ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー
ITCAメールマガジン「創新」 第45号 2003.10.24

   目次
1.巻頭言「ITCの連携プレー強化で成果の拡大を」
2.ITC−B206研究会の動向
3.協会便り「ITフェアでITC講師のセミナー&個別相談会を開催!」
4.読者の広場「神話か実話か」
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1.巻頭言「ITCの連携プレー強化で成果の拡大を」
                 ITコーディネータ協会理事(代理) 小崎 将昭
             株式会社NSソリューションズ東京 代表取締役副社長

 ITCへの期待が一層高まっているが、経営者の片腕となって「経営に役立つ IT」の実現をコーディネートするには広範な知識・技術・経験・見識が必要と なり、容易なことではない。

 言うまでもないが、5段階の情報化フェーズを定義しているITCプロセス ガイドラインに沿って具体的に述べると、まず、経営者のニーズをビズネス モデルとして具体化する経営戦略策定フェーズ、更に情報化計画に纏め 上げる戦略情報化企画フェーズが続く。

 ここでは経営ニーズを情報システムに的確に反映させる対話能力、業務 知識、問題解決力とEA的な全体最適化の構想力、先進IT活用力等に加えて、 構築・運用保守段階を円滑に進める条件を情報化計画に盛り込む力が必要 である。更にレガシシステムが存在する場合は、アセスメントを実施して有効 活用を図る計画とすることも重要になる。

 情報化資源調達フェーズでは情報化計画を実現できる提案を採択するが、 多くの提案を様々な角度から評価し最適な案を選択する力が必要である。 情報システム開発・テスト・導入フェーズでは計画した情報システムを構築・ 導入し、最後の運用サービス・デリバリーフェーズでは構築したシステムの 運用保守をシステムライフが尽きるまで継続する。

 構築のポイントは早く安く高品質に開発して安全に実施するためのプロ ジェクト管理力であり、運用保守では安全に安く稼働させながら、適切な エンハンスを加えて、システム寿命を出来るだけ長く維持する力が求め られる。

 対象企業の規模にもよるが、1人のITCがこれだけの広範な役割を単独 でコーディネートするのは、困難なことも多いであろう。ITCがそれぞれの 得意分野を明確にし、異なるバックグラウンドを持った複数のITCがお互い に補完し合いながら連携することは、これまではなかった強力な総合力を 経営者に与えるに違いない。また、全てのITCが統一された研修システムで 共通の方法論、言葉を学び、強い連帯感を培ったことで、従前の類似チーム にはない連携成果を挙げることが期待できる。

 すでにITCチーム活動が活発化していると聞く。ITCビジネスチャンスと成果 拡大への有力な道の1つとなることを期待したい。
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2. ITC−B206研究会の動向                代表幹事 柄沢 明久
                    (有限会社マネジメント・クリエーション代表)

 当研究会は昨年3月発足以来、毎月会員相互の講師による勉強会を継続 してきている。平成15年9月で通算19回目を数えた。その間本年4月には その成果をまとめて本として 出版した(SE/CTO/経営者のための戦略的 IT経営:カットシステム社)。

 会員相互のボランティアによる講師を担当するという方針は今後も変わら ない。この方式は、1.お互いをよりよく知ることができる、2.プレゼンテーション の練習になる、などのメリットがあるからである。幸い快く講師を引き受けて 頂ける会員が多く、わが研究会は人に恵まれているといえる。

 とはいえ外部の情報も必要と考えており、随時外部講師に講話をお願い している。最近ではITベンダーや日経BP社、経済産業省から講師を招聘して お話を伺った。

 勉強会の内容は差し支えない範囲で、当研究会のホームページに掲載して いるので、興味ある方はご覧頂ければ幸いである。
             http://www.m-shinano.com/b206/
 
 当研究会は名前からお分かりのように、ケース研修の仲間が集まって作った 会であるが、常に外部にはオープンにしているので、参加希望の方は遠慮なく 申し込みをして頂きたい。
連絡先:DQN04522@nifty.ne.jp 代表幹事 柄沢明久
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3.協会便り「ITフェアでITC講師のセミナー&個別相談会を開催!」
                  ITコーディネータ協会 広報担当 松下 正夫

●ITフェアでITC講師のセミナー&個別相談会を開催!
 ITコーディネータ協会は全国4都市で大規模イベントフェアと併催される 「中小企業IT投資促進フェア2003」(参加無料)に各地のITC届出組織と 連携して展示ブースを出展します。協会ホームページに、東京会場での セミナー講師とスケジュールを発表致しました。経営&ITやIT投資減税等 に関する相談も常時受付けます。お客様の経営者の方々とお誘いあわせ の上、多数、ご来場賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
・東京:10月29日(水)〜31日(金)3日間、会場:東京ビッグサイト
   http://www.itc.or.jp/profile/it_fair/itfair03.html(他3会場も掲載)

