【意見公募】中小企業共通EDI標準のver.4へのバージョンアップ
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1.意見公募実施の主旨・目的
これまで特定非営利活動法人ITコーディネータ協会(以下、ITC協会という)ではサプライチェーン取引プロセス全体の中小企業取引デジタル化を実現するために、中小企業共通EDI標準仕様書ver.3(以下、標準ver.3という)を策定してその実装サービスへの導入と普及を進めてきました。
この度の適格請求書等保存方式(以下、インボイス制度という)の2023年10月施行において消費税法の法的規制や国際標準への適合などの新しい要件を付加することが必要になり、その結果請求プロセスの仕様構成に違いが生じることになったため、請求プロセスの仕様部分を中小企業共通EDI標準仕様書から分離し、中小企業共通EDIインボイス仕様編を策定することとしました。
電子インボイス仕様の国際標準は国連CEFACTのCross Industry Invoicing Process(CII)をベースにした地域サブセット版として国際的に展開されており、中小企業共通EDIインボイス仕様編は国際標準への整合を考慮して国連CEFACT_CIIを日本の中小企業取引環境と日本の商習慣に適合させた中小企業取引用CIIサブセット版実装仕様として策定することとしました。
標準ver.3の請求/検収メッセージはインボイス制度対応の統合請求/統合仕入明細メッセージへ改定を行いました。請求/検収プロセス以外の取引プロセスについては、インボイス制度に関係する部分の最小限の改定に留め、標準ver.3との互換性を維持する方向で改定を行いました。これにより既存の受発注業務アプリ等への負担を軽減するように配慮しております。
上記のような経過から中小企業共通EDIインボイス仕様については中小企業共通EDI標準仕様書との内容構成に違いが生じたので、「共通EDIインボイス仕様編」をとり纏め、これらの文書を組み合わせて運用をするものとし、バージョンアップを行うことといたしました。
※参考:中小企業共通EDI標準策定の経緯および中小企業共通EDI標準ver.3については以下をご参照ください。
https://www.edi.itc.or.jp/edi-ver-3
※参考:中小企業共通EDIポータルサイト
2.中小企業共通EDI標準ver.4バージョンアップの要点
改定作業の結果を「中小企業共通EDI標準ver.4_draft」として、ここに公開し、真に利用される仕様を目指し、意見公募を執り行うことといたしました。
中小ユーザー企業様、中小企業と取引されている大手ユーザー企業様、受発注システムのベンダー企業様、業界団体様など広くご意見を賜りたく、ご協力をお願い致します。 尚、「中小企業共通EDI認証制度」においても、今回のバージョンアップに合わせて、認証要件の改定を行い、第4回の認証公募を行う予定としております。
参考資料:中小企業共通EDI標準ver.4について(PDF:650KB)
この度のバージョンアップ(ver.4)の要点は以下の通りです。
2-1.インボイス制度への対応
(1) 消費税法の適格請求書保存方式の要件組み込み
国税庁はインボイス制度に基づく仕入税額控除申請に際し、適格請求書等(以下、インボイスという)の交付と保存を義務づけた。税額計算方式についても税率ごとに合計した取引金額について1回税額計算することが定められたので、これらの新しい要件を組み込んだ。デジタル庁は行政取引インボイスとしてJP-PINTの採用を決定したので、JP-PINTの必須要件を組み込み、JP-PINTへのマッピングを可能とした。
(2) 日本の取引商習慣へ対応する業界・業種を超えた民間取引のインボイス交換
インボイス制度はすべての企業間取引にインボイス交換を求めており、業界・業種を超えたインボイス連携が必要になる。各業界EDIは独自仕様でインボイス制度対応の電子インボイス仕様を策定しており、このままでは民間取引の業界・業種を超えたインボイスの交換がでず、多インボイス問題発生の危険性が大きくなっている。わが国の企業間取引においては日本の取引商慣行に基づく請求書交換が行われてきたので、日本の商習慣に基づく業界・業種を超えたインボイス交換を考慮した民間取引用インボイス仕様を策定した。
(3) 多様なユーザーニーズへの対応
