2015年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(函館)

 

 



2016/2/29
ITコーディネータ協会
事業促進部 山崎 健

 

 

2015年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告
(函館)

 

 

 


講演内容
基調講演 『稼ぐ力を強化すつ攻めのIT経営』
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
会長 播磨 崇氏
記念講演

『函館の未来を築く 実践的IT人材育成について』
公立はこだて未来大学 システム情報科学部
情報アーキテクチャ学科 教授 大場 みちこ氏

講演 講演1『くしろにおけるIT産業』
釧路ITクラスター推進協会 会長 中島 秀幸氏

講演2『はこだてにおけるIT産業』
函館市経済部 主査 小川 健一郎氏(モデレータ:市村 淳一氏)
実践事例紹介 実践事例紹介1『農業におけるIT利活用について』
株式会社エスイーシー 情報通信事業本部 取締役 大倉 義孝氏

実践事例紹介2『地域で安心して暮らし続けるためにITができること』
株式会社グローバル・コミュニケーションズ 代表取締役 笹谷 隆氏

 

 


 
 
北海道での「IT経営カンファレンス」は3年連続3回目の開催になります!
北海道新幹線開業を控え、函館の発展に必要な人材の育成などについて、講師の方々よりいろいろなお話しをして頂きました。

 

 


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初めに北海道ITコーディネータ協議会 会長 阿部 裕樹より主催者挨拶がありました。
IT経営カンファレンスは全国で実施されており、北海道では3回目 2013年:十勝・2014年:釧路で実施し、2015年は函館での開催になります。IT産業活性化による地域活性化を図り、函館でイノベーションは起こすには人材が大事とのご挨拶がありました。
 

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続いて、来賓挨拶として、函館市役所経済部 部長 谷口 諭氏よりご挨拶をいただきました。
函館市は地域活性化が必要であり、各IT関係機関から事例の紹介があるので、メリットを感じて頂きたい。また、来る新幹線時代にIT経営を実践するためにも、事例などを聞いて、有意義な時間にしてほしい、とのお言葉をいただきました。
 

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基調講演 『稼ぐ力を強化すつ攻めのIT経営』
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
会長 播磨 崇氏

 

 


(講演概要)

稼ぐ力の徹底強化を図る
進んでいるITを活用しながらIT経営を推進

<ITC協会の紹介>
ITCの特徴→攻めIT経営を実践する人材
ITCの女性が約10%にまで増える
攻めのIT経営百選事務局を行っている

ITの新潮流
スマホ市場の拡大
・スマホの広告費の拡大により、新聞広告抜く勢いがある。

IoTでの先進事例紹介
■自動車関連
・安全運転支援し事故率減少を促進
・安全運転度をチェック、自動車保険料に反映
■サービス産業
・販売員の行動を確認し、無駄のない動きに反映。売上拡大
■農業活用・介護活用にも活用
■ウエラブル
・カロリー消費を計測
・ペットの首輪で状態を確認
■アメリカでの事例
アマゾンダッシュボタン→家庭内での発注簡略化
ホテルキー→ホテルチェーン、スマホでチェックイン・アウト

FinTech
金融庁で取組みが始まった
・モバイル決済、オンライン決済が進む
・レンディングサービスで融資までのスピードアップ
・クラウドファウンディング
 いろんな場面で活用が可能
 地域観光産業活性化でクラウドファウンディングを活用

 

クラウドソーシンングの加速

AI
自動車メーカーやIT企業の取り組みが注目を浴びる
【ビジネスモデルが変わってきている】
→早く気づき→事業に生かす→攻めのIT経営
これからIT産業の活躍の場が多くなる


国の方向性
一億総活躍社会
旧アベノミクス→新アベノミクスの第1の矢に集約

日本再興戦略改定2015でのポイントとITCAの活動
1.稼ぐ力の強化
  攻めのIT経営「中小企業百選」で優良企業の事例を展開
2.見える化
  ITコンサル人材のリスト化を実施よろず支援拠点などを通じ中小企業を支援
3.生産性向上
  サービス産業の生産性向上『日本サービス大賞』実施
4.支援強化
  ITCAは信用金庫と連携し、地域の経営支援を強化
5.人材育成
  変革の時代に備えた人材力の強化
6.セキュリティ
  新たな国家資格、情報セキュリティマネジメント試験開始
7.マイナンバー
  ITCAはマイナンバーコミニュティで中小企業の活動支援
8.地域創業促進支援事業
  ITCAでは2014年,2015年と創業スクールを実施

