ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー
     ITCAメールマガジン「創新」 第59号 2004.5.14

   目次
1. 巻頭言 「中小企業からITコーディネータへの期待」
2. 届出組織の動向 「医業IT研究会の活動」
3. 協会便り 「名古屋SCがITC顧問業務、コンサルサービスを推進!」
4. 読者の広場 「ユーザー企業内ITCとして…」
---------------------------------------------------------------
1. 巻頭言 「中小企業からITコーディネータへの期待」
                       ITC-G(グランドファーザー) 上野 保
               (東成エレクトロビーム株式会社 代表取締役社長)

 4月に、ITCが5,153名に達した事を、関係者の皆様にお慶び申し上げます。

 我国の景況は、自動車や情報家電が牽引役となり、久し振りに回復基調に 入ったと考えられるようになりました。
 トヨタ自動車は、2004年3月期で純利益が1兆1,620億円に達し、製造業と しては世界最高水準となったことは象徴的です。

 製造業の活況が流通業やサービス業にも波及し、各地域や多くの中小 企業に反映するには、もう少し時間がかかると思われます。

 そして、業績の回復や設備投資への取り組みには開きが見られます。
 好調な業績を実現しているのは、厳しい状況の時に新しい製品開発や加工 技術開発、新規顧客開拓などの経営革新を実践して来た会社が中心です。

 今、国は、現状認識として世界競争の中でどう勝ち抜くか、社会の要請に どう応えるか、そして、地域の低迷をどう脱却するかという3つの視点で捉えて います。そして、強みやチャンスとして、ITの利用拡大により社会の変化に 対応した、市場ニーズに応える産業群の実現を戦略に掲げています。

 私共中小企業は、多くの経営課題を抱えています。その中でも、ITに関しては、 かなり普及は進みましたが、受発注や生産管理などの基幹業務への適用は、 まだまだ進んでいないのが実状です。

 これは、中小企業経営者の意識改革にも問題がありますが、各中小企業の デジタル化の遅れと、古いシステムの高額な再投資への躊躇があります。
 この様な課題に対しての解決策としては、ITコーディネータの支援が極めて 重要であります。

 また、業界や企業で異なる伝票やフォーマットの標準化と、普及するための 安価なパッケージの提供と多くの企業の参画が必要と考えています。
 今後ともITコーディネータ協会が中心となり、中小企業のIT活用による経営 革新の支援に、大きな期待を申し上げます。
---------------------------------------------------------------
2. 届出組織の動向  「医業IT研究会の活動」
                        医業IT研究会 代表幹事 柴崎 哲也

 医療保険制度改革や診療報酬の見直しにより、医療機関の経営環境は 厳しさを増し一層の経営効率化が求められています。係る環境下、行政の 指導を含め、情報化投資による経営効率化は、医療機関にとって今後不可避な 経営課題となっていることは皆様もご存知のことと思います。

 本研究会は、ITプロセスアプローチを習得したITC、ITC補の資格を持つ 中小企業診断士が、医療機関に対して経営改革提案を行う際に必要とされる ITリソースの活用手法、ツールを研究開発する目的で発足致しました。

 定例会では、医療の各分野でご活躍の方々を講師として招聘し、研究会の 実践的テーマでお話いただいております。また、発足3年目を迎えた本年度の テーマとして、診断士としてのスキルアップを兼ねた実践的な活動も計画して います。

 例えば、医業経営に関するあらゆるニーズに応えるべく、地域の医師会を 対象にした相談会を通じて、問題解決型のコンサルティング活動を行います。 ご相談頂いた内容につきましては、当会会員の他、中小企業診断協会、IT コーディネータ協会、MEDIS等の組織的ネットワークを活用して対応致します。

 当会の組織、過去の活動内容及びコンサルティング項目につきましては、 詳細をホームページに掲載しておりますのでご参照下さい。
          URL: http://www.healthcare-itc.com
---------------------------------------------------------------
3. 協会便り 「名古屋SCがITC顧問業務、コンサルサービスを推進!」
                ITコーディネータ協会 広報担当 松下 正夫

■(株)名古屋ソフトウェアセンターがITC顧問業務、コンサルサービスを推進!
 国、愛知県、名古屋市、民間企業が出資し情報処理技術者育成等を行う (株)名古屋ソフトウェアセンターが、昨年4月より新規事業としてITCセンター を設置し、地元中部地区のITCと連携して企業とのITC顧問契約、コンサル 業務サービスを営業・推進中です。現在、ITC中部の約40名が参加登録し、 案件に応じて同センターが適格者を選定。既に13社との顧問契約と、複数の コンサルサービスを展開中です。
(株)名古屋ソフトウェアセンター http://www.nagoya-sc.co.jp/

■「中小企業IT化推進フェア2004」開催 (名古屋会場:6/9〜6/11)
 経済産業省および独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、昨年度に 引き続きITSSP事業の一環として、中小企業の経営力を高めるためのイベント 「中小企業IT化推進フェア2004」を名古屋市、仙台市、北九州市の3会場で 開催いたします。ITC協会は全3会場にブースを出展しITC講師(公募)による 小セミナーや、経営とITに関する無料相談会などを行います。お知りあいの 経営者の方をお誘い頂き、多数ご来場ください。
           http://www.itc.or.jp/profile/it_fair/itfair04.html

