2016年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(長野)


 

2017/4/4
ITコーディネータ協会
事業促進部 中村 路子

 

2016年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(長野)

 

 

講演内容
主催者挨拶 特定非営利活動法人長野県ITコーディネータ協会
理事長 新井 綏氏
来賓ご挨拶 経済産業省関東経済産業局情報政策課
課長 濱田 豊氏
基調講演
『国の施策と連携した中小企業の新たな戦略~ITによる新時代を迎えて~』
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
会長 播磨 崇氏
記念講演
『IoT時代における中小企業ものづくり』
関ものづくり研究所 代表 関 伸一氏
特別講演
『長野県におけるIT産業連携について』
一般社団法人長野経済研究所 知事調 中村 博氏
トレンドセミナー
『企業におけるICTの利活用について』
東日本電信電話株式会社 ビジネス開発本部 第二部門 営業推進担当
担当課長 鈴木 理寛氏
 
『これからの中小企業のIT経営とITC長野の取り組み』
特定非営利活動法人長野県ITコーディネータ協会 理事 荒井 雄介氏

 

・参加人数 64名
参加者分類:ITC25名
 

 

長野では2年ぶり2回目の開催となります。お天気にも恵まれたくさんの方にご参加いただき、参加者の半数以上の方が、ユーザー関係者、支援機関関係者で占められました。
   

 

まずは、長野県ITコーディネータ協議会 理事長 荒井氏より「主催者挨拶」があり、続いて「来賓ご挨拶」として経済産業省関東経済産業局情報政策課 濱田氏より、経済産業省の取り組みについてお話をいただきました。

また、「基調講演」としてITコーディネータ協会 会長 播磨より「国の施策と連携した中小企業の新たな戦略~ITによる新時代を迎えて~」と題し、協会活動のご紹介や新たなIoT事例などについてお話させていただきました。

 

記念講演
『IoT時代における中小企業ものづくり
関ものづくり研究所 代表 関 伸一 氏
(講演概要)
・ものづくり側からみたIoT
サプライチェーンを一気通貫するものづくりがBest
不具合の原因は100%設計にあり⇒人員的ミスは言い訳
「従業員満足度」は「顧客満足度の代用特性
改善に終わりなし⇒改善の積み重ねが改革につながる
・IoTの目的
範囲が拡大すぎ→中小企業は「関係ない」と思ってしまう
課題解決にデータ活用(ビッグデータ)をどう生かすか?アナログの感性が必要になる⇒新しい価値の創造=イノベーション←広めてこそのイノベーションである
・ものづくりの目的と手段
目的は1つ「製品を通じてお客様を豊かにしその結果社会に貢献すること」手段は無限にある
製品開発力は利益の根源であり「何を作るか?」にかかっている。真のグローバル戦略とは、『日本の拠点で、日本の雇用を守り、世界中から「高くてもいいお願いだから売ってくれ!」と言われる製品を作ること』
生産技術力(どう作るか)⇒デジタルものづくりで生産性と人間性の両立
・中小企業の実態は?
鳥取県での雇用創造PJ(3D-CADの導入支援)でのアクションでは、若手は導入したいのに、経営者がSTOPをかける(言い訳&××の壁)⇒経営者への啓もうが必須。「経営者のための」=「初心者のための」
・企業間連携の重要性
多様性な専門家の「ブレスト・ワイガヤ」が有効だが重要でないアイデアを黙認しないと新しいものは出ない
イベントやSNSで繋がったものづくり企業のキーパーソンがキーテクノロジーの可能性を広めビジネスチャンスをつかんだ
・Industrie4.0について
単純・繰り返し繰り返しなどつまらない仕事をインダストリー4.0に置き換え人間は人間らしいクリエイティブな仕事をすべし!
ワーカー脱出には人材育成しかない
・まとめ
IoTをフル活用し、日本のものづくり競争力をUPしましょう!

