
(株)富士通北陸システムズは、08年に創立25周年を迎えた富士通グループの情報会社。技術者集団を標榜し、『日経ソリューションビジネス』誌の07年度
ソリューションプロバイダ業績ランキングで技術者比率1位、経営効率1位を獲得している。
同社は、人材育成プログラムのなかでITC研修・資格取得をSE幹部社員の必須資格に位置づけている。それは、経営の視点で考え、提案する力を幹部自らが率先して
養うことが大切だ、と考えているからである。
現時点で、同社のITCは約45人。そのうちSE幹部社員は30人で、SE幹部の取得率は7割を超えている。「私どもは、ソリューションプロバイダとして、お客様の
価値創造に資する的確な仕組みづくりを支援し、永続的にお客様のビジネス展開に貢献していくことが、自分たちに与えられた役割、使命だと考えています。
この使命を果たすためには、真のプロフェッショナルとして、人間的にも技術的にもお客様に認められる人材である必要があります。そうした人材に一歩でも
近づくためにもITC資格は重要なのです」
自らもITC資格の持ち主である同社の林良隆経営執行役は、ITCを重視する理由をこう説明する。富士通グループは、フィールド・イノベーションと称する独自の
概念を打ち出している。顧客や自分たちの改革の対象となる領域をフィールドと位置づけ、人、プロセス、ITの現状を可視化し、全体最適化、
継続的な改善につなげるアプローチ。これが、フィールド・イノベーションである。
このフィールド・イノベーションを展開する際、同社はITCをファシリテーターとして活用している。関係するメンバーの意見を募ったり助言をしたりしながら
課題を抽出し、問題解決に導くのである。経営的な見地から公平に物事を見ることができるITCならではの目が、ここでも重視されている。
「ITCが中心となってフィールド・イノベーションを行い、問題が解決した例はかなりの数にのぼります。当社にとっては、社内向けにもお客様向けにも大事な人材。
それがITCなのです」(林執行役)
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