ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー



◆◆◆◆◆ ITCAメールマガジン「創新」 第134号 2007.7.27 ◆◆◆◆◆

 メルマガ「創新」は、ITC協会会員、ITC資格認定者並びにITC制度に関心を
  持って頂いている皆様(約8千名)に毎月第2/第4金曜日にお送りしています。
━ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……
  1.ITCビジネス成功事例・活動事例情報
   【福井IT経営応援隊での敦賀信用金庫との連携】
【地方でのITCビジネス、問題と改善活動】
【ベンダー所属のITC活動パターンについて】
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  2.ITC協会からのお知らせ
   ・地域IT経営応援隊活動とIT経営キャラバン隊について
   ・ITCカンファレンス2007参加募集開始!
   ・「モノづくり応援隊in大田区」からのご案内
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  3.ITC協会便り「IT経営成熟度診断ツールの新業種版リリース(連載第五回)」
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  4.編集後記
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  1.ITコーディネータ・ビジネス成功事例・活動事例情報

 **このコラムでは全国のITCから寄せられた生の事例情報を掲載します**
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  ◆福井IT経営応援隊での敦賀信用金庫との連携

                     NPO法人 福井県情報化支援協会
                            理事  先織 久恒
 
  福井県では 本年の経営応援隊事業を嶺北塾・嶺南塾の2つの流れを企画
  しました。嶺南塾は敦賀信用金庫様との連携です。

 きっかけは今まで4年間集客の面で連携して頂いた福井県中小企業団体
  中央会の振興課長様からのご紹介でした。
  昨年の秋から打合せが始まり、「信用金庫として、顧客をいつまでも月末の
  資金繰りの不足を補う融資の申込を受けるままにするのではなく、計画的・
  建設的な融資に変更する為、優良顧客にさらに戦略的になって欲しい」との
  思いを聞かされ、連携することとさせて頂きました。

 IT経営キャラバン隊と関西IT経営応援隊を活用して、まず成功事例セミナー
  で顧客に「今の利益状況で満足出来ないなら、経営を少しでも変えねばなら
  ない」と気付いて頂く。

 引き続き経営者研修会で経営の変え方(経営革新のやり方)を経営者の
  知っている手法を効果的に連携させて計画する方法をマスターして頂く。
  また、更に計画の精度を上げる為に個別サポートをプラスする事としました。

 信用金庫様の要望をしっかりと聞き、IT経営応援隊事業を活用する方法を
  アドバイスし、連携して事業をスタートさせることが出来ました。

 セミナーが終わり、信用金庫様は経営者研修会の参加者の確認を、全支店を
  上げて進めて居られます。昨年までにはない力強い集客力を感じています。

 敦賀信用金庫
  http://www.tsurushin.co.jp/

 NPO法人 福井県情報化支援協会
  http://www.itc-fukui.jp/

 株式会社コスモタウン
  http://www.cosmotown.co.jp/

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  ◆地方でのITCビジネス、問題と改善活動

                               ITCあおもり
                             理事  澤田 徳寿

 独立系ITCとして青森県で活動しています。
  青森県は最低賃金・有効求人倍率が全国最下位レベルにあり、景気回復の
  兆しは感じられません。中小企業経営者は苦しい状態で、何かを改善したい
  と感じているものの、売上低迷の中ではコストを増やすことはできない状態
  にあり、補助金活用の専門家派遣事業をお勧めすることが精一杯です。

 青森県でのITCビジネスの問題点は
  1.(成功事例が無いため)金融機関や経営者団体、商工会議所との連携が
   出来ない。
  2.(連携が出来ないため)経営者研修や相談会を実施しても参加者が
   集まらない。
  3.研修の参加者とのコンサルティング契約まで至らない。
   →成功事例が創出できない。
   またはコンサルティングに至っても、経営効果が出るまで出来ない。
  この1〜3の悪循環にあることと考えています。
  国内の地域経済格差が叫ばれている昨今、ITCビジネスもこのような企業
  規模や経営意識の地域格差が大きく影響し、成功事例として公表されて
  いるものの多くは青森県で追従していくことは難しいと考えます。

 さて、このような逆境の中でも事態は少しずつ改善してきています。
  地域応援隊事業で連携を開始した、青森県企業家同友会のIT経営に興味を
  持つ企業と専門家派遣事業でのコンサルティングを始めることになりました。
  10月には地域ICTフェスタも青森県で開催され、ITC協会関会長とIT経営キャラ
  バン隊に来ていただき、IT経営の普及と周知を高める経営者研修を企画して
  います。このような活動から経営効果のある成功事例を創出して、悪循環を
  好循環に変えていきたいと考えています。

 地方にいて感じることは、都市圏とは違った成功モデルがあるのではないか?
  ということです。製造業を始めとした底力のある企業が少ない青森県に
  おいて、何が求められているのか。
  顧客である経営者はどのようなキーワードに魅力を感じるのか。
  厳しい経済環境にあるからこそ、顧客ドメインを高いレベルで把握するセンス
  が求められているように感じます。
  これから地方成功モデルを作り上げることで、地方の多くのITCの方々に独立
  の際の参考にしていただけるよう努力していきたいと思っています。

