ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー



◆◆◆◆◆ ITCAメールマガジン「創新」 第126号 2007.3.23 ◆◆◆◆◆

 メルマガ「創新」は、ITC協会会員、ITC資格認定者並びにITC制度に関心を
  持って頂いている皆様(約8千名)に毎月第2/第4金曜日にお送りしています。
━ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……
  1.ITCビジネス成功事例情報
【「ITコーデイネータ」事始(ことはじめ)】
   【小規模企業(10人以下)の困りごとアドバイスの事例と勘所】
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  2.ITC協会からのお知らせ
   ・IT経営キャラバン隊 巡回イベント開催中!
   ・【ITCの皆様に】2007年度資格更新申請のお知らせ
   ・協会機関誌「架け橋」第2号 購読申し込み受付中!
   ・第12回ITC試験 願書受付中 (〜4月12日締め切り)
   ・IT推進アドバイザー派遣制度 新規案件受付終了について
   ・ITCのための継続学習プログラム
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  3.編集後記
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  1.ITコーディネータ・ビジネス成功事例情報

**このコラムでは全国のITCから寄せられた生の成功事例情報を掲載します**
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  ◆「ITコーデイネータ」事始(ことはじめ)

                  NPO法人 ITコーデイネータ京都所属
                               田上 淳一   

  私は大手ITベンダーに身をおく「企業内ITC」です。定年間近に慌てて
  「資格」を取り、おっとり刀で活動を始めたところです。
  NPO法人ITC京都に所属し、休日を利用して、2006年度のIT経営応援隊の
  「経営者個別相談会」、「経営者研修」、「成熟度診断」、「CIO研修」
  の一連の事業に参加しました。

 その結果の“やってみなきゃ判らなかった”感想を述べさせて頂きます。

 1.「企業内ITC」は、まず、外の実践から学ぼう!!
  今回研修での収穫のひとつは、受講者の方のそれぞれの“夢”に直接触れ
  られたことです。西陣織の染め師さんは、“自ら創りあげた染め技を、直接
  消費者に届けたい“と。老舗の漬物屋の社長さんは、”離れた工場と店を
  一気通貫につなぎ、うまい漬物を早くお客に届けたい“と。
  特殊部品製造の社長さんは、”自ら培って来た特殊技術の新製品を世に問
  いたい“と。それぞれに熱い”夢“を聞かせて貰いました。会社では聞け
  ない話も多く、とても刺激になりました。

 研修は、この受講者の“夢”を、経営戦略⇒IT戦略⇒「要求定義書」
  (RFP)へと結実させる流れで進められました。私は助手として初参加
  であり、「人の見よう見まね」で手いっぱいでしたが、不思議なことに、
  研修が進むにつれ、受講者の方の“夢”も次第に共有でき、最後には、
  それぞれについて、納得いただける「解を得る」ご支援ができたように
  感じることが出来ました。受講者にどこまで満足頂ける内容だったか
  判りませんが、私自身は、非常に満ち足りた充実感を味わうことが出来
  ました。

 私自身、長い間、ベンダーSEとして仕事をして来ましたが、常に
  “会社の利益”と言うバリアのなかに居ました。今回の研修は、まずは、
  受講者、経営者の方々の“夢”のみを中心に据え、ぶれずに作業を進め、
  大変新鮮でありました。純粋に“夢を聞き、悩みを一緒に解決する”立場
  は、久方ぶりに“人が人に尽くして得られるさわやかな感動”の味を思い
  出しました。

 「企業内ITC」の方は、是非、どこかのNPO組織に参加して、まず、
  なんらかのITCの実践活動をされたら如何でしょう。“仕事の喜び”の
  原点が再発見できる気がします。

 ところで、一連の研修では「要求定義(RFP)」段階までは行くのですが、
  それ以降の調達・導入・運用のプロセスの支援に繋がっていないのが実情
  です。これは、まさに「ITベンダー」との連携、「ITCプロセス」の下流
  工程の普及浸透が未解決と言うことです。今、「ITC京都」は2007年度
  テーマとしてこの課題を検討中であり、“成功事例”の報告が出来る日を
  期待したいと思っています。

 2.「ITCプロセス」の効用を認識しよう!!
  次に、今回のITC研修を通じて、ひしひしと感じたのは「ITCプロセス」の
  効用です。「先輩の見よう見まね」でコーデイネート作業を進めても、
  「ITCプロセス」に沿って進めれば、自ずから一定の結果が得られると言う
  効用です。SWOT、BSCなどの手法を使いながら、手順を踏んでいくと“夢”
  が具体化され、行動プランとなり、ITの開発要件にまで行き着くと言う流れ
  は「良く出来たガイド」だと再認識しました。

