2017年度IT経営カンファレンス開催地概要報告(新潟)

2017/12/14
ITコーディネータ協会
事業促進部 山崎 健

 

2017年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(新潟)

 

 

講演内容
来賓挨拶

「超スマートな社会(Society5.0)の実現に向けたConnected Industriesの推進について」
関東経済産業局 地域経済部 情報政策課長 濱田 豊 様

基調講演 「IoTで鍵を握る可視化の実践と活用事例」
ウィングアーク1st 株式会社 営業・ソリューション本部
BI事業戦略担当部長 兼 エバンジェリスト 大畠 幸男 様
セミナー

(県内 IoT導入事例1)
「製造業におけるNFCを利用したトレーサビリティシステム」
株式会社トクサイ WM3課検査係係長 山賀 淑智 様
奏風システムズ株式会社 代表取締役 赤塚 剛 様
ITコーディネータ 島 淳一氏

セミナー (県内IoT導入事例2)
「建設現場安全管理システム」
株式会社アイビーシステム ソリューションマネージャー 山澤 俊幸 氏
セミナー

(攻めのIT経営中小企業百選)
「サカタ流 攻めのIT全体最適に向けて」
株式会社サカタ製作所 総務部 ITシステム課 課長 樋山 智明  様
ITコーディネータ 石垣 比呂志氏

組織紹介 (ITC新潟の紹介)
ITC新潟 幹事 島 淳一氏
・参加人数 80名

 

昨年に続き、新潟では2年連続での開催になりました。昨年に続き
今回も会場は多数の聴講者であふれ80名の席が満席でした。
 また、新たな取り組みとして、会場の後ろでは講演された企業様
を中心にに実際に導入されたIoTデバイスの展示があり、講演の合間
も非常に賑わっておりました。
ちゃんとITC新潟の経営相談ブースもありました。
賑わう展示ブース 経営相談ブース

 

 

主催者挨拶   ITC新潟 代表幹事 青木 龍雄 氏

ITCはIT、IoT導入支援できる人材。
今回は昨年い続き、2回目のIT経営カンファレンス
登壇者紹介・展示ブースの紹介I

 
 
来賓挨拶 「超スマートな社会(Society5.0)の実現に向けたConnected Indutriesの
 推進について」
関東経済産業局 地域経済部 情報政策課長 濱田 豊 氏

 

■Society 5.0・Connected Indutriesに関する主な政府の戦略
日本は課題先進国、課題を解決するためにSociety 5.0に取り組む
Society 5.0は社会全体のこと
Connected Indutriesは産業社会と定義
どうやって実現するか
新産業構造ビジョンで推進

■新産業構造ビジョン
目標がSociety 5.0
産業と個人課題、経済社会システムが連携し、グローバルに展開する


戦略5分野
・自動走行
・サプライチェーン(製造業・サービス業)
・健康医療
・くらし
・産業保安分野(コンビナート等)

横断的な課題
・ルールの高度化(データ利活用等)
・規制の砂場(サンドボックス)で新事業を創出しやすい環境の構築
・地域中小企業にもデータの利活用を行って欲しい

■IoTに関する経済産業省の取り組み
IoT推進コンソーシアム
5WGあり、その中にIoT推進ラボがある
■IoT推進ラボとは
地域からのIoTを促進。プロジェクトは1~5まである
今日は1・4の話し。
【1】Labセレクション IoTプロジェクトの発掘・選定を実施
ファイナリストには以下の3点を支援
・資金支援
・メンター支援
・手続き支援
第2回グランプリ受賞:ユニファ社が採択
・カメラ連動で保護者に園児を見せている(見守り支援)
・制度的課題を解決(児童福祉法に基づく書類を電子で保存)
・資金支援

