2014年度IT経営カンファレンス開催地概要報告(名古屋)



 

2015/4/9
ITコーディネータ協会
基幹業務部 松下 正夫

 

 

2014年度IT経営カンファレンス開催地概要報告(名古屋)

 

 



講演内容
挨拶1
中部経済産業局 地域経済部産業技術・人材・情報政策課
情報政策室長 長谷川 貴弘氏
挨拶2
「『攻めのIT経営』~ITの新潮流の活用」
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会 会長 播磨 崇
実践事例紹介
『感動野菜産直農家寺坂農園』
南ふらのメロン農家寺坂農園 代表 寺坂祐一氏
講演1 『企業をしらべるということーフィードフォワードー』
株式会社メディネットグローバル 代表取締役CEO 工学博士
産業能率大学客員教授 西野 嘉之氏
講演2 「経済産業省補助事業:中小企業におけるITクラウドを活用した『金融EDI連携(国際EDI標準)』の実証実験」
小島プレス株式会社 総務統括部 参事 兼子 邦彦氏
説明1 「戦略的CIO育成支援事業の概要と成功のポイント」
独立行政法人中小企業基盤整備機構中部本部
統括プロジェクトマネージャー 榊原 郁夫氏
説明2 「IT経営支援事業について」
株式会社名古屋ソフトウエアセンター 代表取締役専務 山﨑 高文氏
発表 「中部IT経営力大賞2015」受賞企業3社の「IT経営の取り組み内容」発表
表彰式 「中部IT経営力大賞2015」表彰式

 



・参加人数 142名
・参加者分類 ITC:82名、58%
 
 このたびは、中部経済産業局が主催し中小企業のIT経営促進を目的として中小企業やITコーディネータ等の支援者を対象とする「情報化セミナー」と、地元の中小企業等を対象に地域ITコーディネータの活動促進等を狙いとした「IT経営カンファレンス」を合同して開催。
また、経済産業省が7年間実施してきた「中小企業IT経営力大賞」の地域版として、中部地域で継続的に開催している「中部IT経営力大賞」(特定非営利活動法人ITC中部主催、中部経済産業局及び管内5県等が後援)の2015年度受賞企業表彰式を上述の合同セミナーに引き続き実施した。
 
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最初に、中部経済産業局地域経済部産業技術・人材・情報政策課情報政策室長 長谷川貴弘氏から、政府の情報政策の概要と大企業における「攻めのIT経営銘柄」新設や中小企業における「攻めのIT経営中小企業百選」等についてご紹介があった。    
引き続き、ITコーディネータ協会会長 播磨崇氏から、最近のIT活用の新潮流に関連する事例や政府の日本再興戦略に沿った協会活動の紹介があった。
   
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講演1
『企業をしらべるということーフィードフォワードー』
株式会社メディネットグローバル 代表取締役CEO 工学博士
 産業能率大学客員教授 西野 嘉之氏

 



・西野氏は学生時代に起業し開発した検索システムを基に、企業検索サービス「ユーレット(Ullet)」を商品化し、主として上場企業の有価証券報告書等の情報をもとに企業の可視化・分析を行っている。
・西野氏が、産業能率大学(以下産能大)で講義を行いながら、「ユーレット(Ullet)」を活用することにより学生の就職活動支援を行ったところ、希望する企業への内定率が向上したという結果を得ている。
・特に、中小企業など、あまり世の中に知られていない優良企業の発掘や、自分の志向に合致した企業を見つけることに役立っている。・また、大学では自己分析や履歴書の書き方などについてはこれまでも指導が為されているが、学生が就職したい会社への内定率を上げるような試みは十分ではなかった。
・そこで西野氏は、学生自らが志望する企業を調査し、その企業内容を的確に分析することによって採用面接に強くなるよう、「ユーレット(Ullet)」具体的な活用方法を指導した。
・「ユーレット(Ullet)」では上場企業3800社を対象にした分析が可能になっており、例えば、①同業種企業の3社(ドコモ、KDDI、ソフトバンク)についてのBS、PL、研究開発、事業戦略等の比較、②業種に拘らずBSの構成が似ている企業のピックアップ(電力各社、JR各社等)、③任意の企業同士の比較分析(無印商品、ニトリ、大塚家具)などを行うことで、学生が自分の志望する企業についての企業分析と他社比較を行うことができる。・更に、「ユーレット(Ullet)」では、数字の比較のみならず、有価証券報告書等に記載されている文字情報の検索・比較も可能なことから、競合他社との比較においても、その企業(志望企業)の課題と対応すべき解決策(ソリューション)を明確にすることができる。
・このような作業は、学生の就職活動のみならず、企業への提案活動を行う「ソリューション営業」にとっても最も重要な要素であり、これは、「営業の志向プロセス」に他ならない。
・すなわち、相手のことをしらべ、定型化(数値化、特定項目化が殆ど自動的に生成できる)し、課題を整理し、必要な提案を行うこと。顧客にとって、「なぜ、そのような提案をするのか」の根拠を「数字と業界内他社比較等」で明解にする。これらを材料として顧客とお話をして、それをコンサルとして対価をいただく。
・これからもIT導入が目的ではなく、ニーズに合った解決策を提案していきたい。そのためには、まず「数字」で根拠を示すことが必要と考える。
 

