2015年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(熊本)


 

 

 



2016/3/2
ITコーディネータ協会
事業促進部 中村 路子

 

 

2015年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(熊本)

 

 

 


講演内容
基調講演 『稼ぐ力を取り戻すためのIT経営』
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会 会長 播磨 崇
IT経営事例 『ITで会社も地域も元気にしたい!熊本から日本、世界を目指す農家の夢チャレンジ』
有限会社宮川洋蘭 専務取締役 宮川 将人氏
『熊本県農業普及指導員活動へのICT活用』
熊本県農林水産部生産局農業技術課 参事 下田 敬太郎氏
熊本県ITコーディネータ協会 中尾 克代氏
ITプロ支援プラットフォーム 『学べる・買える・出会える!マーケットバンク』
ソフトバンクC&S株式会社 ICT事業本部 織田 靖幸氏
熊本県ITコーディネータ協会 松岡 祥仁氏
◆事例紹介
『ICTで中小企業を強くする』
フロンティアビジョン株式会社 代表取締役 渡邊 直登氏
『ネットを使って営業力をカバー。営業ゼロで成長を目指す!』
エクセレント教育株式会社 代表取締役 藤原 久美子氏
中小企業診断士アワー 『中小企業診断士協会とITコーディネータ協会連携による経営支援』
熊本県中小企業診断士協会 副会長 中村 靖生氏
熊本県ITコーディネータ協会アワー 『熊本県ITコーディネータ協会の取り組みについて』
特定非営利活動法人熊本県ITコーディネータ協会 副理事長 森田 欣典氏

 

 


・参加人数 93名
 
2016年、年明け最初の「IT経営カンファレンス」は熊本県での開催になります!
熊本県でのIT経営カンファレンスの開催は初めてとなり、あいにくの雨でしたが、会場は満席となり賑わっておりました。福岡県などの他県からの参加者も多く、皆さま熱心に聴いていました。

 

 


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初めに主催の特定非営利活動法人熊本県ITコーディネータ協会の杉原理事長より、開催のお礼とともに、
2013年度から法人化して活動を続けてきたが、認知度が低いと感じていた。発足以来初めての大きなイベントとなるが、どんな事ができるのか?知っていただきたい。とのご挨拶がありました。

 

 

来賓挨拶として経済産業省九州経済産業局地域掲載部情報政策課の中村課長補佐より、九州経済産業局の取り組みのご紹介と地元ITCと連携して施策を進めたい。とのご挨拶をいただきました。


続いての来賓挨拶は熊本県工業連合会会長、熊本県情報サービス産業協会会長の足立氏より、IT利活用がまだまだの企業に伝えていく伝道師として、ITCはイノベーションをプロモートする集団であると期待している。とのお話がありました。

 

 


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基調講演としてITコーディネータ協会 会長 播磨 崇より、ITコーディネータ協会の取り組みについてのご説明と、稼ぐ力の強化に繋がる攻めのIT経営について、実際の経営事例を紹介しながらお話させていただきました。  5.JPG



 

IT経営事例

『ITで会社も地域も元気にしたい!熊本から日本、世界を目指す農家の夢チャレンジ』

有限会社宮川洋蘭 専務取締役 宮川 将人氏

『熊本県農業普及指導員活動へのICT活用』

熊本県農林水産部生産局農業技術課 参事 下田 敬太郎氏

熊本県ITコーディネータ協会 中尾 克代氏

 

 

(講演概要)
◆宮川氏
・以前は、蘭を出荷したらもう終わりで、どこへ行って、どんな人が買ってくれているのか。全くわかっていなかった。
・小学校の文集に「子供に喜ばれる仕事をしたい」「世界一の花屋になりたい」と書き、大学卒業後、世界を旅するが「平和でないと花の仕事は出来ない」と痛感した。
・ITチャレンジのきっかけ①→「世界の洋蘭王」のアンディ松本氏のもとで修行→時代の変化に適応することを実感
・きっかけ② →実習先の農家さんに「一番大切な道具って何?との質問に「これからはパソコンだよ。自分から情報発信しないと!」との答えを聞き『サイバー農家になる!』決意→成功の反対は失敗ではない。何もしないことだ!
・チャレンジ①ネット販売への挑戦
全国どこからでも適正価格で高い品質を提供できる→結婚時に楽天オープン→完全赤字→蘭は売れないのか?自分たちの蘭をお客様に届けたい→ギフト用ではなく、楽しめる蘭を提供しよう <<種まきの時期>>
奥様出産時に勝手に「店長出産大セール」として販売→一気に10倍の注文→喜びのサイクルを感じるようになる <<芽が出る>>
皆に喜んでもらいたい→母の日に向けた動画を作る→急激に売り上げが伸びる・楽天ランキング一位(2位はミスチル)
半年後、激務により体調を崩す→死ぬかもしれない・大切なのは売上ではない→島を元気にしたい→新しいボトルフラワーで6次産業化へのチャレンジ <<花が咲く>>
私が目指す店→お客様の期待に応えたい→オンリーワンショップ <<実がなる>>
・お客様だけでなく、地域の活性化につなげたい。10年後100人を雇用したい。10億の売り上げ、1億の利益→人なき業界発展はありえない


