事例本文(ニコニコ酒販)

出典:ITSSP講演事例 IT Coordinators Association
事例本文
事例番号:37 (有)ニコニコ酒販   事例発表日:平成12年12月9日
事業内容:酒類販売
売上高:不明 従業員数:5名 資本金:300万円 設立:1986年月
キーワード 酒類販売、
焼酎専門Webショプ、ビジネスモデル特許
コンテンツ自作、ショッピングモール
鬼ヶ島焼酎探検隊~インターネットによる焼酎販売~
  

(有)ニコニコ酒販 URL:http://www.hapima.com/sh/nikoniko/shop/

(有)ニコニコ酒販 森永哲夫氏
プロフィール

 佐賀県大町町出身。86年(有)ニコニコ酒販設立。99年8月ネットショップ「鬼ヶ島探検隊」開設。今や、関東、関西からも数多く注文を集める焼酎ネットショップ販売「鬼ヶ島焼酎探検隊」を展開中。

~まずやってみる、そして工夫をしていく。それがインターネットビジネスの成功の秘訣~

 インターネットショッピングはすっかり定着した感があるが、焼酎に特化したところは珍しい。その事例として、マスコミでも取り上げられている鬼ヶ島焼酎探検隊を訪ねてみよう。


■インターネットをやってみようの気運にのって
  私は、インターネットにものすごく興味があり、4、5年前にそろそろインターネットが始まるよという時にホームページを作りました。1万円で作ってもらいました。それをそのまま載せていたのですが、魅力がなかったのか、早すぎたのか、ほとんどアクセスはありませんでした。
  そして、去年の5月くらいに、当社も何とかインターネットを本格的に考えなくてはダメだなということで、どうしようかと苦慮しました。色々考えて、焼酎というカテゴリーだけを持っていこうと決めました。焼酎といっても色々ありまして、インターネットで商品を扱うからには何百種類も必要になります。まずインターネット上で焼酎を扱っているところを検索して見てみると、ほとんどが20~30種類くらいしか扱っていませんでした。これでは欲しい焼酎がない場合もあるだろうと思い、うちは1,000種類出そうと考えました。やるのは決めたものの、インターネット販売って儲かるのかなと危惧しました。実は去年ホームページを作成したのですが、ほとんどアクセスがなかったのです。では、大きいところ(ショッピングモール)に入ればいいのではないかと色々調べてみて、結局、楽天市場に出店することに決めました。「鬼ヶ島探検隊」という名前は、あれこれ名前ばかり考えていた時に女房から「勝手にしなさい!」と怒られた時に浮かんだネーミングです。

■ホームページを自分で作る、失敗からも学べる
  それで、うちのホームページを楽天で作ってもらうことは可能なのですが、20~30万円かかるとのことでした。最初はその程度の金額で作ってくれるのかと思いましたが、よく考えたらホームページというものは常に更新しなくてはいけません。それなら最初に高いお金をかけて作ってもらっても自分が更新できなかったらしょうがないということで、私が自分で作成することになりました。本を片手にハチマキしながら一生懸命やりました。ところが、今もそうですが楽天市場の場合はホームページ作成用サイトへのアクセスが繋がりにくいのです。お客さんのアクセスと作るほうのアクセスの入るところが違うのです。それで楽天の場合は1つの商品を入れる、商品の名前を入れた場合に、それを楽天とアクセスしてその中に入れ込んで、次回に画面に映像を入れるというように1回1回アクセスしなくてはダメなのですが、繋がりにくくて、1つ写真を入れるだけでも時間がかかってしまいます。このように色々と苦労しましたが何とか見れる状態にしました。
  ところがお客さんから「おまえのところのホームページ動かないぞ」と苦情が来ました。こちらも全くわからないものですから、なんで動かないのだろうという状態でした。結局、知らなかったことですが、商品を1ページに30点くらい画像で載せていたので、重くて動かなかったのです。その時すでに商品を200ぐらい載せていましたから、徹夜仕事を重ねて大急ぎで直した記憶があります。

■焼酎のことなら何でもおまかせ
  実は私はインターネットが何かよくわからないような感覚でした。インターネットとは特別なものではなく、ひとつの販売機関だと捉えていました。でも、まずやってみた。よくインターネット販売のことを聞かれますが、自分でやってみればいちばんよくわかるのにと思います。私はまさにまずやってみる、値段は後からというところがありました。福岡のほうで酒のディスカウントを一番に始めたのも私でした。
  当社のホームページで扱っている焼酎は、普段飲むようなレベルのものから地方の名産品まで500種類あります。こちらが商品を選別して載せるのではなく、何でも載せてお客さんに選別して買ってもらおうと考えています。ホームページでは焼酎が98%、後の2%はワインと日本酒ですが、もう焼酎しか売らない、焼酎のことなら何でも聞いてくれ、という気概でやっています。だから、焼酎探検隊なのです。お客さんの希望する焼酎がうちにない場合にはどこからでも探すというふれこみです。
  梱包は面倒です。大きいもの、小さいものがあり、さらにあれを1本、これを2本とバラバラな組み合わせですから、1個口、2個口、3個口というようにケースバイケースで変わっていって送料もまちまちです。ですから、その度にお客さんに、お宅の場合の送料はこうなりますよとメールを送ります。楽天では注文が来たらすぐ御礼メールを送っていますが、それだけでは足りないと思います。遠くからのお客さんというと北海道からも注文が来ます。
  今は店の合間合間にインターネット販売をやっていますが、年末になって店のほうが忙しくなったらどうしようと思っています。しかし、私が思いますのは、健康じゃなくても重労働ができなくても、3~4時間しか仕事ができない方でも、インターネットにより可能になるのではないでしょうか。そういう方々にこそITを活用してほしいと思います。
  私は、今インターネットを使って新しい試みに取り組んでいるところです。離島の漁港やホテルなどに無人のインターネット端末をおいておき、DVDで常時色々な情報を提供しようと考えています。私のところだったら焼酎を流すとか、ホテルだったら地域の物産などを流します。それでお客さんの中でそれに興味がある人はインターネットを通じて注文ができるという仕組です。これにより離島にいて近くの酒屋で買えないものでも買えるようになるということです。酒税法のからみはありますが、特許も出していて、これがうまくいけば酒業界もがらっと変わると思います。近々、大分の温泉地の観光ホテルに設置する予定で、お客さんはホテルに来られてお土産品を注文される、家に着いた時にこちらから商品を送るという海外旅行でよくあるようなお土産品の販売を展開していきます。

■ホームページは毎日更新、メルマガも発行
  インターネットに絶対必要なこと、それはホームページに常にふれているということです。見ていると半年前、1年前の物もある、毎日動かしている物もあります。毎日動いているものは見ますが、1カ月放ったままのホームページなど誰も見に行きません。ですから、うちでも文字を1文字変えるだけでもいいから毎日更新することを心掛けています。アクセス数は月に約15,000~16,000です。8月に週刊誌に「日本一の焼酎探検隊」ということでうちが紹介された時にも、多くのアクセスがあり、やはり毎日更新することが大事だなと実感しました。また、画面は少し華やかなほうがいいと思います。うちは暗め、明るめ、色々やってみて、やっぱり明るいイメージの時のほうがアクセスが多く、購入金額も結構上がるようなデータを持っています。
  メールマガジン、通称メルマガも、月に2~3回は出したほうがいいですね。メルマガを見て何かあるかな、とチェックして購入される方が少なくありません。

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