ITパスポート試験の専門スキル特別認定に関して

 

運営会員の皆様
2014年10月24日
ITコーディネータ協会
事務局長  平 春雄

ITパスポート試験の専門スキル特別認定に関して(ご回答)
 
 去る6月24日に開催されましたITコーディネータ協会の定時総会におきまして、平成26年度の事業計画(議案書)に、ITパスポート試験高得点者(750点以上の得点者)を専門スキル特別認定(特認)の対象にするという事項が掲載されており、運営会員の方から、「ITパスポート試験はいわゆる情報処理試験の中でも入門的な位置付けのものであり、専門スキル特別認定試験対象にするのは適当ではない」とのご意見をいただきました。
 本件に関しまして、情報処理推進機構(IPA)殿に確認をさせていただき、改めまして協会の見解を申し述べさせていただきます。ご回答内容は主に次の2点です。
 
ITパスポート試験の高得点者のプロフィール
ⅠTパスポート試験高得点者(750点以上)のITC試験への応募状況
   尚、ITパスポート試験の専門スキル特別認定の初回適用の平成26年度第一回試験応募締め切りを待って応募者の確認をいたしました関係で、ご回答が遅くなりましたことをお詫びいたします。
 
1.高得点者のプロフィール(平成25年度12ヶ月間を対象とした分析結果)
 
高得点者の偏差値・分布
  ・750点以上の得点者数:3074人、上位から7.4%、偏差値:64~69
 
高得点者の属性
  ・役職
役員クラス:2%
部長・次長クラス:3%
課長クラス:9%
係長・主任クラス:20%
一般社員:66%

・年齢
ITパスポート試験の高得点者の平均年齢は33.0歳
⇒高度試験(記述式)の平均合格年齢とほぼ同程度   

・担当されている業務内容
営業・販売(IT関連):15%
ITサービスマネジメント(管理・運用):14%
プログラム開発:9%
総務・人事・システム化戦略・企画・計画:8%
教育・研修:7%
システム設計・営業・販売(非IT系)・調査・企画・研究・開発:6%
プロジェクト管理:4%
システム監査:3%など
 
ITパスポート試験の出題分野(ご参考)
  ・経営全般(ストラテジ系)財務、法務、経営戦略等 ⇒出題:35%
・IT管理(マネジメント系)プロマネ、システム開発等 ⇒出題:20%
・IT技術(テクノロジ系)ネットワーク、セキュリティ、DB等 ⇒出題:45%
 
2.専門スキル特別認定の妥当性
 
  ITパスポート試験の高得点者(750点以上の得点者)の属性(項番1)は、高度試験の合格者の属性と類似しており(IPA殿の見解)、充分、専門スキル特別認定に値すると判断しています。
 
3.専門スキル特別認定試験の応募者の状況
 
   平成26年度第一回試験の応募者の内、本特認対象者は2名でした。本応募者のプロフィールは、IT系企業のシステムエンジニアです。対象分野での経験年数は10数年です。さらに、試験の得点も専門スキル特別認定試験受験者の合格点を大きく上回っており、専門スキル特別認定合格者とすることは妥当であると判断いたしました。
 
4.IPA殿・ITパスポート試験との連携の意義
 
  ITC協会は従来から認知度向上策の展開を図ってきておりますが、IPA殿との連携により、より大きなスキームでの認知度向上を図れると考えております。
特にITパスポート試験に関しましては、数万人単位をカバーしている資格であり、認知度向上策として有効であると判断しています。従いまして、高得点者に限らず広くITC資格の認知度向上に寄与すると認識しております。
また、ITパスポート試験の対象者は、「将来のITCとしての有望な存在である」と認識しております。現在のITCの平均年齢は、48歳~49歳です。ITパスポート試験の対象者はそれより若い層に位置付けられます。これらの層にITCの存在を認知していただくことは大変重要であると考えます。
さらに、ITパスポート試験750点以上の得点者は、経営への関心や、問題意識が高いと想定されます。具体的には、営業、人事、経営企画などの部門の方が多くおられ、ITパスポート試験高得点者の専門スキル特別認定はITC資格の取得意欲を高めていただく点からも効果があると判断しました。
 
5.今後の対応
 
  実際にITパスポート試験の高得点者の特認受験者で、ITC試験に合格した方の追跡調査を継続することにより、実態を把握していきます。
ITC協会は、今後とも、フォローアップ研修、主催研修のより一層の充実により、資格保有者の継続的なスキルアップに貢献してまいります。
今後とも、ご指導、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

以上
   
   

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