輝く女性ITコーディネータストーリー ~花のITC同盟スペシャル!~

 

 今回は、今年の8月よりITCふくしまの理事長になられた齋藤瞳さんと我妻くるみさんに女性ITCとしての活動のお話しを伺いました。齋藤瞳さんは若いながら株式会社アイ・フォーサイトの代表であり独立系ITCとして活躍。我妻くるみさんは株式会社コンピューターシステムハウスで活躍している企業内のITCさんです。株式会社コンピューターシステムハウスは最新号の機関誌「架け橋」(第13号)でもご紹介中です。こちらでは薮内社長のお話しも記載しておりますので是非お読みください。機関誌「架け橋」はこちら

 ■ITCふくしまについて

Q,ITCふくしまとは?
齋藤 瞳氏(以下、齋藤):ITCふくしまは2005年に設立で全15名中正会員11名の会員が活動しています。福島は広いので5箇所の支部(支部:福島、郡山、会津、いわき、相双地区(相馬、双葉))に分けて活動しています。活動目的はIT経営を地元企業に認知、IT化やITCの認知度向上の普及活動や、経営者向けIT気づき研修、業務改革人材育成事業等の研修事業をやっています。2010年度にはITベンダーと地元企業のマッチング事業の中で経営者さんを対象にセミナーを開催しました。セミナーの中では支援した企業さんをお招きしてお話しして頂きました。ITCから説明するとちょっと胡散臭いですが(笑)、経営者さん側から説明して頂いた方が同じ経営者さんの心に届きやすいからです。また人材育成では、ITCを取るための研修事業、資格取得後のITCの育成(コンサルのノウハウの勉強)ITC取得する前から取得した後までフォローしています。

我妻 くるみ氏(以下、我妻):また、2ヶ月に一度例会を開催しています。例会では仕事のやり方や考え方等を先輩ITCから教えて貰っています。前の理事長(佐藤直美さん)にはかなり鍛えられました。セミナーを行う際に事前練習をしたのですが、かなりボコボコに・・。でも、そういう場がないと本番ではきちんと伝えられない。メンバーもレベルの高い人たちばかりなので、会社では教わらない事をたくさん教えてもらい、会社では出来ない経験がたくさん出来ました。そして勉強だけで終わらず必ず実践できます。ベンダーのITCの方ならITCふくしまに入ったら鍛えられるし、実践の場があります。その場が継続してあるのは必ず自分の力になります。セミナーの際に知らないうちに担当にされていたり、即興で発表を振られたりしますが(笑)


Q、理事長になられた経緯を教えてください。
齋藤ITCふくしまも7年目を迎え、前理事長から一度事業方針を見直す時期になったのではないか。これまで普及活動や研修事業を中心にやってきましたが、このままで良いのか?これからはビジネスにつながるような組織、団体としてもう一度見直そうといったお話がありました。そのような経緯の中で、独立系ITCは既に自分のお客様を持っていてビジネスとして成り立っている人が多いが、一方ベンダー系のITCは自社のビジネスとITCのビジネスが上手くマッチング出来ない。どうしてもITCとして「中立の立場」という事自体が難しいのです。その中で、私はエフイーシーという会社のベンダー系の企業内ITCでもあり、アイ・フォーサイトという会社の独立系ITCでもあります。 ベンダー系でもあり独立系でもあることか

ら選ばれたのかなと思っています。
 もう一つは、女性初の理事長ということで目立つのではないかという狙いもあったと思います(笑)
これからはITCふくしまもベンダー系ITCに任せる!君たち頑張れ!と託された感じです。
 
 
 
 ■女性ITCとして
Q,お仕事内容を教えてください。
齋藤:もともとはベンダー系の企業内ITCでしたが、会社内でコンサルティング部門のみを独立させることになり、現在はコンサルティング会社の代表として業務改革、事業計画の立案からIT導入の支援などITCの支援内容そのままをやっています。また、企業さんの財務的支援やバックアップも大切なお仕事です。中小零細の企業さんはまず目先の課題を抱えている事がとても多く、会計士さんや税理士さんではないのですが、資金調達のために事業計画書が必要な場合の支援をしています。企業さん自体の足場がきちんと固められて、次に業務改革だったりIT投資だったりステップアップできるようなコンサルティングをしています。ベンダー会社が別にあるので、IT導入から先はそちらにお願いし、私はお客様の意識改革をお手伝いしています。

