ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー
ITCAメールマガジン「創新」 第49号 2003.12.19

   目次
1.巻頭言「ITコーディネータは時代の要請」
2.ITC福島の動向
3.協会便り「ITコーディネータIT活用型経営革新ローン」実務研修受講者募集
4.読者の広場「ITCとしての活動状況」
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1.巻頭言「ITコーディネータは時代の要請」
                  ITコーディネータ協会 専務理事 下田 邦典

 先日、経済産業省より公表された「情報技術と経営戦略会議」報告書によると、IT利活用の成功の前提は「経営者自らが情報技術を経営の問題としてとらえること。つまり、情報技術の重要性の認識と、その活用に向けた経営者のリーダシップ」と強調されています。しかし同時に、情報技術の利活用が経営に真に役立つレベルに達している企業は2割弱(調査対象: 上場企業436社)にとどまっているとも報告されています。

 インターネット・モバイル端末の普及に加え、ICタグが実用化されてくると IT利活用分野・方法は飛躍的に拡がり、情報化への対応は、あらゆる業種・ 業態・規模の企業や組織、団体に不可欠な時代になりつつあります。

 然るに、急速に変化する情報技術、経営環境の下で、あらゆる業種・業態・ 規模の企業や組織、団体の経営者が“IT利活用でのリーダシップ”を発揮 できるのだろうか。答えは否です。経営者の立場に立って経営とITを橋渡しし、 真に経営に役立つIT投資を推進・支援する専門家の潜在需要は日々高まり つつあります。

 潜在需要の顕在化、時代の要請に応える専門家としてのITコーディネータの 存在意義の啓蒙に取り組みながら、二つのことを強く感じています。

 一つは、今取り組んでいる活動を「2005年度までのプロジェクト」に見立てた 場合、このプロジェクトのステークホルダーに共通する「テーマ性」は何か。 啓蒙活動は、そのプロジェクトの「テーマ性」の共通認識促進を図るためで あることです。

 もう一つは、「知恵と情熱」のあるITコーディネータの力の結集如何がプロジェクトの成否を握っていることです。

 今年も余すところ僅かになりました。これまでの活動成果については忸怩たる ものもありますが、画期的事例も散見され確実な足音も体感しています。

 来年は、もっとテーマの共通認識を図り、皆でいい夢を見たいものです。

(参考)
経済産業省2003年10月7日付け報道発表資料「情報技術と経営戦略会議」
 http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0004578/
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2.ITC福島の動向          ITC福島 代表 佐藤直美

 ITC福島は、2002年5月に設立、同年9月より活動を開始しています。現在は、 ITC、ITC補、賛助会員を含めて12名の会員がいます。会員は独立系が多く、 ベンダー色が薄いのが特徴です。

 定例(不定期になりがちですが・・・)の勉強会をはじめ、これまでにITSSP 地域事業として、(財)福島県産業振興センターと共同で経営者研修や事例 発表会などを開催しています。2003年度後期も郡山市で経営者研修を開催 するため、準備を進めています。

 福島県は面積が広い上、中核となる都市が分散しており、勉強会や打合せに 集まるのが大変です。泊りがけでないと飲み会も開催できないのが少しネック です。しかし、メンバーの意気込みと情熱はかなりのものです。ITCが経営者の 頼れるパートナーとなり、認知を広げるため、県内企業の経営革新に取り組み、 成功事例の創出に奮闘しています。

 現在も、ITSSP経営者研修参加企業から、具体的なコンサル案件に発展した 2社の支援を行っています。本格的な活動の展開に向けて、法人設立も視野に 入れています。届出組織の中でも地方の組織は、とかく勉強会や懇親会中心 になりがちですが、メンバーがお互いのビジネスにメリットを出せるような組織 にしていきたいと考えています。そして、沢山の成功事例を重ね、地域の活性化 につなげていきたいと思います。
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3.協会便り「ITコーディネータIT活用型経営革新ローン」実務研修受講者募集
                    ITコーディネータ協会 広報担当 松下 正夫

●「ITコーディネータ IT活用型経営革新ローン」実務研修受講者募集
 既に、日本経済新聞等でも紹介された標記提携ローンをITC、ITC補が利用 するためには、当実務研修を受講することが条件となります。第1回目は東京 で2004年1月16日(金)に開催致します。
 http://www.itc.or.jp/event/itca_seminar/event_schedule_ron.html

●「中小企業向けパッケージソフトの活用事例情報」募集
  ITC、ITC補の活動に参考となる「中小企業向けパッケージソフトの活用 事例情報(パッケージソフトと導入ユーザーの推薦)」を募集します。募集期限 は2004年1月20日(火)、推薦者はITC、ITC補とします。なお、ユーザー調査 に協力いただいた資格者の方には所定の知識ポイントを付与致します。
 https://wws.itc.or.jp/ITC_C/w_tool/package_soft_bosyu.html

