2018年度IT経営カンファレンス開催地概要報告(宮城)

 



2019/3/4
ITコーディネータ協会
コミュニティデザイン部 中村 路子


2018年度 IT経営カンファレンス開催地概要報告(宮城)

 



講演内容
開会挨拶 一般社団法人みちのくIT経営支援センター 代表理事 本田 秀行 氏
講演1 「経済産業省の情報政策について」
東北経済産業局 地域経済部 情報政策室長 村田 久明 様
講演2

「クラウドを活用したはたらき方改革3つのポイント」
株式会社サーバーワークス 代表取締役 大石 良 様

講演3 「東北大学IIS研究センターの活動ご紹介
~画像、AI、及びロボット技術の応用事例のご紹介~」
東北大学大学院工学研究科情報知能システム研究センター 特任教授 鹿野 満 様
講演4 「ITテクノロジーとドローンの融合が切り拓く新たなビジネスの可能性」
トライポッドワークス株式会社 代表取締役社長 佐々木 賢一 様
講演5 「農業のIT支援事例御紹介」
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会 山川 元博 氏

 



・参加人数 36名

 

 

講演1 東北経済産業局 地域経済部 情報政策室長 村田 久明 様

 



(講演概要)
■東北地域の現状
東北地域の現状と経済成長率は4年連続でプラス。震災後持ち直し同水準となったが、人口は年々減少
インバウンドの取り込みがまだうまくいっていない
ITを取り巻く現状と人手不足→生産性を高めるためにも積極的な情報化投資が必要
IT導入に関しては、地元ベンダ、ITCに相談を
■支援施策
IT導入補助金→最大450万円、1/2補助、予算は100億円で6,000件を目途としている→3月中にもホームページ公開
他に「小規模事業者持続化補助金」「ものづくり補助金」「軽減税率対策補助金」「キャッシュレス・消費者還元事業」「コネクテッド・インダストリー税制」のご紹介
 
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講演2 「クラウドを活用したはたらき方改革3つのポイント」
株式会社サーバーワークス 代表取締役 大石 良 様

 



(講演概要)
クラウドインテグレータ。aws(amazonWebサービス)の導入支援。札幌、仙台、東京、大阪、福岡に拠点を持つ。
大学の合格発表では、1年間の内15分のために、200台のサーバの確保が必要だった。2007年~awsを導入し始め、2008年には社内サーバ購入禁止⇒自分たちでやってみよう!2009年~新規はawsのみ。
転換期としては、東日本大震災時の大量アクセスで日本赤十字のサーバがダウン⇒30分で復旧させ、義援金システムを支援⇒3/14に支援を行い2日後には義援金システムを完成⇒600を超えるaws導入へ。
■ビジネスの転換期
Uberにより、アメリカの西海岸にはタクシーはもう走っていない。Netflix、Huluによりレンタルビデオショップも倒産し、ケーブルテレビも売り上げが減少
ITを活用する未知な挑戦者により、既存ビジネスは崩壊→エンジニア、IT人材がいないと会社が成り立たない→今後は社員が会社を選ぶ時代→関係性の変化
企業は競争力の源泉にリソースを集中すること→人手に頼るオペレーションはもう成り立たない。若くて優秀な人が面白がる土壌を作る
■サーバーワークスの取組み
仕事の内容によってオフィスエリアを変えたり、ワークスタイルの変革とクラウドを組み合わせる⇒社内にサーバーなし⇒有線LANなくなる⇒ファシリティ改革「コンピューターのある場所に人が行く」スタイルではなくなる
PC,スマホは自分のものを持ち込みで(保証有)どこでも好きな場所、マシンで仕事が出来る
2018,19働き甲斐のある会社に選出
ワークスタイル変革の必要性はあったか?
顧客から「おたくのセキュリティは大丈夫」→ISMSを取得。セキュリティポリシーとして「(コストが上がるので)売り上げが上がること」を掲げる
社員のやる気を失わせない事→クラウドの組み合わせによるセキュリティ強化
クラウド多数使うとID管理が大変→IDaaS(シングルサインオン)クラウドの問題もクラウドで解決出来る。結果としてゼロトラストネットワーク
フリーアドレス、社内メール禁止(社内チャット/Slackを利用)にし、カジュアルなコミュニケーション
評価対象としてどういう所を見るのかを明記。メリハリの明文化。何が大事で何が容認されるのか。信頼の構築
■3つのポイント
生産性を上げるためには仕分けが必要
成果を生むには仕組みが必要
優秀な人が集まる→売り上げが上がるということなので、
①競争力の源泉にリソースを集中すること
②(クラウドを使って)時間を場所の開放
③働き方改革は経営戦略である
 
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講演3 「東北大学IIS研究センターの活動ご紹介
~画像、AI、及びロボット技術の応用事例のご紹介~」
東北大学大学院工学研究科情報知能システム研究センター 特認教授 鹿野 満 様

