2016年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(北海道)

 


 

2016/11/28
ITコーディネータ協会
事業促進部 山川 元博

 

2016年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(北海道)

 

 

講演内容
主催者挨拶 北海道ITコーディネータ協議会
会長 阿部 裕樹 氏
開会挨拶 独立行政法人中小企業基盤整備機構
理事 渡部 寿彦 氏
来賓挨拶 旭川市長メッセージ(代読)
基調講演
『「稼ぐ力」を強化する攻めのIT経営とイノベーション』
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
常務理事 平 春雄 氏
記念講演
『北から起こす!ものづくり企業のイノベーションと人づくり
~馬具づくりの技と心を込めて、“メイドイン北海道”を発信!』
ソメスサドル株式会社 代表取締役社長 染谷 昇 氏
学会アワー
『イノベーション経営のすすめ』
日本イノベーション融合学会 理事長 高梨 智弘 氏
実践発表
<2016年「攻めのIT経営中小企業百選」選定>
北海道十勝発!建設業イノベーション
クラウドシステムで屋外広域にわたる作業プロセスを一元管理
有限会社斉藤砂利工業 代表取締役 斉藤 悟郎氏
ITコーディネータ 城宝 孝志氏
『中小企業のIT推進施策について』
北海道経済産業局 地域経済部 情報・サービス政策課
課長補佐 田村 健氏
『中小企業の人材育成』
独立行政法人中小企業基盤整備機構 北海道支部 中小企業大学校旭川校
研修課長 堀田 充徳氏(中小企業診断士・ITコーディネータ)
閉会挨拶
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会 理事
日本イノベーション融合学会 北海道支部長
札幌学院大学 客員教授 赤羽 幸雄氏

 

・参加人数 81名
参加者分類:国1名、基礎自治体3名、支援機関3名、金融機関4名、企業42名、ITC16名、日本イノベーション融合学会3名、中小企業基盤整備機構9名)
 

 

毎回、北海道では道内各地で開催しているIT経営カンファレンス。今回は北海道第2の中核都市・旭川で開催されました。
中小機構北海道本部さまの協力により、参加者の半分以上をユーザー企業の方に参加頂けたカンファレンスとなります。
 

 

基調講演
『「稼ぐ力」を強化する攻めのIT経営とイノベーション』
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
常務理事 平 春雄 氏
(講演概要)配付資料に基づき、次のような概要の講演が行われました
・ITの動向、産業就業構造の変化
・事例に基づくITの新潮流(IoT、人工知能、ビッグデータ、ロボット、Fintech、ドローン、クラウドファンディング、クラウドソーシング)
・ビジネスも仕事も環境も全てが大きく変わっていく時代
・日本再興戦略
・攻めのIT経営事例(時間の関係で一つだけ紹介)
・自分の商品をいかに持つか、下請けからの脱却、他社にない高度な品質
・攻めのIT経営に向けて「ひとりではできない」⇒専門家の活用、仲間と一緒にする

 

記念講演
『北から起こす!ものづくり企業のイノベーションと人づくり
~馬具づくりの技と心を込めて、“メイドイン北海道”を発信!』
ソメスサドル株式会社 代表取締役社長 染谷 昇 氏
(講演概要)配布資料に基づき、次のような概要の講演が行われました
・日本で唯一の馬具メーカー
・ものづくり物語(革の表情を目視で見極める)
・北海道洞爺湖サミットで各国首脳へのプレゼント
・ベテラン、中堅、若手が3-4人で少量多品種に対応している
・全国で20社(総務省事業)が選ばれ、海外向けにメイドイン日本の紹介ビデオを作った
・「ニクソンショックで輸出が立ち行かなくなった」「リーマンショック」
・その後の2009年に5代目の社長就任(リーマンショック後)
・炭鉱の町、歌志内で創業⇒炭鉱が閉山⇒北海道の馬具職人に集まってもらい創業⇒ニクソンショック、オイルショック⇒操業不能(染谷社長の大学3年)⇒馬具だけではやっていけない⇒様々な下請けをしてきた⇒ソメスサドルを商標登録した(目的は下請けからの脱却)⇒徐々に業績回復⇒採用もしたいが人が来ない⇒1995年に砂川に移設⇒手作りで会社環境を作っている最中⇒自ら商品を販売していった
⇒2003年伊勢丹に出展⇒2年で平売り場へ⇒2006年青山に自前で出展(販売スタッフ全員雇用継続)⇒2017年GSIXの5階に出展
・ドイツに視察⇒ドイツは馬具技術世界一⇒日本は乗馬人口10万人、ドイツは100万人⇒刺激を受けた
 
