連載 ITコーディネータ活用記 <実録 京都府矢代仁の経営改革>
上品な風情を醸し出す「御召」は、京都はもちろん、着物を愛する人々の「程合いの良いおしゃれ着」として重宝されている織物だ。京都府京都市の矢代仁は、この御召を主力商品に据える享保5(1720)年創業の伝統ある呉服メーカー問屋である。 戦後、人々の服装は洋装化へと加速する。同社もその流れを受け一時は多角化を図り、洋装品も取り扱った。しかし、「私どもの強みはやはり呉服。2000年ころからは再び御召と染物の和装品に事業を集中するようにしました」と矢代仁の矢代一社長は説明する。最近になって、「和」が見直されていることも追い風になっているという。 スリム化の先の経営改革をどうするか
相談相手との出会い、そして決意 困惑したままオフコンの保守契約が切れる時期を迎えた矢代社長は、顧問契約を結んでいるひかり税理士法人の間宮達二氏に相談を持ちかけた。税の専門家であるとともにITコーディネータとしての顔も持つ間宮氏は、同法人主催・NPO法人ITC―METRO運営の経営者研修会へ参加を勧める。 2005年7月に開催されたこの研修会は、「予想と違ってITの講義ではなく、自社の問題点を見つけ、参加者のアドバイスを受けるという有意義なものだった」。矢代社長はすでに研修の途中で、ITコーディネータ(ITC)の活用を決意したそうだ。 一方、インストラクターを務めたITCの小形茂氏は「矢代社長の熱心さはひしひしと伝わってきた、是非経営改革のお手伝いをさせていただきたいと感じた」と言う。 こうして両者の波長は合致。来年3月までのシステム発注を目指し、第一ステップである現状分析に着手した。
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