ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー


◆◆◆◆◆ ITCAメールマガジン「創新」 第173号 2009.4.10 ◆◆◆◆◆
 メルマガ「創新」は、ITコーディネータ協会会員、ITコーディネータ資格
認定者並びにITC制度に関心を持って頂いている皆様に毎月第2/第4金曜日
にお送りしています。

━ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……
1)ITコーディネータビジネス成功事例・活動事例情報
 ◇中小企業IT経営力大賞「IT経営実践認定企業」◇
 【≪2年連続で認定企業≫不況に強い旅館業での頻客の作り方】
 【NPO法人 福井県情報化支援協会の取組】
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2)ITコーディネータ協会からのお知らせ
 ・「ITC協会、委員会・WG活動の情報公開」のお知らせ
 ・7F研修センター開設のお知らせ
 ・業務開発・広報Gからのお知らせ
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3) 編集後記
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1.ITコーディネータ・ビジネス成功事例・活動事例情報 
 *このコラムでは全国のITCから寄せられた生の事例情報を掲載します*
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     ◇中小企業IT経営力大賞「IT経営実践認定企業」◇ 
 ◆≪2年連続で認定企業≫不況に強い旅館業での頻客の作り方                        特定非営利活動法人ITCふくしま 理事 
            フクジンコンサルタンツ株式会社 代表取締役 山口康雄 

100年に一度の大不況。 
地方観光地の宿泊施設はどこも悲鳴を上げている。 
しかし、どの地域でもしっかりとした頻客を掴んでいるところは比較的 経営が安定しているのではないだろうか。

中小企業IT経営力大賞に2年連続で認定企業となった「会津柳津温泉花ホテル滝のや」様の 頻客の作り方には類を見ない特徴がある。 
全国宿泊施設の経営者に少しでも参考としていただけるよう取り組みを紹介してみたいと思う。

■一般的に観光地の宿泊施設は「建物」、「料理」、「接客」、「景観」 、 「料金」、「付帯サービス」などで優位性や独自性を持ち、インターネットや 雑誌などの広告媒体でこれらの優位性を積極的にPRして誘客活動している。

しかし、同旅館はなんとこれらの項目での競争力は低く、逆にあえてホームページを 通じてデメリット情報として公開しているのである。

−建物は改装してありますが、築30年近いのですべてが最新の設備ではなく、 現在お部屋にバストイレが付いておりません。 
−4階建てなのにエレベーターがなく、バリアフリーでもありません。 
−宿の玄関前までは軽自動車と単車しか入れなくて、駐車場は他に10台ほどしかご用意できません。 
−携帯電話及びPHSの種類により電波が弱い場合があります。 
−お部屋からの眺めは温泉街の中でもあまり良くありません。 

では、なぜ2年連続で認定企業になる程、経営内容が良く、 来館するお客様は喜んで訪れるのだろうか? 
そこには他の宿泊施設にない独自の「頻客を作る仕組み」とそれを支える 「ITの仕組み」があるからである。

同旅館が位置するのは福島県・会津柳津温泉。部屋数は8室と少ない老舗温泉旅館である。 福島県会津若松から少し離れた場所に位置する地域で、良質な温泉、SLの走るJR只見線、 虚空蔵尊、只見川、四季の景観、奇祭といわれる七日堂裸詣りなど観光素材豊富な土地でもある。

しかし、交通の利便性が高まるとともに観光客の宿泊者数が減少したことと、 設備の老朽化で宿泊客獲得が困難な状況に危機感を持っていた。 そんな中、商工会でのパソコン体験会受講をきっかけにホームページを 立ち上げた時から今日までインターネットの力を十分に活用しながら不況に強い経営をおこなってきた。

■『不況に強い頻客の作り方』とはこうである。 
同旅館では月に3〜4回の頻度で2000年より「花ホテル講演会」を通算155回開催している。 そして年間来訪者はのべ1,000人以上に達する。

また講演会のテーマは地域文化、歴史、経済、宗教、観光、IT、マーケティングなど 多種にわたり講演者も大学教授から割烹の女将、会社経営者、地元議員、医師、農業生産者、 僧侶、ベンチャー起業家、観光カリスマと様々であり、講演テーマに合わせて町内や県内各地から 様々な人々が集う。講演会聴講者は毎回20名〜30名で、講演会終了後には懇親会が開かれ 講師を含む参加者全員の人脈形成が行われる。

