ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー


◆◆◆◆◆ ITCAメールマガジン「創新」 第161号 2008.10.17 ◆◆◆◆◆

 メルマガ「創新」は、ITコーディネータ協会会員、ITコーディネータ資格
  認定者並びにITC制度に関心を持って頂いている皆様に毎月第2/第4金曜日
  にお送りしています。

━ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……
  1)ITコーディネータビジネス成功事例・活動事例情報
  【アンドール株式会社の取り組み
   −デザインのデジタル化とデータ共有化が経営を革新した−】
  【ITC-Labo.の行動指針(前編)】
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  2)ITコーディネータ協会からのお知らせ
  ・ITC Conference 2008が開催されました
  ・第15回ITコーディネータ試験の願書受付を締め切りました
  ・H20年度ITコーディネータ協会主催セミナーのご案内
  ・第12回コミュニティ大会のお知らせ
  ・広報活動のお知らせ「執筆者募集」
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  3)編集後記
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  1.ITコーディネータ・ビジネス成功事例・活動事例情報
  *このコラムでは全国のITCから寄せられた生の事例情報を掲載します*
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      ◇中小企業IT経営力大賞「IT経営実践認定企業」◇

 ◆アンドール株式会社の取り組み
   −デザインのデジタル化とデータ共有化が経営を革新した−

                 有限会社ツトム経営研究所 森下 勉

 『出会い』
  アンドール株式会社の岸村社長との出会いは、2005年9月地元信用金庫の
  方からのご紹介でした。アンドール株式会社は女性用のインナーを企画・
  生産している当時従業員6名の会社です。生産そのものは中国・大連の協
  力工場に委託していました。お訪ねして状況をお聞きすると、皆が忙しす
  ぎて余裕がなく、本来あるべき仕事ができていない、というものでした。
  デザイナーも生産管理担当者も日々の仕事に忙殺されて新しい知識や情報
  を吸収できていない。社長が社長業であるマネジメントや戦略を考える時
  間が取れない。このままだと息切れして会社の将来は危うい。岸村社長か
  らのメッセージは以上のものでした。
  私は、ITコーディネータとして「現状分析」から「改革」をお手伝いし、
  さらに「新しい取組み」をご支援しています。

 『現状分析』
  アンドール株式会社の皆さんが日々の仕事に忙殺されている原因やボトル
  ネックを、業務フローを描きながら分析しました。原因のひとつは、消費
  者ニーズが多様化されたため、春夏物と秋冬物の年間2回の供給が、春夏・
  夏・秋冬・冬、と年4回の供給になり、季節ごとの商品が輻輳するため業
  務プロセスが煩雑になり、ミスの発生も招くことになっていました。
  二つ目は、デザイナーが起こすデザインが手書きなので、個人ごとの品質
  や表現方法にばらつきが発生していました。上流のデザインや表現にバラ
  ツキがあるため下流工程の効率化が図れておらず、使用する素材・部品も
  多岐にわたるということもあり、アナログ作業には限界がきていました。

 『改革<デザインから生産までの一気通貫>』
  そこで、改革の方法として、上流工程であるデザイナーの企画段階からデ
  ータをデータベース化しました。今まで各々で描いていたアナログのデザ
  イン画をパーツ化しデータベース化し、用語の標準化も行いました。そし
  て、企画内でのデータの共有化を図り、次に上流から下流工程間でのデー
  タの共有化を図り、社内と生産部門までのデータの一気通貫を行いました。

 『成果』
  システムが完成したあとの成果には目をみはるものがありました。
  定量的な効果としては、
  1.企画から生産開始までの輻輳する期間の短縮。
   内容:輻輳期間が短くなることにより、デザイナーチームの一人あたり
   平均残業時間が月40時間から10時間に短縮されました。
   時間的(物理的)余裕が発生したことにより、新規顧客の取引に成功し、
   売上高が対前期比で、ほぼ倍の190%アップしました。
  2.企画開発時間の短縮
   内容:1品番あたりのファーストサンプル作成のための工場への依頼書
   類作成時間が、3〜4時間掛かっていたものが15分に短縮されました。
  3.デザインが短時間にできる。
   内容:熟練していない社員でも、規定のデザイン画の作成と変更ができ
   35分で完成できるようになりました。
  4.見積書の作成時間の短縮
   内容:従来の見積書作成時間は2〜3時間だったが、それが15分で行える
   ようになりました。定性的な効果としても今回のIT導入によって、残業
   時間の短縮やエラーやミスの削減が実現したため社員全員に余裕が生ま
   れ、職場環境のモチベーションの向上に役立っています。また、デザイ
   ナーは新しい企画の実現に向ける時間が生まれ、新企画に取り組むこと
   ができるようになりました。生産部門でもエラーが削減できたので、精
   神的にもストレスの軽減になっています。

