ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー
     ITCAメールマガジン「創新」 第57号 2004.4.16

   目次
1. 巻頭言 「ユビキタス社会構築の推進役として」
2. 届出組織 「ITC梁山泊の動向」
3. 協会便り 「日本郵政公社の入札案件でITC資格が加点対象資格に!」
4. 読者の広場 「内閣法制局CIO補佐官への就任と感想」
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1. 巻頭言 「ユビキタス社会構築の推進役として」
                      ITC-G(グランドファーザー) 北川 正恭
                  (早稲田大学大学院 公共経営研究科 教授)

 明治維新は、1853年ペリーが浦賀に来航してから15年後、1868年に起こった。 蒸気機関車船の発明から産業革命が起こり、幕末の頃には列強各国の船が 日本周辺に出没することになった。

 明治維新は産業革命による科学技術の進歩がもたらしたものだともいえる。 文明史的転換は農業革命にしろ、産業革命にしろ科学技術の発展、進歩の 結果、政治、行政、経済等々、ソフトがその変化を受け入れるため、数十年を 費やして整備されていくものである。

 明治維新にしてもこの近代科学を受け入れた国づくりのために、郵便や鉄道の インフラを含め、明治憲法発布まで23年かかって体裁を整えたのである。農業、 産業革命に匹敵するか、むしろそれより大きい情報革命が起こって20年程経過 している。

 今の情報革命も従来のパラダイムをほとんど決定的に作り変えることになる。 ポストモダーンが本格的に始まり、私たち世代がこんなものだと思い込んできた 民主主義も資本主義も決定的に変えられることになる。当然、政治、行政、 経済等の仕組みや運営方法も大きく変えざるを得なくなる。

 それを早く、大きく変えられる国や組織こそがリーダーの座につくことになる。 そのことは、産業革命で勝利した欧米諸国がこの200年世界をリードしてきたこと でも証明されている。ソフト、ハード、名実共にユビキタス社会を素早く確実に 作りだすことがOECD加盟国の日本にとって、とても大切なことである。

 ITコーディネータは、このユビキタス社会構築に向けた舵取り役として、経営と ITの橋渡しにとどまらず、行政を含めた社会的な支援活動へと、大きな役割を 果たしていくことを期待したい。
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2. 届出組織 「ITC梁山泊の動向」
                             中山 健(運営委員 広報担当)

 2002年8月に約40名で立上げたITC梁山泊は、ユーザー系、独立系、企業系の 研修修了者を中心に組織化し、2004年度は活動3年目を迎え60名を超える メンバーで関東を中心に東北から関西までメンバーネットワークが広がっています。

 活動内容は、(1)ITC実践活動、(2)複数テーマ分科会方式の勉強会、(3)団体 外の講師を招聘したポイント対象のセミナー開催があげられ、年間を通して定期、 不定期の活発な活動を繰り広げています。

 設立当初から、実践の積み重ねがアピールできる実績になり、ノウハウの 蓄積につながるとの考え方から、都内中小企業家同友会でのIT相談会、K工業会 殿でのSWOT分析・経営課題抽出・IT企画策定サービスの実施など、実践に基づく 活動と、これらを支える経営管理技術、情報技術の理論的バックボーン及び メンバー個々が持つ豊富な経験と知識、スキルの交換から、新たな価値を創出 することを目指しています。

 外部講師によるセミナー開催では、これまで経済産業省、横須賀市、日本テレ ワーク協会、ERP研究推進フォーラム、サプライチェーンカウンシル日本支部、 法政大学などから協力を仰ぎました。

 テーマもIT業界の構造的問題を再提起するなど、あえて辛口で本音で語り合う テーマや、一見関係性や関連性が見られない団体に共通テーマで議論を繰り 広げて頂き、新たな方法論を探るなど、チャレンジャブルな展開を進めている ことから、団体メンバ以外の一般参画者も回を重ねるごとに増加傾向にあります。

 今年度は、新たな挑戦として団体運営のあり方そのものを、ITCの切り口で 改革・改善していくことを試みており、プロジェクトマネジメントやWeb技術の 活用により、団体運営の効率化とスピード化を図り、時代の変化に即応できる 集団、時代の変化を先読みできる集団となるべく、活動内容をブラッシュアップ しています。

 ITC梁山泊では、他のITC組織からの見学や、ITC梁山泊メンバーの紹介による 新規メンバーの参画が増えており、他団体との交流やメンバー活性化のスピード が向上しています。当団体のホームページでも、その活動の雰囲気を垣間見る ことが可能です。是非お気軽にご来場ください。
 http://www.itc-ryozanpaku.org/
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3. 協会便り 「日本郵政公社の入札案件でITC資格が加点対象資格に!」
                    ITコーディネータ協会 広報担当 松下 正夫

■日本郵政公社の入札案件でITC資格が加点対象資格に!
2001年度から毎年単年度で調達しているネットワークの運用関係等の調達 3案件(2004年3月24日公告:「郵政総合情報通信ネットワークシステムの利用 システム等接続試験の委託」ほか2件)についてWTOの総合評価方式の加点 要素として、2004年度調達分から新たにITコーディネータが加えられました。