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  ◆ベンダー所属のITC活動パターンについて

                         NPO法人 ITC茨城 所属
                       茨城日立情報サービス株式会社
                                大久保 賢二

 ITベンダー所属のITコーディネータとして3年が過ぎました。
  軸足は経営者に置きながらベンダーとの中間に立つベンダー所属のITC、
  という複雑な肩書で自分の使命とその答えを模索していた3年でした。
  今回はその3年の中で私なりにわかったベンダー所属ITCの活動パターンを
  ご紹介いたします。多分同じような悩みやジレンマを持っており、ITCとして
  の本格的な活動をされてない方も少なくないと思いますので、ご参考になれ
  ば、と思い紹介させていただきます。

 まず最初の活動パターンは終始コンサルタントに徹するパターンです。
  これは大手のITコンサル会社が行うパターンでありそんなに特別なものでは
  ありません。IT資源調達フェーズでの調達候補ITベンダーには参加しない、
  という前提のもとに経営戦略フェーズからエンドユーザに接するものです。
  しかし、このようなパターンは我々のような中規模クラスSE集団の会社では
  あまり例はありません。

 次のパターンは、RFP発行まではITCとしてエンドユーザと接し、RFP発行以降
  はベンダーとして接するものです。中立的な立場というスタンスが疑われ
  がちになりますが、ITC倫理規程に従い、ITCマインドを持ってエンドユーザに
  ITを提供します。エンドユーザにとっても会社の目標目的を理解している
  ベンダーに頼める、ということでは大きなメリットがあると思います。
  しかし、このパターンも我々の会社では例も少なく、経営戦略からエンド
  ユーザに接する難しさを感じます。

 最後のパターンですが、この場合はITベンダーとしてシステムの引き合いから
  お付き合いが始まります。しかしITCとしての強みはここから発揮し始めます。
  システムの機能仕様の相談を受けながら、そのシステムは企業にとって本当に
  適切な投資なのか、などを掘り下げ、直近の問題解決のための投資と中長期
  的な見方で企業として投資を分けて考えていきます。
  この方式であれば他のベンダーとの差別化にもなりますし、やはりITCとして
  の本来の活動指針である「価値あるIT投資をお客様に」が実現できます。
  とは申しても、まだまだ実績も少なく苦労と反省の連続で、ITCの仲間に支え
  られながらの日々です。
  また別の機会に詳しく事例のご紹介でもできればと思っています。

 NPO法人 ITコーディネータ茨城
  http://www.itc-ibaraki.com/

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  2.ITC協会からのお知らせ 
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  ◆地域IT経営応援隊活動とIT経営キャラバン隊について

 IT経営キャラバン隊は、これまで全国で約55カ所(ITCAの関与件数は約半分)
  の地域でイベントを開催しております。
  幾つかの地域では、地域応援隊組織の設立記念イベントやキックオフの位置
  づけで企画・実施しました。
  キャラバン隊で各地を回って感じることは、19年度地域IT経営応援隊は更に
  地域の独自性で展開され、また求められているということです。
  独自性(地域事情を踏まえた展開ストーリー)を打ち出せる地域では成果が
  積み上がり、打ち出せない地域では成果も細切れになると思いますので、
  他の応援隊活動事例を参考にしながらキャラバン隊を進めてまいります。

 *ITCAキャラバン隊ブログ
   http://itcaravan.blog101.fc2.com/

 *写真ブログ(更新)
   7/13(松山)、18(津山)、20(金沢)、24(津)、25(松阪)
   http://itkeiei.spaces.live.com/

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  ◆ITCカンファレンス2007参加募集開始!

 ・募集期間:8月1日(水)15:00〜 10月初旬頃
   ※満員となり次第締め切らせて頂きます
  ・開催日程:2007年10月19日(金)、20日(土)
  ・開催場所:東京都大田区「大田区産業プラザ」

 *詳細は、こちらをご参照ください
  http://www.itc.or.jp/activity/seminar/itc_conf2007/index.html
   多数の応募をお待ちしております!