 『新しい取組み』
  アンドール株式会社では、これまでの取り組みを「知的資産経営報告書」
  にまとめています。知的資産とは財務諸表以外の目に見えにくいものを見
  えるように「魅せる化」したものです。現在、経済産業省の知的資産ポー
  タルサイトに掲載されていますので、一度ご高覧ください。
  http://www.meti.go.jp/policy/intellectual_assets/jirei.html

 アンドール株式会社
  http://www.andor-inc.com/

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  ◆ITC-Labo.の行動指針(前編)

            有限責任事業組合ITC-Labo. 理事長 川端一輝

 2002年ITコーディネータ制度がスタートした翌年、ITC-Labo.は任意組織
  として発足しました。2005年9月に有限責任事業組合(LLP)を設立しまし
  たが、その際、倫理、品質保証、報酬等さまざまな規定や取り決めを策定
  しました。今回はその中から「ITC-Labo.の行動指針」についてお話しし
  たいと思います。

 1.愛と共感
  お客さまと気持ちを共にし、お客さまのこれまでの努力に最大限の敬意を
  払い、共に一歩前進するための共感の土台を築くこと。
  「イエス・アンド」からコミュニケーションは始まります。

 2.倫理・品位・知性
  倫理を重んじ、「いい会社とは」「企業価値とは」というベースに照らし
  て考え行動すること。社会人としてのマナーや品性は言葉に先立って投げ
  かけられるメッセージです。押し付けがましく冷たい知性ではなく、お客
  さまにとって価値ある暖かい知性を磨くことが重要です。

 3.科学の態度
  独りよがりの経験則、まして感情で行動してはいけません。普遍性や論理
  性、世界のスタンダードとの整合性を意識し、学ぶ姿勢を持ち続けましょ
  う。仮説は堂々と主張し、新しい事実の前には勇気をもって仮説を修正す
  ること。公正さと透明性が「科学の態度」のよりどころです。

 【愛と共感】
  あるお客様の支援を始めた時、廊下に数十年にわたる売上推移のグラフが
  貼ってあるのに気付きました。それを眺めていると社長が傍らに来て、「
  これがニクソンのドルショック、それからオイルショックがあって、ここ
  がプラザ合意です。それから、・・・。」と解説して下さいました。七十
  を越えた老社長の遠い目、乗り越えてこられた苦難の歴史、現在の苦境、
  お話をお聞きしているうちに不覚にも涙がこぼれてしまいました。
  何とかして、この社長が役員・従業員さん達と大笑いし喜びあえる時が来
  るよう、支援して差し上げたいと心に誓ったものです。
  これまで生き抜いてきた企業には過去の戦略に正当性があり、今生きてい
  る企業には必ず強みがあります。環境の変化や内在する何らかの阻害要因
  が会社の安全を脅かし成長を妨げているとしても、会社の歴史や皆さんの
  ご苦労を是とし、かつ、現実を冷厳に受け止めるところから経営改革を始
  めるべきだと考えています。否定から入りいたずらにアンチテーゼを突き
  付けたり、知識や論理、「べき論」を振りかざすのではなく、「気づき」
  を促す過程でそれらを効果的に使うのは当然ですが、それだけが仕事では
  ありません。企業側の方々と同じように、ITコーディネータも企業から「
  気づき」を得る柔軟性や余裕を持っているべきだと思っています。

                           (次号に続く)

 ITC-Labo.
  http://www.itc-labo.com/

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  2.ITコーディネータ協会からのお知らせ 
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  ◆ITC Conference 2008が開催されました

 ITC Conference 2008は10月10日〜11日の2日間、延べ1,400名強の参加者
  の皆様を迎え、無事終了することができました。ありがとうございました。
  近日、開催報告を協会ホームページに掲載致します。

 カンファレンスに参加して頂きました皆様のポイント付与につきましては、
  12月初旬より、順次協会で登録させて頂きます。

 【ポイント】
  ・1日あたり8時間相当(2ポイント相当)の知識ポイントを付与致します。
  ・ポイントはランチタイムを境に午前4時間相当、午後4時間相当で、途中
   入場、途中退場の方は受講時間換算でポイントを計算し付与致します。
  ・ポイントは協会付与ポイントとして「知識ポイント 協会セミナー、通
   信教育」の項目での付与となります。
  【ポイント付与時期】
  ・ご参加の皆様の参加料の振込が確認された方及びアンケートを提出され
   た方より、12月から順次付与させていただきます。

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  ◆第15回ITコーディネータ試験の願書受付を締め切りました

応募総数:910件
<内訳>
   ・一般試験:803件
   ・専門スキル特別認定試験:11件
   ・知識試験(含、資格失効者):96件

 第15回ITコーディネータ試験の実施概要
  ■試験日:平成20年11月23日(日)
  ■受験票:平成20年11月上旬に郵送
  ■合格発表:平成21年1月上旬
  ■試験時間:14:00-16:00(120分)※集合時間13:40
  ■試験会場:札幌・東京・名古屋・金沢・大阪・広島・高松・福岡・沖縄
  ■出題範囲等:多肢選択式/100問(必須60問、選択40問)