 また更に、仕様書案に対する意見招請を実施中(2004年4月1日公示)の「郵 政総合情報通信ネットワーク次世代システム構築における設計作業等の委託」 案件では、ITC資格を入札参加資格要件とする案で意見招請が図られています。

 この他にも農林水産省、日本道路公団など入札資格要件に採用されていま すが、同様の情報をお持ちの方がありましたら、是非広報までお知らせ下さい。
・日本郵政公社ホームページ(「国際調達」の「入札公告」及び「意見招請」参照)  http://www.shizai2.japanpost.jp/supplier/chotatu.html

■IT推進アドバイザー派遣 ・・・ 前年比150%増加! (2003年度実績)
 ITコーディネータ協会は2002年度後半より、中小企業総合事業団の中小 企業情報化支援事業である、IT推進アドバイザー派遣制度の申込み窓口業務 を行っておりますが、昨今、ITCの認知度向上に伴い、企業経営者等からの 問い合せや派遣依頼が大幅に増加してきています。
 2002年度、協会が受付けた派遣回数は34件(制度全体271件)でしたが、 2003年度は236件(制度全体671件)に伸び、ITCの派遣は全体の約70%(457件) となり、多くのITCが中小企業の「IT経営」実現の契機となる支援を行いました。
・IT推進アドバイザー派遣制度
 http://j-net21.jasmec.go.jp/jigyodan/it_advice/itadvice.html

■「ITC Conference 2004」 開催日決定のお知らせ
 今回で第3回目となるITCの全国大会イベント「ITC Conference 2004」が、 8月27日(金)・28日(土)の2日間、東京国際フォーラム(東京・有楽町)で開催 されることとなりました。(主催:ITC協会「ITC Conference 2004」実行小委員会)  今後、実行委員を募集し、具体的に企画・運営を進めていきますので、 ご協力お願いします。
・協会ホームページ http://www.itc.or.jp/event/itc_conf2004/

■ITコーディネータ協会認定の専門知識教材が4月16日発売予定
 「ITコーディネータこれからの実践知識」 (株)アスキー発行 
・協会ホームページ http://www.itc.or.jp/text/text_list.htm
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4. 読者の広場 「内閣法制局CIO補佐官への就任と感想」
                             ITコーディネータ 川合 浩司

 私は、今年1月に内閣法制局の情報化統括責任者(CIO)補佐官に就任しました。 CIO補佐官は、「電子政府構築計画」実現のため、各府省に設置され、業務・ システム最適化計画の策定に係わる内容・方法について専門的・技術的な助言・ 指導を与えるものとされています。現在、一部の府省を除いて民間のIT専門家が この役についています。

 この「電子政府構築計画」を有効かつ効率よく進めるために採用されている設計 思想・方法論にEA(Enterprise Architecture)という手法があります。実は、私が CIO補佐官に就いた直接のきっかけとなったのは、昨年秋に受講したEAの研修 です。たまたま、ITコーディネータの関係者の方からこの研修開催のご案内を 頂き、多忙ではありましたが思い切って2ケ月間、土曜日をつぶして受講しました。
この研修の受講が縁となり、今回、CIO補佐官に就任した次第です。

 今回のCIO補佐官就任で思うのは、人脈の大切さです。私は、現在、ITコーディ ネータの他に、中小企業診断士、ISMS主任審査員などの資格を持っています。
資格は、知識、実務経験を保有することを客観的に示してくれる意味で重要ですが、 私にとっては、資格仲間の皆様との人脈の構築が大きいと感じています。今回の CIO補佐官の就任に至る経過を振り返って改めてそう思いました。

 長らく民間の会社に勤務していた私にとって、直接の政府の仕事というのは、 初めてです。業務の流れ、用語など民間と随分違っており、正直、戸惑いも ありますが、民間の発想を取り入れて、「電子政府構築」に少しでも貢献できれ ばと考えています。
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<編集後記>
 4月1日協会に着任し、早速4月10日から、同時に着任した他の2名と、土日の ケース研修の受講を始めました。協会の仕事をしながら、ITCプロセスガイド ラインを眺めるだけでは皆様とお話もできませんから、ここは土日も踏ん張って 勉強しています。
 私が参加しているクラスは33名ですが、若い方が多いのに驚きました。会社から 選抜されてこられた方、独立して事務所を持たれた個人参加の方など、様々です。
 すでにコミュニティが立ち上がり、情報交換が始まっています。私は「届出組織」 の窓口も担当していますが、多くの組織がこのケース研修で共に学んだ仲間が 母体という事実を見ていますと、これから先が楽しみです。
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資格者やケース研修受講者のメールアドレス変更は、資格者情報登録修正
(http://www.itc.or.jp/menu_top/index_u004.html)の 連絡先メールアドレスを 変更してください。
会員のメールアドレス変更は、脱会・登録情報変更依頼書あるいは記名登録 情報変更依頼書 http://www.itc.or.jp/kaiin/kaiin3.htmlをお送りください。
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                     編集担当: 前田 信太郎 info-pr@itc.or.jp
                       発行: ITコーディネータ協会 広報担当

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