ITCAメールマガジン「創新」 第42号 2003.9.12
目次
1.巻頭言 「企業経営革新のためのIT化投資とITコーディネータ」
2.IT-V21世紀協議会の動向
3.協会便り 「中国経済産業局が自治体とITCの意見交換会を開催!」
4.読者の広場 「タイタニックの再放送を見て」
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1.巻頭言 「企業経営革新のためのIT化投資とITコーディネータ」
ITコーディネータ協会理事 網谷 駿介
(NTTコミュニケーションズ株式会社 常務取締役)
最近の企業経営を取りまく状況を見てみますと、大変な勢いで新しい技術
やサービスが現れて、従前の設備や技術、仕事のやり方、ひいては経営の
あり方を根底から覆しています。また近い将来に到来すると言われている
ユビキタスな社会では、あらゆるものが、あらゆるところからネットワークに
接続され、企業では新しいビジネスモデルが、個人では新しいライフスタイル
が創造されます。この創造と革新において、もはやITは切っても切り離せない
ものだと思います。
企業におけるIT化投資は、従来は効率化による費用削減に主眼を置いて
行われてきましたが、現在は経営革新の実現による企業競争力の向上の
一手段として実施されることが主流になっております。
また、大企業・中央官庁と比較してデジタルデバイドがあると言われている
中小企業や地方自治体では、IT化投資の際にITベンダに委ねがちです。
しかし、IT化投資が経営革新のために行われるべきものである以上、経営者
自らが率先躬行すべきなのです。
経営者に対して、利益向上に寄与する経営戦略をアドバイスできる、“ITの
専門家”としてのITコーディネータの役割はますます重要になってきております。
IT人材が不足していると言われている中小企業や地方自治体であればなお
さらです。
ITコーディネータの皆さまには是非、経営者の良きパートナーとなっていただき、
日本の経済活動の活性化のため、企業経営の革新と日本のIT化の推進の
担い手となることを期待したいと思います。
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2.IT-V21世紀協議会の動向 久保 進(有限会社 オー・シー・ビー)
「IT-V21世紀協議会」はケース研修で意気投合したITC5人で平成14年に
創設したITC止まり木で、ITCの相互研鑚を主目的に活動しております。また
「IT-V21世紀」とは「IT活用で21世紀の勝利(Victory)を掴む!」という意味が
込められており、創設メンバーのITCとしての決意を表したものでもあります。
我々の止まり木の特徴としては、他のITC止まり木が地域交流会としての
機能を担っている面が強い中、我々はあえて地域性にこだわらず「いろいろ
な人、いろいろな価値観に出会える」場の提供を目指しています。そうした
狙いの実践例として、メンバー同士がなんでも気軽に意見交換できる専用の
メーリングリストも立ち上げています。このメーリングリストは会員同士の情報
交換の場として利用されるとともに、直接お会いすることが難しい遠隔地の
ITCの方との接点としても活用されています。
実際の活動でもビジネス重視ではなく、ITCとして個々に活躍するメンバー
同士で“ふっと集まってほっとできる”憩いの場としての活動を重視しており、
情報交換会(飲み会)では、お互いの近況を酒の肴に盛り上がっております。
また、IT関連のノウハウ等で、お互いの技術の不足を皆に問い合わせ、情報
を得たり、相談しあったりしています。
上記方針から今年度も個々に独立して活躍しながら、ITCの方々の自主性
を尊重したサポートを行っていく予定です。こんな癒し系の止まり木ですが、
ご興味がある方は是非、私達までご連絡ください。
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3.協会便り 「中国経済産業局が自治体とITCの意見交換会を主催!」
ITコーディネータ協会 広報担当 松下 正夫
●中国経済産業局が自治体情報部門とITCの意見交換会を主催!
去る8月21日同局主催の「意見交換会」には、中国地域15市町村の情報
部門18名、ITC中国15名、同局4名が参加し、福山市、三原市の情報化で
のITC活用紹介等が行われました。この会をきっかけに、島根県江津市、
広島県庄原市、三次市等でも情報化にITCを起用する動きが進んでいます。
この「意見交換会」は8月29日経済産業省で開催した「商務情報政策局
担当者会議」で、当局が具体的に地方自治体に対してITC活用促進の
マッチングを推進した“画期的事項”として紹介されました。
http://www.it-coordinator.jp/shibu/itc-chugoku/index.html
●中小企業向け「ITコーディネータ IT活用型経営革新ローン」を開発
ITC協会は、みずほ銀行、UFJ銀行と提携し、情報処理振興事業協会
(IPA)の「一般債務保証制度」を活用して、ITコーディネータが支援する
中小企業向け提携ローンを開発しました(9月8日:日経新聞朝刊掲載)。
http://www.itc.or.jp/press/press030910.html
●経済産業省主催「中小企業IT投資促進フェア(ITフェア)」開催!
