2014年度IT経営カンファレンス開催地概要報告(近畿)


 

2014/12/16
ITコーディネータ協会
事業促進部 中村 路子

 

 

2014年度IT経営カンファレンス開催地概要報告(近畿)

 

 

講演内容
講演1 「平成27年度 重要政策の重点」
近畿経済産業局 地域経済部 情報政策課 課長補佐 横井昌弘氏
講演2 「今この時代に中小企業が取るべき戦略とは」
株式会社タナベ経営 取締役 中東和男氏
講演3 「IT活用事例」
あっとクリエーション株式会社 社長 黒木 紀男氏
講演4 「共催者ご講演」
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会 常務理事 平春雄氏


 

・参加人数 約90名
・参加者分類 集計中
 
今年度の「IT経営カンファレンス」2回目は大阪での開催になります!
大阪市のオフィス街の中心、本町のパソナグループビルにお邪魔しましたが、ビルに入るとピアノ演奏でのお出迎えがあり、非常に素敵な雰囲気の中での開催となりました、IT経営カンファレンス2014in近畿(11月26日(水)13:30~17:00)の様子と概要をお伝えしたいと思います。

 


 

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まずは、主催者の特定非営利活動法人ITC近畿会・松下理事長より、開催のお礼とともに、今回のIT経営カンファレンスは地域活性化と情報化社会の寄与のための開催であり、変化の激しい今の社会で中小企業の生き残り策を一緒に考えていければ。とのご挨拶がありました。  aisatsu.jpg

 

講演1 「平成27年度 重要政策の重点」
近畿経済産業局 地域経済部 情報政策課 課長補佐 横井昌弘氏

 

(講演概要)

・景気は現在横ばいであり、緩やかに上昇する様子である。
・今後の重要政策としては、昨年6月に発表された「日本再興戦略」を着実に進めることであり、今後のマイナンバー制度の活用・オリンピックへの整備等でもITは基盤となる技術である。
・ITの活用で新しいビジネス(エネルギー・ヘルスケア等)に繋がるIT投資(攻めのIT投資)が出来る環境を作ることが大事。
・平成27年度の重点施策として「稼ぐ力の強化」「地域経済の再生」がある。
ITベンチャーの創業促進、データ利活用(パーソナルデータ・ビッグデータ等)の環境整備、攻めのIT投資評価指標の策定、情報セキュリティ(人材)の強化、デバイスの開発等々IT利活用のためにはITCが不可欠である。
・今日が、中小企業とITCの出会いの場になり利活用されるよう期待している。IT経営カンファレンスをきっかけに連携を深めて欲しい。
 
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講演2 「今この時代に中小企業が取るべき戦略とは」
株式会社タナベ経営 取締役 中東和男氏
 

(講演概要)

・これから経営していく中でITの活用は当たり前である。
・東京オリンピック開催の2020年まで景気が落ちて行く要素はあまりないが、2020年を越えると落ちて行くので(2018~19年)チャンスは2015~17年の3年間である。
・2020年以降生き残る策を考える上で、今企業がやらなければならない事は、ビジョン(あるべき姿)⇒シナリオ(戦略)⇒数値計画⇒行動計画を作ることである。
・ビジネスモデルとは、「誰に?」「何を?」「どのように?」提供するのかであり、環境の変化に伴い、ビジネスモデル革新する事を中小企業は常に考えるべきである。
・ビジネスモデルの革新を考える上での着眼点とは?
既存の顧客の深堀をし、真の顧客を選ばなければ生きていけない⇒まず分類し、絞り込みをし、差別化・独自性といった違いを作ることが必要。
自社のファンである顧客をいかに増やしていくのかが重要である。
「現状に満足」では価格で覆される。
ファンの定義付け⇒ファンへ向けた行動指針⇒定量的目標の設定。
・人口減少・モノ余りの時代では『所有』から『体験』へ価値観が変化している。
どんな顧客へどんな価値を提供できるか「新たな価値の提供」が求められる。
企業が提供する価値と顧客が受け取る価値にギャップが生じてはうまくいかない。
マーケティングとは「顧客の欲しいものを売る仕組み」であり、どんなに素晴らしいものでも必要がなければ売れないため、価値(メリット)を発信し、体感させ(試させ)見せることが必要である。
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・新規事業開拓にあたり、成長マーケットはたくさんある。新規事業開拓の戦略としては、3タイプある。
既存の事業を新市場への地下水脈方式には「転用・応用型」「組み合わせ型」「機能分解型」がある。
既存の市場に新たなサービスをといった顧客深耕方式には「ワンストップ型」「ライフサイクル型」「バリューチェーン型」がある。
全く新しいものを新しい市場へシフトしたい飛び石方式には「課題解決(社会貢献)型」「先端技術型」「ビジネスモデル型」がある。
・どんな事業も永久には続かず、事業の寿命は30年と言われているが、200年以上続く会社があるのは日本が一番多い。麹、着物以外は全て事業を変えて継続している。経営者によって会社は変わって行く。
・ITなくしてこれからの経営はない。
 


