ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー
     ITCAメールマガジン「創新」 第58号 2004.4.30

   目次
1. 巻頭言 「デジタル・インフラとITC」
2. 届出組織の動向 「ITCやまぐち協同組合の活動」
3. 協会便り 「広島銀行と企業のIT化支援で提携」(広島ITC協同組合)
4. 読者の広場 「電子情報大国への道は分散化と多極化から」
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1. 巻頭言 「デジタル・インフラとITC」
                        ITC-G(グランドファーザー) 堀池 秀人
                             (建築家、MIT大学院客員教授)

 いまこの国では、デジタル・インフラの構築が進みつつありますが、とは 言っても光ファイバーの敷設が先行しているだけで、社会のインフラとして 機能していくために肝要なノードとしてのデータセンターは未整備と言わ ざるを得ないところです。

 一口にデータセンターと言っても、一昔前のデータ倉庫やサーバーの置場 といったレベルから、昨今のiDC、さらには公共iDC、そして次世代複雑系 DCに到るまで幅が広い。未整備なのは公共iDCや次世代複雑系DCの話。 次世代型のそれは、来年ようやく登場するといったところです。それでも このデジタル・インフラの整備は、世界最先端レベルで、しかもG8諸国の 鼻を切って進もうとしています。

 デジタル・インフラが出来上がると、急激にデジタル化が進行し、コンテンツ などのe-ビジネスは一気に花開いていくでしょう。世界各国が鎬を削りながら、 先陣争いを繰り広げている国レベルのデジタル・インフラの整備は、ボーダ レスでグローバルなビジネスを睨んだ、まさに覇権争いでもあるのです。

 建築の世界でも、いま急速にビルディングタイプ(形式)の変化が起こって おりますが、これなどは、まさにデジタル時代への適応化の好例です。 今後は各分野でこうした移行と適応化が急速に求められてくるでしょう。

 世界はとっくにモジュール化の時代に移行しているのに、いまだにメイン フレームを盲信する珍しいIT後進国だったこの国が、ようやく飛躍を遂げようと するいまこそ、その伝道師たるITコーディネータの出番ではないでしょうか。
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2. 届出組織の動向  「ITCやまぐち協同組合の活動」
                                 代表理事   谷口 修

 ITCやまぐちは、山口県内で活動していたITC6名が、情報交換や勉強会 によるスキルアップ、共同事業の実施を通してITCとして自立を図ることを 目的に、2002年9月に設立した協同組合です。現在は、県内すべてのITC、 ITC補11名が組合員として所属しています。

 組合では、毎月第1土曜日10時〜16時に例会を開催しています。午前は、 組合の共同事業の活動経過報告と今後の検討です。午後は、MOT(技術 経営)やe-ラーニングなどテーマを決めた勉強会や、ベンダー各社から プレゼンテーションを受けるなど、スキルアップに努めています。

 本年5月9日、当組合の総会では、昨年に引続き1ポイント付きの研修会を 開催します。詳しくは、ITC協会のホームページをご覧下さい。
http://www.itc.or.jp/event/kakusyu/2004/kouen_yamaguti_040509.html

 例会以外では、山口県と共同でIT活用を支援するための人材育成を目的に 「ITアドバイザー研修」を3箇所で実施。また、ITSSP事業では、組合が実施 機関となり「経営者研修」や「RFP作成事業」に取り組みました。その他の 活動として、山口大学のMOT教材開発グループと共同で、「プロジェクト マネジメント」や「ファイナンス」など、中小企業向けのMOT(技術経営)教材を 開発しました。本年度は、地元金融機関と連携し、県内各地で研修会を開催 することとなっています。

 当組合としては、引き続き山口県や地元金融機関と連携しながら、中小 企業の経営革新を支援していきたいと考えています。
 ・ITCやまぐちのホームページ  http://www.siy.co.jp/itc/
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3. 協会便り 「広島銀行と企業のIT化支援で提携」(広島ITC協同組合)
                     ITコーディネータ協会 広報担当 松下 正夫

■広島銀行と企業のIT化支援で提携 (広島ITC協同組合)
 2004年4月より広島ITC協同組合(普家浩文理事長)は、広島銀行から IT化支援を希望する顧客の紹介を受け、成約時に手数料を支払う提携を 開始しました。同行のIT推進室では、システム開発会社6社とも提携し、 納入決定時には同様に手数料を受け取る。過日早速一件成約した模様。
(4/20:日経広島版、日経金融新聞に掲載記事)
・http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20040419c6b1902s19.html
・広島ITC協同組合 http://www.h-itc.org/

■ITコーディネータ組織100、 ITコーディネータ5,000名突破!
 ITコーディネータ届出組織が、4月以降7組織増え、101組織となりました。
また、4月28日に新たにITC303名、ITC補46名が認定発表され、資格者数 累計は、ITC3,656名、ITC補1,497名、合計5,153名となりました。
・ITC届出組織 http://www.itc.or.jp/press/itcmap/SosikiMap.html
・ITC認定者プレス発表 http://www.itc.or.jp/press/press_top.html