 ◇専門スキル特別認定試験(2008秋期)も同時に実施します
    □試験時間:14:00-15:20(80分)※集合時間13:40
    □出題範囲等:多肢選択式/60問(必須60問)
    他は前述に同じ

 ※試験問題・模範解答・点数・合格基準は非公表となっています。

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  ◆H20年度ITコーディネータ協会主催セミナーのご案内

 ITコーディネータ協会では、資格者の継続学習の一環として、IT経営を実
  現する人材の育成を目指して、研修・セミナーを実施しております。

 それぞれのセミナーのスケジュール、お申し込み方法等は
  詳細ページをご覧ください。
  (URLが長いため、上手く表示できない方は、1行にしてから表示願います)
  https://wws.itc.or.jp/seminar_guide_n/FMPro?-db=seminar_promoteDisp.fp5&-lay=Disp&-format=seminar_p01.html&nendo_F=1&-Find

 ※追加、変更も発生しますので、必ずホームページでご確認いただくよう
   お願いします。

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  ◆第12回コミュニティ大会のお知らせ

 第12回コミュニティ大会は、ビジネス志向の届出組織を対象に、大田区産
  業プラザで開催の予定です。

 第12回コミュニティ大会の実施概要
  ■開催日:平成20年12月12日(金)
  ■対 象:全国のビジネス志向届出組織
  ■会 場:大田区産業プラザ

 詳細等は、またお知らせいたしますので、お待ちください。

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  ◆広報活動のお知らせ

 ■■月刊「商工会」執筆者募集のお知らせ■■
  9月26日発行のメルマガで執筆者の募集をしたところ、早速応募をいただ
  きました。ありがとうございます。
  あと1名、執筆枠がございますので、再度募集させていただきます。

 全国商工会連合会様が発行している月刊「商工会」誌上に【「社長の気づ
  き」で会社が変わる/ITコーディネータ事例報告】を連載させていただい
  ています。商工会会員ユーザー様を支援されたITコーディネータの方で、
  執筆いただける方を募集いたします。
  □応募、問合せ先:(担当・中塚、山川)Tel「03-5733-8380」または、
  下記URLから、お問合せ先で「広報関連」を選び送信をお願いいたします。
  https://wws.itc.or.jp/cgi-bin/form/toiawase/mailsend.cgi

 広報活動では、連載をしていただけるメディアと新規に取り上げていただ
  けるメディアが増えてきました。ITコーディネータの活躍を広く多く紹介
  できる環境がそろってきましたので、ぜひ皆さんの成功事例を私たちに紹
  介させてください。また、成功事例だけでなく、地域での活動事例もメデ
  ィアでは興味を持っていただけます。ぜひご連絡をお待ちしています。

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  3.編集後記     ITコーディネータ協会 広報担当  山川 元博
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  10月10日・11日の2日間、ITC Conference 2008が開催されました。
  ご参加いただきました多くの皆様、ありがとうございました。
  私も実行委員会ITCA事務局として参加いたしましたが、久しぶりにお会い
  する方々が、講師として、また受講者として参加いただいていて、日々積
  み重ねた結果の一つがカンファレンスなのだな、と改めて感じました。
  さらに積み重ねて行くべく、出会いを大切にしていきたいと思います。

 最近、経営支援のお問合せが増えてきています。特徴としては、自治体様
  からの問合せと、ある程度の規模で新たなシステムを入れるタイミングの
  企業様が多くなっています。経営支援担当として、できる限り現場に出向
  き、支援希望内容のヒアリングと地元ITコーディネータの方の紹介を進め
  ていきますので、皆様のご協力をお願いします。

 今号掲載のITC-Labo.川端理事長の寄稿文は、次回後編の後に、中小企業
  IT経営力大賞「IT経営実践認定企業」の成功事例へと繋がっていきます。
  どうぞお楽しみに。

 ※※※※※メルマガ「創新」では、寄稿をお待ちしております※※※※※
  「こんな活動しています」「こんな成果出ました」「参考にしてください」
  等の事例をお持ちの方がいらっしゃいましたら、広報担当までお知らせ
  ください。

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 *注意*
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   お問い合わせ・配信停止方法・送付先変更方法はこちらをご覧下さい。 
   http://www.itc.or.jp/activity/mail/index.html
 
  ※当協会からのメール配信で、宛名等が外字(機種依存文字)で
  文字化け(抜け)が発生している場合には、略字で対応させて
  いただきますので広報まで御連絡下さい。
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  発行/編集: ITコーディネータ協会 広報担当 山川
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