ITCAメールマガジン「創新」 第35号 2003.6.6
目次
1.巻頭言「ITの時代への対応は戦略家思想をもて」
2.ITC千葉の動向
3.協会便り 「ITC Conference 2003 開催」8月29日(金)〜30日(土)
4.読者の広場 「これからも宜しくと言われたい−改善活動は大変だ−」
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1.巻頭言 「ITの時代への対応は戦略家思想をもて」
ITCG(グランドファーザー)荒川圭基
(株式会社ジェリコ・コンサルティング代表取締役)
新聞、雑誌、テレビなどマスメディアはITを盛んに取り上げている。書店
の店頭にはタイトル本が並んでいる。「図解・・・」とか「一目でわかるIT」
など本が売れる。
1947年、ENIACという世界最初のコンピュータが誕生してからコンピュータ
の発展は目覚しい。われわれが手にしたのは時間の余裕ではなく、データ・
情報に追われる多忙という世界だ。コンピュータのおかげでますますスピード
化され、生活は忙しくなってしまった。インターネット、電子メール、携帯電話
の出現でますます過ぎ去る時間に追われる。
コンピュータは人間に何をしてくれたであろうか?このような、ますます
忙しくなる毎日では、ゆっくりと思考する時間がない。ソクラテスやプラトン、
アインシュタインを超える人は最早出現しないのではないか。
そういえば、多忙の「忙」という字は「心が滅ぶ」の意味がある。今後ますます
情報が宇宙空間を飛び交う。良い情報もあれば邪悪でくだらない情報、危険な
情報も世界を駆け巡る。その中から取捨選択して情報を使いこなせなくては
ならない。何が重要で何が重要でないか、個々人が対応しなくてはならない。
戦略家という言葉がある。戦略家とは戦略発想のできる人間のこと。多くの
情報を収集する能力があり、その膨大で複雑な情報を理解し、その中から
キーファクターを探しだす能力があり、それを簡略化してコミュニケーション
する能力を有した人間が戦略家である。戦略思想がなくては、情報利用は
難しい。まずは、戦略発想の訓練が必要のようだ。
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2.ITC千葉の動向 ITC千葉会長 小倉道雄
ITC千葉の活動状況を報告します。ITC千葉(会員は現在73名)
結成満1年が経過し、さる5月24日に記念講演会と活動方針決定のため
の総会を船橋情報ビジネス専門学校にて開催致しました。
参加者は来賓6名、会員37名、外部参加者1名であった。前半を来賓
紹介・挨拶、講演会とし、後半を総会に充てた。
来賓挨拶のおり経済産業省関東経済産業局情報政策課長明田任功様
から千葉の松戸、柏、埼玉の三郷地区が国の経済活性化のためのクラ
スター構想の指定地域となり、今後IT需要も多くなろうとの興味ある講話が
あった。千葉県商工労働部産業振興課新産業創造室長山口久雄様からも
同趣旨の話があり、我々一同意を強くしたものである。
講演では千葉県産業振興センター参事の山口久雄様から、「中小企業
支援センターの概要」について、ITCAの弓崎伸彦様からは、「全国の
届出組織の活性状況」について、ITCの神田順様から、「ITプロジェクト
とプロジェクトマネジメント」その(1)についてお話いただいた。その(2)は
次回8月の予定である。
総会では、ITC千葉の役員は1期2年、1年で半分交代との規約がある
ため役員11名のうち6名が改選された。それぞれ役割を分担し今後1年間
活動することとなる。
今年の活動方針として中堅・中小企業支援活動の強化、会員のスキル
アップのため年4回の研修会の開催、当会の広報活動強化、会員の活動
基盤の強化を図る予定である。その一環として千葉県(近隣でも可)に
在住もしくは勤務先を有するITC(補)を募集中である。
希望者は
http://www.itc-chiba.net/
にて入会案内をお読みください。
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3.協会便り 「ITC Conference 2003 開催」8月29日(金)〜30日(土)
ITコーディネータ協会 広報担当 松下正夫
●「ITC Conference 2003 開催」8月29日(金)〜30日(土)
ITC協会主催「ITC Conference 2003」(東京国際フォーラム)の参加募集
受付けを6月中旬から協会ホームページで開始致します。なお、大会協賛
広告の募集も行いますのでよろしくお願い致します。
●日経新聞朝刊掲載のITC特集記事で反響!(5月23日)
5月23日(金)朝刊(東京、大阪、名古屋エリア版)の広告特集「中堅・中小
企業のIT化」でITCの紹介記事が掲載されました。掲載当日より、経営者の
方々や資格取得希望者から協会に多数問合せがありました。なお、記事を
協会ホームページに掲載していますのでご覧下さい。
http://www.itc.or.jp/press/press_top.html
今後も、経営者からのITC紹介の依頼に対しては、
ITC届出組織 http://www.itc.or.jp/press/itcmap/SosikiMap.html
ITCプロフィール http://wws.itc.or.jp/ITC_profile/map.html
などで案内しますので、各組織や資格者の皆様には内容の充実をよろしく
お願い致します。
●プロフェッショナル特別認定制度の変更
対象資格の保有時点が「2002年7月1日現在」から「2003年10月10日現在」
に 変更になりました。
http://www.itc.or.jp/pro_tokunin/pro_seido.html
●RFP・SLAドキュメント見本提供
開発委託用RFPを限定公開し、パブリックコメントを募集中です。 当面、