5回目を2017年12月15日まで募集中
地域枠が創設

各回のグランプリ企業の説明

【4】地方版IoT推進ラボ
3弾の公表
地域課題の解消を図る

新潟県の取り組みの概要紹介
長岡市の取り組みの概要紹介

ロボット革命イニシアチブ協議会(RRI)について
IoTによる製造ビジネス変革WGが活動中

その中から中堅・中小企業アクショングループの活動紹介

・スマートものづくりツールの公表
1.ツールの選定:106件
ツール・レシピの公表:124件
ツールを組み合わせ、レシピを作成し、選定する

■事例の公表

スマートものづくり応援隊
人材育成事業
IoT×ロボットの両方を知る人材がいない為、育成する事業
中小企業に人材を派遣し、課題解決
新潟県では長岡市が選定される

■IT、IoT関連の経済産業省予算の紹介
H30年予算
概算要求中
5つの柱があり、今回は1と4の紹介
【1】Connected Indutries等を通じたSociety5.0の実現
データの利活用を促進
実証実権に予算をかける

人材育成
スキル習得講座認定制度

企業間連携
サンドボックスで新事業の創出
セキュリティも実施

【4】地域中核企業の発掘と支援
中小企業の関連施策として、以下の4項目がある
・事業承継
・IT活用
・人材不足への対策
・取引条件の改善

地域中核企業・中小企業等連携支援事業の紹介
省エネルギー投資促進に向けた支援補助金の紹介

■事例紹介
IoTが目的化してはいけない
経営者の姿勢も大事
【ITベンダーと二人三脚で】
ニューマインド
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/joho/data/NOVA_jireisyu.pdf#page=40
ヒラノ
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/joho/data/NOVA_jireisyu.pdf#page=44

【中小企業自社開発事例】
飯山精機
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/joho/data/NOVA_jireisyu.pdf#page=16
武州工業
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/joho/data/NOVA_jireisyu.pdf#page=46

【ツール活用】
米山製作所
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/joho/data/NOVA_jireisyu.pdf#page=52
山口製作所
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/joho/data/NOVA_jireisyu.pdf#page=48

【補助金の有効活用】
三友製作所
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/joho/data/NOVA_jireisyu.pdf#page=30
ヒバラコーポレーション(サポイン)
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/joho/data/NOVA_jireisyu.pdf#page=42
長島鋳物(省エネ補助金)
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/joho/data/NOVA_jireisyu.pdf#page=38

【ビジネスチャンスと捉える】
月井精密
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/joho/data/NOVA_jireisyu.pdf#page=32
ヤマナカゴーキン
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/joho/data/NOVA_jireisyu.pdf#page=50

補助金等公募情報案内

 

 

基調講演 『IoTで鍵を握る可視化の実現と活用事例』
ウイングアーク1st株式会社 営業・ソリューション本部
BI事業戦略担当部長 兼 エバンジェリスト 大畠 幸男 氏
■データ活用に見る可視化の価値
製造業のデータ活用
既に取組み実施/検討が約80%

課題は?

1.費用対効果がみえずらい
2.人材不足
3.集めたデータの活用の仕方が不明
 

データの活用の流れ
 生産実績・活動日報の収集
  ↓
 蓄積
  ↓
 可視化・分析
  ↓
 報告
  ↓
 意思決定

○可視化の価値は?
予想と実績の乖離が見えてくる
○気付きは?
現状把握が戦略に活かすことができる

■IoTの動向
富士ゼロックスの事例
品質生産性の改善のために実施
検査工程の情報入力をタブレットで実施
残業時間が1時間減少
リアルタイムで作業状況が把握できるようになった

身近なものを見える化(データ化)していくことで、
気付きがあり、次工程へ目が向くようになる。

○IoTであるからこそのルート
モニタリング
現状が見えるため、今対応すべきことが可能

○IoTの価値とは
1見える化
2行動・制御
3情報の判断を自動化(AI活用)

(右上に続く)impact

 

impact(左下からの続き)

