ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー
ITCAメールマガジン「創新」 第43号 2003.9.26

   目次
1.巻頭言「ITCの充実に期待する」
2.ITクリニック研究会の動向
3.協会便り 「第5回ITC補試験願書受付締切り迫る!(9月30日(火)迄)」
4.読者の広場 「ITCプロセス“経営戦略策定フェーズ”に関する一考察」
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1.巻頭言「ITCの充実に期待する」
                     ITコーディネータ協会理事 斑目 廣哉
                         (富士通株式会社経営執行役専務)

 ITコーディネータ(以下ITCという)制度は発足3年目を迎え、全国で4千 名弱を数えるようになりました。2005年度1万名体制目標に向け、いよいよ 我が国のIT競争力強化の担い手たる陣容を整えつつあるやに見受け られます。

 昨今、市町村合併や住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)の 第2次稼動などを背景に、地方自治体のIT投資が活発化し、ITCの活躍の 場が広がっています。たとえば、行政側にITCが起用された例が、メルマガ 「創新」第42号で紹介されていました。

 また、みずほ銀行、UFJ銀行と提携し、情報処理振興事業協会(IPA)の 「一般債務保証制度」を活用した中小企業向け「ITコーディネータIT活用型 経営革新ローン」も開発され、ITCに対する金融面での支援も充実してきて います。さらに、ITユーザ企業のITC資格認定者は全体の10%に達しており、 金融業、建設業、製造業などの大企業のシステム企画部門にITC資格 認定者も増加していると聞きます。

 こうした動きに鑑みますと、ITCの活躍する場面は、単に中堅・中小企業に のみならず、行政政策や企業戦略の実現に役立つ情報化の課題を抱える あらゆる行政機関や民間企業にとっての情報化アドバイスへと拡がりを みせていると認識しております。

 富士通グループは、グローバルに活躍される企業や官公庁から自治体、 中堅・中小企業まで様々な規模・業態のお客様をサポートさせて戴いており、 前述のような動きに呼応して積極的にITCを育成・活用させたいと考えて おります。

 こうしたITC活動ステージの拡大だけでなく活用実績の蓄積が、資格として の認知度向上、ステイタス向上に直結します。単に何千人という数を誇るだけ でなく、いよいよ実績を示す時期に来ていると身が引き締まる思いです。
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2.ITクリニック研究会の動向            ITクリニック会長 牧野 恭人

 「ERP 迷い決断 トップ陣 あとはお任せ 現場動かず」
 「遅れなし 開発予定 スムーズだ 次週に聞けば ひと月遅れ」
 「最新の 機器とソフトの システム化 見えぬ戦略 大きな投資」

 いかがでしょうか、皆さんの中にも思い当たる事例はありませんか?

 『動かないシステムを駆逐し、経営戦略を実現するIT化』を合言葉に目的 指向型のITC 5名が活動、それがITクリニックです。平成14年度は7社に関し、 システム化の進め方の問題点・課題は何か、現行システムを効果的に改善 するための方向性について診断を実施しました。診断を通して、『ITを恐れ ない多くの二代目経営者の登場を確認したものの、経営戦略に基づくIT化、 モニタリング意識が欠落』している実態を報告会で明らかにしました。

 今年度は、昨年度診断企業の1社について、システム化企画に取り組んで います。指定伝票が多い本社の事務処理は手書・転記・手集計の連続、工場 との間はFAX、工場でも同様の手書処理が繰り返されます。技術的・金額的 に難しかった中小企業のシステム化ャレンジです。今後は、これまでの ITクリニック活動や成果についてホームページでご紹介していきたいと考え ています。
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3.協会便り「第5回ITC補試験願書受付締切り迫る!(9月30日(火)迄)」
                  ITコーディネータ協会 広報担当 松下 正夫

●第5回ITC補試験願書受付締切り迫る!(9月30日(火)迄)
 対象の皆様にご案内いただきますようよろしくお願いいたします。
 ・ITC補試験案内:http://www.itc.or.jp/test/test_main.html
 ・「参考1」ITコーディネータ資格の紹介
  (キーマンズネット:(株)リクルート)
         http://www.keyman.or.jp/ml/010/10001035/
 ・「参考2」お受験ノート「ITコーディネータ補試験 受験体験記」
  (特定非営利活動法人ITコーディネータ・パートナーズ Webサイト)
             http://www.itcp.jp/study01.html

