◆◆◆◆◆ ITCAメールマガジン「創新」 第138号 2007.10.12 ◆◆◆◆◆
メルマガ「創新」は、ITC協会会員、ITC資格認定者並びにITC制度に関心を
持って頂いている皆様(約8千6百名)に毎月第2/第4金曜日にお送りしています。
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1.ITCビジネス成功事例・活動事例情報
【本音を引き出すコーチング・ファシリテーション】
【ITベンダーのITCとしてお客様にご提供できる付加価値とは?】
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2.ITC協会からのお知らせ
・IT経営キャラバン隊報告
・「ITCカンファレンス2007」のご案内
・日経コンピュータ連載中のお知らせ
・「IPAフォーラム 2007」のご案内
・ITC協会、新任事務局員ご挨拶
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3.編集後記
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1.ITコーディネータ・ビジネス成功事例・活動事例情報
**このコラムでは全国のITCから寄せられた生の事例情報を掲載します**
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◆本音を引き出すコーチング・ファシリテーション
NPO法人ITコーディネータ富山 副会長
有限会社オフィスケイ 代表取締役 川上 渉
<出だしのつまづき>
A社(製造業 社員60名)では、経営改革チームを組み、経営戦略策定〜
アクションプラン実行までを1年間かけてやってきました。
しかし、残念ながら「成果0」という結果になりました。
私は、コンサルに入る時、いつも最初にチームメンバーとの個別面談を行なう
のですが、A社での個別面談の時に「こんなことやっても無駄。」、
とはっきり言う人が8人中3人もいました。
「これだけ、本音を言えれば大丈夫」と高をくくっていたのですが、会議を始
めると、皆さん建前ばかりの「べき論」のオンパレード。とても、本音とは思え
ないような冷え冷えとした優等生発言ばかりです。
私が、いくらアイスブレークを試みても、固い氷は砕けません。さすがに、
ワンマン社長に20年間怒鳴られ続けてきた社員たちは、ガードが固い!
「これは、ダメかも」と思いつつ、1年を棒にふってしまいました。
<1人1人なら>
改革は、「本音で話し合い高い合意が得られた時」、初めて成功する手ごたえ
が得られる。というのが、私の経験値でもあり持論でもあります。
何とか本音で話し合えないか、と考えていた時に、ふと最初の面談で「無駄だ」
と言われたことを思い出しました。
個別面談なら本音を言ってくれるじゃないか!
私はコーチングの企画書を作って提案しました。対象は常務(社長の息子さん)
を含む4人のメンバーで、週1回×6ヶ月です。
「少しづつでも、個々の意識が変わっていってくれれば」という草の根活動に
近い感覚で望みました。
<個人からチームへ>
やはり1対1のコーチングでは本音を話してくれます。3ヶ月ほど経って、4人が
会社の問題点について同じようなことを言っているのに気が付き、閃きました。
「この4人で話し合おう」という事です。
約1ヶ月かけて根回しをしました。
「○○さんも同じような事を言ってますね。」というような事を意識的に吹き
込んだり、コーチングの中締めと称して、飲み会をやったり。
1ヶ月後、「4人とも共通の問題意識がありますので、一緒に話し合いをしませ
んか?」と提案をし、個別コーチングを中断し、4人プラス私(ファシリテー
ター)で、問題分析、解決策策定、アクションプラン企画をやってきました。
思ったとおり、本音と高い合意が得られ、一番大きな問題である「社内コミュ
ニケーションの不足」を解消するために、
1.飲み会・交流会などの社内イベントの定例化
2.他部署の仕事内容を知り、交流を図るための社内研修制度の実施
をプロジェクト化し、現在進めている最中です。
成果がでてくるのは、まだ先になると思いますが、手ごたえからすると成功
確率は、かなり高いと踏んでいます。
コーチングで口を開いてもらい、ファシリテーションで合意を形成していく。
このプロセス、これからも、じゃんじゃん、やっていこうと思っています。
NPO法人 ITコーディネータ富山
http://www.itc-toyama.org/
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◆ITベンダーのITCとしてお客様にご提供できる付加価値とは?
