2016年度IT経営カンファレンス開催地概要報告(金沢)

 


 

2017/3/2
ITコーディネータ協会
事業促進部 山崎 健

 

 

2016年度 IT経営カンファレンス
開催地概要報告(金沢)

 

 

講演内容
基調講演1
『IoT活用によって変わる中小企業の経営』
一般社団法人クラウドサービス推進機構
理事長 松島 桂樹 氏
特別講演事例
『当社が取り組んでいるIoT活用』
武州工業株式会社
代表取締役 林 英夫 氏
基調講演2
『IoTビジネスの課題 -北陸の中小企業へ向けて-』
北陸先端科学技術大学院大学
教授 丹 康雄 氏
講演・事例
『IoTへの取り組み
-ひとりのITコーディネータとして考えること-』
北陸通信ネットワーク株式会社
事業戦略部長 ITコーディネータ 酒井 正幸 氏
ご報告
『IoT時代のサイバー犯罪とセキュリティ対策』
石川県警察本部サイバー犯罪対策補佐
警部 辰村 憲一 氏

 

 

・参加人数 71名
 
 北陸地方は毎年3県が代わる代わるIT経営カンファレンスを実施しております。
今年の北陸地方のトップバッターは石川県の金沢です。
北陸新幹線の起点になる中核都市にある中で、満席の80席の来場がありました。講演も多岐に渡り、非常に楽しいIT経営カンファレンスになりました。

 

まずは、主催者の特定非営利活動法人石川県情報化支援協会の原理事長より、ITコーディネータ制度のご紹介と石川県情報化支援協会の活動内容のご案内をして頂きました。
次に共催者である特定非営利活動法人ITコーディネータ協会の会長の播磨より、『中小企業の更なるIT経営に向けて』と題し、産業構造・就業構造の変化について、事例を交えた講演と、地域未来投資促進事業についてITコーディネータ協会の連携内容も交え講演をいただきました。

 


基調講演1
『IoT活用によって変わる中小企業の経営』
一般社団法人クラウドサービス推進機構
理事長 松島 桂樹 氏
講演概要  

・日本商工会議所ITに関する初の意見書を提出
『中小企業のIoT推進に関する意見書』

・IoTにより製品の販売からサービス提供へ

・ビジネスモデルの転換がある

・簡単に始められる仕組みが重要
--事例紹介--
 

金融EDIについて
--事例紹介--
・中小企業のインターネットバンキングの普及により経営の見える化が促進。
・次世代企業間データ連携調査事業のご紹介
・推進上の課題と活動項目
ex:事例の紹介
 

中小企業はIoTを活用し、ものづくりと情報ビジネス融合のチャンスである
顧客と共同開発し、同業種へ販売、利益をシェア
 

まとめ
企業は支援を頼りながらカイゼンを積み重ね改革へ!
頼りになる支援者も存在している
・伴走型支援
・フォーラム型支援
・後方支援

特別講演事例
『当社が取り組んでいるIoT活用』
武州工業株式会社
代表取締役 林 英夫 氏

講演概要

・会社のご紹介
・モノづくり理念
~日本のものづくりに学ぶ~
『道具を作る』自社設備開発:ミニマムスペック
『人に任せる』多能工:OJT
『人を信頼する』一個流し生産:工程内品質保証で事後の検査なし
 
情報化
BIMMS導入で、作業状況の見える化を実施
BIMMS:Busyu Intelligent Manufacturing Management System
     IoT化された製造業生産管理システム
 
真の企業連携
・購入先へ自社の在庫情報を展開:ピーク時の平準化
・ものづくりに大切な『人』『物』『設備』『方法』の変化点をリアルタイムで把握しPDCAをまわす
・企業間での品質情報の共有化(準備中)
 
IoTにより・・・
・機器稼働状況の共有化
・生産性低下の対策が迅速に可能
 
300年企業を目指して
・一個流し生産の価値をパッケージ展開
・BIMMSをクラウド展開
・モジュール化により、用途の最適化
・次世代企業間データ連携調査・実証プロジェクト事業へ申請中

