ITCAメールマガジン「創新」バックナンバー
     ITCAメールマガジン「創新」 第63号 2004.7.9

   目次
1. 巻頭言「ITCの役割再考: “企業のビジネス成功引受人”」
2. 届出組織の動向「広島銀行との提携」
3. 協会便り「ITC全国コミュニティ(届出組織)大会、75組織が参加」
4. 読者の広場「わかって欲しい、地方ITCの苦悩」

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1. 巻頭言 「ITCの役割再考: “企業のビジネス成功引受人”」
            ERP研究推進フォーラム 常任理事  田口 佳孝

 ITCの役割を再度考えて見るとき、その役割は一言で言えば、“企業の ビジネス成功引受人”ではないだろうか? 米国のCIOについて研究したことが ある。90年代CIOが誕生した当初は、どの企業もITの専門家を選んだ。 その結果は、うまく行かなかった。理由は、新しい技術、時には未熟な技術の 採用など、技術先行型であったからである。

 その反省から、多くの企業は、今度は逆に、ビジネス経験が豊富な人材を CIOに選んだ。その結果、やはりうまく行かなかった。それは、ITに関する知識 不足から来る、過大なIT投資を進めてしまったり、逆に、ITの投資タイミングに 遅れを取って競争力を失ってしまったりするケースが続出した。

 これらの反省を踏まえて、CIOの役割には、ビジネスの理解、ITの理解、 社内のビジネスオーナー、更には、その先の外の、顧客とコミュニケーション できる素養が必要とされることがわかった。それに加えて、CIOはITを活用した ビジネスを創造するアントレプレーナーの面も持ち合わせていることが重要で あるとされる。 ITCはCIOではないが、その役割を考える時に、米国での CIOの事例は参考になる。

 ITCのカバーする範囲は、経営戦略立案、情報化戦略立案、調達、構築、 運用と大変に幅広い。その中で、ITCは、ITを通してユーザーのビジネス成功を 支援していかなければならない。その責任は重い。しかし、成功した時の喜び には大きいものがある。ITC一人ひとりが、切磋琢磨して、ユーザー企業の “ビジネス成功引受人”として活躍され、多くの成功事例が出てくることを 期待している。

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2. 届出組織の動向 「広島銀行との提携」
               広島ITコーディネータ協同組合 理事長  普家 浩文

 広島ITコーディネータ協同組合(HITC)では、4月から、広島銀行からIT化 支援を希望する顧客の紹介を受ける、という提携を行いました。この件につい ては、日経新聞地元版に取り上げていただき、また、このメールマガジンでも、 第58号で紹介されました。今日は、その後の展開について、少しお話させて いただこうと思います。

 さて、提携後まもなく広島銀行から、1案件の紹介が入り、銀行の方と 一緒に顧客を訪問しました。最初に説明にうかがった際に支援を実施する 方向で合意し、その後無事成約に至り、支援を実施することになりました。

 この第1号案件についても、日経新聞地元版に取り上げていただきましたが、 広島県の理美容卸業を営む企業さんです。その後も広島銀行からは続々と 案件の紹介があり、組合員が個別に鋭意営業活動をしているところです。

 正直なところ、当初は、ここまで反応が早く、また多いとは考えていません でした。広島銀行のIT推進室が、この提携に力を入れて活動していただいた 結果であることは言うまでもないと思いますが、潜在的にIT活用に悩む企業が 多いことは紛れもない事実だと肌で感じています。

 ところで、組織で受注する場合、一番難しいことは、誰にどの案件を担当して いただくか、ということです。HITCでは、組合員からの公募によって担当者を 決定していますが、支援先企業にとって最善の成果を出せるということと、 ITCを育てていく、という点にも気を配りながら、担当者・担当チームを決定する ことにしています。

 最後に、我々の支援の目標は、「支援先企業の期待を上回る効果をあげる」 ことです。        HITCホームページ http://www.h-itc.org

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3. 協会便り 「ITC全国コミュニティ(届出組織)大会、75組織が参加」
                   ITコーディネータ協会 広報担当  松下 正夫

■第4回ITC全国コミュニティ(届出組織)大会開催、75組織が参加
 7月2日(金)、東京メルパルクホテル(三田)にて、ITC協会業務開発・広報 委員会主催により「第4回ITC全国コミュニティ大会」を開催しました。
 全国から75の届出組織広報責任者が参加し、ご来賓には経済産業省、 IPAをお招きし、ITC協会業務開発・広報活動方針の説明、ITC組織活動の 事例紹介(5件)、夕方は懇親会を行ない、情報交換・交流を深めました。
議事次第、発表資料はITC専用頁に公開しています。
        http://www.itc.or.jp/menu_top/index_u004.html

■「ITC Conference 2004」経営者無料招待受付中!(先着200名様)
 8月27日(金)・28日(土)の2日間、東京国際フォーラム(東京・有楽町)で ITC協会が開催する「ITC Conference 2004」の2日目に、経営者(役員以上 の方)の無料招待(先着200名様)を募集中です。お客様に是非ご案内ください。
       http://www.itc.or.jp/event/itc_conf2004/index.html
        (経営者ご招待ボタンより)

■IPAソフトウェア開発事業に係る「公募説明会」開催について
 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、現在公募中の2004年度後期
ソフトウェア開発事業について、全国5都市で「公募説明会」が開催されます。
【7月20日(火)札幌、大阪、7月21日(水)名古屋、福岡、7月22日(木)東京】
  http://www.ipa.go.jp/software/zuiji/2004/setsumeikai/koboinfo.html

