2016年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(京都)

 


 

2017/1/30
ITコーディネータ協会
事業促進部 中村 路子

 

 

2016年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(京都)

 

 

講演内容
基調講演 『IT活用の目的を明確にする経営戦略の必要性』
兵庫県立大学大学院 経営研究課
准教授 秋山 秀一氏
事例紹介1 『Web営業マンによる新規顧客開拓で売上向上』
ITコーディネータ 坂田 岳史氏
事例紹介2 『中小企業でも効果が出るIoTの活用法』
株式会社KYOSO 中山 将志氏

 


・参加人数 約20名
 
 
今年最後の「IT経営カンファレンス」は京都での開催となりました。
さすがの古都京都も、今の時期はクリスマス一色で賑やかな街並みです。会場である「キャンパスプラザ京都」はたくさんの学生さんで賑わっておりました。

 


 


 


 

 


基調講演 『IT活用の目的を明確にする経営戦略の必要性』
兵庫県立大学大学院 経営研究課
准教授 秋山 秀一氏

 


(講演概要)

・経済学者であるマイケル・ポーター氏の講義の中で「バリューチェーンをIoTでどのように変えていくのかが課題となる」とあり、60~80年代はバリューチェーンの「自動化」が主流だったが、その後バリューチェーンの分散と連携が進み、新しい波が起こっている。それが「ITが生み出した競争の第三の波」となり「モノの本質の変化」となる。

・同じく経済学者のフィリップ・コトラー氏の講義では、日本はセンサーの技術が非常に進んでいる。ファッションやデザイン・食文化や観光でも今後世界に出ていける分野がたくさんあり、IoTの現状はまだまだだが、今後指導的な立場になっていける。と話している。

・IoTにより新規参入者の脅威が増える(例:コンビニはamazon)今後代替品もそうなっていくであろう。

・「戦略」とは?

企業と外部環境のギャップをいかに埋めていくか

組織と戦略のギャップをいかに埋めていくか

⇒経営環境と適合方法の基本設計図である

多くの中小企業が環境変化の対応に直面している
 

・戦略的発想のキーワードとは?

価値(感動)を創造する⇒
1.     優れた顧客価値(新規)
2.     顧客満足(既存・拡大)

⇒収益性の高い顧客リレーションシップを構築する(ファンを増やす)

競争の激しい分野では、サービスが差別化の要素になる。

IoTが進めば売ったら終わりではなくなり(サービスにおいては)、顧客満足だけでなく、従業員の満足度が重要になってくる。

経験価値と共創(コラボレーション)が重要
 

・「戦略的な思想」とは?

「未来」に向けた「現在」の意思決定である

全社レベル:経営戦略

事業レベル:事業戦略
⇒どちらもICTの活用が欠かせない

 


事例紹介1 『Web営業マンによる新規顧客開拓で売上向上』
ITコーディネータ 坂田 岳史氏

 


(講演概要)

・企業におけるIT投資には「合理化のIT投資」(ボトムアップ型)と「経営力向上のIT投資」(トップダウン型)の2つがあるが、「合理化のIT」は、仕事の生産性を上げるための現場の問題の解決であるが、本当の「IT経営」とは、会社の経営課題解決のための「経営力向上のためのIT投資」である。

・「株式会社ヤマコー」様の事例紹介

創業時~1995年頃までは、紙ダンボールの加工販売を主としていたが、価格競争が激しくなり、厳しい状況となる。

1995年頃~紙ダンボールからプラスチックダンボールへシフトチェンジするが、価格は10倍となり全く売れないようになる。
 

1998年に藁をも掴む思いでWebサイトを立ち上げると、プラダンが売れ始める⇒何故か?日本中でみると確かなニーズが存在する。「ネットで検索する」という文化が定着し、サイトからメールでの問合せが増える。
 

プラダン業界では大量生産が主流だが、1個からでも製作という「超多品種少量生産」に対応。1件は小さいが集まれば大きくなるという「ロングテール戦略」の策定へ。人的コストはかけられない⇒Web営業マンの登場!
 

他社は「大量生産」向けの「訪問型Push型営業」

「少量生産」向けの「Web型のPull型営業」いかに営業コストをかけないかというIT化
 

現在は、プラダンを「知っている人」用「知らない人」用と「用途」にわけた10サイトを保有。
 

ネットでは「手に取れない」「味見(試着)出来ない」ので、同じくらいの情報を提供しないといけない。「こういう風に使いたい」というシーンを見せる。
しかし、既に知っている人には多く書く必要がないので、しっかりとした一つのキーワードがあれば良い⇒なので、使い分けが必要。

 

現在は売り上げの95%がWebからの受注。

 



事例紹介2 『中小企業でも効果が出るIoTの活用法』
株式会社KYOSO 中山 将志氏

 


(講演概要)

・IoTがもたらす変化として「事業が生み出す価値の再定義が必要になってくる」=誰も今のままではいられない⇒考え直すタイミングに来ている
・「モノづくり」から「コトづくり」へ⇒売り切りから、継続的なサービス型ビジネスモデルへ
・IoTは「手段」であって「目的」ではない。常に何のためにやっているのか?を確認することが必要
・IoT導入に成功するコツは「目的・目標は明確に!組織とプロセスは柔軟に!」「何を実現したいのか?課題設定を明確にすること」
・導入時のプロセスとしては「壮大な計画は立てない」見えるものが増えてきたら段階的に詳細化する

「小さく始めて改良を続ける」どこで何がうまくいかないのかを検証する

・IoTを成功させる組織と人とは?

アイデアよりも行動!アイデアは80点でもいい。実際の行動が大事やってみないとわからないことが多いので、実際の行動が大事。

社内より社外。社内で完結してしまうのはNG。出来ないことは探しに行き、社外にどれだけネットワークが作れるかが重要。

・マネジメント上の注意点

費用対効果を求めすぎない⇒ROIの見極めが困難なので、運用の過程で見極めていくような考え方が必須。

(邪魔しない程度に)積極的に関与する

チャレンジを許容する雰囲気
(リスクヘッジとして)技術進歩、価格変動を先読みしていく

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2017年も1月の新潟をスタートに、全国7箇所での開催が予定されております。

今後のIT経営カンファレンスにも期待が高まります!



 

【開催情報】
セミナータイトル 京都IT経営カンファレンス2016
~WebとIoTで経営改革する為に~
開催日時 2016年12月21日(水)13:00~16:00
主催 京都IT経営支援ネットワーク
共催 特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
後援 株式会社KYOSO



 

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本件に関するお問い合わせは、ITコーディネータ協会 事業促進部まで
 
 

 

 

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