IT産業の構造改革
大企業の下請けでなく人材育成も含めて提案型へ転換が必要

事例紹介
●お花見九兵衛様
ネットでの予約システム構築
業務効率化を実施し、業務の助け合いでサービス改善
E/U視点でサービスの提供

●西村金属様
外部環境が厳しくなる中、強みを活かし実績をWebでアピール
多品種少量生産を実施し、生産管理システム導入
「チタン加工の駆け込み寺ブランド」確率
地域活性化への取り組みとして、7社で「チタンクリエーター福井」を立ち上げ
下請けから脱却し、個々の企業が強くなっている

西村プレシッジョン
地域活性化100%鯖江産
老眼鏡のブランド化
地域に愛されないとグロ-バル化できないとの意識をもとに行動
新しい事業として、ホテルへ老眼鏡のリース実施

●ドクターオブジアース
こどものころから地球のお医者になる!と明言
農家より販売方法の問合せが多かった
こだわり野菜の直売所
こだわり野菜のネット販売へ
3000名の生産者ネットワーク→当初1件ずつ取り込む
販売にあたり基幹システムの構築。補助金の活用
生産者目線のシステムを構築
売価の決定は生産者
今年中には一般販売のシステムをリリース予定


まとめ
外部の知見を活用
成功体験の繰り返し


 

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記念講演

『函館の未来を築く 実践的IT人材育成について』
公立はこだて未来大学 システム情報科学部
情報アーキテクチャ学科 教授 大場 みちこ氏

 

 


(講演概要)

公立はこだて未来大学(2000年開学16年目)のご紹介
めざす姿 共同性社会性を重視 新進的
アクティブラーニングも推進
規模:1200名
システム情報科学部
学科2つ
複雑系知能学科
情報アーキテクチャー学科
 毎年システムの構築(1-2年でできない)ので大学院まで行くコース

自治体の広域連合。緩やかな公立大学を目指している
教員の活発な連携がある
建物もガラス張り
オープンスペースの環境をもとの教育実施
函館市30万人 顔と顔を合わせたコミュニケーションができる規模で運営



<人材育成ビジョン>
3レイヤーで構成
3レイヤー
・全学園最下層
・必修にプロジェクト学習あり(1年を通して実施)
・観光イカロボット製作など(函館市と連携)
--実践的人材育成--
2レイヤー
社会デザイン思考
社会革新を思考する学生を育てる
1レイヤー
独創的機能へチャレンジ

プロジェクト学習(PBL)とは
全学の必修
 連携したテーマを実施
高度ICT演習
 単位なしの課外授業
 対象は全学年
 基本1年で実施だが、数年にわたるものもある
 いつ入っても、辞めても可能
 システム開発中心
 特徴多学年
   他大学と実施

プロジェクト学習3年時(120コマ)
20テーマ/年
ずーしーほっきーの製作(北斗市と連携)

 

●地域連携プロジェクト

【地域のデータをオープンデータ化しアプリを開発】
(おさかな日和)漁連:取れている魚のレシピ
函館市:建築物の遺産、街歩きデータを活用
活用されない情報をつなげて利用
オープンデータをリンクし活用する有用な情報へ
函館市の観光Map、Webサイト、ロケ地、近代遺産ポータル
→はこだてMap+をリリース 

【オープンデータを作る】
ウィキペディアタウン
Wikiの情報を皆で作成。町中活動
更なる活用
ウィキ町史ビューワも作成

【オープンデータのビジネス活用】
データを公開しビジネスにつながり、街の活性化
鯖江市:オープンデータを積極的に活用
ビジネス活用例
・不動産価格算定サイト
・官公庁との連携
・マイ広報誌
・ブラックジャックによろしく(フリー化)
 別のところで稼ぐ目的で他著作本が6倍に売れた

●高度ICTコース
先進性を思考
2015テーマ『函館で起業するとしたら』
他大学と連携
ビジネスサービスデザイン
デザイン思考を活用したビジネスサービスを体験
新しいサービスの実践
地元企業にインタビュー
 ワイン製作
 革工芸デザイン
 函館市行政担当者に指導を請う
出口科目
 インタビュー後ディスカッション
 ビッジュアルシンキング
 ジオラマでものを作りストーリー仕立て発表多数の見てもらう