⇒新製品(乗馬鞍)「落馬しない鞍」(特許取得)
・パイロットのペンケースなど、高級商品に革製品提供
・皮革産業は衰退産業、製造現場は半減(国内品は海外品に取って代わられて、現在5%)
・百貨店ピークは9兆円から6兆円産業、今後5兆円になるだろう
・ネットショップの台頭
・セレクトショップは利益が出ない(アウトレットへの参画が原因)
・社員へのメッセージとして企業理念を明文化した
・10年ごとに大きな課題が起こる=社内イノベーション
・組織を横断するITの活用(顧客管理、社内SNS、掲示板など情報共有)
・毎朝工場敷地内を社長が回り「社員と挨拶」
・雑音のなるべく入らない体制(社長決裁により「全社で決めたこと」を明確にしている)
・社員間の垣根を越えた協力体制(イベント等では生産部、商品部、営業部が一緒にやる)
・販売職にも本社工場で作成現場の研修を受ける機会がある
・社員の作品展(営業職は生産部に依頼)⇒顧客が投票し、優勝作品は社長賞と商品化
・地域貢献=ふるさと納税(砂川市)は300万⇒6000万⇒19000万⇒返礼品の7割がソメスサドルの製品が選ばれる
・52名の職人に加えて、主婦が家庭で行ってくれる行程が増えている

 

 

 


 

学会アワー
『イノベーション経営のすすめ』
日本イノベーション融合学会 理事長 高梨 智弘 氏
(講演概要)配布資料に基づき、次のような概要の講演が行われました
・イノベーションは知の共有から
・体が、組織が動かない⇒自由に動ける組織を作ろう=日本イノベーション融合学会
・学会=様々な企業、大学、官ともつながることができる、つなげることもできる
・知のオリンピック開催(2020年)を目標に活動している
・日本イノベーション融合学会の目的、活動の紹介と説明
・成果として、知の共有の場⇒「ビジネスマッチング」の徹底⇒マッチングの事例を紹介
・知の共有の成果は、財団設立や増資に参加しての資金導入まで行っている
 ゴールは資金回収まで

 

実践事例
<2016年「攻めのIT経営中小企業百選」選定>
北海道十勝発!建設業イノベーション
クラウドシステムで屋外広域にわたる作業プロセスを一元管理
有限会社斉藤砂利工業 代表取締役 斉藤 悟郎氏
ITコーディネータ 城宝 孝志氏

(講演概要)配布資料に基づき、次のような概要の講演が行われました

「ITC城宝氏」から、攻めのIT中小企業百選の概要紹介と道内の選定企業紹介、全国の選定企業の概要説明
「斉藤社長講演」
・砂利は生活に欠かせない(コンクリもアスファルトも橋も素材は砂利)
・昨年は売り上げが半減=公共事業が減った
・クラウド(SFDC)の活用⇒トラック20台(保有数)の稼働をPDFで公開⇒受けが良かった
・SFDCで作成したPRビデオ鑑賞
・80台近い各車両がある⇒その管理(経費)をしたい、ここから始まった
・経費、受注、技術の継承、出荷、在庫、原価、機械の所在、顧客情報などを一元管理
・顧客ごとのビジネス、請求処理、名刺情報、工事現場情報もSFDC活用
・SFDCの情報を社員も共有することで、効率Up、Googleマップも共有、道路状況も共有できる
・会計システムは別パッケージ
・情報の共有で社員一人ひとりが考える環境を作りたい
・データ入力は事務員が入力、運行日報は紙(運転士=オペレータ)⇒どの現場に誰が行ったかという情報も入っている
・運転士はスマホを現場で使って、納品のタイミングなどが判断できるようにしている
・各ダンプの情報も入っている⇒メンテナンス情報⇒車ごとの売上も入っている
・業務の流れとお金の流れの両方がわかるようになった
・社内SNSの活用(Excelで作成したものをPDFで公開)
・社長が営業してきた情報を公開⇒社員が準備(心構え)できる
・社員にウェアラブルカメラを付けて動画マニュアル化している⇒次の世代につなげていく仕組み
・2015年から農業もやっている⇒畑の管理もSFDC
・農作業管理はスマホから行っている⇒社員が慣れてくれる環境作り
・事務スタッフの業務はとても楽になった
・社長はSFDCの各資格も取得

