ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー
ITCAメールマガジン「創新」 第55号 2004.3.19

   目次
1.巻頭言 「地方中小企業における経営のためのIT化実験」
2.ITC総研の動向
3.協会便り 「長野県庁でITC長野が情報システム調達業務支援で高い評価!」
4.読者の広場 「ケース研修の現場より」
--------------------------------------------------------------
1.巻頭言 「地方中小企業における経営のためのIT化実験」
                       ITコーディネータ協会 理事 尾越 優
                        (東石株式会社 代表取締役社長)

 ITCの人数を都道府県別に見ると、大都市部を除く各県の人数は少なく、私が在住する愛媛県も20人程度です。認知度についても同様で地方に行けば行くほど低くなるのが実情のようです。こういった環境の中でも、ITCの人たちは、ITSSP事業等を活用して積極的に動いており、やがて成果の方も一つずつ蓄積されることと期待しています。

 さて、「経営とITの橋渡し」という非常に難しい使命を一人でも多くの人に理解していただくためには、わかりやすく、身近な事例が非常に効果的だと考えます。そこで私は「経営のためのIT」を指標に実験をすることにしま した。幸いなことに業界団体の補助金の後押しもあり、2年間に渡り実験 的事業をすることができました。詳細は割愛しますが、前述の指標に関しては次のとおりです。

 この事業には当社(以下A)および同業他社2社(以下B、C)が参加しました。経営者の手腕および業績は、1位C、2位B、3位A。現状のIT活用度および有効性の認識は逆に、1位A、2位B、3位C。ただ単に「経営に役に立つ」との説明のみで新しい仕組みを導入すると、当然ながらCにおける効果が一番低く、Aでの効果と差がつくことでしょう。

 しかしながら、AにおいてはCEO=CIOの状態にあり、Aではこれだけ役に立つ使い方ができることを他社の経営者が理解できる表現で示すことにより、有効性について非常に評価していただきました。

 また、3社の経営者は十分な意思疎通と共有できる方向性もありますので、時間的な差はあれ、「経営のためのIT化」が3社同じレベルで実現できると実感しました。

 私が考える地方におけるITCに必要な能力は、(1)業務に精通した得意分野があること、(2)経営者の価値観を理解し、一般論ではなく、具体論で話ができること、と考えます。この能力の向上には経営者と直接交流する機会を増やすことが重要で、地方においては大都市より容易であるはずです。
-----------------------------------------------------------
2.ITC総研の動向     広報担当 堤 裕司

 ITC総研は、2001年10月、ITC誕生と同時にITC4名(代表:藤原末吉・吉田東良・堤裕司・西原憲一)により設立されました。「中堅・中小企業の産業競争力回復のために、ITの戦略的な活用を提案・啓蒙することを使命」として、設立当初より勉強会とITCプロセスの実践を通じてメンバー相互のスキル向上を図ってきました。

 2002年の稲盛和夫氏の主宰する盛和塾北大阪塾生を対象とした 「経営者研修会」を初めとして、西岡郁夫氏を塾長とした「西岡IT塾」や中小企業総合事業団ITSSP事業「経営革新DoIT」などへの参画、関西情報・産業活性化センターとの共同事業である「経営者のためのIT化戦略」研修などの公的な活動に加え、民間企業にもアプロ−チし、現在、中堅中小企業3社の戦略情報化企画プロジェクトが進められています。 その他、「ITC九州」での記念講演など、他ITC団体との交流も深めて います。

 また、こうした活動を通じて、中小企業へのIT化支援の遅れを実感し、ITC総研独自の中小零細企業向けITCプロセスを模索しているところです。 さらに本年からは、オープンセミナーとして内部セミナーの公開を始め、 2月には「情報セキュリティ管理システムの運用」についてセミナーを実施しました。今後もオープンセミナーやホームページを通じてITC総研の活動をアピールしていく予定です。
 ホームページ:http://www.itc-soken.com/
-------------------------------------------------------------
3.協会便り 「長野県庁でITC長野が情報システム調達業務支援で高い評価!」
                   ITコーディネータ協会 広報担当 松下 正夫

●長野県庁でITC長野が情報システム調達業務支援で高い評価!
 長野県ITコーディネータ協議会(ITC長野)は、2003年度から長野県庁内の情報システム調達の適正化に関わる監理業務を外部専門家として委託され、調達成果品の品質向上と投資効率化の支援を行っています。本活動の実績が評価され、2004年度は更に委託範囲の拡大が見込まれています。
 長野県ITコーディネータ協議会 http://www.m-shinano.com/itc-nagano/

●「ITコーディネータ」紹介ビデオ、一般向けに発売開始
 厚生労働省の関連団体である雇用・能力開発機構「私の仕事館」が、この度ITコーディネータの紹介ビデオを制作し、発売を開始しました。当ビデオ制作に際しては、ITCを活用して成果を上げた昭和電機(株)殿、担当ITC(岩佐修二氏、森下勉氏)などの方々に、一方ならずご協力をいただきました。
 私の仕事館 http://www.shigotokan.ehdo.go.jp/watashi/lib_vid.html

