IT経営カンファレンス in 広島

 


 

2017/12/09

ITコーディネータ協会
事業促進部 山川 元博

 

2017年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(広島)

 

 

講演内容
主催者挨拶 特定非営利活動法人ITコーディネータ広島
理事長 兒玉 学 氏
基調講演 「行政機関における情報化の現状~広島県の場合~」
広島県 総務局 情報戦略総括監 桑原 義幸様
テーマ講義 「中小企業IT戦略策定のすすめ」
ITコーディネータ広島 理事長 兒玉 学氏
成功事例紹介(1) 「堀口海産株式会社様の事例」
ITコーディネータ広島 池田 雅之氏
成功事例紹介(2) 「株式会社オガワエコノス様の事例」
ITコーディネータ広島 志多木 義浩氏
支援機関支援制度説明(1) 広島県の支援制度
広島県商工労働局イノベーション推進チーム
産業振興監 小林 寿幸様
支援機関支援制度説明(2) ひろしまIT総合展2017について
ひろしまIT総合展実行委員会 運営委員長 藤川 英士様
  -休憩-
  ITコーディネータ無料相談会
・参加人数 46名
 

IT経営カンファレンス開催は初となる広島では、“ひろしまIT総合展”(10/25-27)と同じ会場の3F・大会議室において開催されました。
カンファレンス当日の25日は、ひろしまIT総合展の初日でもあり、10時からのオープニングセレモニーの時間には、ご挨拶された鵜崎知事はじめ多くの来賓、来場者で熱気があふれていました。

 

まずは、主催者のITコーディネータ広島の兒玉氏から、IT経営カンファレンスin広島の開催説明とご挨拶がありました。

 

基調講演 「行政機関における情報化の現状~広島県の場合~」
広島県 総務局 情報戦略総括監 桑原 義幸様
(講演概要)これまでの県との付き合い=抽象的、今日の話は県のITの歴史、現状、将来の姿という具体的なお話し

・23の市町がある
・情報戦略総括監(民間で言うところのCIO)の3つのミッションの紹介
 最近はセキュリティに関わる時間が増えてきた
・経営戦略会議で横断的に見ている
・総括監の役割と体制の紹介
横串(県警、教育委員会など含む)で広い範囲を見ている
・主要情報関連施策4つの説明
・湯崎知事(H22年~)の強い思いで行政経営刷新計画策定の一環でICTを駆使するワークスタイルに変革する方針紹介
・広島県の目指すもの=自治体のベストプラクティスになる(シンプルなメッセージ)
・働き方改革「オフィス中心から人中心へ
オフィスに行って仕事をする(文化になっている)
 ⇒外で仕事をする、家で仕事をする(文化を変えて行かなくてはいけない)
・クラウド、デバイス、アプリ、今は便利なツールがある
与えられたミッション、仕事をこなすのに場所は関係無いはず
”紙”の文化⇒H24年「ペーパーレス」(iPADの導入)、最高意思決定機関からスタート(知事、副知事、局長、※上から下へ)
・ペーパーレス会議成功の秘訣=①資料のBPRは必須!!、
ペーパーレス会議に即した(iPAD用)の資料にしないといけない(A3、A4ではなく)②リテラシーの低い人に合わせる=他のことでも共通(働き方改革は、低い人に合わせて進める)新しい行政マン=フリーアドレスの導入(行政では初、”ちょっと格好良い行政マンを目指す”テレワークという言葉は行政は使わない⇒どこでもワーク(家でもワーク、外でもワーク)、みんなのオフィス(サテライトオフィス)、フリーアドレス
・出張時は直帰、目指せ定時上がり、などで浸透
新たなコラボツール(文化の改革)進行中、メール文化⇒チャット文化
・自治体クラウド:23市町のシステムを一本化しようという取り組み紹介
4市町のシステム構築作業⇒いま6市が参加運用中
・サーバーセキュリティの対応
2015年年金機構の漏えい事件で総務省からのお達しがあった
ネットワークの分離
庁内ネットワークの強靭化
自治体セキュリティクラウドの構築
CISO設置など体制の強化
・セキュリティを強固にするとサービスが低下する⇒そうならないために「セキュリティ基本方針」策定
住民に対して自治体はサービスプロバイダ
広島県メール受信状況では50万件/月、外部から攻撃を受けている
広島県のセキュリティクラウド、市町は県のセキュリティクラウドを通じインターネットの世界に出て行く
 =市町の負担減⇒ISLAアワードで表彰された(自治体の表彰は初)
・人材育成計画
総括監のミッションの一つ(現在進行形)
県内のスペシャリスト育成計画、トップガン(仮称)構想
県内企業、学校と共同で進めて行く
経営とセキュリティ
サイバーセキュリティは経営課題
サイバーセキュリティ経営ガイドライン、経営者は読み、理解し、マネジメントし、取り組まなければいけない
・経営者に聞く3項目の紹介
時代に応じた対策が必要
exパスワードは定期変更⇒変更しなくて良い、が主流
・まとめ
広島県のロードマップ紹介
端末フリーの紹介、
まとめ買いはしない=その人に合った端末の導入
・おまけ
誰でもゴルゴ13になれる?!
いまはタブレット、スマホで照準合わせができる世界

