
井上 研一 (生成AI研究会リーダー/ITコーディネータ)
- 株式会社VIVINKO 代表取締役
- 一般社団法人IT経営コンサルティング九州(ITC九州)理事
本AI活用ガイドは、AI活用を中小企業経営の必須課題と位置づけ、経営者・DX推進担当者・支援者が共通言語でAI活用プロジェクトを推進できるように、実践的な指針と体系的なプロセスを提供します。
AI活用ガイドは「ITC+メンバーページ」で提供しております。次の手順で閲覧できます。
中小企業が生成AIを中心とするAI技術を安全かつ効果的に活用し、業務効率化・意思決定の高度化・新たな価値創出につなげること
主な対象はITコーディネータですが、中小企業の経営者、DX推進担当者、自治体や支援機関、商工会議所・金融機関など幅広い読者に役立つ内容としております。
AI技術は進歩が急速であるため活用方法やガバナンスも変化します。そのため、本AI活用ガイドはライブドキュメントとしてWeb版で提供し、継続的に更新してまいります。
中小企業にとってAIの導入は、もはや選択肢ではなく必須の経営課題となっています。その意味で、本ガイドの刊行は大変意義深いものだと感じます。AIを「生成AI」「認識AI」「予測AI」の三つに整理し、それぞれの特徴や注意点をわかりやすくまとめている点は、経営者や支援機関が理解を深めるうえで大きな助けとなるでしょう。
特に、人手不足や市場変動、競争力不足といった中小企業が直面する課題に対して、「速度」「精度」「創造」という切り口でメリットを提示していることは、実務に即した説得力があります。提案書や広告文の作成、帳票処理や画像検査、需要予測や在庫最適化など、具体的な活用シナリオが豊富に整理されているため、導入のイメージを描きやすい点も評価できます。
一方で、AIにはハルシネーションや誤認識、著作権やセキュリティのリスクが伴います。本ガイドはリスクと対応策についても十分に記述しており、社内ガイドラインや教育の重要性を強調している点は非常に実践的です。単なる技術解説にとどまらず、経営判断や運用体制まで踏み込んでいる点に大きな価値があります。
さらに、チェックリストや導入プロセスが丁寧に整理されているため、ITコーディネータが現場で支援する際にそのまま活用できる道標となっています。ただし、全体のボリュームはやや多いため、経営者が一読するには負担を感じるかもしれません。もし可能であれば、実際の中小企業の事例をさらに充実させることで、現場感覚に基づいた理解がより深まると考えます。
総じて、本ガイドは「AIをどのように経営に取り入れるか」を考えるうえで信頼できる指針であり、中小企業にとって実用的な羅針盤となるものです。
本AI活用ガイドは、経営者、IT担当者、支援者が同じ視点でAI活用プロジェクトを推進するための共通言語を確立し、認識齟齬を防ぎ、効果的なAI活用を目指している点で意義のあるものだと思います。具体的なAI利用シナリオ(ユースケース)ごとに整理され、実務に即した理解と活用が進められるよう工夫されており、中小企業のAI活用において大いに役に立つことができるものと期待しています。
ITコーディネータ協会内に設置。AI活用の知見を蓄積し、中小企業の支援に活かすことを目的とします。
中小企業向けAI活用ガイド(2025年9月30日版)を公開しました。