我妻:私はSEとしてシステム構築の営業、導入支援などお客さまとはシステムで関わる仕事をしています。ITC取得後は、システム導入後の提案もできるようになり今より良くなればと考えながらやるようになりましたが、ITCの仕事をしているかというと全面的ではありません。ただ、自分の仕事の中でITCの知識を活かしていく。ベンダーのITCだとそういう動きになるのかなと思います。


Q、女性ITCとしての強み・弱みとは?
我妻:男性だったら・・というのは昔は結構ありました。営業に行くと出てくる担当者の方に娘っ子が来たという感じであまり話を聞いてもらえなかったりした経験がありますが、最近は担当者の方も女性が増えて来ましたし、お話しする方が女性ですと、女性視点からのきっかけが作れ、男性には話にくい事も話しやすい利点があります。また、お仕事で競合と被ると大抵女性は私だけだったりするので印象に残りやすいですね。話す口調も男の人と違うので印象に残りやすい。 後は男の人の場合はプライドが邪魔して聞けないことを女性は聞ける!というのがありますね。結構何でも聞いちゃいます。 
向うも男性に聞かれると答えないけど女性だったら、というのがあるので、そういう感覚がだんだんわかってきたんですね。「ここは聞いても大丈夫!」とか。最近、それがものすごく強みになってきたなと感じます。あと、怒られ方も違いますね(笑)

齋藤:中小企業は役職とは別に、社内の実情を把握しているのが女性が多い気がします。
私のイメージだと「コンサルタント」は上からの指示型な気がしますが、ITCは経営者と一緒に寄り添って、同じ目線でやっていくところがITCならではで、女性ってそういうのが上手いんじゃないかなと思います。やはり、女性は印象に残るし可愛がられますね。経営者さんとも話が弾み、次に訪問させてもらってもいいですか?ときっかけがつかみやすく、名刺交換しても結構覚えてもらえるところも多いです。企業内ITCをしていた時は会社からも上手く使われていたんじゃないかなと思います(笑)

我妻:それはありますね(笑)


Q、社長になられたきっかけは?
齋藤:福島県にも専門家派遣事業があります。ただ、専門家として登録してもベンダーとしてユーザー先に行ってはいけませんよという注文がありました。それであればエフイーシー(ベンダー)の中からコンサル部門を独立させて、ベンダーと一線を引いたひとつのコンサルティング会社として事業をしようという話になりました。その中で、元々エフイーシーというベンダーの中でITコーディネータの資格を持っているのは私一人だったこと。中小企業の代表や経営幹部の方に、IT面だけでなく経営面でのアドバイスをするためには、自らも経営者の立場にならないと対等に話ができませんし、経営者の悩みや苦労といった面が分からないこと。この2点を理由に自ら立候補しました。また、ベンダーも中長期の視点でコンサルティングをやっていかないと将来のビジネスに繋がっていかないという意図もあります。(期待もあるし)しっかり結果を出していかないと!

Q、プライベートな部分はいかがですか?
齋藤:経営者さんを対象に伺うことが多いので、遅い時間が多かったりします。また、研修をやる際はどうしても土日。独身のときはそんなの関係なく「はい!いきます!」とフットワークが軽かったのですが、結婚するとそういうのがなかなか難しい。家族、会社の理解を得ながらやっていくしかないと思っています。

我妻:私は実家の近くで一人暮らしをしています。ここ最近休みがなく、帰りも遅いですし、出張も多く私の家族が普通に生活を送っている時間帯に私はほとんどいません。そうなると生活のリズムが合わないので、生活を分けている状態です。一人なのでやることはやらないといけないですから、土日は主婦をしているというケースが多いです。
でも、仕事が忙しくなるとそこは後回しになるので反省すべき所かなと思っています。休みの日は趣味に走っていますが、仕事もして家事もして女性は大変ですよね。この点は男性良いですよね。私も嫁が欲しいです(笑)