 



(講演概要)
■IIS研究センターとは?
2010年設立。大学の最先端技術を活用し、産学連携を推進→新しい事業が生まれる
産学連携事例としては、農業水産系事業が多い。依頼内容は人手不足が多く、特に水産業では人の確保が出来ない
IIS研究センターは、仙台市の支援で企業出身の教授が多いが、画像技術が得意な先生が多い
作業とは、「目で確認」し「頭で考え」「行動」に移す。ここを人工知能で判断だけでなく、作業もしたい→ロボット技術でいくらかは解消できる
■事例1
食材の残骨検査の自動摘出装置の開発
今までは人の目でチェックしていたが、X線画像による自動検出へ→将来的にはロボットで摘出まで対応
■事例2
動的に変化す物体(動くもの)にプロジェクションマッピング
震災直後に、有志で東北で面白いことをやろう!というスタート
映像投影技術に固有情報を内包するマーカー付与システムで、追いかけて投影が出来る→特許取得へ
現在は、IoTセンサーに使う取組み中
■事例3
沿岸部地域の水産業の復興事業
震災の困りごとを共同で解決
被災沿岸地域で、高齢化と人手不足になり対応が出来なかったが、水揚げ~判別/選別を自動化
他にも「AIを活用したサバ種の自動選別」「ベビーホタテの自動ウロ取りロボットの開発」等が来年事業化へ
 
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講演4 「ITテクノロジーとドローンの融合が切り拓く新たなビジネスの可能性」
トライポッドワークス株式会社 代表取締役社長 佐々木 賢一 様

 


 

(講演概要)
IoTサービス事業等を展開。ドローングラファーとしても活躍
■活用され始めているドローン
ドローンとは空間にITを拡げることである。ドローンにもセンサーを搭載したり、カメラを空間のどこにでも置けるようになる
5Gになって恩恵を受けるのが映像→活用が増えるとIT業界のチャンスになる
今までは、空撮はヘリを飛ばすしかなく、大人数が必要で非常に高額なものだった。ドローンの映像は、撮影~編集まで2人で出来る
空撮しながらIoTデバイスのノウハウがたまる。例えば、超高感度カメラを搭載し高速道路の点検なども出来る
空飛ぶエッジデバイスと何かを組み合わせることで、新しい活用方法が生まれる→アメリカでは軍事利用や運搬に使われることが多い
撮影した地形を3D化するなど、測量も安価にできるようになった。応用する範囲は測量だけではない
今後は、ドローンから得た情報をどうするの?ということになってくる
一つの事が多面的に見えるようになる
 
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講演5 「農業のIT支援事例御紹介」
特定非営利活動法人ITコーディネータ協会 山川 元博

 


 

(講演概要)
■農業のIT利用の現状
ITサービスの利用は、全体の約半数。利用している方が売上高増加率が高い
今後使いたいと考えている人は約70%。コスト削減、生産力・品質の安定、次いで経営力向上が目的
東北地域は、IT使っている/今後使いたいの割合が少ない
■ITCAの農林水産省事業
「平成29年度農業経営法人化等全国推進委託事業」
農業法人が持っているデータを活用して、経営を良くする
全5事例が農水省のホームページで公開
事例①エガワコントラクター
目的:農地整備受託事業の低下から赤字経営。露地栽培を増やして赤字脱却を目指す
圃場管理をスマホで入力し、肥料散布ツールを作成したが6回訪問中、ITが出てきたのは5回目から。それまでは課題の抽出だった
事例②リコペル
目的:事業戦略の整理と販売プロセスの確立
受注から出荷指示までが手作業だった。作業プロセスの見直しとエクセル一元化管理台帳でマニュアル化、データ化
6回訪問中、実際にデータを使ったのは6回目から
事例③水田管理センター
圃場がバラバラで維持が大変なため、水位と温度をセンサーでチェックできるようDIYでセンサー作成
課題がある場合、スマート農業カタログや全国の普及指導員などに相談できます
IT利活用の事例調査にもご協力ください
 
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次のIT経営カンファレンスは、3月12日(火)愛知県にて開催予定です。



 【開催情報】
セミナータイトル IT経営カンファレンス2018 in 仙台
地域活性化のためのICT ~使えるICTと使われる人~
開催日時 2019年2月22日(金)13:00~17:00
会 場 PARM-CITY131 ANNEX 3F 多目的ホール
主 催 一般社団法人みちのくIT経営支援センター
共 催 特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
後 援 東北経済産業局、仙台市産業振興事業団、TBC東北放送、河北新報社




2017年度IT経営カンファレンス開催一覧はこちら

 

 

 本件に関するお問い合わせは、ITコーディネータ協会 コミュニティデザイン部 中村まで
  




 

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