「第2の創業計画」、胎動し始めました

 会長の澁谷裕以(ひろゆき)です。
 今、「第2の創業計画」の第一歩として新しい定款の策定に向けて動き始めました。3月7日には新定款案を審議し、承認いただくため、議決権をもつ運営会員にお集まりいただき、臨時総会を開きます。
 
 「第2の創業計画」では、日本の中小企業がITを経営の力として生産性を高め発展するため、6千人のプロ、1万4千人の企業内ITCがそれぞれの役割を発揮して経営者を支援する態勢を構築する」としていますが、そのためには、まずは協会をITコーディネータによるITコーディネータのための組織にしていく必要があります。それを実現するため、私たちの憲法とも言える定款から変える必要があると考えました。
 
 社会的な地位や名声が確立されている職業においては、自分たちの仕事に誇りをもち、その価値を信じて、自らその価値を高めていこうとする核となる人たちが継続的にいます。私は、そのように自らを恃(たの)み、自ら責任を引き受けて進めていく人たちが、その仕事の未来をつくっていくのだと確信しています。しかるに、これまでこの協会では、ITコーディネータ6,200人のうち、議決権をもつ運営会員はわずか70名しかいらっしゃいませんでした。この状態で、ITコーディネータによるITコーディネータのための協会と言えるでしょうか? 自分たちの仕事に誇りを持ち、その価値を自ら高めていく組織であったと言えるでしょうか?
 
 その沈滞ムードの多くの責めは協会が負わなくてはいけないと思います。協会は17年間、資格の認定や更新、あるいは研修カリキュラムの策定には力を尽くしてきたと思いますが、日本の中小企業のなかで存在感を発揮するために、どの程度の目標をもつ必要があると考え、その目標に向けて何をやっていくべきかを整理し、行動するという前向きな取組みを積極的にやってきたとは言えないと反省しています。とくに、ITコーディネータの仕事をどうやってつくるのか、あるいは企業内ITCの価値をどこでどのように発揮してもらうのかといったことについて、十分な検討をし、行動をしてきたとは言えないと思います。
 
 「第2の創業計画」では、その点を大いに反省し、これまで先達達が遺してくれた積立金を先行投資として少し使わせていただき、協会要員を強化して「6千人のプロ、1万4千人の企業内ITC態勢」を構築するために思い切り活動量を増やしていきたいと考えています。この4月から質量ともに要員補強を行い、活発な活動をおこなっていきます。
 しかし、一方、 ITコーディネータひとり一人のマインドセット、あるいは届出組織の運営も、もっと前向きのものに変えていかなくてはいけません。言うまでもありませんが、協会だけでは改革はできません。同じ心意気と目標を共有する同志がどれくらいいるかが、この改革の成否を分けます。

 就任以来半年で、随分多くの届出組織を訪問させていただき、種々の意見交換をさせてもらいました。そこで、広く聞かれたのは、協会に対する様々な要望です。もっと知名度を上げる努力をして欲しい、もっと稼げる資格にして欲しい。企業内ITコーディネータ資格の活かし方が判らない、等々。すべて尤もだと思います。

 しかし、できれば届出組織として、ITCの価値をこうやって高めていくという計画をつくったので、協会はこういうところを手伝って欲しい。協会がここを支援してくれれば、われわれはこういう活動ができる、というようなお話をいただきたい気がします。そうであれば、相互に前向きな力が働き、お互いの活動量が増えて、ITコーディネータの認知度があがっていくことになると思います。

 そういう明るい、前向きな届出組織と協会との関係をつくっていきたいと思います。そのために、新定款案では、新たに「正会員」という制度をつくり、「協会の運営に主体的に関与するもの」としました。正会員には、いろいろな特典を用意したいと考えていますが、特典との費用対効果だけで考えるのではなく、ITコーディネータの未来への「投資」と責任をもって主体的にコミットする気持ちを込めて正会員になっていただけると幸甚です。
 
 協会も態勢を整え、届出組織と密に連携しながら各方面とのネットワークを強化し、ITコーディネータの活動量を飛躍的に増やすことができるように活発に動いていきたいと思います。仕事をつくるために最も大切なことは、活動量を増やすことです。そのことはしっかりお約束して、着実に実行していきたいと思いますが、人間と人間とのネットワークですから、それが具体的な成果に結びつくには少し時間がかかると思います。

 しかし、ここでギアチェンジをしなければ、ITコーディネータという資格は自然衰退していくことになりかねないことも多くの皆さんが感じているとおりです。前回ブログでも申し上げたように、幸い、新しい良い風が吹いてきています。このチャンスを最大限活かして、未来に向けてギアチェンジを図るべき時です。
 
「この道より我を活かす道なし、この道を行く」
 私は、こういう覚悟で「第2の創業計画」を進める気持ちでおりますが、是非、ひとり一人のITコーディネータの皆さまにおかれても、協会改革を自分ごと化して、この改革に責任をもって関わり、一緒に進めていただきたいと思います。
 
 なお、3月7日の臨時総会で新定款案が承認されれば、6月に見込まれる東京都からの認証に備え、「正会員」の予約申し込みを開始いたしますので、よろしくお願いいたします。

 

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