インボイス交換は大企業・中堅企業・小規模企業のいずれにも適用される。しかしユーザー企業のインボイスへのニーズは多様である。中小企業は近年パッケージやクラウド業務アプリ、EXCELなどを利用しての受発注管理を行うようになってきたが、請求書の交換はFAXや書面帳票の利用がまだ一般的に行われている。FAX請求書の電子インボイスへの切り替えには、FAX利用と同等の簡易な仕組みを安価に利用したいというニーズに対応しなければならない。一方大企業や中堅企業には電子インボイスのメリットを生かした人手作業を極小化できる高度の付加価値サービスに対するニーズがある。これらの異なるニーズを一つのITツールでカバーすることは難しい。業界・業種を超えた連携を可能とするとともに、多様なユーザーニーズごとに適合する仕様を選択してITツールへ実装し、多様なユーザーニーズに合わせた適切なサービス提供ができるようにするため、ニーズ別に区分したインボイス対応仕様を提供することにした。
(4) 既存業務アプリへの対応
多くの中小企業向け既存の業務アプリはCSVエクスポート、インポート機能を備えているので、これを利用して簡易な改造で電子インボイス交換ができれば、中小企業の電子インボイス普及が進展する。中小企業共通EDIは電子インボイスのCSVによる民民連携を考慮して「共通コア」マッピング表による区分1「共通コア」インボイス仕様を策定した。
2-2.インボイス以外の改定
国は業界を超えた企業間取引データ連携実現のため、「データ連携基盤」(DADC)の検討に2021年より着手し、2022年度には最初の実証検証が実施される。中小企業共通EDI標準も国の方針に対応するため「データ連携基盤」と連携するための見直しを実施した。
(1)「任意」情報項目の構造化による業界固有仕様(オプション)の識別
中小企業共通EDI標準はこれまで中小企業取引で利用される多様な業界の情報項目を一括して「任意」情報項目として組み込んでいた。しかしこの構造のままでは、相互連携性のマッピングが煩雑になり、今後の拡張も難しくなるので、標準ver.4では任意情報項目の構造化を行い、「共通コア」と「中小業界固有」情報項目に再構成する改定をおこなった。さらに標準仕様書に<付表3>業種別マッピング表を提供することにより、これまでの任意情報項目のマッピングを容易にできるようにした。
(2)識別コード定義表の国際標準への整合
わが国の業界EDI識別コード定義は業界ごとに策定されており、業界を超えた連携ができない。インボイス制度ではJP-PINTの導入に伴い国際標準への対応が必須要件となり、今後のDADC対応も考慮して、中小企業共通EDI識別コード定義表についても国際標準へ対応させることとした。合わせて標準ver.4<付表4>として中小企業共通EDI標準に組み込んだ。
(3)XMLバインディング仕様とPDFフォーマット仕様の標準仕様書への組込
業務アプリのXML対応のために、XMLバインディン仕様を標準仕様書<付属書>として組み込んだ。合わせてXML組込PDFフォーマット仕様を<付属書>として標準ver.4に組み込んだ。
(4)任意機能の情報項目拡張等
標準ver.3では数量を数えられる品目(定貫品目)の取引を規定していた。しかし数量を重量や容量で計量する品目(不定貫品目等)の取引も一般的に行われているので、標準ver.4ではこれらの品目に対応する機能拡張を行った
①品目タイプ属性の拡張→定貫品目、不定貫品目、ハイブリッド品目
②品目属性拡張に伴う金額計算方式、入り数定義の拡張
3.中小企業共通EDI標準ver.4意見公募の対象資料
中小企業共通EDI標準ver.4は次の文書より構成されます。
(1)中小企業共通EDI標準仕様書(本文書)
<付表1>中小企業共通EDI相互連携性情報項目表
<付表2>中小企業共通EDIメッセージ辞書・BIE表
<付表3>中小企業共通EDIマッピング表
<付表4>中小企業共通EDI識別コード定義表
<付属書>中小企業共通EDI標準XML実装ガイドライン
<付属書>中小企業共通EDI標準PDFフォーマット仕様書
(2)中小企業共通EDIインボイス仕様編
関連資料は以下からダウンロードできます。
※資料に訂正等が発生した場合は、以下に正誤表を掲載します。
4.意見のご提出方法
以下のフォームより必要事項を入力して送信してください。
5.実施期間
次の日程で、意見公募の受付を実施します。
・2022年7月15日(金) ~ 8月15日(月)17時
提出頂きました御意見については、氏名、所属先、及びメールアドレスを除き、すべて公開される可能性があることを、あらかじめ御承知おき下さい。ただし、御意見中に個人に関する情報であって特定の個人を識別しうる記述がある場合及び個人・法人等の財産権等を害するおそれがあると判断される場合には、公表の際に当該箇所を伏せさせていただきます。御意見に附記された氏名、連絡先等の個人情報につきましては、適正に管理し、御意見の内容に不明な点があった場合等の連絡・確認等、本案に対する意見公募に関する業務にのみ利用させて頂きます。
6.本件に関するお問い合わせ
お問い合せフォームからお願いいたします。
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
共通EDI事務局
担当:鈴木、野田、小幡