○見える化とは
1誰がみる/何をみる/どうやってみる
2気付きを得るにはがKPI必要
3そして行動に繋げることが大事

■事例
--製造業--
・ツバメックス
PLCからのデータ取得
タブレットからのデータ取得
原価・品質・計画との連携
MESソリューション

--車両管理--
・位置情報と運転状況の連携が可能

--ビル・オフィス--
・設備点検の効率化
AIの活用でどのタイミングでメンテナンスするか

・会議室の見える化
Co2の値の計測実施することで能率を上げる
--流通・小売--
・スシロー
IoTで寿司の需要予測実施
鮮度と消費のタイミングの管理でロス低減

・良品計画
お客様の行動データから商圏活用

・まとめ
データを蓄積し、リアルタイムでの判断ができる
複数のデータを掛けあわせることで、価値が出ることもある
見える化の本質:目的と気づき行動のセット

 

セミナー
(県内IoT導入
事例①)
『製造業におけるNFCを利用したトレーサビリティシステム』
株式会社 トクサイ WM3課検査係係長 山賀 淑智 氏
奏風システムズ株式会社 代表取締役 赤塚 剛 氏
ITコーディネータ 島 淳一 氏

--株式会社トクサイ山賀氏の発表--
株式会社トクサイ様の会社紹介


■システム化にあたっての課題
・お客様からの行程情報の確認依頼に迅速に応えられない

■理由
1.現場で作業内容を手書き
2.工程が進むと商品が分割され、手書き内容の転記が発生
大量の紙情報の中から検索に時間がかかり、お客様にご迷惑がかかる

■改善方法
1.かざすだけでデータの入力ができるような仕組み
2.多能工化しているため、携帯性に優れていることが必要

スマホ・タブレットの活用でクリアできる

カードをかざすことで、手書情報の記入代行
計測器の情報をダイレクトに入力しDBへ登録
手書き情報をデータ化することができた。

■デモ動画再生

■活用例
1.素材特性の評価
2.引っ張り強さの工程管理が可能
3.工程の進捗管理。すぐ分かる
4.歩留まりのリアルタイム管理 個々の製造条件の適応

■効果
1.トレーサビリティの迅速確認
2.作業者に負担のかからないシステム構築
3.分割転記の手間が省ける
 転記作業が無くなり、作業者の心理的負担軽減
4.省力化
5.全行程で作業中
  --開発ベンダー:奏風システム 赤塚氏の発表--

■開発面の特徴
複数の懸案事項あり、超高速開発での検証が必要だった

■トクサイ様と今後の取り組み
トレースが現場負担なしで即時にできるシステムが完成し効果が出た。

■今後
未活用データと今回の取得できたデータを紐付けし、検証を
繰り返し、第二段階へ進みたい

 

セミナー
(県内IoT導入
事例②)
『建設現場安全管理システム』
株式会社アイビーシステム ソリューションマネージャー 山澤 俊幸 氏

山澤俊幸 様

 

 

 

 

 

 

 

浅田 様


--株式会社アイビーシステム 山澤 氏の発表--
ヘルメットにセンサーを装着し、現場で使える安全管理
特に熱中症にフォーカスして作成

NICOのIT戦略検討会のプロジェクトでシステムを現場の声から
作るプロジェクト。(開発途中)

■熱中症予防にヘルメットにセンサーの取り付け

環境センサーの計測情報
・作業員のいる気温情報
・作業員のいる湿度情報
・作業員のいる位置情報(GPS)
・高度情報

生体センサーの計測情報
・心拍数
・体表温度(体温と相関関係)

土木の現場中心で無線の届く範囲で使用。(300-350m)

■現場から機器に対する要望
・持込忘れがないように、必ず持ち込むもの(ヘルメット)
・職人は入れ替わるため、取り外しできるもの
・機械と人の関連づけが必要
・熱中症は心拍数で判断できるため、予兆を図る
・紛失や故障のリスクを回避できるようにする

(右上に続く)impact
 

 

impact(左下からの続き)

■これまでの取り組み
2015年~
IT戦略検討会に参加し、現場での実証実験開始
電波の届く範囲の検証が中心
心拍センサーも制約が多く、とりあえず初期プロトタイプ作成