〜 「IT経営百選」優秀賞企業との出会いからの「気づき」 〜
NPO法人ITCかがわ 所属
株式会社STNet
久米 洋介
2002年2月にITC資格を取得した私は、ITC活動と企業活動(プリセールス活動)
をどのように両立させるかを模索しておりましたが、
「ITC活動」(理想)=「所属企業の利益」(現実)
というモデルを描けず、理想と現実のジレンマに陥っておりました。
この課題を解決できないまま3年が経過するなか、2005年4月に企業活動として
晃産業株式会社殿(2006年度「IT経営百選」優秀賞)の基幹システム導入を受
注し、プロジェクトを進める中で、ひとつの答えを得ることができました。
晃産業殿とは、IT導入からのお付き合いとなりましたが、基幹システムをERP
(Enterprise Resource Planning)パッケージに乗せ替えるということで、
この案件でITCプロセスを実践しようと試みました。
スペースの都合で詳細にはご紹介できませんが、プロジェクトの冒頭で一度
経営の視点まで立ち返り、
「経営理念は?」、「経営目標は?」、「プロジェクト目標は?」・・・
という上位目標を一つ一つ明らかにし、真に経営に役立つIT投資になっている
かを検証しながら進めました。
今回の試みは、晃産業の山本社長が積極的に関与したことが大きな成功要因
となりました。山本社長は現状に固執せず、新しくても良いものは積極的に取
り入れ、率先垂範する行動派です。
IT導入後も新しい課題を掘り起こし、計画→実践→評価→改善のサイクルを
繰り返しておられます。
(是非、山本社長のブログを覗いてみて下さい)
この2年は、晃産業殿と共に成長させていただきました。
ITベンダーのITCとしては、このようなユーザーとの関係を多く構築できれば、
ユーザーとのWin-Winの関係を構築できると確信しております。
最後に、地方のITベンダーにとって「理想のITC活動」を自社ビジネスに直結
することは、市場環境やリソース面などの様々な制約があり、非常に困難な
状況にあります。
現状では「IT導入をきっかけとしてITCの知識を活用しながらユーザーの成熟
度に合わせた支援を行なう」といったアプローチが現実的ではないでしょうか。
【理想】経営戦略⇒IT戦略策定⇒IT資源調達⇒IT導入⇒ITサービス活用
【現実】IT導入⇒ITサービス活用⇒業務/IT改善・・・⇒経営戦略・・・
※IT導入の中で経営戦略に立ち返るアプローチも重要。
晃産業株式会社
http://www.hikari-group.co.jp/
晃産業株式会社 山本社長のブログ
http://www.triancircle.jp/taro/
平成18年度IT経営百選
http://www.itouentai.jp/hyakusen/h18/index.html
晃産業株式会社 ERP導入事例
http://www.sap-answer.com/sapcase/type/engineering.html
NPO法人ITCかがわ
http://www.itck.jp/
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2.ITC協会からのお知らせ
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◆IT経営キャラバン隊報告
○全体動向(10/5現在)
IT経営モデル通算開催回数:52回/全体モデル通算回数:78回
○9月度状況(IT経営モデル):7回
9/2 福井県敦賀市:事例:会宝産業、ITC横屋俊一氏
9/5 島根県松江市:ITC上田治城氏
9/13 岩手県釜石市:ITC菅原達朗氏
9/22-23 秋田県秋田市:斉藤光学製作所、ITC佐藤善友氏
9/26 富山県高岡市:粟田アルミ、第一交易、ITC梶野達也氏
○10月度状況:12回
10/1 栃木県足利市
関会長 オープニングテープカット参加
地元ITC:ITC福沢繁氏
○今後の活動:
10/12-14 青森市未来フェスタ
関会長:オープニング&講演
10/16 富山市IT経営キャラバン隊
関会長:オープニング&講演
10/19-20:ITC Conference 2007
IT経営キャラバン隊写真展を企画
※詳細情報は、こちらをご覧ください
IT経営キャラバン隊に関するブログ「IT経営キャラバン隊が行く」
http://itcaravan.blog101.fc2.com/
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◆「ITCカンファレンス2007」のご案内
ITCカンファレンス2007が10月19日(金)20日(土)いよいよ開催されます。
皆様の参加申込をいただき、誠にありがとうございました。
今回も、たいへん多くの参加申込をいただきました。
そのため、ご希望のトラックに参加できない方もいらっしゃいましたこと、
申し訳ございませんでした。
参加される皆様、当日のご来場をお待ちしております。
お気をつけてお越しください。
※詳細は、こちらをご参照ください
