2014年度IT経営カンファレンス開催地概要報告(富山)

 


2015/3/9
ITコーディネータ協会
事業促進部 中村 路子

 

 

2014年度IT経営カンファレンス開催地概要報告(富山)

 

 


講演内容
基調講演
『小さな会社の負けない発想』
株式会社ハッピー 代表取締役 橋本 英夫氏
事例発表
『小さなバス会社の生き残り戦略~iPadによるGPS自動観光案内アプリ開発の狙い~』
平和交通株式会社 代表取締役社長 山田 真功氏

 


・参加人数 約60名
・参加者分類 ITC:約30%
 
今年度の「IT経営カンファレンス」5回目は富山市での開催になります!
前回の金沢同様、北陸新幹線開通を間近に控え、富山駅周辺は工事の真っ最中でもありました。

 


 
 

kanban.jpg eki.jpg  


 

まずは、主催者の特定非営利活動法人ITC富山吉田会長より、今回のIT経営カンファレンスのテーマ「負けない経営」について、景気が良くなったと言われているが、なかなか足元がしっかりせず、実感はわかないのではないでしょうか?世の中の格差が広がっているようで、従来通りで何もしていないところとでは、オリンピックの恩恵が去った後、着実に差が出るであろう。勝つ事は大変だけれど、「負けないように」するための知恵を使うヒントを今日のカンファレンスで掴んで欲しい。とのご挨拶がありました。

yoshida.jpg

 
 

基調講演
『小さな会社の負けない発想』
株式会社ハッピー 代表取締役 橋本 英夫氏

 
 

(講演概要)

・世の中は好転していくようにも思える。特に金沢、富山は新幹線開通もあり、よくなるでしょう。しかし、今はいいけれど10年後はどうなっているのか?
・今の業態にするのが1985年~である。当時から2000年代には人口減というのはわかっていた。今後人口が1億を切るのに、今のままのマーケットでいいのか?全ての経営はここから考えるべきである。
・ハッピーの経営は「サービス性向上⇒高収益構造の確立」である。効率化の向上(分母:バックオフィス)を極限まで小さくし、価値・生産性の向上、新市場の創出(分子:フロントオフィス)を極限まで大きくすることにある。バックオフィス・フロントオフィスをITで担当し、分母を小さくすることによって高収益化できた。
・高収益構造を確立するためには、①技術の課題解決②仕組みの課題解決をし、付加価値の創造の必要があった。カウンセリングシシテム・ナレッジ混流生産方式システム・洗浄仕分システム・検品教育システム・会計システムの串刺し一元管理、これら全てを社内製でIT・ICT化し収益構造を変えた。⇒Happyスパーダーネットシステム
・導入後の成果として、見える化により、勘に頼る「暗黙知」問題を解決。暗黙知→形式知→動形態知へ。技術の能力限界点を自己管理で高めることが可能となった。管理者がいらないマネジメント→自らの技術向上のための仕組みとなった。低価格競争からの脱出→「価値」を作った。
・サービス業の高収益構造はIT・ICT利活用で決まる。高収益構造とは「顧客満足」「社員満足(所得増加)」「ステークホルダー満足」を達成することである。
 
happy2.jpg

 

 

基調講演
『小さなバス会社の生き残り戦略~iPadによるGPS自動観光案内アプリ開発の狙い~』
平和交通株式会社 代表取締役社長 山田 真功氏

 


(講演概要)

・近年バス会社は増えてはいるが、1台あたりの売上が3%ダウンし営業収入は減っている。価格競争・乗務員の確保・安全性・時期による需要のバラつき・運賃の高騰など様々な問題がある。
・価格競争によりバスガイドの養育ができなくなるが、新規採用もない→高齢化。車掌の義務付けがなくなりワンマン化する→雇用の安定ができないといった要因によりガイドクラブへ依頼するが、お客様のニーズに対応出来ない。アンケート調査によると、嫌なガイドNO,1は「観光地をよく知らないガイド」である。
・価格競争からの脱却を図り、新車両導入・社員教育の充実・営業力拡大・安全評価制度の導入・共同受注会社を設立したが10年経過しても良くならない。他社に真似の出来ないサービスを考えている時に飛び込みで来たITCと出会う。
・色々相談するうちに、昔に前社長の導入したGPSガイドが不評だった話をすると、アプリの製作会社を紹介してもらいipadを利用したアプリ「タビ子」の製作が始まる。案内データ(ポイント位置など)をクラウドにあげipadにダウンロードしGPSでガイドが始まる仕組み。
・導入後にも「ガイドの原稿は誰が作るのか?」「音声は?」「編集は?」「どうやってモニターへ接続するか?」「乗務員への指示は?」「お客様にどうご理解いただくか?」など様々な問題が発生したが、社内「チームタビ子」で一つずつ解決していった。
・「男性受け・女性受けするもの」「お国自慢」「泣かせる話や感動話」「添乗員さんの事を考える」要素を入れ、行程全体をストーリーにすることで飽きさせない工夫をし好評である。
・新幹線開通に伴い、外国人観光客増加への対応も視野に入れて行く。タビ子も成長するが、ガイドの育成支援にも利用したい。ITは冷たいとも言われるがこういった事にも使えるので、使い手次第ではないだろうか。
 
tabiko.jpg

 


まとめとし、共催団体としてITコーディネータ協会の平事務局長から、本日の感想と、攻めのIT投資についてのお話がありました。

後日開催される「IT経営実践塾」のご案内もあり、カンファレンス開催後も継続して接点を持っていこうというITC富山の姿勢が伺えました。
 

 


今回の富山開催の後は、3/19に名古屋、4/10に長野で開催の予定です。今後のIT経営カンファレンスにも期待が高まります!


 


 

 

【開催情報】
セミナータイトル
IT経営カンファレンス2014 in TOYAMA
~負けない発想~
開催日時 2015年2月20日(金)13:30~17:30
主催 特定非営利活動法人石川県情報化支援協会
共催 特定非営利活動法人ITコーディネータ富山
後援 富山県、独)中小企業基盤整備機構北陸本部、公財)富山県新世紀産業機構、富山県商工会議所連合会、富山県商工会連合会、富山県中小企業団体中央会、株)富山県総合情報センター、富山経済同友会、一社)富山県経営者協会、一社)富山県情報産業協会、日本政策金融公庫富山支店、日本政策金融公庫高岡支店、株)北陸銀行、株)富山銀行、株)富山第一銀行、富山信用金庫、にいかわ信用金庫、一財)北陸経済研究所、株)北日本新聞社、株)チューリップテレビ

このページのトップへ