●平成15年度ITSSP事業でITコーディネータが活躍中!
 現在、全国各地でITコーディネータが中核となってITSSP地域事業を 推進中です。また、平成15年度後期(2004年1月5日〜2月末)事業の公募 が開始されます。(資料はITC専用ページからダウンロードできます)
       http://www.itssp.gr.jp/event_joho/event15.html

●「プロフェッショナル特別認定制度」では最後のケース研修受講チャンス!
 今回はプロフェッショナル特別認定制度のラストチャンスでもあり、既に 400名を超える方が申し込まれています。教室の手配上、各クラス定員に なり次第締め切りますので、お早めにお申込ください。
・ケース研修申込み:http://www.itc.or.jp/case/info.html
・プロフェッショナル特別認定制度:http://www.itc.or.jp/seido/pro_index.html
・専門知識研修の開催予定:http://www.itc.or.jp/seido/pro_index.html

●マルチエントリーポイント取得に関するお知らせ(知識ポイント関係)
 ITC協会主催セミナー、後援セミナー情報等を更新しています。
 また、ITC活動に寄与する図書の書評、成功事例論文等募集中です。
        https://wws.itc.or.jp/point/p_g00m.html
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4.読者の広場 「ITCプロセス“経営戦略策定フェーズ”に関する一考察」
                                      布川 勝己
   (株式会社ケイ・アイ・ティ コンサルティング事業部統括マネージャ)

 最近のお客様(ユーザーまたは顧客)の動向とITCプロセスの関係に ついて、小生が感じたことをお話しさせていただきたいと思います。皆さん もご存知のように、ITCの業務プロセスには5つのフェーズがあります。 その5つのフェーズの中でも、特に経営戦略策定フェーズは、実践的に いろいろと活用することができます。

 ところで、ITC制度が発足する3年前は、小生は会計事務所に勤務して おりましたが、顧問先に対して経営課題の提案や解決策などを指導する、 いわゆる“経営サポート提案業務”の要求が日増しに強くなっている時期 でもありました。従来の会計事務所の定型業務では、顧問先の経営者は 満足しなくなってきているのです。

 そんな中、ITコーディネータに巡り合いました。今では、経営戦略策定 フェーズの作業プロセスを、顧問先の経営サポート提案業務に活用して います。いうなれば、ITCプロセスの“切り売り”です。

 さらに、One To Oneマーケティングを実践しようとしている販売会社にも、 経営戦略策定フェーズは柔軟にフィットします。単なる“物売り”ではなく、 顧客の経営課題を把握した提案営業を展開するための“切り札”的な エッセンスが多分に含まれています。

 最近では、これらの経営戦略策定フェーズを活用し販売会社様との協業 (営業補助的な役割)という形で、実践に生かすことができています。

 今では、小生の業務内容を見れば、会計業務よりもITC関連業務のウェイト が大きくなってきました。“高付加価値業務”がますます要求される会計業界 において、こらからもITCプロセスを活用して、顧問先の経営課題の整理と 解決にお役に立てるように、スキルを磨いていく所存です。
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[編集後記]
「世の中はむなしきものと知る時し いよよますます悲しかりけり」
 大伴旅人(万葉集)
 食欲の秋が来ました。がんの大部分は生活習慣病の一種と考えられて います。野菜中心の腹八分の食生活をすれば、がんにかかる可能性は 減少するとのことです。私ごとですが、学生時代から3割増えた体重をこの 秋1割減らすことに挑戦したいと思います。
 企業経営でも、戦略的IT投資で従来の業務の無駄を省き、八分のコスト で運営すれば、損益分岐点は下がり、効率が上がり利益が出ます。
 行政も同様に、情報公開とワンストップサービスを目指し、業務改革を 進め、八分のコストに削減すれば700兆円の財政赤字も削減可能でしょう。
 生活習慣を変え、食欲や無駄なコストをかけてしまう欲望と惰性と無知に 負けないよう、正命(八正道での正しい生活をすること)を尽くすことで、 個人的にも、組織的にも、そして日本国的にも、構造改革を進め、1960年 代の青春時代のダイナミズムを取り戻すことができればと思います。

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                        編集担当:西脇 隆 info-pr@itc.or.jp
                       発行:ITコーディネータ協会 広報担当
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