ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー
          ITCAメールマガジン「創新」 第22号 2002.11.29

   目次
1.巻頭言 「ITで甦れ日本!」
2.ITC三重の動向
3.協会便り「2002年度11月度IT・,ITC補認定者発表」
4.会員の広場「「本音を聞き出す難しさ」
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1.巻頭言 「日本経済の再生はITによる経営改革だ」   松島 克守
                                ITコーディネータ協会理事
                     東京大学総合研究機構俯瞰工学部門教授

 本邦の経済はいっこうに回復の様子が見えない。なぜ回復しない のか、なぜ活性化しないのか。しかし、勝ち組と負け組がある。 業績の善し悪しは経営力による。経営者が交代して別会社のように 活性化された大製造業もある。IT業界でも、この十年同じ市場で、同じ テクノロジーで全く復権出来ない企業と、サービス化で再生復活した 企業の差異はまさに経営力の差異であろう。 経営力とは、経営者の能力である。リーダーシップである。現場を巻き 込んだ集団力で改善を推進してきたかっての日本式経営は経営者の リーダーシップではなく、調整能力で遂行された。従って、激変の時代、 ビジネスモデルの改変をリードする経営者は育っていなかったか。 経営力のもう一つは、「IT戦略力」である。集団力に「IT力」を掛け算する 戦略、ビジネスモデルが21世紀は必須である。IT戦略力はむろん経営者 の能力の一つである。過去10年、日米間の大きな差異がこのIT戦略力で ある。
 政治のリーダにしても、90年代をリードした指導者クリントン、ゴアのIT 戦略力と本邦のそれと比較するのも恥ずかしい。企業経営者も同様で、 激動の世紀末を勝ち組でリードした経営者は何れもIT戦略力を備えている。

 ITCAは、IT戦略力こそが企業競争力の時代になったという時代認識から、 中小企業を含めた企業経営者に「IT戦略軍師」を育成派遣する民間主導 組織(NPO)として設立され運動を開始したと記憶している。 少なくとも創立から多少関わりを持ってきた小職はその意識である。特に、 ITがコンピュータであった頃から企業の情報システムの開発運用にご苦労 あった会員にとって、いわば「プロジェクトX」ITで甦れ日本企業、で あろうか。

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2.ITC三重の動向                          内藤 新司朗
                           株式会社三重ソフトウェアセンター

 本年2月に開催した三重県地域のITC交流会参加者が中心となり、 5月に三重ITコーディネータの会(略称 ITC三重)は発足しました。 設立総会の様子は地元商工会議所の会報でも取り上げられ、地域 企業の活性化を担うプロ集団として期待されています。正会員は 三重県内に在住もしくは勤務するITC及びITC補で構成され、現在 の会員数は15名です。

 ITC三重の目的は、
 @三重地区におけるITCの社会的地位の向上
 A地域企業の情報化推進

の2点です。ITC制度が社会的に認知され ITC自身の成熟度も向上して初めてITC活動の場ができ、それに よって地域企業の情報化推進に貢献できるという考えです。 この目的を念頭におき、2か月に1回の定例会、中小企業経営者を 対象としたIT化相談会、外部講師を招いての勉強会等を行って、外に 向けての啓蒙活動や、会員の能力向上・連携強化を図っています。 また、国が進めているITSSP事業にも主体的に取り組んでいます。
 三重県は主に地理的な要因から中部圏と近畿圏に二分され、異なる 生活と経済基盤をもつところですが、各会員は地域の実情にあった 活動を行いながら、全県レベルでの情報化推進、産業活性化に貢献 すべく努力しているところです。

 組織としての規模は小さいですが、隣県のITC活動組織とも連携し つつ、三重県内ITCの結集を図っていきます。

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3.協会便り 「2002年度11月度ITC・ITC補認定者発表」
                    ITコーディネータ協会 広報担当 松下正夫

●2002年11月度ITC,ITC補認定者発表:11月29日(金)15:00
 今回の認定者発表はITC170名、ITC補88名で、累計の認定者数は、 ITC2,000名、ITC補694名、合計で2,694名となります。詳細はITC協会 ホームページ(新着情報)をご覧下さい。
 次回認定者発表は12月末(2002年12月度)の予定です。
  
●「経営改革・IT化事例」11月28日(木)より募集開始
 企業や団体の経営改革やそれに伴うIT化事例の募集を開始致し ました。詳しくは、協会ホームページ「お役立ち情報」の事例情報 メニューをご覧下さい。
         http://www.itc.or.jp/

●第3回ITC補試験1,126名(速報値)が受験:11月24日(日)
 全国9会場(札幌、仙台、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、高松、 福岡)で一斉にITC補試験が実施され、1,126名(速報値)の方が受験 されました(応募者受験率91.3%)。合格発表は1月中旬にITC協会 ホームページで行われる予定です。 次回(第4回)ITC補試験は2003年5月25日(日)。2月1日から応募 受付開始の予定です。