■自民党「地域再生調査会」で、ITCが支援した経営者とITCが講演
 5月12日、小泉内閣が進める地域再生施策を自民党内で検討する 「地域再生調査会」(平沼赳夫委員長)に、ITCの支援を受けて経営改革を 推進中の東海バネ工業(株)渡辺良樹社長と、ITCの佐伯祐司氏が招かれ ました。 東海バネ工業が、大阪市の支援事業で、ITを活用し、1年間に 300万円の費用で新規顧客100社、材料在庫削減17%を達成した実例を 紹介しました。 議員からは「高いインフラを導入しても効果が出ないケース が多い。もっとITCのコンサルに補助金をつけるべきだ」との意見も出るなど、 ITCに対して高い関心が示されました。

■ITC協会ホームページに事例掲載(予告)
 5月下旬から、ITC協会ホームページに中小企業経営者の方々に読んで いただけるような、ITコーディネータの活用事例を掲載いたします。
どうぞご期待ください。

■ITCA主催セミナー、5/14より募集開始
 EQベースコミュニケーション演習 (6/3沖縄、6/16広島)
   http://www.itc.or.jp/event/itca_seminar/event_schedule_eq.html
 ナレッジマネジメント(知の経営)の実践 (6/25東京)
   http://www.itc.or.jp/event/itca_seminar/event_schedule_nm2.html
 ビジネスコーチング演習(6/12仙台、6/26福岡)
   http://www.itc.or.jp/event/itca_seminar/event_schedule_bc.html
---------------------------------------------------------------
4. 読者の広場 「ユーザー企業内ITCとして…」
            住友重機械工業株式会社 ITC/ITCI 古川 正紀

 ITCの約8%を占めている層って解りますか? これがユーザー企業内 ITCの割合。私もその構成員です。ITC第一期生の中での割合は、もう少し 多いかなと思っていたのですが、むしろ割合としては、近頃減少傾向では ないでしょうか… 寂しいですね。

 私のITCとしての活動は、ケース研修インストラクターと地域組織での 活動に限られています。会社の半日休暇を取得して、「ITC埼玉代表幹事 ○○…」の名刺に持ち替え、多くの公の機関にお邪魔し、お話させて頂い たり、伺ったりと…。 その割には成果が上がっていないと、お叱りを仲間 から頂いておりますが。

 しかし、会社では体験できない、貴重な経験をさせて頂いております。 私共の団体は任意団体なのですが、今年こそは、その限界まで組織力を 発揮させよう…と目論んでいるところです。

 ところで、そんなことをしている私を送り出してくれた会社にとって、ITCを 抱えているメリットはあったのでしょうか。
 現在弊社では、次期中期計画を策定中です。私のミッションの1つが、 企業グループ全体の情報戦略を策定する事です。まさしくEA (Enterprise Architecture) の出番です。現在、「自治体向けEA研修」のためのインスト ラクター研修を受講中ですから、会社にも貢献していると考えています。

 当社のEA、うまくできたら、エクセレンス・モデルとして使って頂ける でしょうか…? 実力のあるITC仲間が手伝って下さったらの話でしょうね。
---------------------------------------------------------------
<編集後記>
 5月の連休を利用して、山口県萩に帰省してきました。
4/30のメルマガ「創新」で、ITCやまぐちに登場していただいたばかりですが、 同郷であり直接お目にかかってお話がしたく、ご連絡をとりました。
 幸い、3名の幹部の方々にお会いすることができ、EA研修への期待、山口 大学と共同開発したMOT講座の横展開のお話を始め、貴重な現場の状況や、 ご意見をお聴きすることができました。
 すでに、県、県ソフトウェアセンター、大学、銀行などとの太いパイプができ あがっており、地域に根ざした活動を、共同組合という形態をうまく生かして、 着実に実践しておられることに感服。
 山口県内のITCはわずか11名ですが、全員がITCやまぐちの会員で、その 熱意と活動内容は、ITC少数県の参考になるのでは、と感じた次第です。

---------------------------------------------------------------
・「創新」は、約7,000名の方に、2週間おきにお送りしています。
・配信に関するお問合せ、資格者と会員以外の配信停止等は、編集担当まで ご連絡ください。
・資格者及びケース研修受講者の方のメールアドレス変更は、協会HPトップ 画面の左メニュー「資格者情報登録修正」 https://wws.itc.or.jp/auth/で、 連絡先メールアドレスを変更してください。
・会員のメールアドレス変更は、脱会・登録情報変更依頼書、あるいは記名 登録情報変更依頼書 http://www.itc.or.jp/kaiin/kaiin3.htmlをお送りください。

                     編集担当: 前田 信太郎 info-pr@itc.or.jp
                       発行: ITコーディネータ協会 広報担当

Copyright 2002 IT Coordinators Association, All rights reserved.