陣の方々から経営理念や当社を取り巻く最近の動きなどについてお話をうかがった。
 佐伯ITCは、財務諸表から読み取れた情報として、「売上のわりに在庫が多い」と「売上が停滞気味である」ことの2点が問題ではと考え、 この時点での仮説としてWebによるマーケティングと在庫の圧縮を提案した。特に、Webに関しては自身のホームページの運用経験をもとにその有効性を力説した。
 岡田ITCは、今後の進め方の説明にあわせて「IT化と世間は騒いでいるが、ITはあくまでも道具であって、業務をどうしたいかを先ず決めなければない」と唱えたが、 東海バネ様も同じような考えをお持ちであった。

②プロジェクト体制の整備とキックオフ(2002年7月上旬)
○体制の準備
 会社側の体制としては、IT化と業務改革に意欲を持つ取締役をリーダーとして、Webを運用していた担当など営業開発の2名が運営メンバーとして参加し、 既存システムの構築に携わった常務にも強くバックアップしていただいた。
 検討メンバーには技術、生産、営業のマネージャーなど実務担当者も参加し、社長を先頭に全社を挙げての協力体制がしかれた。
○キックオフ
 全社の下期開始イベントの中でITC両名をご紹介いただき、今回の取り組みについて説明し今後の協力をお願いした。 また、参加者を対象にハーマンモデルによる思考スタイルの分析と、コミュニケーションの重要さを説明し、これからの取り組みに関心を寄せてもらうようにした。
 ここで、社長よりプロジェクトに対する思いとして次のような発言がなされた。
 「これまで、わが社のシステムは究極のシステムと思っていた。 ベンダーさんの薦めもあって、西岡IT塾に参加したところ、これまでのシステムは作って納めるまでのもので、今後は、発展するシステム、もうけるシステムにする必要がある、 と思うようになった。」
 これが今後のプロジェクトの基本方針ともなった。
○打ち合わせの設定
 打ち合わせは基本、週1回、曜日を固定しての午前中に開催と決めた。 この毎週の打ち合わせは、参加者も多く勉強会さながらの熱気を帯びたものとなった。 この積極的な参加が、改革に向けて会社全体のベクトルをあわせていくことに役立つこととなった。

③現状分析に着手(2002年7月~8月中旬)
○経営環境分析とCSFの設定
 先ず、参加メンバー全員でSWOT分析を実施。各人がカードを使用して自分の思う会社の強みと弱み、会社を取り巻く脅威や機会について書き出した。 次いで、複数の4~5人グループでそれぞれカードの整理を行い、グループごとに内容を発表してその場にいる全員で共有化した。
 その後、ITCが整理して図1のように全体のSWOT分析をまとめた。
<図1:SWOT分析>
S(強み) O(機会)
・トップのリーダーシップのもと近代経営への邁進
・ブランド名が全国に浸透
・重厚長大型多品種少量生産に特化
・歴史が古く、企業基盤が安定している
・重厚長大型の商品開発力がある
・平均年齢が若く組織が活性化されている
・インターネットの利用でビジネスの拡大
・材料購入の安定供給
・販売チャネルの多様化
・SCM構築のチャンス
W(弱み) T(脅威)
・低収益構造
・人材教育不足
・材料在庫が過剰
・プロダクトアウトの生産体質
・販売チャネルが少ない
・マーケットサイズの縮小
・生産の空洞化
・利益率の減少

 ここから裏カード(強みで弱みと脅威を克服する、機会をとらえる など)を切って各人でCSFと思うものをカードに記入し、全体を集約して以下のようなCSFを設定した。
 1)マーケットイン生産体制
  マーケティング機能のレベルアップによる生産体制強化
  顧客認知度の拡大による受注増を目指す
  (高い製品開発力を生かすための営業体制を構築する)
 2)サプライチェーンマネージメントの構築
  安定かつ迅速な供給体制の構築(生産と販売の流れの一元化を実現する)
 3)新製品開発
  新製品開発による市場拡大 高い技術の横展開
 このうち主要な2テーマである「マーケットイン生産体制」と 「サプライチェーンマネージメントの構築」を軸に生産や営業など業務部署ごとに3ヵ年の行動計画(アクションプラン)を描いてみることをお願いした。
 この際、自分の業務を見るとどうしても短期的なものに目をひかれがちなので、自分の担当外の業務をみて、 3年後はそれにどうなってほしいのかという視点から相互に提案していただくようにしてみた。参考までに営業部門の行動計画を以下の図2にあげる。
<図2:営業の行動計画>


