ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー
         ITCAメールマガジン「創新」 第15号 2002.8.23

   目次
1.巻頭言「ITCは日本再生に不可欠なプロフェッショナル集団」
2.ITC中国の動向
3.協会便り「ITC Conference 2002 いよいよ開催!」
4.会員の広場「”遍在”と”偏在”から」
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1.巻頭言 「ITCは日本再生に不可欠なプロフェッショナル集団」
                      ITコーディネータ協会理事 井手 祥司
                           (潟Rア 取締役副社長)

 第1期が誕生してから2年目を迎えようとしている「ITコーディネータ制度」であるが、世間の認知度と評価は正直「今一歩」といったところではないか?日本が永い眠りから目覚める鍵のひとつとが、個々の企業の経営改革であり、そのための21世紀型経営では経営とITを結びつけることが必須である。特に中小企業では、その両方がわかるITコーディネータのような人材のニーズは大きいはずだが、なぜ活用されきれていないのか。
 ITコーディネータは経営改革とその効果的なIT投資をガイドする役割を担った専門家として、経営者にもベンダーにも信頼される存在でなければならない。今までの「コンサルタント」という概念とは違ったプロフェッショナル集団である。その特性を一般の方々に認知していただくためには、経営改革に役立つ質の高いITコーディネータを数多く輩出し、成功事例を増やしていくことが必要である。その成功事例をベンチマークして、社会的共有財産に育てていくことができて、はじめてITコーディネータ制度が成功したと認知されるのではないか?

 またITコーディネータ制度はベンダー中心になりがちであったこれまでのIT産業のあり方に一石を投じた。弊社もITベンダー企業として、ITコーディネータの育成と促進の必要性を痛感し、人事制度改革に着手しているところである。また同時に、今までにないタイプの人材が活躍できるビジネスの場の創生を進めていかなければならないと認識している。ベテランも若手もチャレンジする価値のある魅力的な職種にしていきたいと考えている。個人的にも具体的な内容を知れば知るほど、大変魅力的な資格であり、日本再生に不可欠なプロフェッショナル集団である。早くその魅力を多くの人に理解いただき、ITコーディネータの活躍の場が増えることを希望する。

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2. ITC中国の動向「中国地域ITコーディネータ連絡会(ITC中国)」設立と
                  活動について
                             ITC中国代表幹事 河野亘

 中国地域のITコーディネータ等は中国地域の新たな組織化のために、7月5日に新組織準備委員会を発足し、約2週間に約50件の議論を行いました。「ITC中国を中国経済産業局の行政窓口とし、各県の行政窓口である県単位のITC連絡会の早期立ち上げにも努力する」という案で総意を得て、7月22日に設立趣意案と会則案を新組織検討委員会に付議し、7月29日に一部の修正を経て承認され、新ITC中国は8月1日をもって正式に発足しました。役員構成や会則等はITC中国のホームページをご参照ください。
       http://www.it-coordinator.jp/shibu/itc-chugoku/index.htm

 当面の活動は中国NBCのITSSP事業と中国経済産業局独自の事業を実施します。平成14年度ITSSP事業の中国地域採択分は次の9件です。

(中国)中国NBC:A型交流会、戦略的IT投資研究事業、ITC交流会の3件
(鳥取)鳥取産振構:A型交流会
(島根)しまね財団:戦略的IT投資研究事業
(岡山)岡山財団:A型交流会
(広島)広島ソフトウェアセンター:A型交流会、IT化事例発表の2件
(山口)山口ソフトウェアセンター:戦略的IT投資研究事業

 中国NBCの戦略的IT投資研究事業では3社の派遣先を公募しましたが、10社の応募があり、8月23日には派遣先選定とITCの公募要領を検討します。

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3.協会便り 「ITC Conference 2002 いよいよ開催!」
                   ITコーディネータ協会 広報担当 松下正夫

●「ITC Conference 2002」(8/30〜31)
 2日目(31日)は満員御礼ですが、1日目(30日)についてもお申込みの要望が多数寄せらておりますので、8月25日(日)まで受付を延長致します。
当日、大会運営にご協力頂く「参加者ボランティアの募集」も行っています。(8月25日受付締切)開催を1週間後に控えて、実行委員会の委員・事務局・スタッフは、いよいよ最後の追込みにかかっています。手作りの大会ですが、皆様のご協力・ご支援を得て是非とも成功させたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

