5/29(水)ITコーディネータ協会会議室にて、女性ITコーディネータ達を集めて座談会を行いました! 昨年、10月よりシリーズで掲載してきた女性ITコーディネータシリーズですが、実際にお集まりいただき、 ITコーディネータ協会会長の播磨を囲んでお話しをお伺いました。 |
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前編 ITコーディネータ(ITC)の仕事について |
女性ITCの割合は全体の5%で全国に300名程。女性ITCが増えたらどうなると思いますか。 |
渡部:女性目線といったアピールができるところかなと思ったことがあります。飲食店や商店にお伺いした際にも、マナーとか女性ならではのアドバイスを求められることがあるので、そういう目線が必要になってきているのかな?と思います。 我妻:私が訪問するのがシステム部なのですが、最近女性が多くなってきています。 それ以外でも、実際にパソコンを使っている人は圧倒的に女性の方が多いです。管理する側の目線と使う側の目線が違うので、男性が来ると本音が言いにくいところがありますが、同じ女性が来た場合は話しやすいのかなと思っています。 冨田:私も同じで、実際に作業される方に近い所でアドバイスができるのかなと思います。 システムを決めました、経営方針はこうです、実際の入力作業は女性といったところで、一番エンドユーザーさんに近いところでお話しが出来たり、きめ細かな対応が出来たりする所が女性の特性ではないのかなと思います。上から目線でやると下にものすごく負荷がかかったりするので、その立場になって考えることが出来るかな?と思います。 黒澤:女性は途中で辞めなきゃいけない、結婚や出産でずっと働けないイメージというイメージがあって、こういうように女性が活躍されている話を聞くと、自分も頑張れるのかなとか、どういうように進んで行けばいいのか参考にしたいです。 |
ケース研修にて女性ITC同士が知り合うきっかけは |
渡部:愛媛ではケース研修の参加人数が多くないのですが、私が受けた年は10人中で女性1人。翌年は8人中、珍しく女性2名でした。そもそもケース研修で知り合う自体チャンスは少ないと思います。そのため、愛媛ではケース研修受講者と受講修了者が交流する会を設けています。
黒澤:私の時は20人弱くらいで、女性は私入れて3名くらいでした。 |
ケース研修での仲間意識 |
用松:ケース研修を受講した期間の、同じ釜の飯を食ったという所の人脈、繋がりというのが、大学の同級生に近い感じがあって、年齢差があってもフラットな関係でいられるのがITCの魅力だと思います。 1人で頑張って試験受けて受かった!というものではなく、ケース研修を15日間(6日間)受けたという所がやはり、今も仕事に続いているところがあります。私は特に自分やっているというのがありますので、その人脈でご紹介頂いたりすることも多いです。 |
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渡部:結構、15日間と6日間は大きいです。私はどちらも受講したのですが、 一同:そうなんですか??驚 渡部:15日間は本当に大変でした。チームの協力がなかったら、前に向いて進めないなと言う事が良くありました。グループの結束も、その分濃くなります。皆、すごく大変な想いをしている共通認識があるので、それがすごく大事な出会いになる様に思います。 6日間は、ちょっと忙しすぎて、いろいろと余裕がなかった気がします。 |
渡部氏はケース研修を2回受講! |
ケース研修以外での繋がりは |
用松:私は、女性ITCとのお付き合いは割と多い方なのではないかなと思います。昔ITC対策講座があって、そこでITCとはどういうものだというものを、試験を受ける前に何カ月も聞いていたということがありました。そこで一緒に学んだ方々とも今も繋がりがあります。 ITCで独立したときに最初の1年間は全く食べられなくて、何かしなきゃと思い、2006年にカンファレンスの実行委員をやりました。その時に「大田区の町工場を100社、みんなで回りましょう」という企画で先輩のITCの方、女性のITCの方とも知り合いになり企業さんを支援することがどんなものかを教えていただきました。深く付き合えるというのは、一度仕事なり、直接仕事でなくてもプロジェクトを一緒にやるのが一番かと思います。 |
ITCは一生の仕事になるか |