http://www.itc.or.jp/activity/seminar/itc_conf2007/index.html
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◆日経コンピュータ連載中のお知らせ
2007年10月1日号より、ITコーディネータ協会監修・ITコーディネータ執筆
による「中堅・中小企業のITマネジメント講座」(7回連載)が掲載中です。
ITCプロセスガイドラインに沿って、事例を交えた内容となっています。
皆様、どうぞご覧ください。
第2回掲載は、2007年10月15日号になります。
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◆「IPAフォーラム 2007」のご案内
情報処理推進機構(IPA)では、来る10月30日(火)、明治記念館にて
「IPAフォーラム2007」を開催します。
IPAフォーラムは、IPAがソフトウェア及び情報処理システムの発展を
支えることを目的に実施している様々な事業の内容や成果を広く紹介
するとともに、その普及と実用化の促進を図ることを目的としています。
オープンソースソフトウェアやソフトウェア・エンジニアリング、情報
セキュリティ、ソフトウェア開発、IT人材育成に関する講演等のほか、
「第3回情報セキュリティ標語・ポスター」、「2006年度下期スーパー
クリエータ」、「2007年度日本OSS貢献者賞」、及び「ソフトウェア・
プロダクト・オブ・ザ・イヤー2007」の各表彰式・認定証授与式を行います。
※詳細は、こちらをご参照ください
http://www.ipa.go.jp/event/ipaforum2007/
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◆ITC協会、新任事務局員ご挨拶
9月よりITC協会に事務局員となりました阿部 満(あべ みつる)
と申します。年齢は39歳でぎりぎり30歳台です。
この度、7月にITC事務局員の公募で、事務局員として光栄にも選考して
いただきました。
現在、当協会では、下田専務理事スタッフとしてITC知名度向上や新たな改革
に向けて新しい取組み行っております。
今後、ITCの皆様とITC協会との密なる連携にて、このITコーディネータの
更なる発展を目指していきたいと思っております。
何卒、宜しくお願い申し上げます。
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3.編集後記 ITC協会 広報担当 山川 元博
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今号は、富山、香川のITCの方から寄稿をいただきました。
寄稿していただいた皆様、ありがとうございました。
来週10月19日、20日に第6回ITC Conference 2007が大田区産業プラザ
(東京都大田区)で開催されます。
今回も多くの皆様に参加いただけることになりました。
ご参加の皆様、当日のご来場を心よりお待ち申し上げております。
実行委員の皆さんと事務局員、それにボランティアの方々にもお手伝いを
していただき、内容はもちろん、気持ちよく過ごしていただけるよう、
現在準備の真っ最中です。
当日は120名を超えるスタッフで、お迎えいたします。
スタッフはイエローのシャツを着ておりますので、何かございましたら、
お気軽にお声をかけてください。
9月・10月、協会に新任の方々が赴任されました。
今号より順番に、メルマガ「創新」上でのご挨拶をしていただきます。
皆様、新しい仲間を宜しくお願いいたします。
※※※※※メルマガ「創新」では、寄稿をお待ちしております※※※※※
「こんな活動しています」「こんな成果出ました」「参考にしてください」
等の事例をお持ちの方がいらっしゃいましたら、広報担当までお知らせ
ください。
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↓ 各種問合せ先 ↓
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「創新」のバックナンバーは、下記に掲載しています。
http://www.itc.or.jp/activity/mail/index.html
*注意*
このメールアドレスは送信専用アドレスです。
お問い合わせ・配信停止方法・送付先変更方法はこちらをご覧下さい。
http://www.itc.or.jp/activity/mail/index.html
※当協会からのメール配信で、宛名等が外字(機種依存文字)で
文字化け(抜け)が発生している場合には、略字で対応させて
いただきますので広報まで御連絡下さい。
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発行/編集: ITコーディネータ協会 広報担当 山川
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