●ITC資格認定制度「ケース研修」紹介パンフレットを無料配布します。
 受講者をはじめ内外の関係者に高い評価を得ているITC協会「ケース研修」 の紹介パンフレットが完成いたしました。これからITC資格の取得を検討されいる方々に是非お読みいただきたい内容です。ご希望の方には、無料でお送り しますので下記ホームページをご参照ください。
 ケース研修パンフ http://www.itc.or.jp/menu_top/index_u002.html

●第6回ITC補試験申込み受付け中(〜4月14日(水)締切り)
 5月30日(日)実施のITC補試験の申込み受付け中です。
 願書、ポスター、受験者向けパンフレットなど必要部数をご連絡いただればお送りしますので、ご紹介をよろしくお願いいたします。
 また、キーマンズネット(リクルート社)へのPR掲載を開始しました。
 協会HP:今月のトピックス http://www.itc.or.jp/index.html
 キーマンズネットサイト http://www.keyman.or.jp/ml/010/10001967/

●ウイルスメールに注意してください
 大量メール送信型ウイルス(Netskyウイルスの亜種 等々)の感染被害が広がっています。送信元(From:)アドレスを偽り、ウイルスを添付ファイルとして送りつけてくるもので、メールの添付ファイルを実行してしまうと、ウイルスに感染してしまいます。
 このようなウイルスメールは、タイトルが英文で、添付書類付きのメールがほとんどです。、このようなメールは疑って安易にメールを開かず、ウイルスチェックを必ず行うなど、基本的なウイルス対応をお願いします。
 ご自身の大切なデータを守るため、また他人へ迷惑をかけないためにも以下サイトを参考に、日頃のウイルス対策を徹底してください。
 マイクロソフト セキュリティのホームページ
 http://www.microsoft.com/japan/security/default.mspx
 IPA セキュリティセンター ウイルス対策のホームページ
 http://www.ipa.go.jp/security/isg/virus.html
-------------------------------------------------------------
4.読者の広場 「ケース研修の現場より」 ITCインストラクター   高村弘史

 ケース研修のインストラクターを勤めさせていただき、250人もの受講生の方との知己を得ることができた。これだけでも大切な財産であるが、受講生の方の発想や回答には大きな勉強になったものも少なくない。

 今回はそのうちの幾つかを、ご紹介してみたいと思う。
1) 神様とお殿様
 XX商事という会社がある。A教材のケースでのモデルなのだがこの会社は卸を生業とする会社で親メーカーとお客様の狭間にたって、二者択一を迫られるというものである。この時、親メーカーを「殿様」、お客様を「神様」と呼んだチームがあった。当時も面白いと思ったが、研修を重ねても定番のお話として使わせてもらっている。「あなたはお殿様と神様、どちらを選びますか?」

2) キャッチフレーズ
 ケース研修では5日ごとをプロジェクトとして模している。そこでチームのゴールとかKGIを決めてもらっているのだが、チーム紹介をキャッチフレーズで表現してもらっている。「経営のプロになりたい技術集団」「なんとなく明るい」「社長 に学ぼう(独立している方が居る)」「○○とでんでんブラザース(某通信会社の方が多かった)」最後に5日後のまとめで出たフレーズを一つ「ITはこーでぃねーと (こうでないと)」

 15日間の研修の同窓生、もう全員が再度同時に会うことはないのですよ。この時を大切に。そして皆さんの肩に、日本の未来が掛かっています。でもユーモアも忘れずに。
--------------------------------------------------------------
[編集後記]
 「さまざまの 事おもひ出す 桜かな」 芭蕉
 21世紀は、会社人からプロフェッショナルの時代と言われています。
 バブル崩壊後のリストラにより、終身雇用、年功序列は崩れました。
また、インターネットやパソコンの普及により、組織や会社の壁は崩れ、 情報は市場で自由に流通し、組織内や会社内の情報より市場の情報に 価値が高まりつつあります。結果、会社人として和と忠誠を誓い黙々と 業務をこなす人の価値より、プロフェッショナルとしてスキルを磨きアイデア を出す人の価値が増しています。
 やる気満々で、脳の快感中枢であるA10神経からドーパミンを出し、
「命と愛の次ぎに大事な金をもらえる」付加価値の高い仕事をすれば、 市場は多額の報酬を認める時代です。切磋琢磨するITコーディネータ の活躍の機会が広がっています。
 編集担当が交代します。2年間、編集後記のご愛読ありがとうござい ました。

資格者やケース研修受講者のメールアドレス変更は、資格者情報登録
修正 http://www.itc.or.jp/menu_top/index_u004.html
の連絡先メールアドレスを変更してください。
会員のメールアドレス変更は、
脱会・登録情報変更依頼書あるいは記名登録情報変更依頼書
http://www.itc.or.jp/kaiin/kaiin3.html をお送りください。
配信に関する問合せ、配信停止等は以下の編集担当までお願い致します。
「創新」は約7,000名の方にお送りしています。


                        編集担当:西脇 隆 info-pr@itc.or.jp
                       発行:ITコーディネータ協会 広報担当

Copyright 2002 IT Coordinators Association, All rights reserved.