ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー
ITCAメールマガジン「創新」 第52号 2004.2.6

   目次
1.巻頭言 「アナログ的視点の強みを生かそう」
2.ITコーディネータ実務研究会の動向
3.協会便り 「関西IT百撰最優秀企業2社にITC支援企業が選出される!」
4.読者の広場 「日本経済の再生のために」
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1.巻頭言 「アナログ的視点の強みを生かそう」
     ITコーディネータ協会 理事 松尾 明 (中央青山監査法人 代表社員)

 ITCが生まれて3年、様々なかたちでITCの方々が活躍されています。政府関係のCIO補佐官のプロジェクトを支援していただいているITCの方々から、3年前に私の「忍者虎の巻」の話を聞いたときは全く理解でき なかったが、最近わかるようになったとお聞きし、免許皆伝かとうれしく なりました。

 また、東京商工会議所の「中小企業のIT化計画実例集」プロジェクトでは、アドバイザリー委員として3社の企業経営者および担当ITCの 方々に各社の強み(コア・コンピタンス)の探求をアドバイスする機会 にめぐまれました。
(日経アドバンテージ2月号及び http://www.tokyo-cci.or.jp/its/itssp/をご参照ください。)

 このなかで気がついたことですが、インターネットやパソコンなどのデジタル技術を活用することは大事ですが、中小企業の強みは、小回りのきくサービス、密なコミュニケーション、一工夫された製品などアナログ 的なところが多いことです。これは我が国の文化の強みでもあります。

 もう一度アナログ的強みの視点から、CSF、KPIを見直して見ましょう。そしてデジタル技術を活用しましょう。
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2.ITコーディネータ実務研究会の動向          事務局長 坂下さとし

 当研究会(http://www.c303.net)は、経営コンサルや情報システム建設・運用などの分野で実動する会員が隔月に集まり
1) 午前:事例研究--ITを使った経営革新事例の発掘・探求
2) 午後:公開セミナー--高度でかつ実践的なセミナーの開催
を実施しています。

 会員は沖縄、山口、愛知、茨城、青森など全国区です。午前の部では 一線で組織の指揮を取る経営者にお越し願い、経営の課題/難問を会員の前に晒して頂きます。会員はITCの作法に則って経営分析/情報化解析しCSFを出します。短時間ですが、マナ板に乗った経営者が蒼くなる様な鋭い指摘が行われます。

 午後の部は、各種のIT技法、経営手法など当該分野の第一人者を招いた 公開セミナーです。選りすぐった技法や手法を基礎教養のあるITCに積極的 に紹介します。講師陣と受講者同士の切磋琢磨の場です。

 2003年度は事例研究の実践で、越後湯沢の観光業の再興を想う方々と 共に、ITSSPの支援の経営者交流会と中小企業総合事業団のIT推進アドバイザー制度を活用。中期目標を明確にする一方、当面の集客の仕組み作りをしました。

 1月には商用サイトを使った直館予約に参加した4館がすべて旅館部門の ネット予約ランキング50館の上位に入り短期の結果も出始めました。この後 はお客さんを知って、働き掛け、結果の悪い所は矯正して行くPDCAの仕組み 作りです。5月には湯沢町の行政にも入ってもらって、IT湯沢の決起大会が 催せそうです。請うご期待。
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3.協会便り 「関西IT百撰最優秀企業2社にITC支援企業が選出される!」
                   ITコーディネータ協会 広報担当 松下 正夫

●「関西IT百撰」最優秀企業2社にITC支援企業が選出されました!
 関西の経済団体の共同プロジェクト「関西IT推進本部」が1月25日発表した 「2003年度関西IT活用企業百撰」の最優秀企業2社に、継続してITCを活用中 の昭和電機(株)と東海バネ工業(株)が選ばれました。なお、3月11日(木) に大阪国際会議場で講演会が予定されています。
            http://www.it100sen.com/index.html

●「東商ITウィーク2004」で「IT化計画実例」発表会を開催(2月25日(水))
 東京商工会議所IT推進委員会は、中小企業情報化の支援モデルとして、 「中小企業のIT化計画実例プロジェクト」を約半年間、会員企業3社とITC7名 により実施してきました。その発表会が2月25日(水)に東京商工会議所で 開催されます。
・IT化計画実例概要: http://www.tokyo-cci.or.jp/its/itssp/
・東商ITウィーク: http://www.tokyo-cci.or.jp/its/it2004/