桑原 義幸 氏

 

テーマ講義 「中小企業IT戦略策定のすすめ」
ITコーディネータ広島 理事長 兒玉 学氏
(講演概要)・ITCはベストプラクティスではなく、まだまだ中小企業支援の発展途上
・マイケルデル、4つのデルコンピューター4つの戦略の紹介
良く見ると戦略ではない、、、わざと?
戦略とは、ターゲット、ニーズ、コンピタンス、利害関係者が納得して「何をすべきか」を共有で実行できるもの=論理(ロジック)
・デルの戦略を見直してみる⇒説明
・戦略の重要性、2つの企業を比較して説明(コダックと富士フィルム)明暗を分けた違いについて紹介
2000年までコダックが上位(世界シェア1位だった)
デジタル化の波による劇的変化、リーマンショック、自然災害
富士フィルムは2003年に小森氏社長就任、持っているシーズを洗い出し⇒経営資源の選択と集中を戦略として打ち立てて市場に出て行った。対してコダックは、写真、フィルムにこだわった
⇒デジタルをうたいながら培ってきたアナログの経営資源を捨てられなかった⇒間違った戦略策定⇒つぶれてしまった
・ITの重要性
○○のいない企業
①旭酒造 獺祭⇒杜氏のいない酒造、杜氏だけが知るブラックボックスの開放
②ライフネット生命⇒生保レディのいない保険会社、営業、書類作成、保険払い、それらをIT化
③ビジネスホテル⇒フロントのいないホテル、チェックイン・アウト、予約、朝食、の自動化、IT化
・IT戦略の重要性
広島県呉市の写真館事例(児玉さんの支援先)

スタジオアイ
1982 呉市にある老舗の写真館⇒合弁でスタジオアイ設立
  (クレイトンベイホテルの結婚式向けの写真)⇒儲かっていた
1993 10年後、結婚式で食っている写真館は仕事がなくなる、という講演を聞いた⇒衝撃。確かに少子高齢化の波、地味婚、結婚式をしないカップル
2000 呉 玉姫殿閉館⇒いよいよ・・・
2002 IT戦略立案
2003 デジタル化の導入、下請けをやめた
経営戦略の大転換⇒結婚(一生に一回)は減っても、世帯では人生の節目節目に写真を撮る⇒ここにターゲット(経営戦略)、特に子供を対象に経営戦略を受けてのIT戦略、路面店、世帯・子供・デジタル化⇒生き残りスパイラルアップ式のIT化、現在第5次IT化実施⇒現在は6次に取り組み中
撮る⇒店内で写真を選ぶ⇒出来上がりを楽しむ、というステップの2つ目を、持ち帰ってクラウド上で選んでもらう(待つ、というマイナス要素が無くなった)いつでも選べる、どこでも選べる
・中小企業IT経営
マイケルポーターの基本戦略紹介
コストリーダーシップ、差別化、集中化(コスト、差別化)⇒これまでの中小企業は集中化に懸命だった
⇒今後はIT化で、差別化戦略を中小企業も取ることができる(獺祭とか)、コスト以外IからIへ、Infomation⇒Intelligence
IoA(Internet of アビリティーズ)の紹介、説明
人と人がネットでつながり、能力を発揮する機会を拡げること、ITと労働の機会に関する概念
・ITコーディネータの紹介
ITCはIT戦略の策定、実行のお手伝いをします、相談を受けます