 

 

 

 

 

 

   
  『中小企業のIT推進施策について』
北海道経済産業局 地域経済部 情報・サービス政策課
課長補佐 田村 健氏
(講演概要)配布資料に基づき、次のような概要の講演が行われました
・再興戦略の中で今回はIT投資が当たり年
・熊本地震復旧の支援に1か月半ほど行っていた
・日本再興戦略2016の概要説明「名目GDP600兆円に向けた成長戦略」について、H28年度補正予算を含め、多少踏み込んだ説明をしていただいた
・対象分野、業種でないと補助金が出ないので気を付けて
・補助金の活用を考えている方は、ベンダーだけでなく経産局にも相談してください、アドバイスをします
・ものづくり補助金はH24年から行なっているので、準備している企業も多い
・中小企業のためのBCP⇒経産局もBCP作成のための支援もしている
 

 

 
 
『中小企業の人材育成』
独立行政法人中小企業基盤整備機構 北海道支部 中小企業大学校旭川校
研修課長 堀田 充徳氏(中小企業診断士・ITコーディネータ)
・社員と「対話」する、そして継続することが人材育成
・人材育成に注力、支援している、その実際の概要の説明
・中小企業の経営者、支援者に寄り添って、鍵を握る「人材」育成を行なっていきます。



 

 

閉会挨拶
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会 理事
日本イノベーション融合学会 北海道支部長
札幌学院大学 客員教授
赤羽 幸雄氏
(講演概要)
・旭川が4番目になった理由⇒ITCがいなかった⇒堀田さんがITC取得⇒堀田さんの尽力で開催ができた
・帯広、釧路、函館は支部がある
・この開催を機会に、旭川地区でITC仲間を増やして支部にしていきたい
・中小機構と融合学会が共催になったのは、旭川が最初⇒他の地域でもこういう共催の形で連携できれば良い
・地方版IoT推進ラボに北海道は3つ選ばれた(全国で29)、釧路は中心メンバーがITC。来年も募集があるようです
・ITCAがEDIの全国10か所事業の事務局採択⇒札幌で1つは実施したいと考えている
・Fintech、北洋銀行、マネーフォワード、で活動が開始される⇒実証事業
・全国のIT経営カンファレンス開催地で連携し、具体的ビジネスにつながりたいと考えている

 

 【開催情報】
セミナータイトル 北海道IT経営カンファレンス in 旭川
~ 北から起こすITとイノベーションの融合~
開催日時 2016年11月28日(月)13:30~17:30
会 場 旭川グランドホテル
主 催 北海道ITコーディネータ協議会
共 催
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会、
日本イノベーション融合学会
独立行政法人中小企業基盤整備機構北海道本部・中小企業大学校旭川校
後 援 経済産業省北海道経済産業局、北海道上川総合振興局、旭川市、北海道中小企業団体中央会上川支部、北海道商工会連合 会道北支所、旭川商工会議所、商工中金旭川支店、日本政策金融公庫旭川支店、旭川信用金庫、一般財団法人旭川産業創造 プラザ、旭川 ICT 協議会、北海道中小企業家同友会道北あさひかわ支部

 

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本件に関するお問い合わせは、ITコーディネータ協会 事業促進部まで

 

 

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