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講演2

「経済産業省補助事業:中小企業におけるITクラウドを活用した
『金融EDI連携(国際EDI標準)』の実証実験」
 小島プレス株式会社 総務統括部 参事 兼子 邦彦氏

 



・これまで自動車部品業界では、自動車メーカーに特化したEDIの導入適用が為されてきており、自動車メーカーの1次仕入先である大手部品メーカーごとに異なる独自のWeb-EDIを使っており、このためトヨタ自動車系列だけでも約300種類のWeb画面化が生じ、パスワード、画面操作もすべて異なる状況になっている。また、一方で、2次・3次仕入先の中小企業では、未だに、紙・メール・FAXが主流でEDIの整備ができていないのが現状である。・小島プレス株式会社(以下、小島プレス)は、トヨタ自動車の1次仕入先として、経済産業省が推進するEDI標準化に協力し、平成20年から経済産業省の委託事業としてEDI構築を進めてきた。
・平成23年度には、日本自動車工業会(JAMA)の業界標準EDIに認定された。
更に、グローバルサプライチェーンに対応した国際EDI標準(国連CEFACT)化を進めることで、今後10年間くらいで、全世界の5万7千社くらい展開できるのではないかと考えている。
・グローバルに対応した「国際EDI標準:中小企業自動車業界版(国連CEFACT/SIPS)」の実証実験準備のため、平成24年から約2年間、米国や東南アジア(インドネシア、タイ等)でEDI情報項目の調査等を行い、平成26年にタイの自動車部品メーカー(従業員500名程度)で実証実験を行った。・一方、従業員30名程度以下の中小企業では、手書伝票による受発注データ(と実物納品数量等とのアンマッチの調査)との照合作業に膨大な時間と労力を費やしており、EDIの導入によるこの負荷の解消が中小企業にとって大きな課題となっている。・また、政府の「日本再興戦略」改訂2014の中で、国際的にみて、日本の銀行のサービス時間の短さ(朝10時から3時までのみが営業時間/1日僅か5時間!)が問題として指摘されたことを受けて、日本銀行が「金融EDI」を活用して決済サービスの高度化検討に乗り出している。・経済産業省の平成25年度補助金事業(小島プレス受託)による、ITクラウドを活用した「金融EDI連携」の実証実験は、業務連携クラウド検討WG(愛知県、豊田市、豊田商工会議所等)と日本銀行、国連CEFACT日本委員会/SIPS、ITコーディネータ協会の支援、三菱東京UFJ銀行、名古屋銀行、岡崎信用金庫、豊田信用金庫の協力を得て実施された。
・金融EDIの効果として、受注側である中小企業には差異照合等の負担軽減の面などでメリットがあるが、発注側の大企業には工数面でのメリットはない。
・金融業界における金融EDIのひとつの狙いは、企業間取引(受発注)情報の取得によりPOファイナンスを可能にすることであり、今後、我が国の銀行の進むべき方向としても注目される。・多くの皆様方の御協力を得ながら、日本発の国際標準を是非、今後とも展開していきたい。
 

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【開催情報】
セミナータイトル
~中小企業のIT経営を応援する~
情報化セミナー2015&IT経営カンファレンスIN名古屋
開催日時 2015年3月19日(木)13:20~17:30
主催 特定非営利活動法人ITC中部
共催 経済産業省中部経済産業局/特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
後援 愛知県、岐阜県、三重県、富山県、石川県、独)情報処理推進機構、独)中小企業基盤整備機構中部本部、株)富山県総合情報センター、株)石川県IT総合人材育成センター、公財)ソフトピアジャパン、公財)あいち産業振興機構、公財)三重県産業支援センター、株)名古屋ソフトウェアセンター

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