2016年~
既存のセンサーベンダーへ機器提供依頼も断られる
センサーを自社開発し、プロトタイプ完成するも、取得値が安定しない。
センサー機材が大きくなる

2017年~
センサーのデータ取得場所を額から耳たぶで対応。
センサーのケースがないため実証実験に至れない。

■仕組み紹介
無線はLPWAを活用。見通し300mが実測値
GateWay経由でWebへアクセスし、入力する

一人作業者の発見の為、GPSで位置情報を
気圧センサーで高度を図る。

温度・湿度センサーでWBGT値の指標値を活用
しかし、指標をそのまま活用できず、会社指標が必要

■技術進化
開発から3年(2015年~2017年)技術の進化が進む。
無線の距離が長距離化・省電力化
心拍センサーの小型化
GPSの精度の向上で、誤差の最小化

 

セミナー
(県内IoT導入
事例③)
『サカタ流 攻めのIT全体最適に向けて』
株式会社サカタ製作所 総務部 ITシステム課 課長 樋山 智明 氏


       樋山 智明 様







   ITコーディネータ 石垣 比呂志 氏

 

--株式会社サカタ製作所 樋山氏の発表--
サカタ製作所のご紹介
震災を機に、太陽光パネル進出、Webサイトの再構築を実施

■課題
見積り依頼殺到し、設計にも工数がかかる
見積り依頼から提出まで3日かかるプロセスの見直し

システム化の課題
・配置計算が複雑
・CAD図面の自動製作
・Webアプリで対応する

■解決策
お客様の条件入力で、5分で見積りができるシステム
気象データベース SaQS(サックス)を作成。

・配置計算はサカタ社員の力で何とか作成
・パートナーと共同開発
・気象データベースをもとに作成
・塩害レベルを独自のロジックで作成

システム構築により以下の効果が出た
・売上が2倍
・残業が半減
・技術力の向上を図る

■技術力の向上にITを活用
Office365を活用
・Skypeの在席確認の活用
・インスタントメッセージの活用
・ビデオ会議の活用 240万円/年の削減効果
・Yammerの活用 チーム力アップに貢献

その他の活用
・プロジェクタ付きのホワイトボード、他拠点と記載内容の共有。
・デスクトップの共有機能の活用
  --ITCコーディネータ 石垣氏の発表--
表彰を10個程度も受賞している
申請書を記載するので、業務の棚卸しもできる

今後の展望
・ITコスト削減
・BCP見直し
・情報セキュリティ対策

攻めるためにしっかり守る
・AI、IoTの活用をトライアル。賢く攻める
・サーバーの更新、RFPの発行し検討
 オンプレとの連携、ハイブリット化、SSOを導入

■まとめ
IoT同様、いろいろつないで強みを発揮する。

 

組織紹介  ITC新潟 幹事 島 淳一 氏

 

ITCはこまかな問診で対応する
ベンダーとお客様とつなぐ架け橋がITC
ITCが役に立てる
 

 

 

 【開催情報】
セミナータイトル IT経営カンファレンス2017 in 新潟
~ここまでできる! 新潟発 IoT~
開催日時 2017年12月14日(木)13:00~17:30
会 場 NICOプラザ会議室(新潟市中央区万代島ビル11階)
主 催 ITC新潟
共 催
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
後 援
関東経済産業局、新潟県、(一社)新潟県商工会議所連合会、新潟県商工会
連合会、新潟県中小企業団体中央会、新潟経済同友会、新潟県中小企業家同友会、新潟県信用金庫協会(新井信用金庫、上越信用金庫、柏崎信用金庫、長岡信用金庫、三条信用金庫、加茂信用金庫、新潟信用金庫、新発田信用金庫、村上信用金庫)、信金中央金庫、新潟県IT&ITS推進協議会、新潟県IT産業ネットワーク21(IT21)、(公財)にいがた産業創造機構 (予定)

 

 

本件に関するお問い合わせは、ITコーディネータ協会 事業促進部まで

 

 

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