 

 

 


 

特別講演
『長野県におけるIT産業連携について』
一般社団法人長野経済研究所 理事長 中村 博 氏

(講演概要)
・日本経済の見通し見通しとしては、昨年よりはいいと思われるが海外要因がリスクである
・長野県の主要17業種の展望としては、インバウンド効果もあり2016年はホテル・旅館業が好調だった。2017年度の見通しとしては、製造業3業種が上向きである
・長野県内の製造業の現状と課題では、「成熟期~衰退期に入っている」との回答が多数あり自社固有のポジショニングの確立が求められる
・長野県内製造業のIoT対応状況としては、運用を行っている企業は1割程度であり、「導入検討」「情報収集・研究中」の企業が約3割
・ITとクライアント企業の業務の双方を理解し、コーディネート出来る人材育成が鍵

 

トレンドセミナー
『企業におけるICTの利活用について』
東日本電信電話株式会社 ビジネス開発本部 第二部門 営業推進担当
担当課長 鈴木 理寛氏

(講演概要)
◎中小企業のセキュリティ対策について
1年間で「交通事故に遭う」確率は0.4%だが、ウイルスに感染する確率は16.6%である
被害事例としては、1.不正アクセスで顧客情報が流出 2.メールからのウイルス感染で顧客情報が流出 3.BCCの間違い
謝罪や対応、流出の監視により業務がSTOPするだけでなく「信用」に大きな傷
・中小企業の約35%、売上10億以下は65%が被害にあっているが、8割以上の企業が「うちは対象にならない」と思っている
・近年の被害キーワード
①標的型攻撃メール(俗にいう迷惑メール)で半数以上を占める
⇒フリーメールアドレス、URLへの誘導や添付ファイル
②Webサイトの改ざん
⇒悪意のあるサイトへの誘導バナーを自社のページに貼り付けられる⇒誘導先で感染し、自社にものだと疑われる。自社でホームページを作った場合は特に注意が必要
③不正送金(フィッシング詐欺)
⇒ネットバンキング利用のリスク拡大⇒セキュリティ対策をしている場合は保証されるかもしれないが、次回の融資に響くであろう
④ランサムウエア
最近急増している⇒すぐお金になるから。現在のお金の93%がオンライン上にある。SNSで紹介されているアプリなど簡単にインストールしない事
ランサムウエアにかかったかかった企業の63.6%がお金を払っている。300万件以上あり、中には1千万円以上払ったケースもあるが、支払っても40%以上元には戻らないし、必ずまた狙われる。特に日本は加速度的に狙われている。
 ⇒どうしたいい?
IT活用をする中で必ずあるリスクとして認識すること。コストではない。経営者自らが対策をし、ビジネスパートナーや委託先にも徹底する事
・情報漏えいの7割が人的過失であり、件数や被害も増えてきている⇒ウイルスソフトだけでなく、教育が必要
90%の企業が「ウイルスソフトを入れているから平気」だと思っているが、30%以上更新していない。更新していないのは入れていないのと一緒
パスワードも初期設定のままにしない。バックアップを定期的にとるなどの社員教育の徹底が必要である

 

 

 

 

 

 

 




最後に長野県ITコーディネータ協議会の荒井理事より、これからのITC長野の取り組みについてのお話があり今年のIT経営カンファレンスinNAGANOは終了となりました。
 

 

 



 
 【開催情報】
セミナータイトル IT経営カンファレンス in NAGANO
~ IoT・AI時代における中小企業のIT経営~
開催日時 2017年3月9日(木)13:00~17:00
会 場 長野市生涯学習センター・大学習室1
主 催 特定非営利活動法人長野県ITコーディネータ協議会
共 催 特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
後 援 経済産業省関東経済産業局・長野県・長野市・公財)長野県中小企業振興センター・一社)長野県経営者協会・長野県中小企業団体中央会・一社)長野県商工会議所連合会・長野県商工会連合会・一財)長野経済研究所・一社)長野県情報サービス振興協会・長野市ICT産業協議会・八十二銀行・信金中央金庫・長野県信用金庫協会(アルプス中央信用金庫・飯田信用金庫・上田信用金庫・諏訪信用金庫・長野信用金庫・松本信用金庫)関東信越税理士会長野県支部連合会・信濃毎日新聞社(順不同)
協 賛 東日本電信電話株式会社

 

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本件に関するお問い合わせは、ITコーディネータ協会 事業促進部まで

 

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