 私は、会社で、開発プロジェクトの失敗を事前に防ぐ、プロジェクト監査
  を担当していました。ご存知のように、プロジェクト失敗の原因の大半は、
  「開発要件を決めるまで」の上流工程にあることが明らかとなっています。
  今、ITベンダーは、こぞって「開発要件の定義」の標準化、及び、上流工程
  の効果的なマネジメント方法を模索中です。実際、要求定義確定以降の
  設計・開発・テスト・移行/導入・運用/保守の下流工程は、PMBOKや
  ITILを基準に標準化が順調に進んでおり、いまや標準化の焦点は、要件定義
  までの上流工程と言うことになっています。

 私は、「ITCプロセス」の持つ要求定義(RFP)作成までの手順の確かさは、
  大いに評価されるべきものと思っています。一部ITベンダーには上流工程に
  「ITCプロセス」をガイドにする動きも出てきていると聞きます。

 「ITCプロセス」が、PMBOK、ITILと並んで、ITベンダーのガイドとして、
  グローバル化も含め、もっと市民権を得る条件は充分にあると私は思います。
  是非、「ITCプロセス」のITベンダーへの普及を図り、「要求定義策定まで
  の上流工程ガイド」のデファクトスタンダードにしたいものです。
  そうすれば「企業内ITC」の役割も評価も格段に向上するものと思います。
  「企業内ITC」の皆さん、「ITCプロセス」の「企業内IT作業の標準ガイド」
  としての活用の道を、私たちと一緒に推進しませんか。

 ・2006年度IT経営応援隊事業:http://www.itouentai.jp/

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  ◆小規模企業(10人以下)の困りごとアドバイスの事例と勘所

                           Afje株式会社CIO
                            ITC 岡田 怜
  私は生まれ育って大田区から出たことが無い、某事務機メーカーのOBです。
  3年前に地域の製造業に貢献しようと旗を揚げました。

 現在大田区では1件、その他で2件(通信サービス業、自然ロウ製造業)の
  アドバイザーをしています。小規模企業の困りごとは単にITに関すること
  だけでなく多岐にわたりますので、とても面白い体験が出来ます。
  その3件の企業の事例を紹介しながら勘所などについて報告します。

 まず驚くのは、どの経営者も上流の経営戦略構築より、すぐ明日から業務
  改革をしたいと要求することです。
  私がお手伝いしている大田区の企業は、平成18年4月に設立された産業技術
  研究所の産総研技術移転ベンチャー企業の立ち上げです。まず、最初に
  頼まれたのが、ホームページの作成とグループウェアの導入でした。
  事業所が本社(つくば市)と営業本部(大田区)の2箇所に分かれていた
  ためです。また、別の通信サービス企業での要求は、ブロードバンド販売
  のために通信事業者の免許取得を急いでほしいということでしたし、
  自然ロウ製造業の方は、業務改革を行いパートでも出来る在庫管理、
  販売管理のシステム化を手伝ってほしい、といった要求でした。

 さて、それぞれの企業の要求への対応ですが、大田区の企業のホームページ
  構築は同じ届出組織のITC仲間に助けてもらいました。検索エンジンを工夫
  してGoogleで検索すると、常に最初のページの最上段に出てくるように構築
  できました。次に、通信事業者免許取得の場合はITC資格が素晴らしく役立
  ちました。取得申請先に電話で問い合わせた際に「私はITCです」と言うと、
  どういう訳か申請書の書き方まで懇切丁寧に教えてくれ、1週間で免許を
  取得することができました。

 ところが、自然ロウ製造業のシステム化の場合はたいへんでした。現状の
  業務分析が必要でしたが、自分でやるしか方法はありません。10人以下の
  企業でしたので市販のパッケージで十分で、短時間にローコストで構築
  できました。次のステップもERPを使わずに市販のパッケージでロット別
  の採算を見られるようにシステム化を準備中ですが、ほぼ目処がつきました。

 10人以下の企業がアドバイザーに期待することは身近な困りごとをロー
  コストで迅速に解決してほしいことです。そのためにはITC仲間の援助と、
  そして、当たり前なことですが常に自分を磨くことが成功の秘訣である
  と考えます。

 (参考)「モノづくり応援隊in大田区」の軌跡
  ・http://www.itc.or.jp/activity/seminar/itc_conf2006/jissen/index.html

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  2.ITC協会からのお知らせ
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  ◆IT経営キャラバン隊 巡回イベント開催中!

 ITCの活躍の場の創出とIT経営の普及・推進を図るため、当協会は12の団体
  ・企業と協力して任意団体「IT経営キャラバン隊」(会長:関隆明/ITC協会
  会長)を設立し、12月九州でのイベントをスタートに全国規模の活動へ積極
  的な参加を行っています。  

 発起人団体の一つである日本商工会議所殿の呼びかけにより、今後、全国
  各地の商工会議所の主催で100箇所を超える「1日イベント・セミナー」を
  開催する計画となっています。協会事務局では、このイベント開催を通じて
  各地域のITCと商工会議所とのマッチングを計画していますが、当該ITCには
  「IT経営」を地域企業に普及定着させるための企画提案・実行推進力が
  求められています。

 関東地区等でのIT経営キャラバン隊イベント開催状況は以下のとおりです。
  ・http://www.itc.or.jp/foritc/exclusive/it_caravan.html
  
