ケース研修受講体験記

ITCケース研修を終えて



札幌経営センター
代表取締役 吉川 孝

「久しぶりに中身の濃い勉強をした。そして楽しかった」
それが、ITCケース研修を終えての私の率直な感想でした。

平成14年のお正月。
「私はITCになる!!」
心地良いお屠蘇気分の中で、私は、ようやく決断していました。
私は以前から、ITコーディネータという資格が世の中にあり、その資格が企業への効果的なIT導入の支援を担う職業として今後大いに望まれるものであることも、その概要ではあるが、知っていました。
又、私は、税理士であり、中小企業診断士でもあるので、プロ特認の制度に該当することも知っていました。
思い起こせば昔、中小企業診断士に情報部門が新たに新設されたとき、又、システムアドミニストレータなる資格があることを知ったときも、私はそれらへの挑戦の衝動に駆られながら、現実の諸事情と己の意気地なさによって断念してきました。
そんな私は、ITCの存在を知った翌年の平成13年度も又、その頃と同じように思い立っては断念する、というよりは、日常の忙しさの中に決意が紛れ込んで消えてゆくということを、再び繰り返していました。

そんな私が、悩める顧問先経営者の方々の声なき声に背中を押されるように、書類審査を受けようと思い立ち、そして3月9日、プロ特認の実務・実績審査合格証が私の手元に届きました。

歳をとるほどに時の流れを早く感じるようになるものと聞いてはいましたが、その合格証を手にしてから今日までの時の流れは、まさに"矢の如し"そのものでした。
その後、6月に専門知識研修を受け、見るもの聞くもの知らなかったことだらけで、困惑と混乱の中で研修日程を終え、そして、「勉強するぞー」の意気込みは空振りのまま、8月のはスルー研修初日を迎えるという悲惨な幕開けを迎えます。
しかも、インストラクターの方々からは、「寝る暇はない」「体重が減る」云々と、各人各様に脅したっぷりのご心配と励ましを頂戴して、私は青ざめつつ研修に突入したのです。
ケース研修に入るに際して、私は、自分の経験や既得の知識と馴染ませて新たな事柄を効率よく覚え且つ理解するという、これまで有効であった方法を捨て、ついでに、年齢とつまらぬプライドを捨てて、初心に帰って学ぼうと心に決めて臨みました。
結果、ミニケースの5日間、スルー研修の10日間とも15名の学ぶ仲間と楽しく、延べ7名のインストラクターの方々とも親しく、充実した時間を過ごすことができたことを、心から感謝しています。

とは言っても、この研修の日程に沿った課題の学習と提出成果の作成スケジュールは、本来業務の不規則なスケジュールと時折ぶつかり、随分と普段の仕事の仲間やお客様にも少々迷惑をかけたように思います。
加えて、大半の土日がこの研修に費やされたことで、疲労が次第に積もり、年齢的な体力の衰えとも重なって、研修終盤の数日は中々気合が入らない自分がいました。そんなことも、共に学んだ仲間たち、とりわけ同じグループの仲間には大いに救われました。
これまで、私が人から聞いて知りうる範囲では、研修で得られる資格は我慢して座っていれば貰える(に近い)ものだと思っていた自分の愚かさを、パワーポイントの課題用プレゼンテーションスライドが協会から送信されてきた時点で知り、この研修を通して率直に学ぶことによって多くの気づきと知識・ノウハウを得ることができました。
そして、得られたノウハウは、まさしくITCの"経営とITを効果的につなぐ"という役割の定義を裏切らないものでした。

今は、札幌では税理士最初のITCとして、まず既存の顧問先企業の啓蒙や指導を積極的に実践し、更に地域と地元企業のために新たな役立ちを提供してゆく力を着実に身に着けて行きたいと望んでいます。
そして、共に学びながら知り合った異業種の同志を大切にして、ITC北海道のネットワーク活動を広げていく未来にも貢献できるよう、今後の実践と一層の研鑽努力を積みたいと考えています。


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