このように講演会開催により参加者は宿泊施設として同旅館を訪れるのではなく、 講演会自発的に参加して自己啓発および人脈形成のために施設を訪れるのである。 そして来館したことに満足し再度訪れるようにもなる。

要するに同旅館の頻客の作り方とは、宿泊施設として「設備」「料理」「景観」で 集客する従来のビジネススタイルから「講演会」という新しい価値を生み出し集客する 仕組みを構築したことである。実際に年に5回も10回も訪問する顧客が数十人いるという。

そして特記する点は講演会の告知集客や実施報告に電子メールやホームページを使い、 講演会当日はライブ中継を行い動画配信サービス活用により全国に配信し、 質問などをチャットで受け付けている点である。 
また参加している地元のSNSでは700人のメンバーが加入し様々な情報交換が活発に行われている。

「リアルなふれあいや交流」をもっとも大切にして、ITインフラがサポートする形で 有効活用しており、より深いコミュニティ形成がなされている。

■平成19年度に「IT経営実践認定企業」に認定され、地元新聞、「コンパス夏号」、 業界雑誌「月刊ホテル旅館」、全国商工会月刊誌「月刊商工会」に紹介されるなど メディアなどで取り上げられる回数が増えた。そして、平成20年度に2年連続で 認定されたことによりさらに注目を浴びている。

先月3月には、講演会実施に合わせチャット対応しながらライブで動画 配信している様子を地元テレビ局に取材され放送され、また、中国IT経営応援隊からの依頼で 島根県の観光宿泊業者向けのIT活用事例発表会に講師として招かれている。 
これらは当館にとって良い宣伝となり、県内外から注目を浴びるとともに 講演会開催依頼も入っているという。

このように長年培ってきた生き残るための独自戦略が開花し、地元地域内での ブランド力向上と売上と利益の確保に結びついている特異な成功事例である。 また、経済不況下にあって従来の常識の範囲を外れた斬新なアイデアの必要性を 学べる事例ではないだろうか。

 会津柳津温泉「花ホテル滝のや」 ホームページ 
 http://hanahotel.jp

 特定非営利活動法人 ITCふくしま ホームページ 
 http://itc-fukushima.main.jp

 フクジンコンサルタンツ株式会社 ホームページ 
 http://www.fukujinn.com

------------------------------------------------------------------ ◆NPO法人 福井県情報化支援協会の取組 

福井県情報化支援協会が支援してきた敦賀信用金庫さんの経営革新の取り組みが、 下記、金融庁のホームページに取り上げられました。

「地域密着型金融に関する取組み事例集の公表について」の 
http://www.fsa.go.jp/news/20/ginkou/20090331-9.html 
「ライフサイクルに応じた取引先企業の支援」の「経営改善支援」 
の20ページめに事例紹介されています。 
http://www.fsa.go.jp/news/20/ginkou/20090331-9/02.pdf

皆様の活動の参考にしていただければ、と思います。 
どうぞご覧ください。

 NPO法人 福井県情報化支援協会 
 http://www.itc-fukui.jp/

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2.ITコーディネータ協会からのお知らせ 
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◆「ITC協会、委員会・WG活動の情報公開」のお知らせ
                             ITコーディネータ協会 事務局

このたび、ITコーディネータ協会では協会内の各委員会及びワーキング グループの活動状況に関する情報公開ページを新規に作成いたしました。
今回は年度末として、2008年度活動情報のまとめを公開いたしました。

2009年度からは四半期ごとに更新し、協会活動状況を協会会員、ITコーディネータの 皆様にお知らせしてまいります。

 新「委員会活動」ホームページアドレス  http://www.itc.or.jp/activity/committee/index.html

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◆7F研修センター開設のお知らせ
                              ITコーディネータ協会 事務局

このたび、ITコーディネータ協会(東京・港区、芝公園リッジビル)の 7Fに研修センターを開設いたしました。
先ずはケース研修、主催研修の開催場所として活用してまいります。