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  ◆「モノづくり応援隊in大田区」からのご案内

 企業支援実践体験プロジェクト・メンバー公募のご案内
             「モノづくり応援隊in大田区」幹事 小野 敏夫

 2005年、2006年に引続き、今年のITCカンファレンスの特別企画として、
  大田区のモノづくり中小企業との連携を行います。
  カンファレンス当日は大田区の経営者向けのセミナーを行いますが、
  これを期に参加企業やセミナーをご案内した企業への「経営課題の整理」
  (2回、無料)の支援を行い、その後有料を前提とした本格的な企業支援へ
  と結びつけていきます。多くのITCにとってなかなかこのような、中小企業
  への実践活動を行う場は少ないものです。「モノづくり応援隊in大田区」
  ではこの2年間このような活動で、新たな実践するITCが巣立ちました。
  またその成果として企業からも、地域の行政機関からも信頼され、様々な
  マスコミにも取り上げられるようになってきています。
  今年もこの企画で実践を希望するITCを8月1日より下記ホームページにて
  公募を開始します。
 
  原則として、初めてアポイントを取り、初回訪問から始めて実践活動まで
  結びつけた方をそのクライアントの主担当者とし、経験者がその活動を
  支援します。
  未経験者でも構いません。この機会に実践活動に加わりたい方、大田区
  のモノづくり中小企業支援に貢献したい方々の応募をお待ちしています。

 *「モノづくり応援隊in大田区」のホームページ
   http://mono-ouentai.org

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  3.ITC協会便り    支援・開発委員会 診断ツールWG  天川 龍介
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  「IT経営成熟度診断ツールの新業種版リリース(連載第五回)」
 
  「小売業版活用例紹介」

 このたびリリースすることになりました「小売業種版」について実験事例を
  含めて、いくつかの特徴を述べさせてもらいます。

 まず、対象とする小売業の範囲です。ご存知のとおり、国内の小売業は
  「パパママ」と呼ばれる零細規模の事業者が多くの構成比を持ちますが、
  今回はあえて中心範囲においておりません。理由は、小売業全体が持つIT
  活用度合いの低さにあります。
  小売業は、他業種と比べ、同規模でもIT活用度が低い業種です。その中でも、
  組織的業務の少ない少人数業者となると、その傾向が明確に出ます。

 開発にあたり、念頭においた対象イメージは、地方の食品スーパーチェーン
  ストアです。よって、MD・オペレーション・販促といった点は、少々こだわって
  作業したつもりです。
  逆に、イメージが絞られすぎていて、専門店・通販には使えないとの意見も
  出るかもしれないと感じています。このあたりは、皆様に使っていただき、
  ぜひともご意見をお寄せいただきたいところです。

 では、実際に使うとどうなるかを実験事例を例にご紹介します。
  事例対象は多業態の専門店です。(いきなり使えないかも?と不安が走り
  ます)商品は「祭用品」と特殊、店舗も3店舗、しかも支店制で、通販まで
  やってます。これまた想定外です。
  うまくいかなくても当然のような条件でしたが、参加者の意欲に助けられ、
  なんとか提案までやってきました。そこで明らかになったことは
  ・関係性の薄いワークブックは自ら排除してくれた。
  ・自分の専門業務範囲外では、わからない言葉があった。
  ・IT、業務について、各自の認識差が明確に出た。
 
  結果として、診断したことについては満足いただけたようです。
  印象的な言葉として、従業員のひとりから、「このように、同じ材料、同じ
  土俵で話し合えること自体が奇跡(初めて)です。」がありました。
  つまり、ツールの良し悪しの前に、それを使って意見共有することに意義が
  あるようです。

 今回のバージョンが完成品とはとても言えません。しかしながら、皆様に
  使ってもらい、診断をしていただくこと、それに参加された企業の皆様に
  なんらかの成果を与えられることは、実験を通じてわかったように思います。
  ぜひとも活用いただき、意見、情報をお寄せいただければ幸いです。

 *「お役立ち情報」の診断ツールコミュニティ掲示板
  http://www.itc.or.jp/foritc/useful/knowhow/sindan/sindantool_qa.html

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  4.編集後記           ITC協会 広報担当  山川 元博
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  今号は、青森、福井、茨城、東京のITCの方から寄稿をいただきました。
  寄稿していただいた皆様、ありがとうございました。

 最近の新聞紙上では、各社の4−6月期業績が発表されています。
  概ね業績好調な企業は、既存収益源+新規事業にチャレンジ・成功した企業
  のようです。
  今よりも良くなるために日々行動する事、が大事なことだと分かります。
  特に技術革新の早いIT業界では、さらにスピード感も重要です。

 メルマガ「創新」でも、経営革新を目指し日々行動されているITCの方々が、
  日本中で活躍・活動をされている情報をタイムリーに配信してまいりたいと
  考えておりますので、今後とも宜しくお願いいたします。
  「こんな活動しています」「こんな成果出ました」「参考にしてください」
  等の事例をお持ちの方がいらっしゃいましたら、広報担当までお知らせくだ
  さい。

 私事ですが、6月下旬から7月上旬まで、体を病んで手術・入院をしました。
  改めて健康の大切さを大いに実感いたしました。
  東京も今日の最高気温は33度になり、この夏最高気温を更新するようです。
  日本中これからますます暑くなってまいります。
  皆様、どうぞお体には十分お気をつけください。

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  文字化け(抜け)が発生している場合には、略字で対応させて
  いただきますので広報まで御連絡下さい。
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  発行/編集: ITコーディネータ協会 広報担当 山川
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