●ベンダー企業が顧客企業を対象にITコーディネータ・セミナーを開催
 三菱電機系ITベンダーの(株)栗菱コンピューターズ(芥川哲雄社長)は、8月6日(火)大阪産業創造館で同社の顧客企業21社を集めてRICS-ITセミナー「IT活用による勝ち残り企業への道」を開催しました。
当日は予め公募したITCの中から、佐伯祐司氏、木田崇冶氏が講演し、
ITC協会からもITC制度・ITC活用事例の紹介を行いました。ITベンダー企業がITC制度(倫理規程等)を十分ご理解の上、顧客満足向上のためにITCを紹介するケースとして注目されています。

●第3回ITコーディネータ補試験申込受付開始
 願書申込みを9月30日(月)迄まで受付中です。願書のダウンロード
及び願書・告知ポスターの送付お申込みは、協会ホームページ
http://www.itc.or.jp/ の「ITC補試験」バナーボタンを押して、手続き画面からご利用ください。制度発展のためにも、是非、皆様のご関係の方々にご紹介ください。
 
●第3期(11-2月)ケース研修の募集開始(8月27日〜)
 2002年度第3期ケース研修の募集を8月27日(火)15時からITCAホームページで開始します(先着順)。今年度最後の開催です。

●ITコーディネータ掲載記事
・月刊Computopia  発行:コンピュータ・エージ社
  8月18日(日)発売(9月号) 特集「2002年情報サービス産業ランキング〜
 トップ125社のIT資格取得者数、各資格別取得者数ランキング」
 http://www.computer-age.ne.jp/
 ITコーディネータ資格取得者数が初めて掲載されました。
 また、ITC協会下田専務理事のインタビュー記事も掲載されています。

・「IT Pro」:日経BP社IT総合情報サイト(掲載期間:8月1日〜9月30日)
  ピックアップコンテンツに第3回ITコーディネータ補試験告知を掲載
 IT Proサイト:http://itpro.nikkeibp.co.jp/
 告知広告サイト:http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/pr/itc/

・ZDNet JAPAN:(IT)テクノロジー情報専門サイト
  Newsページ(ZDNet News http://www.zdnet.co.jp/news/)
 に試験告知バナーを掲示(画面左中側:出現率=1/3なので出てこない場
 合は数回画面を更新してください。)

・License World:キャリアアップのための資格・スキル支援サイト
 試験告知バナーを画面右上に掲示 http://www.licenseworld.co.jp/

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4.会員の広場 「”遍在”と”偏在”から」
        株式会社野村総合研究所 経営コンサルティング三部長
                   兼 岐阜大学講師(経営情報学) 増田有孝

 ”遍在”とは広くあまねく存在すること(ユビキタス)、”偏在”とは偏って存在
することだ。私がITCの資格取得を思い立ったのは、自身の業務で日常使て
いる経営技法や情報技術を体系的に整理し直し、ITに関する遍在と偏在の同時進行問題に正面から立ち向かいたかったからだ。夏期休暇中に読んだ田坂広志氏の著作『深き思索、静かな気づき』の「直感は過たない、過つのは判断である」という一節に目が止まった。
 脳裏で、以前に勝ち組コンビニの社長が「情報過多で社員の仮説構築力が
落ちている、提供情報を絞れ」と指示し情報システム機能を変更されたことを
思い出した。圧倒的に競争優位な情報システムを構築し、社員の情報感や仮説検証力で有名な企業である。

 偶発的事象も含めた結果、情報で経営する企業が多い中で、情報をテコにした自分の直感こそが最重要であることを社員に擦り込み続けて仮説構築力を向上させ、より有益な情報を渇望する気持ちを誘発・具現化してシステムを高度化している。情報とヒト、遍在と偏在を手玉に取った見事な経営だと思う。一見したIT活用状況だけでは、その企業の経営方法の良し悪しは判断できない。よって単にIT化の遍在を進めるようなITC活動は、本質的な企業経営の向上に寄与しない。企業規模の大小等によるIT化の偏在を是正しながら、指導先企業の経営に合った適切な遍在を推進していきたいものだ。

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[編集後記]
  「あかあかと 日はつれなくも  秋の風」            (松尾芭蕉)

 夏休みに、福沢諭吉の「学問のすすめ」を、33年ぶりに再読した。学生時代の赤と青の鉛筆の書込みがなつかしい。学問の力が、むずかしき仕事をさせ、身分を重きにし、貴き者とする との記述がある。ITCの皆さんとともに継続学習することで、「厚く学に志し、博く事を知り、銘々の身分に相応すべきほどの知徳を備え」ればと思う。

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                        編集担当:西脇 隆 nishiwaki@itc.or.jp
                        発行:ITコーディネータ協会 広報担当

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