●IT投資促進税制キャンペーン2003開催(経済産業省)
 平成15年度税制改正により創設されたIT投資促進税制の説明会を 経済産業省が全国9箇所で開催します。
    http://www.itc.or.jp/profile/announce_meti20031010.html

●「IT成熟度診断ツールの実証実験に伴うITC調査員」の募集!
 ITC協会では、標記実証実験を行って頂くITC・ITC補を募集します。
当実験は、IT投資や経営改革を検討する企業に対して、専門家(ITコーデ ィネータ等)がソリューションの方向性を導く際に活用する「中小企業向け IT成熟度診断ツール」の有効性の確認と改良点を得るために実施します。
 応募要領は、ITC協会ホームページのITC専用画面から「IT成熟度診断 ツールの実証実験に伴う調査員募集のお知らせ」を参照して下さい。
なお、当事業は情報処理振興事業協会からの委託事業です。
          http://www.itc.or.jp/ (右上のお知らせ)

●「NIKKEI IT経営実践セミナー2003」でITC支援事例紹介
 日本経済新聞社が主催する標記セミナーでITコーディネータの支援した 企業経営者の経営改革事例講演等が行われます。
・セッション:「目からウロコの経営改革」東海バネ工業(株)渡辺良樹社長
・総括セッション:パネラー (株)山崎文栄堂 山崎 登社長
(11月4日(火)午後:千代田区大手町JAホール、参加無料、事前登録制)
        http://go-event.com/nikkei-it1104/index.html

●2003年度第3期ケース研修は過去最高の応募者数に!
 プロ特別認定制度のラストチャンスでもあり、ケース研修開始以来、過去 最多の応募者数(793名:10月21日締切り、速報ベース)となりました。

●「情報技術と経営戦略会議の報告書」2003年10月7日発表
 経済産業省商務情報政策局 情報経済課
 情報技術と経営という観点から、民間における情報技術の先端的取り組み
事例を整理するとともに、我が国企業での情報技術の利活用を図るための 情報技術と企業経営のあり方について提言。是非、ご一読を。
        http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0004578/
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4.読者の広場「神話か実話か」        西城 秀雄(西城技術士事務所)

 首都圏では、“IT”というと人が集まらないという神話(?)があるそうな。私の 経験でも、昨年度のITSSP事業で、さいたまソフトウェアセンター主催のセミナー が2度までも、人が集まらずに流れた。

 3度目の正直の機会が来た。所沢ITCファームが昨年来アプローチしてきた 所沢商工会議所が、3時間のセミナーを開催することとなった。仲間たちと知恵を 絞って、カリキュラムを考えた。案内文も作ってDMで撒いてもらった。しかし、流れ はしなかったが人数は集まらなかった。聴いていただいた方々のアンケート結果 が大変良かったのは有難かったが。

 案内文をもう一度見直してみた。300字程度の中に“IT”が7回出てくる。自分の 名刺には“IT経営コンサルタント”と刷ってある。やはり“IT”では人が集まらない のか。八つ当たり気味に思いついたのだが、“ITCは経営とITの架け橋”がいけな い。経営者に向って、ITは対岸のものと宣伝している。

 “読み、書き、算盤”が“読み、書き、コンピュータ”になった。ITが向う岸に あってはいけない。ITCは、経営とITの融合の触媒である。私の名刺も、“IT経営 コンサルタント”でなく“経営コンサルタント”にしなくてはいけない。でもその ためには、まだまだ多くの研鑽と実績を積まなければいけない。つくづくそう思う。
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[編集後記]
 「身にしむや 亡妻の櫛を 閨に踏む」 蕪村
 読書の秋です。私の読書歴は、小学校では図書委員で「フランダースの犬」で 大泣きし、偉人伝も好きでした。少年サンデー・マガジンの「直角君」も大好き。 中学校では、「チボー家の人々」や「古代への情熱」など、高校では「徳川家康」 や「太閤記」とサッカーマガジン、大学では、「断絶の時代」や岩波講座と詩歌集 が愛読書。社会人では、仕事がら経済経営書やIT関連書と白書、ただし、大阪 に単身赴任した時は、毎週新幹線で往復し、車内で司馬遼太郎を読みました。
 1969年に山内二郎教授が大学の退任記念講演で「毎日、1-2時間は読書を できれば原書で」と、この言葉を少しでも実行したいと思ってきました。 年間 100冊、約35年でざっと3,500冊、部屋の壁一面は本だらけ。雑誌は、日経ビジ ネス、Business Week、オペレーションズ・リサーチ、文藝春秋などで毎年年末に ごみ出しです。定年後の夢は図書館長か本屋の親爺です。なお、ITCリテラシー アップは読書と思索と対話と実践だと思います。

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                        編集担当:西脇 隆 info-pr@itc.or.jp
                       発行:ITコーディネータ協会 広報担当
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