  (事例)3/26 松戸商工会議所キャラバンセミナー
  ・http://www.itcaravan.jp/schedule/index.html

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  ◆【ITCの皆様に】2007年度資格更新申請のお知らせ 

 4月3日以降、資格更新申請の受付を以下のとおり開始いたしますので、
  どうぞよろしくお願いいたします。

 1)対象となる方
   2005年度(〜2006年3月)までに資格を取得(認定)された方
  2)更新申請手続き期間
   4月3日午後3時から〜5月31日午前10時迄に
   ITC協会Webページから入力手続きを行ってください 
   (知識ポイント及び実務活動報告を入力)     
  ・資格更新のページ
   https://wwu.itc.or.jp/fmi/xsl/point/p_index.xsl
  3)更新手続料の振込み(6月末迄) ¥21,000円(税込み)
   ※更新申請受領後、協会から申請内容によりポイント取得
   証明書の提出などをお願いする場合があります。

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  ◆協会機関誌「架け橋」第2号 購読申し込み受付中!

 独立系ITCや企業内ITCの具体的な活動内容を直接取材した「架け橋」は
  ITCをはじめ支援者など既に6千名を超える方々に読まれています。

 年間購読申し込みで、ITCは知識ポイント2P/年MAX. を取得できますが、
  2006年度のポイントとなる条件は、3月30日までに購読料金振込み
  まで完了することとなっていますので、ご留意ください。
  (以降は、2007年度のポイント対象となります)

 「架け橋」をまだお読みになっていない方のために、協会ホームページに
  第2号の目次を掲載しました。詳しくは下記URLからご参照ください。
  http://www.itc.or.jp/activity/journals/index.html

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  ◆第12回ITC試験 願書受付中 (〜4月12日締め切り) 

 ITC資格取得の登竜門となる、第12回ITC試験を以下のとおり実施いた
  しますので、ご関係の皆様へのご案内をどうぞよろしくお願いいたします。

  ・試験実施日:平成19年5月27日(日)14:00〜16:00
   ・試験会場:札幌、仙台、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、福岡、宮崎
  
   なお、試験願書に加えて、今回作成した「資格取得ガイド」、「ポスター」
   なども郵送しておりますので、お気軽にお申し込みください。 

 ・詳細、お申し込みはこちらからどうぞ
  http://www.itc.or.jp/authorize/exam/index.html 

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  ◆IT推進アドバイザー派遣制度 新規案件受付終了について

 独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営・実施してきた
  IT推進アドバイス事業(IT推進アドバイザー派遣制度)が、今年度末で
  終了することとなりました。

 協会は、今後とも中小企業基盤整備機構と連携をとりながら、ITCの
  皆様に関係情報等をお伝えしてまいりたいと思います。

 ・IT推進アドバイス事業(独立行政法人中小企業基盤整備機構)
   http://www.smrj.go.jp/keiei/info/it/000182.html

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  ◆ITCのための継続学習プログラム
 
  ITC資格維持のための知識ポイント取得対象セミナー・研修のお知らせです。

 ・詳細はこちら
   http://www.itc.or.jp/activity/seminar/index.html

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  3.編集後記         ITC協会 広報担当  松下 正夫
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  「暑さ寒さも 彼岸まで」  
 
  昨日からすっかり暖かな日和になり、芝公園の桜の蕾もふくらんできました。

 ITC資格認定者も7千名を超え、全国各地から、ITCとしての活動立ち上げや、
  成果開花の話題が寄せられてきています。今号に寄稿されたITCの方の
  お便りも、ITCの活動が次第に地域に根付いてきていることを感じさせます。

 ITC協会では、今年度、外部のPR専門会社の協力も得て、主に中小企業
  経営者層やITベンダー向けに、日本経済新聞など中央のマスコミを始め、
  全国紙の地方版や地方新聞、経営・ITの専門誌にもITCの記事が掲載
  されるよう、プロアクティブな広報活動を推進してきました。
  
  この結果、いくつかのマスコミとの継続的な関係もでき、1年間で約120件を
  超える掲載を確認しましたが、その一部を協会ホームページ※に掲載
  しています。

 来年度は、「ITCのビジュアライズ」をテーマに、独立系のITCのみならず、
  企業内のITCの皆様の活動・成果を、協会機関誌、メルマガ、事例集を
  はじめ、様々なマスコミに情報提供してまいりたいと思いますので
  ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

 ※協会ホームページ:http://www.itc.or.jp/press/index.html
  
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   http://www.itc.or.jp/activity/mail/index.html

 *注意*
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   お問い合わせ・配信停止方法・送付先変更方法はこちらをご覧下さい。
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  ※当協会からのメール配信で、宛名等が外字(機種依存文字)で
  文字化け(抜け)が発生している場合には、略字で対応させて
  いただきますので広報まで御連絡下さい。
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  発行/編集: ITコーディネータ協会 広報担当 松下
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