2018年度IT経営カンファレンス開催地概要報告(富山)

 

2019/02/21
ITコーディネータ協会
コミュニティデザイン部 中村 路子


2018年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(富山)

 

講演内容
主催者挨拶 NPO法人ITコーディネータ富山 会長 吉田 誠 氏
基調講演 「ディズニー、NASAが認めた遊ぶ鉄工所~「非常識な経営手法」で利益率20%超~」
HILL TOP株式会社 代表取締役副社長 山本 昌作 様
事例発表 「レガシー基幹システム移行と企業内情報システムの将来構想」
トナミ運輸株式会社 情報システム事業部 部長 新田 謙一 様
事例発表 「会社を変えたIT導入~中小製造業の挑戦~」
株式会社山口技研 代表取締役社長 山口 剛史 様
共催者挨拶 特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会

 

・参加人数 131名

 

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基調講演 「ディズニー、NASAが認めた遊ぶ鉄工所~「非常識な経営手法」で利益率20%超~」
HILL TOP株式会社 代表取締役副社長 山本 昌作 様

 

(講演概要)
HILL TOP米国法人の社長(山本氏の息子)がフォーブス誌の表紙を飾る
アルミの試作品。1点モノを作成、システムでの無人化で24時間稼働
現在社員は137名内40%は女性。京都、東京、アメリカに会社をもち、顧客にはディズニーやNASAも
■家内工業からの出発
全聾者である長男(山本氏の兄)のために、両親が起業した会社
大学卒業時、商社に内定し、継がないことを両親に報告したが猛反対→兄弟で家業を継ぐことに
当時は80%以上が自動車メーカーからの孫請けで単純作業が続き、顧客からの毎年のコスト削減要求のために、家族で深夜まで働くことが普通だった
1社からの大量受けはしない→なくなった時どうするのか?
量産から受注へシフトする
3年間はほぼ無休で働いたが、雑務が非常に多い→邪魔くさいことをつぶすには?→情報の整理整頓をすれば良い
マクドナルドのマニュアルに衝撃を受ける
記憶に頼っている、改善がされないというのは、職人ではない。モノを作った環境が再現出来れば誰でも出来る
反対も受けるが、1年くらいかけるとリピートオーダーの際に理解される
無人システム化で、原価50~55%くらいで製作が可能になる
■夢の工場へ
2003年12月に工場の火災で生死をさまよう→即断即決になる
人生の1/3は仕事をしている→いかに仕事を楽しむかが大事
2014年にアメリカ現地法人を設立
アメリカには試作工場がなく、出来たとしても納期が3週間後などザラ
部品1つから、5日で出来ることはミラクルだった→ディズニー、NASAから試作のオファーが入る
アメリカでは、現地企業の仕事だけをやっている
■人の育て方
自分の持つ能力を捨てよう→データ化、マニュアル化して人に教える→そして新しい仕事をする
毎日新しい仕事、スキルが上がる
利益が出なくても、スキルがあがったり面白かったらやりたい→オリンピックトーチの試作など
下請けでも色々やればいい。そこから新しいモノが生まれる
チャンスは平等にあるから、ストライクゾーンから外れても積極的にやろう。利益よりもモチベーションが大事
現在は、大口でも全体の14%→顧客を選ぶ権利もある
顧客創造こそが事業の目的
理解と寛容を持って人を育てる
 

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事例発表 「レガシー基幹システム移行と企業内情報システムの将来構想」
トナミ運輸株式会社 情報システム事業部 部長 新田 謙一 様

 

