◆営業担当が中堅・中小企業のCIOとして活躍

営業担当者を中堅・中小企業の「CIO役」に
日本ユニシス株式会社
執行役員 ゼネラルビジネス事業部長 原田陽一氏 (ITコーディネータ)
(機関誌「架け橋」第2号、2007年1月発行より転載、役職は当時、現在は常務執行役員



 中堅中小企業マーケットを対象に業種横断型の営業を展開する日本ユニシス・ゼネラルビジネス事業部は2004年10月、「ITコーディネータ(ITC)挑戦を通じ、 顧客のCIOになろう」という"ITC宣言"を発表した。
 この文言の後半部分は、実は以前から目標として掲げられていた。ゼネラルビジネス事業部長である原田陽一執行役員は、「当社の経営理念である『顧客第一主義』 を推進するうえで、当事業部がどういう責務を果たすべきかを考え、IT関連の人材が不足しがちな中堅中小企業のお客様に対し、私どもの営業マンが CIOの代わりとなりご支援していこうと決めました」と、背景を説明する。
 とはいえ、個々の部員にしてみれば、「CIOの代わりになれ」と言われても、具体的にどうすればいいのかが分からない。この目標を実践するには、 何らかのスキル基準が求められていた。それに合致したのがITC資格である。
 「経営コンサルティング・業務分析から始まってIT戦略策定、資源調達、システム導入・活用までをトータルにマネジメントするITCの活動領域は私どもの考えと 一致しました」と話す原田執行役員は、率先してITC資格取得に取り組み、部員の意識向上を後押しした。具体的な取り組みは、2005年上期のITC補受験からスタートし、 これまでにスタッフの半数ほどとなる約60名が資格を取得。部内では受験本番に備えた模擬試験を実施したり、ケース研修費用に関して人材育成の奨学金制度を 適用するなどのサポートを行っている。

専任部隊の業務効率化にも貢献

 営業マンがITCスキルを習得する効果について原田執行役員は次のように話す。「従来からの営業活動に加えてコンサルティングやSEの業務もある程度カバーで きるので、お客様に対してよりスピーディで的確なご提案が可能になります。ITC営業が"ITのゼネラリスト"となることで、コンサルティング、SEのスペシャリスト (専任者)達も業務を効率的に進められるようになります」。
 この変化は、資格取得者へのアンケート調査にも表れている。「お客様の社長と1人で話せるようになった」「SE以上にお客様から頼りにされるようになった」 など対顧客の面に加え、「お客様の要求をSEに多様な角度から説明できるようになった」「販社や代理店からアドバイスを求められるようになった」という声も あるように、社内やパートナー企業との関係においても効果が出ている。
 さらには、実際のビジネスでの成果にもつながり始めた。ITC営業で経営改革のコンサルティングを実践し、受注獲得に成功した例もあるという。 「しかし資格の取得はあくまで手段。お客様のCIOになるという目標を確かな実績として示せるようになりたいと思っています」と、原田執行役員は意気込みを 語っている。

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