◆下田氏
・農業普及指導員は県内に190人、12箇所に配置しているが、部署の合併により減少傾向にあるのと、団塊の世代が退職し知識のある人が減った。
・農業普及指導員を指導する農業革新支援専門員がいるが全てをカバー出来ないため、IT利活用によるバーチャル普及センターが設置されたが、更新作業にかかりきりになる、情報が古いなどの理由で失敗(平成15~16年)
・通信インフラが進歩し、ITが身近になりSNSを使えばうまく行くのでは?平成25年~ipadを導入し、指導の迅速化・指導員の質向上に取り組む
・写真を撮影→「これは病気?」若い指導員がup→専門員が見て指導する→地域からもリアルタイムで連絡が出来る→データベースで共有化できる
・相談件数が4割増え、回答まで6割早くなった。技術の継承が共有できるのと、繋げることで現場指導力の強化になった。また、災害発生時の情報共有が写真でできるようになった。
・普及指導は単なる技術指導ではなく、知識や情報の提供であり核となる人が必要(革新者・イノベーター)
・全国でも同じように導入が進み、JAでも検討中である


◆中尾氏
・農業×ITは非常に効率があがるため、ミッションとして活動している
・難しい言葉とキーボードが原因でITアレルギーがあるが、中小企業にこそIT化が必要である
・新しいものを皆に広める橋渡しをしたい。技術的役割と課題解決のコーディネータ役がITCである


 

 


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ITプロ支援プラットフォーム

『学べる・買える・出会える!マーケットバンク』

ソフトバンクC&S株式会社 ICT事業本部 織田 靖幸氏

熊本県ITコーディネータ協会 松岡 祥仁氏

◆事例紹介

『ICTで中小企業を強くする』

フロンティアビジョン株式会社 代表取締役 渡邊 直登氏

『ネットを使って営業力をカバー。営業ゼロで成長を目指す!』

エクセレント教育株式会社 代表取締役 藤原 久美子氏

 

 

(講演概要)
・松岡氏→コンサル業・クラウド導入のお手伝い・起業塾やビジネススクールも開催
・藤原氏→断捨離流ビジネスメソッドの導入支援。松岡氏の起業塾出身
・渡邊氏→熊本No,1Web製作会社
・織田氏→クラウド型マーケティングツール販売。現在188ツール登録の武器商人である
◆パネルディスカッション
松岡氏(以下:松):熊本県の現状はどんなものでしょう?
渡邊氏(以下:渡):80%以上が従業員20名未満の企業で、社長が60歳以上のところも多く、ホームページに詳しい人はいないです。Web製作ではなく「ITの人」として見られていますね。詳しい人がいないと強く感じます。
松:そういったWeb以外を頼まれた時の費用はどうしているんですか?
渡:正直悩んでいますが、今は仕事に繋がるサービスだと思っています。自分の使ったクラウドを勧めて導入支援もやるし、何でも屋さんになってきます。
松:藤原さんは営業0だけど、どうしているんですか?
藤原氏(以下:藤):今まで150人以上にレクチャーしましたが、元教員なので営業が出来ないので、全てFacebookやブログ、クチコミが多いです。
松:実際のセミナーではFacebookは儲からないと聞きますが、どうしてお客様がつくんですか?
藤:こちらから発信することを常に考えます。ブログを見てTVの取材も来たし、Webは重要だと思います。
松:「断捨離」がキーワードで検索できるのかな?登録が1人なのでSEOしなくてもいいよね。そういうのってどうなんですか?
渡:それだけではなくて、更新しないとやっぱりダメですね。ビジネスモデルだけではなく、情報発信がキモだと。努力しないと出来ないですから。
松:藤原さんの次の一手は?
藤:ホームページを作り、顧客管理、その人にあったメニューの登録をしたいのですが何かありますか?
織田氏(以下:織):レベルに合わせて選べるツールがあります。メール配信ツール一つにしても大量にあるので、どれがお客様にあうのかを選ぶのもITCの役割だと思います
 

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中小企業診断士アワー

『中小企業診断士協会とITコーディネータ協会連携による経営支援』

熊本県中小企業診断士協会 副会長 中村 靖生氏

 

 


(講演概要)

・熊本県内の中小企業診断士は、約120~130名で、そのうち診断士協会に登録しているのは、2016年1月現在72名で約半数が独立系である(内ITC3名)
・以前はITに疎い診断士が多かったが、平成18年の試験制度改定以降の診断士には、ITに強い人も増えている
・補助金申請の支援でIT化に関する支援が増えてきていることもある
・経営革新にはIT化が欠かせないが、まだまだITリテラシーが低い中小企業が多い。また、診断士の中にもITリテラシーが高い人は少ない。
・ITCとの連携によって、県内の企業支援をしていきたい

 

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最後に、「熊本県ITコーディネータ協会アワー」として副理事長の森田 欣典氏より、熊本県ITコーディネータ協会の取り組みのご紹介と、今後の活動についてのお話がありました。

 
 

2月は、函館~仙台~沖縄と北から南まで、IT経営カンファレンスの開催が続きます。
今後の、各地のIT経営カンファレンスにもご期待ください!

 


 



 

 

【開催情報】
セミナータイトル
IT経営カンファレンス2016 in 熊本
開催日時 2016年1月29日(金)13:30~17:30
主催 特定非営利活動法人熊本県ITコーディネータ協会
共催 特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
後援 経済産業省九州経済産業局、熊本県、熊本市、熊本県中小企業診断士協会、熊本県工業連合会、熊本県情報サービス産業協会、くまもと産業支援財団、熊本県中小企業団体中央会、熊本商工会議所、NEXT熊本



 

 

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本件に関するお問い合わせは、ITコーディネータ協会 事業促進部まで
 
 

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