■ITコーディネータの活用で開発費を1億円削減!(広島県福山市役所)
 標記ニュースがWebでも紹介されました。
・日経BPガバメントテクノロジー
http://premium.nikkeibp.co.jp/e-gov/case/2004/case44a.shtml
・@IT情報マネジメント
http://www.atmarkit.co.jp/fbiz/cbuild/serial/doukou/07/doukou07.html

■「2004北海道IT活用撰集」でITコーディネータが受賞
 北海道の経済団体(札幌商工会議所、北海道経済連合会、北海道商工 会議所連合会)がITの活用による地域経済の活性化促進を目的に行った 「2004北海道IT活用撰集」で、ITコーディネータの佐々木身智子さんが ベスト・コーディネート賞に選ばれました。
・札幌商工会議所 http://www.sapporo-cci.or.jp/index-j.html

■フェロー制度の新設と公募 4/26〜5/10 (ITC協会)
 ITC協会の要である各委員会のスタッフとしてミッションと期間を明確にし 高い専門性を持って自主的に活動する研究員(フェロー)制度を新設し、ITC 及びITC補を対象に公募いたしました。今回の募集は2名、期間は1年です。
・ITC協会 http://www.itc.or.jp/index.html(ITC専用ページ)

■「中小企業IT化推進計画II」(中小企業庁)
「業務改善のためのIT化」から「経営革新のためのIT利活用」に重点を置い た「中小企業IT化推進計画II」(2004年3月22日策定)には、IT利活用を 支援する専門家としてITコーディネータが明確に位置付けられています。
 http://www.chusho.meti.go.jp/it/040322it_keikaku2.htm

■第6回ITC補試験の応募者数
 5月30日(日)に実施される第6回ITC補試験には、987名(前年同期比
+80名:+8.8%)の応募申込みがありました。(4月14日締切済み)

■COMPASS春号 4/26発刊
 ITC協会が編集協力している「COMPASS」春号が発刊されました。 協会からご希望の方に無料配布いたしますので詳しくはホームページ (今月のトピックス)をご覧下さい。
 http://www.itc.or.jp/index.html
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4. 読者の広場 「電子情報大国への道は分散化と多極化から」
                          市村経営事務所 代表 市村 保雄

 私は、ITC近畿会の広報を担当し、関西を中心に活動していることもあり ますので、地方からの視点でわが国のITを巡る状況を考えてみたいと思い ます。ここしばらく、知り合いのコンサルタントやITコーディネータの顔を 見ないな、と思っていたら大概東京方面に仕事を求めて行っています。
曰く「仕事の量が多いから」「情報が手に入るから」。

 「パリとフランスは別物」という言葉があります。これは、昔パリに一極 集中したフランスという国を揶揄した言葉でした。この轍に従うと、今や わが国は「東京と日本は別物」状態だと言えます。IT分野においても、 東京を中心とする首都圏と、その他の地方の格差は拡大する一方です。

 国土の大小の差はあるでしょうが、西海岸、五大湖周辺、東海岸などと バランス良く多極化している米国を一つの例と見るならば、日本がどの 方向に進めば良いのかは自明の理です。

 そもそも、分散化、多極化の戦略的ツールであるはずのITの分野で 一極集中に陥っている状態は、皮肉としか言いようがありません。
2005年までに日本を世界最先端の電子立国にする、と高らかに謳った e-Japan構想の実現の鍵は、産官学を含めたあらゆる分野での分散化と 多極化にあると考えています。

 「ネ・オ・ダ・マ」という言葉を懐かしく感じる方もいるでしょう。ネットワーク、 オープン、ダウンサイジング、マルチメディア、それぞれ分散化、多極化への 技術的基盤の整備は着々と進んできました。立ち遅れているのは人間的 側面で、「創造的破壊」が求められていると訴えたいところです。
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<編集後記>
 4月に入って協会は、5,000突破、100突破という言葉が飛び交っています。 読者の方々はこの数字がおわかりでしょうか?
 解答は、このメルマガの協会便りにあるとおり、ITC資格者が5,153名と なったこと、届出組織が101となったことです。
 いずれも、4月28日での大台越えです。
 私が4月に協会に赴任し、仕事を始めたばかりでこのようなトッピクスに 遭遇し思うことは、3年前ゼロからスタートした、このITC制度を軌道に 乗せてこられた先人たちの情熱です。協会の事務局としても、手探りの 中から今の形になった重みを感じています。
 次は、5,000名の力と、100の組織力の相乗効果が発揮され、日本中が ITCパワーで満ち溢れる日の実現に向け、共に進んでいきたいと思います。
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                     編集担当: 前田 信太郎 info-pr@itc.or.jp
                       発行: ITコーディネータ協会 広報担当

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