ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー
     ITCAメールマガジン「創新」 第41号 2003.8.28

    目次
1.巻頭言 「ITコーディネータの皆さんへの期待」
2.ITC電子自治体実践研究会の動向 
3.協会便り 「2003年8月度ITC認定者発表!本日(28日)午後3:00」
4.読者の広場 「ITCの源流を訪ねて」  

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1.巻頭言 「ITコーディネータの皆さんへの期待」
                       ITコーディネータ協会理事  関 隆明
                      (NECソフト株式会社 代表取締役社長)

 皆さんご存知の通り、日本のIT化は国際的にみて大変遅れている。電子 政府システムの成熟度をみても、世界で17位にある。一般企業での情報化 についても、省力、合理化の観点からのシステム化が多く、新しいビジネス モデルの実現のための積極的なIT活用など、企業戦略に直結するシステム 作りは進んでいない。

 昔から、多くの企業がBPRに挑戦しているが、欧米に比べプロセスの分析 や改革の詰めが感覚的であり、工学的手法やツール活用による、しっかり した裏付けに乏しい。「あの有名なアプリケーション・ソフトを使ってみたら どうだ」とか、「もっとモバイルなどを使った便利なシステムは出来ないのか」 といった、トップの刹那的な思いつきや他社の偶然の成功例に刺激された 焦りからのシステム作りが横行する。その上、「金はそんなに掛けられんぞ」 と、まるで支離滅裂である。これでは真に経営に役立つシステムは実現しない。

やはりトップが率先して、自社の方向性とコアコンピタンスの明確化、ビジネス モデルの確立、それを実現する為のIT活用を真剣に考える必要がある。しかし、 近年の技術進歩の速さ、HW、SW製品の多様性から、一般企業で自社に最適 なIT活用法を的確に選別するのは並大抵のことではない。

 そこで、ITコーディネータの如く、企業経営が理解でき、対象顧客のビジネス のあり方や必要な仕組みが考えられ、その為に必要なITの活用法を指導 できる相談相手が、企業経営者にとって頼もしい存在だと思う。

ここで、経営層への提案に際しての留意点を二つ述べたい。一つは、対象 企業にとっての顧客の満足度重視である。まじめな経営者は、常に顧客を 大切にしている。経営者の先にいる顧客の満足度向上のためのIT活用策が、 新たな企業戦略やビジネスモデルの創出に結びつくと思う。もう一つは、裏付け のある可視化による説得である。やはり、百聞は一見にしかず、一目瞭然が よい。手法など理屈・論理も、IT化の効果も、客観性のある可視化によって、 抵抗感なく多くの経営層に受け入れてもらえると思う。

 最後に、皆さんは日本のIT化の力強い推進役は自分なのだと自覚し、日々 の研鑚と成果実績を蓄積して、業界での知名度、存在感を高めてくれんことを 期待する。

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2.ITC電子自治体実践研究会の動向              会長 菅原邦昭

 「ITC電子自治体実践研究会:略称(ITCP研)」は、NPO法人の研究会組織 として、電子自治体を核とする地域の戦略的情報化を総合的に支援する こと等を主な目的として、2002年11月に発足しました。

 現在会員は54名で、正会員、賛助会員、メンター会員から構成されて います。正・賛助会員は全員ITCですが、メンター会員は文字通りその道 のプロである、地方自治体の職員や地方自治体を専門分野とする大学 教授や行政コンサルタントの方などです。

 我々のコンセプトは、『プロアクティブ&プラクティス』にあり、単なるITCの 勉強会に止まることなく、実践を通じてITCのソリューション市場を創出して 行くことに置いています。

 当会の本年度の目標は、電子自治体向け営業ツールとしての位置づけ である、「電子自治体版ITCプロセスガイドライン」の作成にあります。さらに、 今年度下期には、メンター会員と研究会会員を講師に地方自治体一部事務 組合主催の自治体職員向け講演会を開催し、実績作りを行なっていく予定 です。

 なお、今年7月には、商工会議所向けセミナーを開催しましたが、そこで 活用した研修コンテンツの再活用を目的に、地銀・商工会議所に対して 研修会受託活動を展開する過程で、新規事業のビジネス・ニーズが生まれる など、仮説と検証の繰り返しの中から、「ITCのソリューション市場創出」の 一つの形が生まれつつあることを実感しています。
 コンセプトを同じくする多くの方の参加をお待ちしています。

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3.協会便り 「2003年8月度ITC認定者発表!本日(28日)午後3:00」
                   ITコーディネータ協会 広報担当 松下 正夫