以上の検討結果を整理して、ITCが経営戦略企画のたたき台(経営戦略企画書のドラフト版)を作成した。

~一方、具体的施策を設定する際の基礎資料として、現行の業務プロセスや情報システムの分析もこれに併行して実施した。
○現行業務分析
 既にISO9001&14001認定を取得しており業務の標準化と各種マニュアルも整備されていたので、 それらをもとに現行業務を追加ヒアリングして業務の流れを確認した。
 ヒアリングの中で出てきた現行業務の問題点もフロー上の業務の流れに関連つけて整理した。
 主な問題点としては
 ・営業の技術力不足
  顧客からの技術的な質問にすぐに回答できないケースがある。
  工場への技術的な問い合わせが多く技術担当の業務に支障をきたしている。
 ・営業と工場の間の連携のまずさ
  工場と営業との注文関係書類のやり取りに時間がかかる。
 などがあげられた。
○現行システム分析
 情報システムについては、事前にいただいた資料に加えて基幹系システムの構築にかかわられた常務からもお話をうかがい、 営業系システムについては本社での運用状況を確認した。
 主な問題点としては
 ・データ活用の面で基幹系を使い切れていない部分がある
 ・基幹系と個別システム間の連携ができていない部分がある、などがあげられた。
 これらは、基幹系がオフコンで簡単にパソコンとの情報連携ができないことや、 基幹系システムで保持している情報について現場の理解が十分でなかったことが要因のように思われた。

④経営戦略の策定(2002年8月中旬)
 ITCが作成した経営戦略企画のたたき台をもとに、今後の経営戦略について全員参加で検討を行った。 たたき台とは「経営戦略企画書」のドラフト版のことで、それまでの打ち合わせで決めた事項にITCの仮説を加えて整理したもの。 ここでは、たたき台の内容をプロジェクタで前面に投影し、各ページごとにこれから決めるべきことをメンバーに提示して討議を行った。 そうしてSWOT分析から経営戦略企画までの経営戦略策定の流れを追いながら経営戦略の内容確認を進めた。
 特に、他社との比較を行いながら自社の強み(コアコンピタンス)を再確認し、それを活用した戦略を検討することで内容は明確になっていった。(図3参照)
<図3.コアコンピタンス分析>


 ここではCSFと他社との比較をもとに
 ・製品開発力と商品企画力を強みにして、技術難度の高い製品に取り組むこと
 ・製品の特性から、これまでも基本にしてきた多品種少量への対応が必要になること
 ・この二つは競合との差別化の重要な要素になること
 を確認した。

 これによりCSFはさらに具体化し、合わせて目標達成を客観的に評価するため、 3年後の売上高やシェア、在庫水準についても目標数値を設定して、経営戦略企画書に盛り込んだ。

⑤新業務コンセプトの設定(2002年8月下旬~9月上旬)
 ③で分析された現行の業務プロセスをベースに、④で設定した経営戦略を実現していくための具体的施策を検討した。ねらいとしては以下の3点を提示した。
 1)売上拡大=利益率の高い商品をどう展開するか
  売上を上げないと企業の存続はなりたたない。コアである高い技術と品質も、顧客に認知されないと意味はなく、
  受注をいかに拡大していくかの検討が必要があった。
 2)材料在庫削減=多品種少量生産の中で材料在庫をどう削減するか
  現状も在庫は問題、そのまま多品種少量生産を継続すると利益を圧迫する可能性があった。
 3)効率化・スピード化=顧客対応力を強化するため、どう営業を支援するか
  マーケットインの体制には営業と工場の連携は不可欠。営業の技術面能力を高めないと顧客ニーズを見逃す
  可能性があった。
 これも現行フローと新業務のねらいをプロジェクタで前面に映し出し、現行業務のどの部分が問題であって、どうそこを変えていく必要があるのかについて全員で議論を行った。
 そして、決まった取り組み事項をフロー上に書き出して(図4参照 吹き出し部分が取り組み事項)、あるべき業務の姿を検討した。 そして、ここで出された取り組み課題を新業務の要件として整理した。
<図4:現行業務フローと取り組み事項>
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⑥情報化企画の策定/新業務の設計(2002年9月中旬)
○情報化企画
 先ず、情報化成熟度を調査し、現状の情報化レベルを整理した。情報化成熟度調査からは、インフラは一応整備されており企業文化も高いが、 活用度が個人レベルであることから、情報の共有化の必要性が感じられた。
 次いで、新業務の実現に必要な情報化施策を検討して情報化企画書を作成した。
 主要な情報化施策は
 1)Webを活用したマーケットイン体制(Webの再構築)
 2)生産、販売、技術の情報共有化(在庫、原価情報の提供などの業務支援)
 3)営業の技術情報武装(顧客への対応を早め、技術の負担を軽減する)

○新業務の設計
 営業関係については重要でもあり、見直しが必要な業務でもあるので、個別に詳細業務プロセスを分析して改善すべき点を検討して新業務フローを作成した。 ここでは、模造紙を使い、先ず現行フローを作成して業務の流れを押さえ、 その上に新業務コンセプトで設定された新規要件の実現を盛り込んで、変更すべき部分を確認していった。
 一応のフローが作成されたあと、この業務の流れに無理がないかを実務担当者も交えて確認し、新業務フローを完成(図5参照)。 ここで新たに必要となったシステム機能(図5上で黄色部分)をくくりだしてシステム化機能一覧表に整理した。
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新業務のポイントは
・グループウェアなどを活用して生産と営業で情報を共有することで、営業支援を図ろう
・工場と営業との間での図面のやりとり等の連携を見直し、顧客対応のスピードアップを図ろう