ITC資格者、協会会員限定で公開しています。
http://www.itc.or.jp/w_tool/toolmenu4.html
●事例募集のご案内
募集要項が変更になり、事例論文の知識ポイントが1件で最大5ポイントに
変更になりました。
http://www.itc.or.jp/w_tool/jireibosyu/jirei_bosyuyoukou.html
●公的資金情報検索データベースとリンク
お役立ち情報で公的資金情報検索データベースをリンクしました。
全国の公的資金(助成金、借入金)の情報を検索できます。
この情報は、株式会社SASネット様のご好意、ご協力で提供しております。
http://www.itc.or.jp/w_tool/toolmenu3.html
●ITコーディネータ活用ガイドを無料配布、送料着払い
IT投資促進税制紹介を兼ねたパンフレット(既に6万部配布)です。
http://www.itc.or.jp/w_cso/itc_app_guide.html
●ITコーディネータ協会の通常総会開催予定
平成15年度通常総会が6月23日(月)午後1時30分〜3時20分に東京
プリンスホテルで開催されます。
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4.会員の広場 「これからも宜しくと言われたい−改善活動は大変だ−」
株式会社SRA マーケティングカンパニー コンサルティング部
シニアコンサルタント 土方千代子
私は、「○○戦略」策定とか、「××企画」立案とか、「△△計画」作成など
の仕事を行うことがあります。それらの仕事は、絵に描いた餅には絶対し
たくないという信念のもと、きっちりと現状を認識しながら進めていきます
ので、それなりに大変です。しかし、トップの夢の実現や組織をより良くする
という使命を背負って将来を創造しするのですから、楽しくもあります。
「○○戦略」を策定し、役員会へ報告した際、「ありがとう。よくここまで
やってくれた。」と社長から言われ、涙ぐんだこともありました。しかし、最近
そんなこと“だけ”で喜んではいけないという気づきがありました。
私の会社は、CMM(ITCの皆様はご存知でしょうからあえて説明しません)
のレベル3を達成してますから、それに応じた“組織的プロセス改善活動”
を行っています。
当社は、プロセス改善活動として、SEPG(ソフトウェアエンジニアリング
プロセスグループ)と呼ばれるグループによって、全社および各部門で実施
する手順(プロセス)やツールが整備されています。
毎年今の時期は、今まで活用してきた手順やツールが本当に活用されて
いるか、もっとよいやり方はないのかを議論し、ブラッシュアップしたり、新しい
ツールを開発したり、といった活動を行っています。
各プロジェクトに対しての活動は、SQA(ソフトウェア品質保証)グループが
必要に応じてレビューを実施し、結果が報告されています。また、部門SEPG/
SQAは、週に1回は集まって、問題の共有化と改善について話し合っています。
月に1回は、改善テーマに関連する内容について学習し、SEPG/SQAの能力
を高めていきます。
殆どのSEPG/SQAは業務と兼任で、各自の業務を遂行しながらの活動です。
それなのに、まだまだ、沢山の活動があります(本当にいろいろあるのです)。
つまり、「○○戦略」を策定後し、その構想をもとに企業がハッピーになる
ためには、様々な“改善活動”が必ずあるのです。その“改善活動”は、現在の
ビジネス遂行しながら実施されるものであり、改善活動に効果が出るまでは、
現状とは比べものにならないくらい大変な道のりを歩むことになります。
構想後の“改善活動”によって、夢にまで見た将来が現実になったときに、
お客様から、「よく一緒にやってくれました。これからも宜しくお願いします」と
言ってもらえるように頑張らなければと、心に誓っている今日この頃でした。
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[編集後記]
「ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞ残れる」 藤原実定
ワトソンとクリックが遺伝子(DNA)構造を1953年に発見してから今年で50年
経ちます。この春、ヒトのDNA情報30億の塩基配列が解読されました。
BT(バイオテクノロジー)の研究開発成果により、日本人の寿命は20世紀
に40歳から80歳になりました。21世紀には、DNA情報に基づくゲノム創薬の
研究開発が進み、癌も退治でき、癌患者の5年生存率も高まり、日本人の
寿命が80歳から100歳になることを期待したい。
情報サービス企業の研究開発投資は、平均的には売上高比1%程度と
医薬品メーカの8%に比較して少ない。ITCの皆さんが週1日を研究開発日
として、MT(経営技術)とITの進化を促進すれば、法人の寿命を30年から
60年に延ばすことも可能ではないかと思う。届出組織(コミュニティ)や
ITC協会などでの研究会の立上げと参画によるITCウエイ(道)の開拓を
お願いしたい。
配信に関する問合せ、配信停止等は以下の編集担当までお願い致します。
なお、資格者のメールアドレスの変更は、資格者情報登録修正の連絡先
メールアドレスを変更してください。また、会員のメールアドレスの変更は、
脱会・加入内容・登録情報変更用紙http://www.itc.or.jp/kaiin/kaiin3.html
をお送りください。「創新」は約4,500名の方にお送りしています。
(西脇 隆)
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編集担当:西脇 隆nishiwaki@itc.or.jp
発行:ITコーディネータ協会 広報担当
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