<参加した学生のイメージ>

起業のイメージ変化があった
身近にあった行政の支援を認識
起業への障壁が下がった
情熱やこだわりについて気づきがあった 
上記テーマがカギになる。

起業の難しさに気づく
情熱と苦難を乗り越える力が必要
障壁の乗り切る力に不安

地域の起業にITが貢献
活用できると思う 80%

<参加後に振り返りを実践>
やりっぱなしにしない
写真やビデオで思い出すことを実施
学びの可視化により気づきの創出
 経験をmapに落とす
 自分をモデルにした旅人を模したマンガを作成(5こま)
 学びのプレーヤで経験を背負う(付箋はりつけ)
チームで共有
次のステップへ活かす
次の目標へ活かす

まとめ

実践型教育を函館へフィードバック
社会で勉強し、函館へUターン



 

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講演 講演1『くしろにおけるIT産業』
釧路ITクラスター推進協会 会長 中島 秀幸氏

講演2『はこだてにおけるIT産業』
函館市経済部 主査 小川 健一郎氏(モデレータ:市村 淳一氏)

 

 


(講演概要)

講演1『くしろにおけるIT産業』
釧路ITクラスター推進協会 中島会長(ITC)

釧路のIT産業について

協会について
H17年4月
前身:くしろマルチメディア協会
目的:釧路地域でみなさんの役にたてるか
メンバー:地元企業、NEC、FX、富士通、ほっとねっと、SOHO
協会会員20社くらい
特別会員

活動内容
人材育成
 IT技術者の育成(セミナー、研修などを実施)
ITCの育成研修 2年くらい実施 IT系の営業向け 4名
くしろブログカンファレンス
拡張現実の取り組み
釧路地場産業連携ビジネス研究会
 水産、観光、防災、
 上記従業者、IT関連、官公庁、連携
<活動事例>
水産加工
コールセンター
密猟者通報システム
防災:防災カメラ(電源、Webから独立)
観光:ARセミナー(観光・防災情報の提供)
FreeWiFi:インバウンド関連

今後はビジネスにつなげられるよう、利益、収益、増客などの結果が出せるようにしたい

<10周年記念事業>
鯖江市オープンデータ活用から鯖江市の取り組みを勉強
これからの時代 日経BPから講師派遣
 IoT、ビッグデータ、AI勉強

<今度の取り組み>
異業種との連携を深める
IT産業自体の成長(やや弱いかも)
ITで地域の産業を強くする
地域に若手の人材の活躍の場を創出
(高専卒業生の9割は釧路から離れる)

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講演2『はこだてにおけるIT産業』
函館市経済部 主査 小川 健一郎氏(モデレータ:市村 淳一氏)

<数値で見る函館>
事業所数
 全国▲7.3
 函館▲9.0
IT事業所
 全国▲12
 函館10
全産業
 IT以外はマイナス成長
 IT起業を誘致し、企業数は増加
リーサス(REASAS)からの資料で上記情報の取得をしている
リーサスとは(地域経済分析システム)ビッグデータ活用している
昨年リリースし、地方版総合戦略に活用。一般の利用も可能

<最近のIT企業の状況1>
ビッグボイス 地域貢献しながら
クロスワークス クロスコミュニケーションの子会社
 IT企業や教育機関との橋渡し
2つのIT企業が来ている
それ以外にも興味をもってもらっている
IT起業の関心があるのでは?

<最近のIT企業の状況2>
ものづくり産業アンバサダー制度を実施
・7名に委嘱
・企業誘致に協力依頼
・SEC取締役、ビッグボイス社長も
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2015112700012/


<函館市の取り組み>
函館の経済回復
製造業、IT産業の振興を図る
IT企業の誘致、既存企業との連携を推進
ITに特化した助成制度もある

IT産業の集積化はかる理由
2010年日本総人口減少になっているが、函館市は1980年から減少傾向
五か年の取り組み内容のビジョン作成
2015年10月に函館市創業戦略を作成人口ビジョン4つの視点
若者をはじめとする雇用の場の確保
若手の人材確保に苦労(道南地区共通の課題)
未来大学があるのは強みである

新幹線
複数の交通機関ができる

函館ブランド
地域ブランド総合研究所から
2年連続魅力1位


函館市平成28年度予算案
IT特化予算
1.IT人材確保セミナー開催経費
 首都圏の優秀な人材を函館で働いてもらう
 移住窓口(有楽町)を活用し、移住検討者の個別相談