●情報処理振興事業協会(IPA)「メール配信サービス」のお知らせ
 情報処理振興事業協会(IPA)は、2004年1月5日(月)に独立行政法人となり、 名称も情報処理推進機構(IPA)に変わります。これを機に、IPAでは、ソフト ウェア開発等に係る支援事業について、公募の方法を変更いたします。
 従来は、年1回を基準に約1〜2か月の短い公募期間のため、これを逃すと、 1年先の公募まで待たなければなりませんでした。変更後は、随時応募を受付 けると共に、年2回の選考に変更します。また、公募情報についても、「メール 配信サービス」を開始いたします。公募情報の配信を希望される方は、
 https://www.ipa.go.jp/ipa/mm/mm-registry.htmlよりご登録ください。

●東京商工会議所「中小企業のIT化計画実例集」作成事業公開
 昨年に引き続き、東京商工会議所IT推進委員会ではITコーディネータを活用した会員企業3社のIT化計画プロジェクトを推進中で、この度、その進捗状況が同所ホームページに公開されました。
 http://www.tokyo-cci.or.jp/its/itssp/
 また、2004年2月25日(水)に開催される「東商ITウィーク2004」で事例発表 されます。 http://www.tokyo-cci.or.jp/its/it2004/

●「DREAM GATE2004年度」登録専門家募集
 今年7月に財団法人ベンチャーエンタープライズセンターにより発足したベンチャー育成支援プロジェクト「DREAM GATE」(経済産業省後援)の登録専門家の追加募集のお知らせです。ドリームゲートとは「ベンチャーマインド創出」「起業家大量輩出」をミッションに結成されたプロジェクトチームです。
 起業準備段階から起業5年未満の経営者の「相談サービス」を行っていただける方を全国から募集します。なお、メールを介しての対応で報酬 は、メール相談1,000円/1件、面談相談3,000円/1件です。
 http://www.dreamgate.gr.jp/about_dg/senmonka_koubo/

●「COMPASS2003年秋号」無料配布受付中
 ITコーディネータ協会が編集に協力し、ITコーディネータの活動状況が毎号掲載されている中小企業のIT入門マガジン「COMPASS」(協会無料 配布分:1万6千部)が、大好評につき在庫切れになっておりましたが、 更に増刷し再募集を開始しました。
 http://www.itc.or.jp/w_cso/compass2003aut.html
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4.読者の広場「ITCとしての活動状況」
                株式会社イットアップ 取締役 岩佐 修二 

 2001年10月にITC登録後、私は、幸いにもITCプロセスを実践できる機会を 多く得ました。中小企業のIT化支援事業としての大阪産業創造館の「西岡IT塾」、 (財)大阪産業振興機構の「経営改革Doit,」、ITSSP事業としての計画書策定 コンサルティング、IT投資コンサルティング、経営者交流会 等々。

 今、改めて、この期間を振り返ると経営者の最初の言葉が鮮明に思い出され ます。「最近システムを入れ替えたのだけど、うまく稼動していないようなので 是非オペレーション指導を・・・」「日夜、経営問題を考えているのに、貴方の ような若手に何がわかりますか・・・」「ITCですか?・・・」「商工会議所から 依頼されたので・・・ところで、何をするのですか・・・」。

 ITCの認知度はまだまだ低いですね。そんな経営者との出会いでも、最後 にはどの経営者も笑顔で迎えてくれます。これは嬉しい限りです。

  ITの導入はソフトウエアやハードウェアの選択から入るのではなく、経営課題 に真っ向から向き合うことからスタートすることを根気よく伝えていきます。こちら も真剣ですし、経営者も真剣です。

 その結果は、IT化の取組みにやっと半歩程進んだという企業もあれば、経済 産業省のIT活用型経営革新モデル事業に採択された企業まで様々です。その 企業にとっての成果の見え方は随分違いますが、ITCが何かしらの役に立った と思います。

 ITCの存在をまだ知らない経営者は多いのですが、「ITCは経営改革に役立 ったよ」と言っていただける経営者との出会いを今後も期待しています。
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[編集後記]
 「湯豆腐や いのちのはての うすあかり」 久保田 万太郎
 人生には動植鉱の愛のライフサイクルがあると聞きます。
 ジュニア層では、初恋や恋愛で異性やペットなどの動物を愛し、シニア層では、 バラ、ラン、菊などの植物を愛し、シルバー層では、備前焼や有田焼などの茶器 や花器、いずれは伴侶の墓石や遺骨などの鉱物を愛します。
 ITCプロセスにも、動植鉱のライフサイクルがあると思います。経営戦略策定 と戦略情報化企画ではダイナミズム(動)が、情報化資源調達と情報システム 開発・テスト・導入ではグローイング(植)が、運用サービス・デリバリーでは スタビリティ(鉱)が重要です。ライフサイクルに合ったスキルアップと人材配置 が成功の鍵です。

  12月27日(土)から1月4日(日)までITコーディネータ協会は年末年始休業と させて戴きます。年始の業務開始は、1月5日(月)午前9時30分からとなります。
 今年もご愛読ありがとうございました。来年も良い年でありますように。

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                        編集担当:西脇 隆 info-pr@itc.or.jp
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