1) |
お客様第一主義の徹底
日本には「お客様は神様です」という言葉があるが、真に顧客を中心に物事を考えている企業は以外に少ない。
その中で、(株)ダンの「お客様第一主義」は本物である。しかし、この「お客様第一主義」も1日にて実現し得たものではなく、
「社内の教育体制から物の考え方から全部変えました」とある。トップ以下、「経営理念の徹底」への執着を是非見習って欲しい。
|
2) |
経営目標実現のための情報システム化
最近の情報システム化は高度なシステム機器やソフトウエアが出たので導入するといった、方法論ありきのシステム化が目立つ。
しかし、情報システムは経営戦略目標を実現するための道具に過ぎない。実現してくれるシステム機器が存在しなくても、戦略目標実現のために必要なら、
人海戦術でもおこなわねばならない。
(株)ダンは、POSの無い時代に人海戦術で単品の売上情報を収集している。
POSが発売されたから導入するのではなく、POSによってそれまで人海戦術でやっていた作業が代替でき、
より早く、確実に処理できるから導入したのである。
SCMでさえ、最初はサプライヤーに在庫状況を目で見せるところから出発している。いきなり、サプライヤーとのEDI(注6)を始めたわけではない。
(株)ダンの、経営戦略目標ありきの情報システム化のスタイルを中堅中小企業の経営者の方は理解していただきたい。
|
3) |
人海戦術POSから出発したシステム化のステップ
(株)ダンは人海戦術POSから出発して、10数年かけて、現在のSCMにまで到達している。
この長年かけて築いてきたステップが情報システム化には必要である。
近年は変化の激しい時代で、そのような時代に10数年かけるような悠長なことはいっていられない。
しかし、システム導入は短期でも可能であるが、それを利用する人間の変革はシステムのようにはいかない。
短期でシステム化を実現する場合は、この点に充分に考慮すべきである。「転ばぬ先の杖」、この格言は情報システム化に関しても通用する。
自社の経営、及び情報成熟度を把握し、確実なステップを踏むことが求められる。
|
4) |
中堅中小企業ならではの小回りの良さ
今、日本の中堅中小企業は安い人件費に支えられた中国の脅威に喘いでいる。タオル然り、野菜然りである。
このような状況下で中国と同じ土俵で相撲を取っても勝ち目は無い。では中国と同じ土俵しか無いのであろうか?いや、そんなことは無い。
(株)ダンの土俵は明らかに中国とは異なる。ユニクロとも異なる。
中国のいる土俵は、今まで日本が得意としてきた少品種大量生産の土俵である。しかし、顧客の需要は決してこの土俵だけでは無いはずである。
それを(株)ダンは証明している。(株)ダンが最近始めた、パソコンを利用して顧客一人一人に対応したソックスの販売が成功している。
過去の成功体験を捨て、時代に即した小回りの良さこそ、中堅中小企業の進むべき道ではなかろうか。
|