全国で開催される「中小企業ビジネス・フェア」と連動し、経済産業省が
ITSSP事業の一環として、以下の4会場で今秋「中小企業IT投資促進フェア
(通称:ITフェア、事務局:ITSSP事務局)」を開催します。ITC協会は各地域
ITC組織等と連携しITCのPRの絶好の機会として出展・参加する予定です。
・東京:10/29(水)〜31(金)3日間、東京ビッグサイト
・九州:11/12(水)〜14(金)3日間、西日本総合展示場(北九州市小倉)
・名古屋:11/19(水)〜20(木)2日間、名古屋市中小企業振興会館
・大阪:12/9(火)〜10(水)2日間、マイドーム大阪
●「パワーオブITベンチャー’03」の出展者募集中 (出展料無料!)
2003年12月9日・10日に中小企業総合事業団他の主催、マイドーム大阪
(大阪市中央区)で開催されるコンベンションで、創業・ベンチャー・経営革新
等を図る創造力と意欲あるIT関連の中小企業者等を対象に出展社を募集
しています。ITC協会が参加する「ITフェア」は当イベント内で開催されます。
http://www.power-it.jp
●「ITC Conference 2003」(8月29日・30日)大盛況のうちに終了
ITC協会主催の第2回全国大会「ITC Conference 2003」(東京国際フォ
ーラム)には、経営者や関係支援機関などの招待者を含め、2日間で延べ
1,546名の参加があり、昨年比34%増となる大盛況となりました。
http://www.itc.or.jp/event/itc_conf2003/itc_conf2003_raijoushasuu.html
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4.読者の広場 「タイタニックの再放送を見て」 先織 久恒(ITCI)
ITCは「頑張ろうとしている経営者」にいろいろな方法 ITCプロセス、
補助金、マスコミ、ITSSP事業等をフル活用して支援すべきだと思います。
ITC自身がITSSP事業に参加された経営者をもっと必死になって捕まえ、
まず経営革新の支援、戦略情報化の協力により、中小企業の受けるメリット
を伝え、無料ででも兎に角、小さくても良いから成功事例を作る事が必要です。
各自が1件の成功事例を作っても、全国で約4,000もの成功事例が創出され
ます。そうなれば、かなりのITCパワーが生まれます。
しかし現状は、甘えん坊のITCが多く、ITCになったら届出組織や協会、
ITSSPから、お客さんを紹介されるのを待っています。
中小企業経営者に「一緒に頑張りましょう」と言うべきITCが、甘えん坊
だったら経営者が顧問として依頼するはずがありません。
先日「タイタニック」の再放送を見て感じました。暗闇の北海に投げ出され
助けを求めている人を見つけて、手を差し伸べましょう。我々にはITCとして
の様々な知識と技術と暖かい心をのせた手漕ぎだけども小さなボートがある
ではないですか。自信がなかったら2艘のボートをくっつけましょう。経営系
の強いITCと情報系の強いITCが協力しあって、能力を発揮しましょう。いくら
でも方法はあるはずです。
それでも、あなたは一人で南の海に向かいますか。
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[編集後記]
「秋きぬと 目にはさやかに 見えぬども 風の音にぞ おどろかれぬる」
藤原 敏行(古今集)
マニフェストが政治家と選挙民の政治成熟度を高めつつあります。
マニフェストは政権公約と訳され、政権任期中の具体的な数値目標、
期限、方法、財源の裏付けのある政策であり、夢を語る従来の選挙公約
とは異なります。
1970年代には企業経営に中期計画が取り入れられ、戦略と投資(人材、
研究開発、ITなど)により、経営の成熟度が高まりました。私も野村総合
研究所を始め10数社の中期計画策定に関わり、経営の成熟度の重要性
を体感しました。
選挙の秋を迎え、今後3年間の日本丸の船長が決まります。マニフェスト
論争に、ITCの皆さんが参画し選択し、民主主義の成熟度を高め、元気な
日本再生のために日本丸の進路を決めるお手伝いができればと思います。
配信に関する問合せ、配信停止等は以下の編集担当までお願い致します。
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メールアドレスを変更してください。また、会員のメールアドレスの変更は、
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編集担当:西脇 隆 info-pr@itc.or.jp
発行:ITコーディネータ協会 広報担当
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