研修センター利用に関するルール等が決まりましたら、協会HP、メルマガ等で 皆様にお知らせをいたします

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◆業務開発・広報Gからのお知らせ
◇【地域ワークショップ】
先月開催されました地域ワークショップ(全国5か所九州・中部・東北 ・中国・近畿、延べ29組織)の発表資料が協会ホームページにて順次公開されていますので、 お知らせします。
 http://www.itc.or.jp/activity/committee/index.html

上記URL、■業務開発・広報委員会「ITC認定者の方はこちら」から、 お入り下さい。
※閲覧対象は会員とITコーディネータの方、12桁の資格者IDとパスワードが必要になります。

◇【協会機関誌「架け橋」第6号発行のお知らせ】
3月27日、機関誌「架け橋」第6号を発行いたしました。
協会ホームページから、購読申込みを受け付けております。
http://www.itc.or.jp/activity/journals/index.html

機関誌「架け橋」の購読申込は自動継続ではございませんので、ご注意ください。 申込状況機関誌に関するお問合せは、上記URLの「お問い合わせ」から受け付けております。 

◇【届出組織の広報ご担当のみなさまへ】
  ご提出頂いております届出用紙の広報担当者メールアドレスに変更ございましたら ITコーディネータ協会広報までメールにてご連絡ください。 協会からの大切なお知らせを、一斉メールでお送りさせて頂いておりますが、 中には宛先不明で戻ってきてしまうメールアドレスがあります。
どうぞよろしくお願い致します。 

◇【「ITコーディネータ活用事例集Vol.5」発刊・配布のお知らせ】
季刊誌「COMPASS」に掲載された、ITコーディネータの企業・自治体支援の成功事例を まとめた「ITコーディネータ活用事例集Vol.5」を発刊いたしました。

好評の事例集vol5が従来よりパワーアップして刊行になりました。 ’11’のITコーディネータ支援事例が掲載されており、ITコーディネータの 紹介ページでは、ITコーディネータ協会関隆明会長からの力強いメッセージも 掲載しています。収録事例は、小売・サービス業から建設業・製造業、 自治体と多彩です。様々な場面でのITコーディネータ広報にお役立てください。

近日中に協会ホームページの下記資料ページに掲載予定です。
   http://www.itc.or.jp/activity/articles/index.html

◇【5/8メルマガ「創新」お休みのお知らせ】
5月8日(金)のメルマガ「創新」は、お休みさせていただきます。
今後の発行スケジュールは、次号4月24日、次々号5月22日になります。

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3.編集後記  ITコーディネータ協会 業務開発・広報担当 山川元博
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3月末に、中小企業IT経営力大賞2009の経済産業大臣賞を受賞された、 東海バネ様を訪問いたしました。大変有名な会社様ですが ’改めてすごいな’と感じたのは、日々IT経営が進んでいることです。 ITにより360°の入口を持ち、多くの新規顧客が増えているにも関わらず、 社員を増やさず残業もほとんど無く対応できていること、そして顧客からの クレームは1%以下だそうです。

その秘訣は、社長が社員のモチベーションを下げないようにアイディアを 引き出す環境作り、すぐに結論を出す会議の進め方。
ある社員は、社長を’キャプテン’とイメージしているそうです。 なるほど、と頷くことばかりでした。

新しい年度になり、気持も新たにスタートをしたい時期ですね。 経済の良くない話を聞くことが多いですが、最近は、メディアから流れる 情報の中に明るいニュースが増えたように思います。
ITコーディネータの支援した成功事例は、もちろん明るい話題です。
日本を明るくするためにも、ITコーディネータの皆さんの活動を、 どんどん広報していこうと思います。

 ※※※※※メルマガ「創新」では寄稿をお待ちしております※※※※※
「こんな活動しています」「こんな成果出ました」「参考にして下さい」等の
事例をお持ちの方がいらっしゃいましたら、広報担当までお知らせください。

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「創新」のバックナンバーは、下記に掲載しています。
http://www.itc.or.jp/activity/mail/index.html

 *注意*
このメールアドレスは送信専用アドレスです。
お問い合わせ・配信停止方法・送付先変更方法はこちらをご覧下さい。 
http://www.itc.or.jp/activity/mail/index.html

※当協会からのメール配信で、宛名等が外字(機種依存文字)で
文字化け(抜け)が発生している場合には、略字で対応させて
いただきますので広報まで御連絡下さい。
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発行/編集: ITコーディネータ協会 広報担当 山川
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