2.未来のIT人材推進育成費
 小中向けプログラミング教室の開催
 人的、資金でのバックアップで開催回数を増やす
 将来函館のIT技術者のすそ野を広げる
 企業、団体の協力を得る

3.IT技術家補助金

4.函館デベロッパーカンファレンス(2008年函館IKA)
 道南地域の若手育成
 IT人材育成
 プログラムコンテスト
 IT技術者向けのカンファレンス開催

今後に向けて
ITに関する新規事業を盛り上げられるよう動いている
未来大学や産業会、産学官を連携し函館を元気に

 

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実践事例紹介 実践事例紹介1『農業におけるIT利活用について』
株式会社エスイーシー 情報通信事業本部 取締役 大倉 義孝氏

実践事例紹介2『地域で安心して暮らし続けるためにITができること』
株式会社グローバル・コミュニケーションズ 代表取締役 笹谷 隆氏

 

 


(講演概要)

『農業におけるIT利活用について』
株式会社エスイーシー 情報通信事業本部 取締役 大倉 義孝氏

<農業のIT化>
●多機能気象観測システム開発(ウエザーバケット)
メッシュ気象が100m単位で可能
地区での情報活用が違う
・病気の発生予測や地温の計測など
サービスの充実を図る

岩見沢市の提案(14機)
データを活用し収穫予報、トラクタの自動運転
肥料の一元管理、地区でのたい肥利用共有

●牛の発情検出システム
学生と2年間基礎研究を実施
学生と作ったものから、成果がでてきている
牛も出産し母乳がでることから、たくさん母乳を出せるように、種付けをする
発情を検知することで受胎率を90-95%にもっていきたい
試作機(補助金活用)で次に製品化したい

●牛舎管理
高精細のカメラを使用(小照射)
ヒートストレス対策(26度以上で乳のでが悪い)
家畜米をトウモロコシ、牧草の代替えを狙う

<農業におけるIT産業>
どんな事業体でも必ずある。
一次産業と流通をつなぐ
農家とお客さんをつなぐ
上記のようなところにもかなずニーズがある
後発でも参入の余地あり
しかし、自然相手のハードルは高い

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『地域で安心して暮らし続けるためにITができること』
株式会社グローバル・コミュニケーションズ 代表取締役 笹谷 隆氏

<デジタルペンソリューションで高齢者を見守り>
コンセプト
操作が簡単、設置が簡単、安全に使用、低コスト
紙での見守りシステムの運用
買い物支援も実施
ネットスーパーを紙で運用する仕組みの構築

 

Ver.2.0で見守りの応用

緊急通報的なものではない
普段の生活からの変化の予兆で、通報をする仕組み
早期通報により重症化を抑えることが期待できる

よろず相談
困りごと相談を記入すると、NPOへ連絡される
用紙の作成で対応可能

用紙の大きさは幅広く対応
また、記入用紙を画像フォーマットとして保存
OCRも可能

今後の可能性
IT弱者の選択肢になれる
用紙の作成から、様々な用途での活用が見込める



 

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北海道で3度目にIT経営カンファレンスは人材育成で地域活性化は図ることが随所に謳われていました。また、来年も北海道での実施を予定して頂きました。次回はどんなテーマでしょうか。今後のIT経営カンファレンスにも期待が高まります!

 



 

 

【開催情報】
セミナータイトル
IT産業振興による、地域活性化
IT経営カンファレンス2015 in函館
開催日時 2016年2月10日(木)13:30~18:00
主催 北海道ITコーディネータ協議会、ITCはこだて
共催 特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
後援 経済産業省北海道経済産業局、北海道渡島総合振興局、函館市、
七飯町、函館商?会議所、七飯町商?会、函館市??商?会、
公?はこだて未来?学、(株)北海道ソフトウェア技術開発機構、
道南ITコミュニティはこだてIKA、北海道中?企業団体中央会道南?部、
函館?ロープウェイ(株)FMいるか、(株)ニューメディア(NCV)、
北海道中?企業家同友会函館?部、函館新聞社函館信??庫、
北海道税理?会函館?部(順不同)

 



 

 

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本件に関するお問い合わせは、ITコーディネータ協会 事業促進部まで
 
 

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