⑦施策の展開とフォーローアップ・検証(2002年10月~)
○各部門の行動計画に展開
・経営戦略の検討結果から、事業ドメインは一部修正された。
 特定顧客から「潜在新規顧客」に顧客の範囲を拡大し、自社の能力をアピールするための「情報発信力」を必要能力に
  加えた。
・これまでの課題を一覧に整理し、それらを解決していくための具体的な行動計画(納期・担当)をまとめ、可能な限り数
  値目標も設定した。 これらは全社の年度経営計画や業務別計画の中に盛り込まれ、各部門の業務目標に展開されて
  いった。

○タスク設定と進捗確認
 具体的計画はさらにタスクに分けて責任者と期限を設定し、ガンチャート(図6参照)に展開した。 これをもとに月次でITCも交えた定例会を開き計画の進捗度合いを継続的にチェックした。 その中で、当初の意図どおりに進んでいない件については参加者で対応策を検討し、状況変化で不要となったタスクは見直しするなどした。 また、進めていくうえで必要なタスク(例えば、経営革新法の取得)があれば追加するようにした。
<図6:進捗管理表>
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(5)各施策への取り組みと効果  2002年10月から現在まで、月次の進捗会で継続的に成果指標のモニタリングや問題解決に取り組んできたが、主なテーマについての進捗状況は以下ようになっている。
①Webの再構築
 数社に見積を行ったが折り合わず、佐伯ITCの指導のもとに自前で再構築を進めることになった。 Webのセオリーにしたがってデザイン、コンテンツの見直を進めたが、このことが逆に自社メンバーのスキルアップには役立った。
 ホームページの見た目を改善し内容を充実させることでリピーターを増やすとともに、SEO1)を活用することで新規アクセスの増加を図った。
 Webのリニューアル後、新規顧客の問い合わせが増加し、新規受注に結びつくケースが増え、また、大学からの技術的な問い合わせが増加し、 新しい技術シーズ開拓のきっかけになりつつある。

②情報の共有化
・先ず、営業にML(メーリングリスト)を設定した。
 営業内容をフリーに記述することで状況の共有化を図った。携帯からも手軽に発信できることもあって活発に運用さ
 れ、現在は生産や技術にも拡大して情報共有を行っている。
・次いで、共有化のツールとしてグループウェアを導入した。
 訪問や会議の予定から適用をはじめて、これも活用されている。さらに共有ファイルの管理まで進め、各種の情報提供
 のツールとしても使用している。 当初は営業日報もこれで登録する予定であったが、利便性から今のところはMLでの
 運用をつづけている。
・常務や取締役など会社幹部がMLなどの内容にきちんとフォローし続けていることが活用されている大きな理由と思わ
  れる。 また、伊丹工場と本社間が光ケーブルで接続されるなど、インフラが整備されたことも情報共有の助けになった。

③在庫の削減
 不動在庫は関連会社などに開示して、転売できるものは売却を進めた。Webにも材料在庫を掲示することで、注文の際に参照するなどし、 それを使った製品の受注を図ることで在庫の活用を図った。その結果、在庫は削減されキャッシュフローがかなり改善された。
 また、今回の取り組みを通じて在庫に対する考え方が変わったこと(「必要なもの」から「削減すべきもの」へ)も効果としてあげたい。

 なによりも、いろんな施策を通じて、営業をはじめとした全社員にさらに活気が出てきたことが大きい。 IT化とは直接の関係はないかもしれないが、全体目標と個別目標を明確にして全社でひとつの方向に進んでいこうという動きが活発になったことが、一番の効果かもしれない。

(6)今後の展開
○Webに関しては、さらに売上拡大につながるような施策を検討中。
 コンテンツの充実を目指して、掲示板やバネの知識紹介ページ、バネのキャラクターの開発(バネットくん)などを進めている。
 WebにメールやFAXなども組み合わせたWebマーケティングを展開中であり、その効果も現れつつある。
○情報共有化については、さらに一歩進めて、蓄積した情報を顧客単位に整理して今後のマーケティングに活用していくことを検討中。
○在庫問題は一段落したが、今後も不動在庫の発生時に対応できるような仕掛けは考える。
 また、購入の小ロット化や共同購入など、そもそも不動在庫が発生しないような仕掛けについても難しくはあるが、取り組みを進めている。

【用語解説】
用語 解説
SEO Search Engine Optimization いかに検索エンジンの検索結果の中で上位に自社サイトを表示させるかという技術

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