展望は厳しい。 しかし、「できる限りやってみよう」から始まった 「事」のきっかけは、経営系(税理士)ITCの佐伯が、 ![]() 自分で登録している「企業の公開入札案件紹介サイト」に 当該企業のコンサル公募が出ていたのを知り、 その案件への応募のため 岡田(情報系ITC:東海バネ工業(株)コンサルのパートナー)に 声をかけたところから始まる。 ただ、その時点で既に企業側の選考作業は始まっていて、 我々はかなり出遅れていた。 また、大手SI企業を含む十数社に事前ヒアリングを行い、 そこから提案の1次、2次プレゼンと進み、 最終プレゼンに残るのは3社程度という手順からみても、 ライバルが多く、かなり成約は厳しいのではという印象であった。 とはいえ、かりに失注しても、 それはそれで経験にはなるからできる限りのことはやってみよう ということで取り組みを始めたのである。 事前ヒアリングでの我々の主張は、 ・今回のシステム導入の目標はあくまでも業務を変えることでシステム導入は手段にすぎないこと ・ベンダー系のコンサルはシステム主体で、自分たちの開発に役立つような結論しか出ないことが多いこと をとうとうと述べ、 業務とシステムのバランスがとれた客観的な成果を期待するのであれば 中立的なITCを選択してはどうかと力説した。 その結果、まずは、提案を行うことが許され、 1次、2次と勝ち残り、とうとう最終プレゼンの3社に残ったのである。 ITCプロセスをベースに、個人のキャリアを生かした提案 提案対象は、「基幹系業務システムの再構築」であった。 現在運用しているシステムは陳腐化しており、 機能的に現状業務にそぐわない点が多いため補完作業が多く、 また、システムダウンがたびたび発生するという不安定な状態にあった。 ただ、企業としては、単なるシステムの入れ替えではなく、 これからの企業活動を支援できるような新しいシステムを構築したいという思いもあった。 しかし、社内だけでは現状業務もあるので時間がとれず、 また、新しい視点を盛り込むには外部ノウハウを活用することが有効ではということで、 コンサルを活用することとなったのである。 我々の提案は、ITCプロセスをベースにしながらも、 岡田がこれまで長年にわたり実施・蓄積してきた「業務設計のプロセス」を適用したものとした。 前半の経営的な部分では佐伯がコンサルを行うに際してITCのミッションである 経営とITをつなぐという点とプロジェクトを成功させるためのポイントを説明し、 後半の業務設計については、 岡田が東海バネ工業での成果物イメージを示しながら業務分析からシステム化までの 具体的なタスクとその進め方を説明した。 ![]() 決め手は、「価格」と「中立性」そして、「真摯な訴え」 競合相手には準大手のコンサル会社から まさに一流の大手ベンダーまで蒼々たる13社が参加しており、 その中で途中からコンペに参加した我々2名のITCが 最終的に成約を勝ち取るなどとは、いったい誰が予想したであろうか? 我々の強みのひとつは、 お互いに個人事業者であり余計なオーバヘッドがなく 一般のコンサル会社に比べて価格面で有利であったこと。 また、損を承知で低価格の提案を出して取りにきた大手ベンダーが、 我々の主張した「コンサルの中立性」という面で企業側に警戒され、 選考から落とされたという幸運があげられる。 そして、何よりも決め手となったのは、 我々二人がそれぞれの立場で、 「自分の持っている強みが今回の取り組みにどう役立つのか」 ということを真摯に訴え続けたことが企業の選考責任者の心を動かしたものと信じている。 成約の喜びに浸る間は無い。本当の戦いはこれから。。。 ただ、成約の喜びに浸る間もなく、 我々の提案に対する企業側からの熱い期待との格闘が始まった。 そう、提案が成功しただけでは意味がないのである。 いかに期待にこたえて新業務をまとめ、 かつ、調達からその後の業務運用までをうまく支援し、 まちがいなく成功に導くことの方がお互いにとってより重要であることは言うまでもない。 この成功事例の積み重ねこそが、我々ITCにとっては最強の営業ツールなのである。
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