 

兒玉 学氏


 

成功事例
紹介(1)
「堀口海産株式会社様の事例」
ITコーディネータ広島 池田 雅之氏
(講演概要)
・堀口海産さんの「堀口のかき」養殖の様子を動画で紹介
・堀口社長はまったく経験なしでかき養殖を始める
・強みは設備「マイクロバブル併用殺菌システム」の導入
・IT利活用成果
①受注から出荷作用の生産性向上
IT利活用施策:サーバー導入によるデータの一元化←提案依頼書の発行、業者選定
②直接販売による利益率の向上インターネットショップ構築
ネットショップ利用、クレジット払いの導入
担当事務員の負担軽減 2時間/日
当初月額875円のネットショップ利用⇒現在はリニューアルしている
IT化以前から比べてネット売上9倍⇒営業努力=新規顧客が5割以上
・今後の取り組み
サーバのクラウドコンピューティング化
コストメリット(きちんと費用を確認要)
BCP検討
会計ソフト導入と銀行入金データの連携
・かきの出荷は11月~

池田 雅之氏

   

 

成功事例
紹介(2)
「株式会社オガワエコノス様の事例」
ITコーディネータ広島 志多木 義浩氏

(講演概要)

・オガワエコノスの事業紹介
・志多木さんが支援に入られた時、工場1か所⇒現在は県内+1か所、岡山工場、東京事務所が増えた
・オガワエコノスの導入システム紹介
・アクアモバイル
取引情報はもちろん、顧客情報も入っている(入口やお家の情報など)
・ITコーディネータとしての関わり紹介
高額のシステム導入⇒失敗、使えず廃棄
ITベンダーとの話がまったくうまくいかない
⇒社内担当者の支援で入った(公的機関の紹介)
その後、Pマーク取得支援、社内教育支援
・今後、導入後10年委なる計量システムの入れ替え(サーバー含む)

志多木 義浩氏

 

 

 

支援機関支援
制度説明(1)
広島県の支援制度
広島県商工労働局イノベーション推進チーム
産業振興監 小林 寿幸様

(講演概要)

・IT総合展に出展中「IT融合フォーラム」H25年からの取組み、業種を超えたIT融合の推進
・研究実施 企業間IT融合の支援 上限30万
10月2日、デジタルイノベーションセンター開設県内でスパコンをクラウド形式で利用してもらえる⇒26日の講演会で紹介
・広島イノベーション キャンプス この会場の1F イノベーション創設のためのFabLaboや人脈創り
ものづくり 感性工学?でものづくり支援
商工労働局でメルマガを発行している(HPには無い)⇒IT融合フォーラムのブースで登録可

小林 寿幸様

 

支援機関支援
制度説明(2)
ひろしまIT総合展2017について
ひろしまIT総合展実行委員会 運営委員長 藤川 英士様

(講演概要)

ひろしまIT総合展実行委員会 運営委員長 藤川 英士様(情産協)

・ひろしまIT総合展の紹介

・ひろしまIT総合展は2年に1回の開催

・150ブース、過去最大

・展示、講演の紹介

基調講演は13:30~慶応大学の夏野 剛氏

・展示内の講演もITC知識習得ポイントになる小さい一歩から継続して変化を起こし続け、システム化する。会社の構造をお客様本位の方向に変革する。

藤川 英士様

 

相談会 ITコーディネータ無料相談会
特定非営利活動法人ITコーディネータ広島メンバー

 

 【開催情報】

セミナータイトル IT経営カンファレンス2017 in 広島
~ITが切り拓く企業の未来~
開催日時 2017年10月25日(水)10:20~13:20
会 場 広島市南区民文化センター 大会議室
主 催 特定非営利活動法人ITコーディネータ広島
共 催
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
後 援 経済産業省中国経済産業局、広島県、広島市、広島商工会議所、公益財団法人ひろしま産業振興機構、一般社団法人広島県情報産業協会
2016年度IT経営カンファレンス開催一覧はこちら

 

本件に関するお問い合わせは、ITコーディネータ協会 事業促進部まで

 

 

 

 

このページのトップへ