2015年度IT経営カンファレンス開催概要報告(中部)


 

2015/12/14
ITコーディネータ協会
基幹業務部:松下正夫

 

 

2015年度 IT経営カンファレンス開催地
概要報告(中部)

 

  

 
プログラム
挨拶 中部経済産業局 地域経済部長      高木 博康
【第一部】『攻めのIT経営』促進セミナー

パネル
ディスカッション

テーマ:『攻めのIT経営』促進に向けた課題と処方箋
<プレゼンテーター/パネラー>
株式会社由紀精密          代表取締役社長 大坪 正人 氏
<パネラー>
 株式会社セールスフォース・ドットコム
専務執行役員アライアンス本部長   保科  実 氏

<パネラー>
 特定非営利活動法人ITコーディネータ協会   会長 播磨  崇

<ファシリテータ―>
中部経済産業局

    地域経済部次世代産業課長 兼)情報政策室長 林 正美
【第二部】「中部IT経営力大賞2016」表彰式
表彰式 中部IT経営力大賞2016受賞企業 (優秀賞3社、奨励賞1社)
講評

中部IT経営力大賞選考委員長 名古屋学院大学名誉教授
名古屋学院大学大学院特任教授   岸田 賢次 氏 

事例発表

 「中部IT経営力大賞2016」受賞企業による事例発表
     中島化学産業株式会社  取締役総務部長  森岡 哲生 氏
     株式会社メガネ流通センター 代表取締役   神谷  馨 氏
     株式会社Farm&Gardens 代表取締役   武石 康之 氏  

弊会の辞 特定非営利活動法人ITC中部   理事長 磯部 秀敏 氏

 

・参加人数 160名

 

 昨年に引き続き、中部経済産業局が主催し中小企業のIT経営促進を目的として中小企業やITコーディネータ等の支援者を対象とする「攻めのIT経営セミナー」と、地元の中小企業や支援機関等を対象に中部地域ITコーディネータの活動促進等を狙いとした「IT経営カンファレンス」を合同して開催。
 また、経済産業省が8年間実施してきた「中小企業IT経営力大賞」及び「攻めのIT経営中小企業百選」を中部地域独自で継続的に実施している「中部IT経営力大賞」(特定非営利活動法人ITC中部主催、中部経済産業局及び管内5県等が後援)の2016年度受賞企業表彰式・事例発表が前述のセミナーに引き続き実施された。

 


 


 

挨拶 部経済産業局 地域経済部長      高木 博康
最初に、中部経済産業局 地域経済部長 高木博康氏から、政府の情報政策の概要と中小企業における「攻めのIT経営中小企業百選」、大企業における「攻めのIT経営銘柄」等と、本日の「中部IT経営力大賞」についてご紹介があった。

 

 

中部経済産業局 高木部長

会場  中部経済産業局 林室長

 

 


【第一部】『攻めのIT経営』促進セミナー
 
株式会社由紀精密 大坪社長

株式会社セールスフォース・
ドットコム 保科本部長

ITコーディネータ協会 播磨会長


 

 

<株式会社由紀精密 大坪社長プレゼン/その1:IT経営に取り組んだきっかけ>

・当社は祖父が始めたねじの切削加工会社からスタートした。
 順調な時期もあったがリーマンショックを契機に売上が大幅に減少し経営問題となった。

・ちょうどその頃、努めていた会社を辞めて、2006年に由紀精密に戻り2013年に社長に就任した。

・戻って最初にしたことは、社員ととにかくコミュニケーションを図ることだった。20名くらいが入れる会議室を作って、毎週1~2回は自分の考えを話し、意見交換をした。

・また、これからどう進めるかという方針を立てるために、まず自社が顧客からどう見られているのか、当社の強みは何なのかを知るために顧客にアンケートを記入して戴いた。

・そこで解ったのが、当社の強みが「品質」であり、由紀精密に任せておけば安心という「信頼」が最も貴重な強みだと言うことだった。

・そこで、高い品質力を更に磨き、航空宇宙分野へ進出することを決意した。
 この布石として、トレーサビリティが可能になる社内システムを作った。

 

<パネルディスカッション:その1>

(播磨)自分の考えを理解してもらうために従業員の意識改革をどのように進めたのか?