●2002年第3期(11-2月) ケース研修スタート
 今年度最後のケース研修が11月25日(月)東京平日コースを皮切り にスタートしました。全国で18コース(青森、東京、名古屋、大阪、高知、 福岡、宮崎)合計579名の受講生がITCを目指して15日間のハードな 研修に入ります。
(参考)第2期ケース研修を受講修了された方の体験記です。
        http://www.itc.or.jp/w_itcguide/koe/koeD1.html

●ITSSP事業でのITCの活動状況
 経済産業省が実施しているITSSP事業の一貫として、今年度のIT コーディネータの方々が実施してきた活動事例の発表会を、今後、 全国で展開して行きます。これらの発表会は協会が後援し、参加された 方々には知識ポイントがつきます。詳しくは、協会ホームページの 「協賛・共催・後援」をご覧ください。
         http://www.itc.or.jp/event/kakusyu/top.html

●ITC活用事例セミナー(パネルデイスカッション)音声公開
 10月1日に開催した「情報化月間記念式典」(東京全日空ホテル) で、昭和電機(株)柏木武久社長やITCの方々などの討論を収録 した音声ファイルがホームページからダウンロードできます。
         http://www.itc.or.jp/press/press_top.html

●ITコーディネータ掲載記事
・日本経済新聞広告特集 11月28日(木)朝刊 別刷特集版8頁
 「IT有効活用による中小企業経営革新」(全国版:約300万部)
 *ITC全員に公募し応募された中から選ばれた活躍事例(4件)及びITC制
  度等が掲載されました。

  ・日経IT21 1月号(11月29日発売) 発行:日経BP社
    *実録!ITコーディネータ活用 (連載:第10回)
   「新規事業の立ち上げを支援する」 現行業務の見直しや改革だけでな
    く、新規事業の立ち上げにITコーディネータの支援を仰ぐ例も増えてい
    ます。
         http://it21.nikkeibp.co.jp/
 
・日経ITプロフェッショナル 12月号(12月1日発売)発行:日経BP社
 <コラム>IT資格の価値「ITコーディネータ資格」
  経営とITの架け橋となるITコーディネータ資格に注目!
         http://itpro.nikkeibp.co.jp/NIP/

・(予告)テレビ放映
 12月中・下旬に首都圏地区で「ITコーディネータ特集」番組が放送 される予定です。詳しくは次回メルマガでご案内いたします。

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4.会員の広場「本音を聞き出す難しさ」
                                   ITC断士  高島 利尚

 ITC活動の第一歩は、お客様の経営課題を把握することである。 しかしながら、初めてのお客様で、社長とお会いできたとしてもその 会社の経営課題を的確に聞き出すことはかなり難しい。 たとえば、次のような例の場合、どのように対処しますか。

ITC :御社の経営課題は何ですか。
社長:それは儲けることですよ。特に今はね。
ITC :景況も悪く,受注量の減少、単価の切り下げなどが目立っているか
    らですか。
社長:そのとおり、流石ITCは、よく知ってますね。
ITC :ということは、売上確保が重要な課題となりますね。
社長:その通りです。ところで、A社の最近のやり方が急に厳しくなってき
    たがなぜだと思いますか。
ITC :……。
社長:申し訳ない。いきなり変なことを聞いて。チョット急ぎの用件がある
   ので。

 ITCは、お金を払って勉強に行くのではない。お金をいただくに相応 しい提言をするのだ。 最小限HPや会社案内などのオープン情報はもとより、その企業の 属する業界、主得意先の動向、できれば、他の方(出入りのITベンダー など)から過去の訪問記録や提案書の控えなどを確認していくことは いうまでもない。

 当然貴重なインタビュー時に、あたり障りのない天候や趣味の話など は論外である。誠意ある対応(約束は守るなど)をベースに、一つひとつ 着実に歩を進めるようにしたい。

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[編集後記]

「春はあけぼの。夏はよる。秋は夕暮。冬はつとめて。」 枕草子、清少納言

 ITC協会から見る、夕暮れの東京タワーと増上寺の黄葉が美しい。 エッフェル塔やマンハッタン、サンフランシスコの夕暮れに負けていない。 京都東福寺の紅葉には勝てないが。 週報、月報、四半期報、半期報、年報の大切さを、10年ほど前に、 野村総合研究所での目標管理制度企画導入時に再認識し、大学時代 以来再開した。タスクノートは中学生以来つけてきたが、小学生時代 は夏休みのみの絵日記でした。ITCとしての成熟度アップのためにも、 週報等はITC必携ではないでしょうか。
 発行が遅れてご迷惑をかけ、申しわけありませんでした。
 
                        編集担当:西脇 隆 nishiwaki@itc.or.jp
                        発行:ITコーディネータ協会 広報担当

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