貴重講演2
『IoTビジネスの課題 -北陸の中小企業へ向けて-』
北陸先端科学技術大学院大学
教授 丹 康雄 氏

講演概要

IoTとは
『高度な情報処理機構』と『情報通信網で常に連携を取りながら』、『物理空間の情報を把握しつつ物理空間に対して働きかけをする』情報システム
 
近年の情報システムの発展の流れをご説明。
 
IoTという言葉は
1980年代以降様々な言葉が生まれていたが、あまり定着せず。2015年に入り急速にIoTに集約された
 
IoTのシステム実現の5要素
1.つなげる:コネクティビティの確保
2.感じる:センシング
3.判断する:クラウド連携し制御する
4.動かす:物理的な作用
5.記憶する:データベース化
IoTは1-5を廻している
ホームネットワークをもとに解説いただく
ホームネットワークは国が推進しているが、光熱費の削減で運用費を捻出するモデルは破たんしている
 
IoTをめぐる直近の課題
1.OAM:遠隔管理ができないなど
2.セキュリティの問題:IoTセキュリティが出現
3.パーソナルデータの取り扱い
4.サービスAPIの意味論(セマンティクス)
5.AI活用に向けての準備
 
北陸でのIoT
・モノづくり産業と情報産業の何れもが盛ん
・地方版IoT推進ラボに多数の自治体が参加
・北陸情報通信協議会でも提言書を発行
 
むずび
・IoTは社会を変える力を持っている
・我々の職業、生活の仕方など、社会の在り方が多く変わる
・自動運転のように意外に早く影響が出始めている気配はある

講演・事例
『IoTへの取り組み
-ひとりのITコーディネータとして考えること-』
北陸通信ネットワーク株式会社
事業戦略部長 ITコーディネータ 酒井 正幸 氏

講演概要

会社案内
 
IoTニュースから
全国では取り組みが盛んだが、石川県では関心度合いは様々である。
IoT普及のためには目的設定が重要である。
 
Raspberry Pi3での実験
自身でもラズベリーパイを活用し、人感センサーを取り入れたIoT実験を行った。
 
IoTとセキュリティ
・『Mirai』と呼ばれるIoT機器に感染するマルウェアが発生。大規模なDDoS攻撃が行われた。
 
・2016年7月IoTコンソーシアムよりIoT機器の提供側と利用者側を対象とした、IoTセキュリティガイドラインを発表。
・それらをサポートする形で各関連団体からも、ガイドラインやガイダンスが公表された。
 
まとめ
目的を決め、まずやってみる、その際セキュリティは万全に。

ご報告
『IoT時代のサイバー犯罪とセキュリティ対策』
石川県警察本部サイバー犯罪対策補佐
警部 辰村 憲一 氏

 

デバイスが長期間使用されるなどの特徴から、IoT機器特有のセキュリティ対策を講じる必要がある。
 
今後予想されるIoTに伴うサイバー犯罪
・工場の管理システムを乗っ取り、操業停止などの脅迫をせまる
・ビルの管理システムを乗っ取り、警報装置の機能を停止させ、泥棒に入ったことを気付かせない
・自動車などを乗っ取り、事故を誘発
 
予防から備えへ
・『完全に防ぎきれない』という認識が重要
予防:今までの対応
発見・対応:日頃の訓練が必要
復旧:日頃からバックアップ
再発防止:社員教育など
 
最後に
セキュリティ対策は、コストではなく投資である。
投資のよる費用対効果は企業としての信頼である。
企業存続のためにも、セキュリティ対策は必要。
 

 

【開催情報】
セミナータイトル IoT時代のIT経営のヒントを学ぶ
開催日時 2017年2月22日(水)13:00~17:30
主催 特定非営利活動法人 石川県情報化支援協会
共催 特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
後援
独立行政法人 中小企業基盤整備機構 北陸本部
石川県
公益財団法人 石川県産業創出支援機構
金沢市
金沢商工会議所
石川県商工会連合会
石川県中小企業団体中央会
株式会社 石川県IT総合人材育成センター
一般社団法人 石川県情報システム工業会
一般社団法人 石川県鉄工機電協会
株式会社 北國銀行
株式会社 北陸銀行
金沢信用金庫
株式会社 北國新聞社
特定非営利活動法人 ITコーディネータ富山
特定非営利活動法人 福井県情報化支援協会


 

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本件に関するお問い合わせは、ITコーディネータ協会 事業促進部まで
 
 

 

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