●岐阜県産業経済振興センターがIT担当サブマネージャーを募集中
 (財)岐阜県産業経済振興センターが、岐阜県中小企業支援センターのプロジェクトマネージャー、サブマネージャー計4名を募集中です。特に、IT担当サブマネージャーに関しては、当協会にITCの公募協力要請があり、岐阜県並びに近隣3県のITC・ITC補資格者にメールで案内いたしました。 既に、千葉県、三重県、仙台市などの中小企業支援センターで多くのITCが マネージャー、サブマネージャーとして活躍中です。
              http://www.gpc.pref.gifu.jp

●「ITコーディネータ IT活用型経営革新ローン実務研修」のお知らせ
 先日、第1回研修を東京で開催し満員大好評となった、標記実務研修の名古屋、大阪、札幌、福岡、での開催日程が決まりました。
 http://www.itc.or.jp/event/itca_seminar/event_schedule_ron.html

●2004年のスケジュール追加
 2004年のスケジュール(行事予定)を追加しました。
          http://www.itc.or.jp/profile/history.html
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4.読者の広場 「日本経済の再生のために」
          NRIラーニングネットワーク株式会社 ITC/ITCI 鈴木 伸彦

 ITコーディネータの認定を受けて2年弱。その間に「経営の視点から情報システムを見る」ということがどういうことか、具体的に考えられるようになった。ITコーディネータ関連の活動を通じて、意識、モノの見方、考え方 が変わり、成長したのだと感じる。関係各位に感謝する次第である。

 そんな私が最近よく考えるのは、ITコーディネータは、支援企業に対してどのような経営、情報化を勧めるべきなのか、ということである。

 ITコーディネータ制度の狙いの一つには、戦略的情報化投資による経済再生を果たすための仕組み作りがあるが、単に企業の業績が向上するだけでは経済は再生しない。1月19日、政府発表の「月例経済報告」は、「景気は、設備投資と輸出に支えられ、着実に回復している」となっているが、個人消費や雇用情勢の回復には至っていない。

 企業の収益向上のみであれば、情報化により業務効率を上げて、リストラ (人員整理)をすることでも達成は可能かもしれない。しかし、それは雇用なき 経済回復への道であり、日本経済全体の再生にはつながらない。

 構造不況業種では難しいが、極力、従業員を情報システムで置き換える ような情報化ではなく、従業員がより高い付加価値を生み出すのを支援する、 従業員と情報システムが共存共栄できる情報化を目指したいものである。
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[編集後記]
 「勇気こそ 地の塩なれや 梅真白」 中村 草田男
 ITコーディネータ協会はこの2月1日に創業3周年を迎えました。また、メルマガ「創新」も創刊2周年号です。ITC資格認定者も約4,400人に達し、CIO補佐官やIT推進アドバイザーとしての大活躍の事例を聞く機会が増えています。ITCの一人ひとりが、質の高い仕事をしていけばどんどん顧客もITCも増えていくと思います。
 週末に2冊の本を読みました。村上龍「13歳のハローワーク」と、マックス・ ウエーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」です。
 村上は、「この世には、2種類の人間・大人しかいない。自分の好きな仕事をしている人とそうでない人です。」と述べ、514種類の職業が紹介しています。残念ながら、ITCはいません。医者は、「人体・遺伝が好き」の章で紹介されており、「学び続ける医師だけが信頼を得る。」と述べています。ウエーバーは「天職(ベルーフ)は、労働能力の著しい向上をもたらす冷静な克己心と節制だ。」と述べています。
 「好きで、できて、役に立つ。」仕事をする人が人生で幸せなのかも知れない。ITCは、人の集団である法人が好きで、健全なDNAを継承するために、医者と同様に、学び続けることで信頼を得る職業だと思います。

資格者やケース研修受講者のメールアドレス変更は、資格者情報登録修正(http://www.itc.or.jp/menu_top/index_u004.html)の連絡先メールアドレスを変更してください。
会員のメールアドレス変更は、脱会・登録情報変更依頼書あるいは記名登録情報変更依頼書 http://www.itc.or.jp/kaiin/kaiin3.htmlをお送りください。
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                        編集担当:西脇 隆 info-pr@itc.or.jp
                       発行:ITコーディネータ協会 広報担当

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