齋藤:結婚前は「俺が家事をやるよ!」と言っていたのに、結婚したら「何で朝ご飯ないの?」ですし。ちょっと家庭内の改革も進めながらやらないとダメですね(苦笑)。
 
今後の展望

Q,ITCふくしまとして
我妻:折角ITCを取得したので、ITC同士の情報共有、ギブ&テイクをしながらさらに成長していきたいですね。ITCふくしまに情報産業協会(以下、情産協)内の各ベンダーITCが集まって、ユーザーとベンダーの橋渡しが出来るようなモデルを作りたいなという構想があります。お互いベンダーという立場でどういった方向性があるのかということを考えて、情産協が受け皿になってもらえると、ベンダー間の中立性も保たれるのではないかと思っています。そして、ITCふくしまから情産協に、そして県内のベンダーさんにお仕事を流せるようになれば地域の発展にもつながるのはないかなと考えています。県内のベンダーは大手の外注が多いので、景気が悪くなると真っ先に仕事がなくなってくる。

そうすると今までそれが潤沢にあった企業さんが自分達で開発して仕事がしたいとなっても、自ら仕事を取りに行くのは難しい。そういったことも考えながら出来ると良いなとも思っています。ITCふくしまや情産協と協力しながら、そういった仕組みを少しずつ作りたいと思っています。そこで、理事長に頑張っていただくわけです(笑)。私はサポートで。

齋藤:ITCふくしまとしてビジネス志向部分をどんどん追及して、会員のみなさんのビジネスに繋がるような組織をこれからも続けていきたい。『ITCふくしま』、『情産協』というそれぞれの形があり横の繋がりが出来ておりません。今までも頑張っていたのですがなかなか上手くいかない。ですが、今回、私と我妻さんのタッグが出来たので上手く女性としての強みを生かしながら県内のITCさんやベンダーさんとの繋がりをもっと強くしていきたいです。そうすることによってITCのビジネスにも繋がるし、ベンダーさんや地域のビジネスにも繋がっていくのかなと思っています。


Q,ITコーディネータの女子会ってどうでしょう?
我妻:あれば参加したいですね!他の地域にどういう方がいるのか会ってみたいです!

齋藤:3、4年前に12名で東北のIT女性の会を作ったことがありまして、ベンダーさん関係なく女性に会ったら手当たり次第「入ってみない?」と誘って集まった会だったんです。同じような仕事をしていても話す内容とか視点も全然違っていて、私の尊敬する先輩がいらっしゃったんですが、その方の話を聞くだけでも参考になりましたし、生き方や私生活のお話しや、仕事と両立の方法等の裏側のお話も出来きました。男性中心の異業種交流会だとそういう話までなかなか出来ないので、女性だけっていいなぁと思います!その女性会も、異動だったり結婚、出産だったりで消滅してしまいましたが、できればまたやりたいと思っています。また、私も他の地域の女性ITCの方にも会ってみたいです!



齋藤さん、我妻さんありがとうございました!

 


※※編集長のプチ日記※※※

今回の取材は郡山。上野から新幹線で1時間半!近いですねー!
取材の後は、齋藤さん、我妻さん、コンピューターシステムハウスさんの薮内社長、編集長田口、副編集長中村、相談役山川で晩御飯をご一緒させて頂きました。楽しいお話と美味しいお酒でとても盛り上がりました!実は事前に我妻さんから薮内社長は「パワフルおじさん」と伺っていましたが、予想以上でした(爆)。地元活性化のために福島県内で○ャ○○○をやるっていうと1000万出資してくれるそうですよ(汗

 今年のコンピューターシステムハウスさんの忘年会はコスプレ祭だそうです。我妻さんはベルばらのオスカル。すごく似合いそう!いただいたお土産、毎日使っております(メモ帳とマウスパット)。ありがとうございます。

今回が初めての取材だった副編集長もとても頑張りました。次回からさらに期待です!

このページのトップへ