●本日(28日)午後3:00、2003年8月度ITC認定者発表!
 8月度認定者は、ITC48名、ITC補69名、合計117名です。このうち、ITC補 からITCへの昇格者が10名含まれるため、認定者累計は、ITC2,691名、 ITC補1,246名、合計3,937名となります。

●「ITC Conference 2003」いよいよ、明日(29日・30日)開催!
 ITC協会主催の第2回全国大会「ITC Conference 2003」(8月29日・30日: 東京国際フォーラム)は、経営者や関係支援機関などの招待者を含め、 2日間で延べ約1,700名の参加が見込まれています。大会実行委員は、 成功に向けて最後の追い込み準備に入っていますが、当日は委員全員が 濃紺の半袖ポロシャツ姿で、皆様のご来場をお待ちしています。

●「戦略的情報化推進のためのIT投資促進税制有効活用術」開催
 情報化月間(財団法人日本情報処理開発協会、経済産業省等主催)の催し として、IT投資促進税制の活用に関する講演会を10月1日(水)10:00〜12:00、 東京全日空ホテルで開催します。参加は無料です。知識ポイントの対象では ありません。 http://www.juas.or.jp/seminar/gekkan.html

●8月1日(金)「全国コミュニティ会議」の配布資料を公開
 去る8月1日(金)に東京で開催した「全国コミュニティ会議」の配布資料を、 協会ホームページ(ITC専用ページ)に掲載しました。資格者IDとパスワード を入力して専用ページにお進みください。https://wws.itc.or.jp/ITC_C/

●第5回ITC補試験(11月23日(日)実施)願書受付中
 ・ITC補試験案内:http://www.itc.or.jp/test/test_main.html

●「プロフェッショナル特別認定制度」ではケース研修受講のラストチャンス!
・ケース研修申込み:http://www.itc.or.jp/case/info.html
・プロフェッショナル特別認定制度:http://www.itc.or.jp/seido/pro_index.html

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4.「ITCの源流を訪ねて」            三角技術士事務所 三角義明

 「ITC」は、時代が生んだ創新人材である。どのような人材か。問題を発見し、 解決する能力(経営リテラシィー)とコンピュータによる情報処理と表現能力 (情報リテラシィー)を有するエキスパート、経営とITとの架け橋の役割を担う ポリティカルな人材といえます。

 創新という言葉の源流は、『創造的革新の時代』(平成5年6月旧通産省- 中期産業経済展望研究会報告書-事務局:当時大臣官房:佐野企画室長) の中で使われた「創造的革新」にある気がします。

 この報告書は、一読の価値のあるすばらしいものですが、「日本の21世紀 への展望は、生産システムと生活システムを結びつけるという「新結合」に かかっていること、そのためには、政府の果たすべき役割は大きく、関連する 様々な領域でまさに「創造的革新」が必要である。そうでないと戦後これまで 営々と築いてきた経済的成果を一挙に失う恐れが強い」と示唆。

 「従来、日本が得意としてきた、技術革新や民間企業の企業者精神の発揮 ということだけでは解決策を見出し得ず、これまで届くことのなかったより深い ところでの社会システムの変革が求められてきている。もちろん変革の主体 は民間であるが、-----」と指摘。

 政策を理解し、新たな夢づくりにまい進、生活の豊かさを求めて躍動する、 熱き思いをもった、プロジェクトXの創新人材を渇望。「ITC」誕生である。

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[編集後記]

 「色不異空 空不異色 色即是空 空即是色」 般若心経

 般若心経の本文262文字、前文と後文合わせて278文字の写経を、先日の 日曜日の早朝に初めてしました。30分かかりました。読経は3分、写経は30分、 八正道の実行は1日。毎日、朝晩に読経し、日々実践することが、世界では 2,500年間、90万日、日本でも1,500年間、55万日続いています。

 此岸から彼岸まで、三途の川は、お経を唱えながら渡ると聞きます。  使えないシステム(此岸)から儲かる仕組み(彼岸)に改善するには、日々 「ITC Create the Future、ITC創新」の実行あるのみと思います。  なお明日「ITC Confarence 2003」が開催されますので、41号を本日、配信 します。

   配信に関する問合せ、配信停止等は以下の編集担当までお願い致します。 なお、資格者のメールアドレスの変更は、資格者情報登録修正の連絡先 メールアドレスを変更してください。また、会員のメールアドレスの変更は、 脱会・加入内容・登録情報変更用紙http://www.itc.or.jp/kaiin/kaiin3.html をお送りください。「創新」は約5,000名の方にお送りしています。

                                         (西脇 隆)
 
 配信に関する問合せ、ご意見は以下の編集担当までお願い致します。
                        編集担当:西脇 隆nishiwaki@itc.or.jp
                        発行:ITコーディネータ協会 広報担当

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