■第6回ITコーディネータ補試験合格者発表!(7月1日)
 5月30日(日)に実施した第6回試験の結果は以下のとおりです。
受験者数902名、合格者466名、合格率51.7%(合格者/受験者)
次回、第7回試験は11月28日(日)。募集は9月1日〜10月12日(予定)です。
http://www.itc.or.jp/test/test_main.html

■「IT経営応援隊」情報掲載頁がITSSPホームページ内に誕生
 ITSSPホームページに、IT経営応援隊関連の情報を掲載するページが設置 されましたのでお知らせします。
           http://www.itssp.gr.jp/ouentai/index.htm

■【IT経営応援隊事業】「中堅・中小企業IT化経営展2004」開催
 中小企業のIT入門マガジン「COMPASS」を発行する(株)リックテレコム主催 イベントが7月21日(水)〜23日(金)、東京ビッグサイトで開催されます。 ITCを活用して経営改革に成功した経営者の講演や、ITCも参加するパネル ディスカッションなどが予定されています。
             http://www.ric.co.jp/expo/it2004

■ITC協会のホームページが新しくなりました!
 ITCのユーザーである経営者の方々にもっと見ていただけるように装いを変え、 ITCを活用した経営者や自治体の方々のコメントやビデオを掲載しています。 是非、一度、ご覧下さい。
              http://www.itc.or.jp/index.html

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4. 読者の広場 「わかって欲しい、地方ITCの苦悩」
                   有限会社リンクス 取締役副社長 野上 純二
                      (宮崎ITコーディネータ協議会 副会長)

 今回は南国九州に拠点を構えるITC宮崎のご紹介をしたいと思います。 昨今の当地宮崎は経済基盤において大変厳しい地域にあります。しかし、 農業生産など全国有数の県産品もあり、観光・農業・林業とスポットを浴びて いる焼酎の美味しい産地でもあります。

 だからこそ情熱を抱いた地域ITCの出番なのかもしれません。ITC資格者が 誕生した初年度2001年は、宮崎の有資格者数ゼロの汚名を頂き、それ以来 発奮し、現在は総勢有資格者25名の組織までに成長しました。
 宮崎は都市圏ITCとは違い、地方独自のキャラクターを大切にし、南国 九州の中で醸成された焼酎が大好きなITC集団です。

 ITC宮崎の実績ですが、幸いなことに平成15年度はITCを活用したITSS 事業の中の「地域ITプロフェッショナル育成研修事業」を、宮崎県ソフトウェア センターと、ITCA協会、宮崎県と一緒に取組むことが出来ました。内容的には、 新しい研修教材を使用して高度情報化人材育成の実習を実証実験として 行いました。今回の一番の事業成果は、この研修を通じて、少しでも地域 活性化への足がかりとなる高度人材育成につながった点だと思っています。

 最近、私自身あらためて地方人としての悔しい思いをしております。
それは、どうしても新しいビジネスチャンスや最新の技術動向セミナー等が 都市圏集中型となっており、新しい情報のキャッチングと新時流に乗り 遅れない工夫を日夜迫られていることです。まさしくe-Japan構想のIT基本 法の中にある「利用の機会等の格差の是正」であると実感しています。

 このため、この場をお借りしてITCAにお願いがあります。
(1) 地域ITCの活用を図る上で、ITCIの再編と新規採用
(2) ITCAの諸活動において、地域ITCの起用
(3) eラーニングなど、「いつでも、どこでも」できる研修と情報の入手
(4) 国の公募事業など、地域ITCが個々に公募申請をしても微力です。
ITCAが窓口となり、積極的に地方ITCと連携し、地域全体の活性化を図る

今やITCも全国5,000人を超えました。これはまさしく巨大なコンサル軍団 です。地域ITCが結束して、全国レベルでの事業に取組みたいですね。

 今後のITCに求められるものの一つとして、「組織の調和」・「組織の融合」を 念頭に、我々ITCが潜在能力を生かし、「失われた10年」の活性化に向けて どうチャンスを生かせるか、私にとっても大きな課題です。
 連絡先: ITC宮崎 jnogami@nifty.com

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<編集後記>
 4月10日から土日を利用して受講を始めたケース研修が、ようやく7月4日に 修了した。桜の季節から、真夏の装いの日まで、シーズンが変わってしまう ほどの時の長さであった。私にとっては、ようやく終わった、であって、決して アッという間ではなかった。
 実はこの間、協会の仕事で、土曜研修の立会いが合い間合い間に入り、 更に5月30日には、私自身の補試験があって、ほとんどの休日が潰れた。 幸い、試験に合格でき、今週ようやくホッとして土日の休みが取れる!
 さて、ケース研修では、クラス36名の間で、寝食を共にしたような一体感が 生まれ、早速勉強会の立ち上げが決まった。出身母体が違うが故の経験の 違いは、自分の経験不足を補うに大いに役立つだろう。小さな一歩だが、 今後大きなビジネスネットワークに成長することを願っている。

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・「創新」は、約7,000名の方に、2週間おきにお送りしています。
発行後、次週に協会HP「プレス記事・メルマガ」のページへ転載しています。
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・資格者及びケース研修受講者の方のメールアドレス変更は、協会HPトップ 画面の左メニュー「資格者情報登録修正」 https://wws.itc.or.jp/auth/で、 連絡先メールアドレスを変更してください。
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                     編集担当: 前田 信太郎 info-pr@itc.or.jp
                       発行: ITコーディネータ協会 広報担当

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