用松: 退職後もそれまで築いてきた人脈を生かしたいというお話をよく聞きます。 特に女性の場合、結婚や出産でキャリアが中断されてしまったりするのでネットワークやその相談も含めて全国にどんなITCがいらっしゃるのか、ITC自体を継続することで、何かしら交流する機会や接点ができ、何をやっているか何ができるか方かが分かる仕組みがあると「それじゃお願い出来ない?」みたいな、応用が利きやすいんじゃないかなと。 繋がりが、ただ単純に異業種交流会等でお会いした仲ではなくて、ITCを取っている、ケース研修を学んでいるという共有感があるのでそのベースの上で話ができるというのは大きいと思います。 |
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![]() 用松氏は退職後ITCとして独立したい方の お話を伺うことも多いそうです |
冨田:やっぱり、仕事がある無し、繋がるというのが一番で、女性・男性に関わらず、ITCで食べて行けるのかと話題になっていて、「絶対これだけじゃ無理!」という話が出ています。 そうしたら、やっぱり「ITC」の肩書がプラスに働く、「こんな仕事やってますよ」というのがみんな知りたいんだと思います。あんな風に子育てしてもやっていけるんだって、キャリアを継続する目標が経つと思います。要は食べられるITCが増えなきゃいけないんですよね・・・。 渡部:全体的な目標ですよね。 |
Webのお仕事について |
冨田:こんなにWeb系の支援を求めている人がいるのか!というのが、東商さんのWeb戦略パートナーの仕事をして思いました。私は元々基幹系でWebもやっていて、「わかりますよ」というところで行ったのですが、「こんなに仕事があるんだ」というぐらいにあるので。 一同:ほぉ~~~~ 冨田:SE系の方が多いので、Web系が出来るITCが少ないというお話しを聞いたのですが、女性だと話をしていて「ちょっと作って」となったときに、その後まで仕事を受けてもらえたりも出来るので、デザインとか。そっちの方が得意じゃないかな。そこにはもっとお仕事がいっぱいありそう。今、みんなWordPressとか持っているので、ちょっと勉強すると、誰か作ってもらう人に投げたとしても、構成を考えてあげないといけない。 そこにはやはり経営的な判断で、お客様に対してどういうアプローチをしたいのか、という所の話が必ず必要になります。 播磨:そうですよね。みんビズの活動もまさにそれ。Webで何かしかけるといったときに、ITCが支援してHPを作成した人と、ただHPを作りたくて作った人は、みんビズでは1年後の有料化で辞めてしまうと聞きました。 冨田:それは儲けるところまで行っていないからですよ。 |
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![]() 冨田氏はITCカンファレンス2013でも登壇されます。 |
播磨:まさにそれで、HPそのものが企業の紹介で終わってしまうから、ビジネスモデルとしての経営戦略をしないと、何を求めて、何を訴えて、その後どうするのか整理されていないで作られているから続かないんだよね。そういう所がまさにITCならではの視点があるから、発想、もしくは視点があるから支援が出来る。その差なんだと思うんだよね。 東京商工会議所 Web戦略パートナー http://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=14154 みんなのビジネスオンライン(通称みんビズ) https://www.itc.or.jp/minbiz/index.html |
女性ITCはどこにいるの |
冨田:ITCとして仕事をしている方にお会いしたのは、東商さんのWeb戦略パートナーでご一緒したことがあります。それ以外でも2,3名いましたが、東京はITCがたくさんいらっしゃると聞いているのに、あまり会わないです。 渡部:カンファレンスで見渡しても、女性を探すのはちょっとしんどい感じがありますよね。みんな来ないのかな・・・。必ず出て来られる方もいらっしゃるんですが。 冨田:一人知っていると、その方のお友達とお友達になれるのですが、最初の1人を知らないといつまでもお友達になれない。 我妻:福島はITCが少なくて、ITCふくしまの理事長が福島初の女性で取得された方なんですよ。ずっと一人だったんですが、その後私が取りまして、「初めて女性の方と会いました」という感じでした。ただ、女性のITCがいると「どういう仕事しているんだろう」とまず興味あります。本業がメインでITCの仕事って二の次。ITCだけで仕事している人ってどういうことやっているんだろう?とすごく興味がある。他の方と会いたいと思うのは、「ITC取ってどういうことやっているんだろう」って分からないから聞いてみたいなって。 