講演2 「IT活用事例」
あっとクリエーション株式会社 社長 黒木紀男氏


(講演概要)

・地図を仕事にどう使うのか?⇒地図をITで使うきっかけが阪神大震災であった。紙の地図に鉛筆、フィルムカメラと懐中電灯で調査を行った。
・がれき処理で西宮の地図着色方式で撤去が早くなり効果が実証され注目され、デジタルの地図を整備しよう!となる。(第一次地図ブーム)⇒デジタルの地図を作るのは高い!何に使うのか?容量大き過ぎ!と問題が多く頓挫した。
・googleMapの登場(第二次地図ブーム)⇒地図の革命⇒必要な地図を印刷して持ち出せるようになった。
・どうやって地図をビジネスに活かすのか?⇒エリアマーケティング(例:出店計画や顧客範囲の把握)
・スマートフォン・タブレットの登場(第三次地図ブーム)⇒ITのまま地図が持ち運べるようになった。⇒進化したそれぞれのツール(地図アプリ、デジカメ、GPS、PDF等)をまとめられないのか?施設管理や調査をもっと簡単に行いたいとの想いから「カンタンマップ」が誕生した。
・自治体での調査や管理に活用されるが、作った方も知らなかったニーズがあった。⇒不動産会社(地図とデータを重ねそれぞれの用途にあったものを営業用に持っていく)調査会社⇒(家屋調査を地図と調査項目、CSVの組み合わせ)コインパーキング(調査結果の入力)⇒地図との組み合わせで次のビジネスが生まれる。
・「地図はデジタルでは使えないと思っていた」「相談出来る人がいなかった」と言われる。
・自社のデータやサービスにプラス何かを組み合わせることによって新しいビジネスモデルが見えませんか?
 
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まとめとし、共催団体としてITコーディネータ協会の平事務局長から、「攻めのIT経営」と「イノベーション」についての協会の取り組みの講演がありました。
「攻めのIT経営」については、『攻めのIT経営100選』の事業内容の説明とご案内や、評価指針の考え方、「イノベーション」については、各省庁のイノベーションに対する政策の説明と、協会の人材育成連絡会の取り組み内容と結果報告、今後の展望についてのお話がありました。
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最後に司会を務められた谷口副理事長よりお礼のご挨拶と、また、来年もぜひIT経営カンファレンスを開催し地域の活性化に努めたいとのお言葉がありました。

 
年明け2月より、石川を皮切りに5箇所での開催が予定されておりますが、今後のIT経営カンファレンスにも期待が高まります!



 

 

【開催情報】
セミナータイトル
IT経営カンファレンス2014in近畿
「今この時代に中小企業が取るべき戦略とは」
開催日時 2014年11月26日(水)13:30~17:00
主催 特定非営利活動法人ITC近畿会
共催 特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
後援 近畿経済産業局、関西情報センター、株式会社パソナテック

 

 

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本件に関するお問い合わせは、ITコーディネータ協会 事業促進部まで
 
 

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