(講演概要)
トナミ運輸の情報システム事業部は、情報管理、機器の管理等合わせて約50名程
メインフレームの汎用機をオープン系(Web)へマイグレーション
詳細内容は富士通マーケティングのホームページにも掲載
http://www.fujitsu.com/jp/group/fjm/resources/advertising/pr-case/tonami/
現在、マイグレーションを検討している企業は約4割になる→保守期限やコストが大きな理由
自社のマイグレーションで苦労した点は、スケジュールの遅延(予定では2年半だったが、実際には3年半かかった)と費用の超過
要件定義の変更などはなかったが、ベンダが4社だったため、プロマネが決まらず非常に苦労した
■企業内情報システムの抱える課題
当時のシステム構築のノウハウがあった人は退職
今いる人は保守をしているだけなので、プロマネが出来ない
北陸地区の企業を調査した結果でも、社内システムが多く、今後も現状維持を希望する会社がほとんど
課題としては、自社開発システム機器の維持
システムの再構築、パッケージの移行出来ない
オープン系にどう対応していくか
そもそもIT人材が不足している中で、どう人材を育成していくか
■課題への対応
企業単独では対応が難しいため、協業機構の設立を構想
メリットとしては、オープン系システムへの対応力強化、総合力強化、人材育成
■ITCへの期待
中立公平な立場での推進
ITCのネットワークを活用して推進役として支援
 

 









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事例発表 「会社を変えたIT導入~中小製造業の挑戦~」
株式会社山口技研 代表取締役社長 山口 剛史 様

 

(講演概要)
中部IT経営力大賞2018奨励賞受賞企業
様々な業界の「便利にしたい」を実現する会社
現在社員は34名内女性が40%
現社長は、元々SEとして金融システムなどを担当していたが、アナログの製造業へ→「ITと製造業のいいところ」
専用機の部品加工や装置組み立て、冶具組み立てなど、複雑な工程の加工が多いものを超多品種少量販売
製作図面枚数が月に2,500枚以上あり、営業2名で100社以上を対応
ITによる管理で年平均未納率を3%以下に
10年で売上、社員数1.5倍、事務員は3名で対応
■IT導入への経緯
1995年頃から指示書や仕入れをエクセル管理していたが、エクセル同士の連携もなく同じ情報を何度も入力していた
工程がわからないため、顧客の問い合わせにも答えられず胥吏に限界を感じる
前社長を説得し、生産管理ソフト導入へ
■ソフトの検討
①現状に合わせて使いやすいもの
②実績があるもの
③アフターフォローがあるもの
④コスト面
を検討し、2010年「TECHS-BK」を導入
■現場の意識を変える
まずはバーコードに触ってもらうことから始める
終わった工程をバーコードで入力→工程が見えるようになる
加工実績時間がわかると作業効率の把握や原価管理が可能→問い合せにもすぐ答えられる
加工現場でもタブレットですぐ見られる→自分たちで入力データを改善(データの要不要など)
将来的にはカメラで不良個所の蓄積が出来るようにしたい
2016年にはIoT対応設備を導入
今後は予定工程(工数)の入力→負荷/目標管理の見える化→働き方改革へ繋げていきたい
ホームページの強化をし、積極的に情報発信もする→ホームページから、受注・採用がある
従業員同士で議論し、自分たちから改善の声があがるようになる
社員に寄り添うITでありたい
■IT導入の心得
・どんな会社にしたいのか
・3年効果が出なくても継続
・社内にIT導入推進者を置く
山口技研として「技術で明日を元気にしたい」
 
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次のIT経営カンファレンスは、2月20日(水)金沢にて開催予定です。



 【開催情報】
セミナータイトル IT経営カンファレンス in TOYAMA
~ITを経営に活かす~
開催日時 2019年2月15日(金)13:30~17:30
会 場 富山県総合福祉会館サンシップとやま
主 催 NPO法人ITコーディネータ富山
共 催 特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
後 援 富山県、独)中小企業基盤整備機構北陸本部、公財)富山県新世紀産業機構、富山県商工会議所連合会、富山県商工会連合会、富山県中小企業団体中央会、株)富山県総合情報センター、富山経済同友会、一社)富山県経営者協会、一社)富山県情報産業協会、日本政策金融公庫富山支店、日本政策金融公庫高岡支店、株)北陸銀行、株)富山銀行、株)富山第一銀行、富山信用金庫、にいかわ信用金庫、一財)北陸経済研究所、株)北日本新聞社、株)チューリップテレビ



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 本件に関するお問い合わせは、ITコーディネータ協会 コミュニティデザイン部 中村まで
  


 

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