(大坪)最初から事業内容を大きく変えるようなことはせずに、まず毎日のようにディスカッションをした。

(保科)セールスフォースの導入シェアは中小企業が約80%を占めている。世代交代の際に導入されるケースが多い。
    航空機業界に参入するには大変な困難があったと思うがどうやって実現したのか?

(大坪)既存の分野はすでに継続的な取引関係が出来上がっているので、最初はサプライヤーがいなくなったところ
    や、航空機業界に新規参入してきた会社にアプローチした。

(林)中小企業経営者がIT経営をしたいと思った時に誰に相談すれば良いか?
  ⇒中小企業大学校(研修)、ソフトピアジャパン(セミナー)、ITC中部(相談)、ミラサポ(専門家派遣)、
   ITベンダーの展示会やセミナーなどが参考になる。

 

<株式会社由紀精密 大坪社長プレゼン/その2:具体的な取り組み>

・まず、「CI:コーポレート・アイデンティティ」をやった。
 当社は製品が表に出て目に見える形で使われることが少ないので、由紀精密のロゴマーク「YUKI」に、会社が目指す
 ことの様々な想いを込めた。


・当社には営業社員はゼロで、Webが営業をしている。インターネットからの注文が約7割で、現在のサイトは、入社1年目の社員に想いをこめて作らせた。

・当社のホームページに加えて、もうひとつのサイト「切削加工.net」をユーザーニーズに応えるサイトとして立ち上げた。ここに、切削加工に関するあらゆるノウハウ、情報をつぎ込んで、どんなものでもユーザーの要望に応えられるようにした。ここから顧客の問い合わせが入ってくる。

・良いものづくりに国境はない。昨年も、パリの航空ショーに出展し引き合いを頂いた。

・2015年にフランスのリヨンに子会社を創設した。ITを活用してリヨンや、研究所、工場、事務所とで、テレビ会議を行ってコミュニケーションを図っている。

・ITの利活用について以下のようなことを進めた
 生産工程の見える化(ツールとしてのコンテキサーやセールスフォースなどを利用)
 統計的品質管理の水準向上
 距離を意識させない拠点間連携
 グローバル対応したIT活用

・結果として、昨年、経済産業省「攻めのIT経営中小企業百選」に選ばれた。

 

<株式会社由紀精密 大坪社長プレゼン/その3:今後の取り組み・展望など>

・「世界にない工作機械を作りたい。」   と思って作ってみた。

・世界のどこからでもNWを介して加工プログラム(3次元CAD,CAM)を自動生成し、車で手軽に運べて、オフィス机上で稼動でき、加工能力は高品質・高性能(誤差がプラマイ0.1ミクロン)のマシン。「VISAI」という。

<パネルディスカッション:その3  まとめ>

(林)昨今、話題になっている「セキュリティへの対応」として、経済産業省・IPAから「サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer.1.0」は発表された。中小企業経営者の方にも是非紹介していきたい。

(林)最後に、皆さんから一言ずつ「攻めのIT経営」促進に向けてコメントを頂きたい。最初に、ベンダーの立場から。

(保科)クラウドの普及で日米の格差が拡がりつつある。ビジョンをITで実現するスピードをもっと上げることが必要。

(大坪)「こんなことがやりたい」を先に発信すると、「こうやるとできるよ」という情報が集まってくる。今日もそういう日になるような気がする。

(播磨)産業構造の変化は急スピードで進む。既存の概念にとらわれずに「やってみる」ことが必要。

(林)本日は貴重なお話しを頂きありがとうございました。

 

 

第二部】「中部IT経営力大賞2016」表彰式
表彰式 中部IT経営力大賞2016受賞企業 (優秀賞3社、奨励賞1社)
講評

中部IT経営力大賞選考委員長 名古屋学院大学名誉教授 
名古屋学院大学大学院特任教授   岸田 賢次 氏

事例発表

「中部IT経営力大賞2016」受賞企業による事例発表
  優秀賞:中島化学産業株式会社  取締役総務部長  森岡 哲生 氏
  優秀賞:株式会社メガネ流通センター 代表取締役   神谷  馨 氏
  奨励賞:株式会社Farm&Gardens  代表取締役   武石 康之 氏

   
表彰式では、冒頭、選考委員会の岸田委員長から、優秀賞3社と奨励賞1社の発表と講評があった。
   
「中部IT経営力大賞2016」受賞企業 岸田選考委員長

 

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本件に関するお問い合わせは、ITコーディネータ協会 事業促進部まで
 
 

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