渡部:始めに黒澤さんが仰ったように「結婚しても続けられるから」と聞いて、「はっ」としました。そういう目で見たことがなく、みんな色んな思いでITCになっているんだなって思いました。女性ITC同士で考える事って勉強になるなー。 播磨:継続出来る職種かどうかってこれから女性にとって重要だよね。ITコーディネータの仕事って、変わってくることもあるけど、ずっと継続出来るとしたら、女性にとってもフィットした職業になるんじゃないかな? 黒澤:私の周りにはあまりITCいないですね。社内に居ても結構上の方だったりします。実際、社内にいるとITCとして活動されている方には会ったことがありません。 |
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播磨:実際にITCとして活動するのは、どっちかというと独立系の方だよね。企業内の方だと部分は活用して行動していても、もともとの仕事が、ITCの資格を学んだ事により、プロセスややり方が変わるとか、ハイレベルな所が対応出来るようになったり、そういう意味では、あくまで会社の仕事という意味ではITCの仕事という当然意識はないよね。 用松:私は元々SEだったという部分がありますので、システム設計や導入をする中でITCの視点からもお客様と関わらせていただくというのが実情です。それはたぶん性別関係なく、独立系ITCの方は元々コンサルをされていた方は別として(純粋にITCというより)いろんな資格や技術を生かしてそれぞれの得意分野でビジネスされていると思います。 |
![]() 我妻氏の勤務先であるCSH様は 社会貢献にも積極的なんです。 |
企業内ITCついて |
用松:私の知っている企業内ITCの方はメリットがなかなか見えない。ケース研修を受けて何年か付き合い仲間はできたし、継続的にITCの資格を持っていなくても交流できるというのがあって、資格を更新しない方が結構います。何かしら、ITCを継続して持っていることで更に有益な人脈が広がるよとか、新しい情報が入ってくるね、みたいなものがあると良いと思うのですが。なかなかコレというのがないかもしれませんね。 黒澤:自分がITCでいることで何を得られるのかと言うのがよくわからないです・・。だた、最近、播磨さんお話しする機会があってちょっと活用できそうだなと思って来ました。それまでは、どうしたらいいのかもわからない状況でした。 播磨:大企業より地域のいろんなソリューションの方がいいものがたくさんあると思っている。それは、地域の方がシンプル。余計な機能がない。だから使う人も使いやすい。事例の情報でも、共有化するのは重要だと思う。業種毎とか・・・ 渡部:女性に限ったことでもないですけどね。 播磨:女性だからこその強みを発揮できるもの。失礼な言い方かも知れないけど、良く経営者は、男性が来ると「お前来なくていい」ってすぐ言うじゃない。 一同:苦笑 渡部:保険の外交のような(笑) 播磨:別に、女性だから出来ると言う簡単なものではないんだけど、女性は比較的ストレートに物を言うから、意外と経営者自身もどこか入りやすいんじゃないかな?男性は構えて行くので、いい雰囲気ではない状況だったら、自分達が言うべきことも考え過ぎてしまって言えないのではないかな。と思ったりもする。そういう事も含めて女性の強みの世界はきっとあると思っている。 渡部:私は企業内ITCですが、地域で企業さん相手にお話する機会もいただいています。最初は自信がなくて、どうお伝えしたら良いのかわかりませんでした。 |
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「これも修行」と振り返ると懐かしい思い出ですが、やはり最初の一歩は勇気がいりました。企業内での活動と、企業の一員だけど地域のためにお手伝いさせていただくのでは、気持ちの持ちようも違います。結局は自分がぶつかって解決していかないとしょうがない。女性だから入りやすいのとは全く逆の「女か」みたいな感じを受ける事もあると思います。ITCの先輩方のお声を聞いてみたいと思う事もあるんじゃないですか。「女子会」は、お悩み相談所だけだと前には進みませんが、意味合いをプラスしてテーマをもった検討の場であればよいのではないかと思います。 用松:何かしら作ってみるのも一つかも知れない。 |
![]() 黒澤氏は昨年ITCデビュー。 ITCは若い方もいらっしゃるんです。 |
以上、前編「ITコーディネータの仕事について」でした。 次回は後編「女性ITC同士の繋がりや、ITCのコミュニティについて」に続きます。お楽しみに! 後編はこちら |